ホレイショ・ホーンブロワー単語

ホレイショホーンブロワー
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ホレイショ・ホーンブロワーとは、セシルスコットフォレスター原作海洋小説「ホーンブロワーシリーズ」に登場する大英帝国海軍軍人。

概要

ナポレオン戦争時代を舞台とした海洋小説であるホーンブロワーシリーズの主人公物語当初は士官補生の身分であったが、持ち前の知略と、そしていくばくかの幸運によって海軍元帥バス勲爵士子爵にまで上り詰める。

日本では海洋小説不人気っぷりも相まって今一知名度がないが、欧においては非常に有名なキャラクターでありフォレスターし続編が書かれることのくなった現代においても様々な作品にまるで史実の人物であるかのように登場する。

なお、ファーストネームの「ホレイショ」はかの有名なネルソン提督ではなくハムレットの登場人物からの借用らしい。

経歴

1771年6月11日もしくは1776年7月4日ケント州の医師のもとに生まれる。亡命フランス人の家庭教師からフランス語数学(とダンス)を教わる。

17歳英国海軍に士官補生として入隊し、キーン艦長揮下のジャスティニアン号に配属されるが、そこで先輩士官補生と諍いになり、決闘騒ぎを起こす。それをきっかけにペリュー提督インディファティカブル号に転属となる。

この頃尉心得(士官補生と正式の尉の中間の様な身分)となり、尉への昇進試験を受けるが面接試験中極度の緊により簡単な問いにも答えられなくなってしまう。不合格間違いなしであり、不合格になれば尉心得の資格も剥奪されてしまうという状況だったがちょうど敵襲があり(港湾に停泊中の軍艦の中で試験は行われていた)試験官の艦長達の補佐を立にこなした為、「不合格ではあるが尉心得の資格は取り消さない」という処分を受ける。

その後、拿捕の回航指揮官として航中にスペイン艦隊に遭遇し捕虜となる。この捕虜生活中にスペイン語を習得し、また、戦功によって尉へ昇進した事を知る。

宣誓捕虜として過ごす日々の最中、合でスペインが難破するのを撃し、願い出て救助の揮を取る。この人命救助の功績と、機会があったにも関わらず宣誓を遵守し逃亡を図らなかった事が評価され、釈放される。

後、ソーヤー艦長の戦列艦レナウン号の五等尉になるが、カリブへの航中、正気を失った艦長に反乱の疑惑をかけられるが、直後艦長が「事故」により負傷し、揮をとれなくなった為事なきを得る。艦長が実質的に不在になったレナウン号の意思決定において重要な役割を担う事となったホーンブロワーは、スペインの要塞を化すると言う任務を事全うし、帰路において発生した捕虜の反乱にも見事に対処する。この功により尉艦長への昇進が内定するが、正式に認められる前に休戦協定がむすばれてしまった為昇進が取り消されてしまう。以降、時下で海軍の規模が縮小された為予備役となり苦しい生活を送るが、賭けホイスト(トランプを使ったカードゲームの一種)によって高官たちの知遇を得、丁度戦争が再燃しそうな兆しを見せていたこともあり、尉艦長にめて任官する。ちなみに、この時テンションが上がったホーンブロワーは賭けの資を援助してくれた下宿屋のマリアと勢いで婚約してしまう。

また、レナウン号時代に生涯の友となるブッシュと出会う。

マリア結婚し、スループ艦ホットスパー号の艦長となったホーンブロワーはブッシュを部下として獲得するとともにコーンウォリス提督揮下に入り、ブレスト港の監視任務に就く。その最中宣戦が布告されイギリスフランスは交戦状態になる。上にあったホーンブロワーはこの情報を知らなかったが、フランス艦の挙動から状況を察知し、奇襲を受けることなく撤退する。以降、フランス西海に対する上封鎖任務を続け、地上拠点の破壊などの戦功をたてる。

長くつらい封鎖作戦に従事した褒美として、コーンウォリスは彼を大な賞(当時の制度では敵艦や物資の拿捕に関わった将兵は戦果に応じた賞を貰えた)の期待出来る作戦に参加させてくれるが、その最中、作戦を失敗させかねないある危険に気付いたホーンブロワーは賞を得られる機会をふいにしてその危険に対処する事を選ぶ。結果、賞を得ることは出来なかったが、彼の行為に感銘を受けたコーンウォリスにより勅任艦長へ昇進させられる。

六等艦アトロポス号艦長として英雄ネルソン提督国葬揮を執った後、トルコ沿に赴きによって沈んだイギリスの軍資サルベージ作業を行う。

帰還後、五等艦リディア号の艦長に任命されたホーンブロワーはパナマにおけるスペインに関する反乱を支援する為太平洋へと派遣される。この任務の途上、有政治家であり軍人であるウェルズリー兄弟であるバーバラを保護する。最初は活動的なバーバラを敬遠するが、やがて聡明な彼女に落ちる。しかし、一介の艦長に過ぎずしかも妻子ある身であるホーンブロワーが名中の名であるバーバラ男女の仲になる事が出来るもなく、任務了と共に彼女とは別れる事になる。

三等艦サザランド号の艦長になったホーンブロワーは、自分の上官レイトン提督の妻となったバーバラに再会する。彼女人妻になった事にホーンブロワーは失望するが、一方でレイトンに自分を推薦したのはバーバラであるに違いなく、彼女の自分に対する思いは薄れていないという希望を持つ。

レイトン艦隊の一員として地中海派遣されたホーンブロワーはあまり優秀ではないレイトン提督に足を引っられながらも着々と戦功を重ねるが、単艦で航中にイギリスによる封鎖を突破したらしきフランスの小艦隊に遭遇する。戦的には圧倒的に不利であったが、中継艦を介した信号旗により線のかなたレイトン提督から交戦命を受け(念の為に付記するが、この命は正しい判断と評価されている)四対一の絶望的な戦いに突入する。結果、サザランド号は大破するものの敵艦に甚大な損を負わせる事に成功する。この戦闘ブッシュは片足を失い、彼と共にフランスの捕虜となる事になる。

フランスの捕虜となったホーンブロワーはナポレオンの命により「戦争犯罪人」として処刑されそうになるが、パリへの護送中ブッシュと兵卒のブラウンと共に脱走し、フランスの旧貴族グラセー伯に助けられたりその義理の未亡人マリーに落ちたりしながらもフランスを縦断、ナント港へとたどり着くと、係留中だったイギリスから拿捕されたウィッチオブエンダー号を再奪取し、英国へと帰還する。

この一連の行動英雄を欲していた英国政府によって奇跡の生還として祭り上げられ、ホーンブロワーは一躍英雄となりバス勲章ナイトグランドクロス海兵隊名誉大佐などの栄誉を得る。さらに、マリアが産褥熱で、レイトンが戦傷により死亡していたこともあり、政略的な必然性も重なってバーバラと再婚することになる。

戦隊官に昇進したホーンブロワーは六隻の軍艦を率いてロシアへと派遣され、バルトの制権奪取及びロシア帝国の対フランス戦争への勧誘とその支援を命じられる。その結果、ロシアフランスとの全面戦争踏み切り、ホーンブロワーはリガ攻防戦上から支援する事になり、そこでナポレオン敗北を知る。

戦功により男爵位を得たホーンブロワーは、作戦行動中に反乱を起こした軍艦の制圧を命じられ、セーヌ湾へと派遣される。反乱を鎮圧するに際して陸上の反ナポレオンと接触する機会を得たホーンブロワーは陸戦隊を揚陸、ル・アーブルを確保して対フランス橋頭保を手に入れる。本からル・アーブルの軍政官に任命されたホーンブロワーは、ナポレオン派遣した奪還部隊を撃退するが、その際の戦闘ブッシュが戦死してしまう。

ブッシュの死の衝撃から立ち直れないまま、終戦を迎え、フランス英雄として歓待を受けマリーと再会するが、その最中ナポレオンフランスに帰還し、追われる身となる。逃亡中にマリーを失い、さらには囚われの身となるが処刑される寸前、ナポレオンワーテルロー敗北しホーンブロワーは生還する。

その後、将官に昇り提督として西インド艦隊長官職などを歴任し、引退。現役を退くに際し元帥位を贈られる。

以後生地であるケント州の領地で余生を送るが、偶然ナポレオン3世の知遇を得る。この事がきっかけとなり現役復帰し、新たな冒険に乗り出す……というところで作者が死去してしまい、絶筆となっている。

バーバラとの間に子供は授からなかったが、マリアの忘れ形見が事成人し、陸軍士官となっている。

ファンによって作られた精巧な伝記が存在し、それによると子爵位を授かっているらしい。

能力

数学的才に秀で、それが如何なく発揮される航術にも非を示す。具体的には三ヶ間一切陸地を視する事く(つまり測航法のみで)ホーンからパナマへと到達できるほど。

術も均以上の腕前を持つが、艦長職を離れ艦隊揮を取ることが多くなったシリーズ後半ではやや錆びついているようだ。

指揮官としては大局的な視点での行動を得意とし、戦略的な戦果を的とした行動を好む。また、戦術・戦闘においては前述の数学を生かした理詰めの作戦を取る。

学にも優れ、である英語の他にスペイン語フランス語を話し、またラテン語の素養もある。

一方で音楽的な才は絶で自国歌を聞いても摘されなければ気付かないほど。海軍士官でありながらにも弱く、酔いに苦しむシーン物語冒頭のお約束となっている(もっとも、ネルソン提督を始めとして酔いをする海軍軍人は歴史それなりに存在するが)。

また、武人としての体的や勇敢さには欠けており、戦闘中など恐怖に襲われた時は「士官が怯えていては士気に関わる」という「計算」と、臆病者だと思われたくないという見栄でなんとか耐えている。

性格

本質的にはおしゃべりな見栄っり。

だが、揮を取る立場となって以降は「指揮官は部下から畏怖されるべきである」という信念に基づき、寡黙で冷厳な人間を装っている。

予想外の出来事をさも計算づくのように振る舞い部下から尊敬の視線を向けられて内心ニヤついたり、突発的な出来事に思わずを忘れて奮してしまい慌てて取り繕ったりとキャラ造りに余念がない。

一方で、周囲の人間が持て囃す虚像の「ホーンブロワー提督」と現実の自分のギャップに落ち込んだりもする。

趣味ホイスト。作中でもプレイしている場面が度々登場し、重要なターニングポイントになることも多い。

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ホレイショ・ホーンブロワー

1 ななしのよっしん
2020/01/05(日) 00:49:17 ID: +NT+gkjprH
ページはあるのに何にもコメントないのか…かなりショック
やっぱり日本では海洋冒険小説とかって不人気なんだろうか、マスターアンド・コマンダーとして映画化したオーブリーともども面いのに
帆船大好き

TVドラマ版よかったなぁ、今でも色あせない
序盤しか描かれなかったのは残念だが、あのクオリティ製作し続けるのは難しいだろうからしょうがないか…数年後ってかたちでグレゴリー・ペック版の映画にも繋げられるし
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