ホンダ・アクティとは、本田技研工業(ホンダ)で1977年から製造している軽トラック&1BOXバンである。英語表記では“ACTY”。
概要
アクティの車名の由来は、英語の「ACTIVE(活動的な)」からの造語。”仕事にレジャーに、いつもキビキビ働いてくれる車”というところから名付けられる。
歴代モデルの特徴としては、エンジンが車体の中心にあるミッドシップ方式を採用している。エンジンを荷台下に横置きとし、駆動はトランスアクスル方式である。これに、現代では珍しいド・ディオン式サスペンションを組み合わせるという、ユニークかつ合理的な構成である。
他社の軽トラックが軒並み貨物車で一般的なラダーフレームを採用するのに対し、本車はモノコック構造である。
また、四輪駆動仕様車も一般的なパートタイム方式ではなく、リアルタイム4WDと呼ぶスタンバイ式を採用している。
ミドシップかつ軽トラックとしてはハイギアードなそのキャラクターから、農道のフェラーリなどとも呼ばれ親しまれてきた。
初代・(1977年~1988年)
1977年にトラックが登場。今までホンダが製造していた軽トラックシリーズのTNシリーズの後継として登場しているので、”TNアクティ”の名称で登場する。アクティは、排気量が550ccになってから初めて登場したモデルである。1978年にバンも登場。
1981年に乗用仕様を想定したグレード・ストリートが登場し、1982年にマイナーチェンジを行い、AT車が登場し、トラックに室内が広いキングキャブが登場し、キングキャブのみ5速マニュアルが搭載される。
1983年に4WD仕様が登場。発売当初は世界でも珍しいミッドシップ4WDとして話題を呼んだ。同時に4WD仕様は、クラス初のフロントディスクブレーキが標準装備となる。1984年にクラス唯一の当時クラス唯一の4WDのAT車が追加される。
1985年にビックマイナーチェンジを行い、フロントバンパーが大型化されエアコンがオプション設定される。2WD車も全車フロントディスクブレーキ(ただし10インチ)化。
二代目・(1988年~1999年)
1988年に初のモデルチェンジ。エンジンが2気筒から3気筒となる。当時唯一の4WDのAT車が廃止され、この世代のアクティには4WDのAT車が存在しない。
1990年にマイナーチェンジ。軽新規格へ移行し、全長が100mm延長され、排気量が660ccになり、出力が38PSに向上した。ヘッドランプは丸目からストリートと同様の異形に変更された。 1991年にはトラックにオーナー仕様グレードの「タウン」が登場。タコメーターやカセットデッキが標準装備となる。同時に中間グレードの「SDX」のマニュアル車は4速から5速化をする。
1994年にマイナーチェンジ。ラジオのチューナーが電子式となると同時に、後輪をもうひとつ増やし、ゴムのクローラーを取り付けた「アクティ・クローラー」が登場する。これは、伝説の軽トラックとして知られている。同時にエアコンの冷媒を代替フロンタイプに変更。
1996年にマイナーチェンジ。バンにパワーステアリングを採用、フロントターンシグナルランプをオレンジからクリアータイプに変更となる。
マニアに人気なのか、未だにこの車種だけを集めて販売している中古車屋がまれにある。
三代目(バンのみ1999年~ トラックは1999年~2009年)
1999年にモデルチェンジ。トラックは5月、バンは6月に登場する。このモデルは、今までのキャブオーバー方式からセミキャブオーバー方式に変更となり、衝突安全性能は高くなったが、クラッシャブルゾーンに寸法を割りすぎたせいか、ライバルと比べ荷台長が短く不評だった。ライバルに比べ高めの値段設定、バンでリアシートを格納するとシートスライドが出来なくなる、トラックは室内が狭いなどにより、乗用仕様のバモスと裏腹に販売面では苦戦している。エンジンはこの代で電子制御のPGM-FI化がされる。
2000年にバンパーとフロントグリル、キャビンの寸法を削り、その分を荷台長に割り当てる変更を行ったがトラックの車内はさらに狭くなった。
2001年のマイナーチェンジでバンは全グレードにエアコンが標準装備化がされる。
2005年と2007年に装備充実等の一部改良が行われている。
2009年12月にトラックのみモデルチェンジ。バンは継続生産。
四代目(トラックのみ2009年~)
2009年12月にトラックのみ10年ぶりのモデルチェンジ。スタイリングも二代目モデルを正常進化をさせた形となるフルキャブオーバー方式へと変更となり、先代モデルのウィークポイントであったキャビンの居住性と小回り性能が大幅に向上となった。また全グレードに電動式パワーステアリングが標準装備となった。
先代モデルで他社にシェアを取られたので気合の入ったモデルチェンジとなったが、先代モデルでOP選択できたABSは設定が外された。また他社にある4WD+ATの組み合わせはこの代でも2010年1月現在設定されていない。
2010年12月に一部改良。ボディカラーにシルバーがOPとして選択ができるようになり、ABSもOPとして再設定された。
構造的な面から来るコスト差から他社製品との価格競争に勝てず販売不振が続いており、2021年6月をもって生産を終了することがメーカーから公式に発表された。後継車種については、2020年4月現在情報はない。
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