ホンダ・プレリュードとは、ホンダが1978年~2001年に生産をしていたクーペ型の乗用車である。
概要
車名の由来は、音楽用語の「前奏曲」(Prelude)から。1978年に発足をしたベルノ店(2006年に消滅)扱いの専用車種であり、1990年に NSXが登場をするまでは、ベルノ店扱いのフラッグシップでもあった。 初代モデルが登場をした当時は、アコードよりも値段が高価であったために日本初の電動サンルーフを採用をするなど、先進技術を投入をする。そのため歴代モデルが登場をするたびに日本車初装備を投入をするのがお約束となっていた。
初代モデルがヒットをして以後は、スペシャリティーカーのとして地位を確立し、二代目と三代目モデルはも大ヒットモデルとなった。 ただ、四代目モデルが登場以後はRV車がブームとなり、人気も下火となり2001年にモデル廃止となった。
歴代共通なのは、駆動方式がFFであるが、三代目に量産乗用車では世界初となる4WSを起用している。三代目はシンプルな構造の機械式で 四代目と五代目には電子制御式となる。
初代(1978年~1982年)
1978年に登場。2ドアクーペ専用モデルとして登場。初代モデルは国内よりも海外での販売が好調であった。 エンジンはガソリンの1800㏄のみとなる。駆動方式はFFとなるが、ベースとなったアコードよりもボディ剛性を高くした。 またハンドリングにも力を入れ、当時の車種の中では足回りの評価は高い。 ミッションは5速MTと当時のホンダ車が採用をしていた独自のATのホンダマチックを採用していた。 また、廉価グレードを除く殆どのグレードに、日本初の電動サンルーフを標準装備となった。メーターは視認性を高めるためにスピードメーターとタコメーターが同心となった「集中ターゲットメーター」が標準装備となっていた。
1980年にマイナーチェンジ。エンジンがパワーアップ化がされ、電動サンルーフは初期では鉄板であったが、ガラス式に変更された。 アメリカ仕様は「集中ターゲットメーター」の評判が悪かったので、通常のスピードメーターとタコメーターが分離をしている タイプに変更される。
1981年にマイナーチェンジ。インパネの形状を変更等の大幅な変更となった。
イメージキャラクターは存在をしていないが、前期型のみ音楽をロックバンド・ゴダイゴの楽曲を採用をしていた。またアメリカ仕様はセクレタリーカー(秘書のクルマ)と呼ばれヒットを飛ばした。
二代目(1982年~1987年)
1982年に初のモデルチェンジ。車高を先代モデルよりも低くし、ワイパーに、他社のクーペが採用していた 1アーム・シングルワイパーを適用するなど、当時としては斬新なデザインが女性にも好評で、運転席側にも助手席リクライニングノブがついており「デートカー」という言葉を生み出した。また、ヘッドランプには1980年代の ホンダ車に採用をされる格納式のヘッドランプのリトラクタブル・ヘッドライトを最初に起用をしたのも二代目プレリュードであった。 また日本初の四輪ABSを上級グレードにメーカーオプション設定をしたのも二代目プレリュードであった。
エンジンは1800㏄のガソリン仕様で、先代よりもパワーアップ化がされた。ミッションは5速MTと普通の4速ATとなった。
1985年にマイナーチェンジ。最上級グレードの位置づけで2000㏄車が登場。
この型は前記の通り「デートカー」という言葉を生み出し、歴代モデルの中で大ヒットをしたモデルとして知られる。 また、CM曲にはフランスの作曲家モーリス・ラヴェルが1928年に作曲したバレエ音楽『ボレロ』を採用し、モデル末期まで採用 された。またこの型が登場当時は若者に大人気だったバラエティ番組『オレたちひょうきん族』はホンダが番組スポンサーだったのも ヒットをした理由とされる。
三代目(1987年~1991年)
1997年にモデルチェンジ。大ヒットをした先代モデルの雰囲気を残しつつ、さらに車高を低くした。エンジンも2000㏄のみとなった。またこの代で量産乗用車では世界初となる、機械式4WSが搭載されている。この4WSが起用されたことにより小回り性能が非装着車と比較をして、小回り性能が向上をした。
1989年にマイナーチェンジ。バリエーションに格納式のヘッドランプのリトラクタブル・ヘッドライト以外の通常の固定式ヘッドランプを 起用をしたモデルも登場。
1990年に限定販売で、アメリカ仕様の2100㏄エンジンを搭載をしたグレード、ステイツが登場をしている。
当初は先代モデルと同じ販売台数を誇っていたが、1988年に日産から五代目シルビアが登場をすると、デートカーの座から転落をする。4WSを全面に起用をしたCMつくりもしていた。
四代目(1991年~1996年)
1991年にモデルチェンジ。先代モデルとは打って変わってスペシャルティクーペからスポーツクーペへと変化した。ボディも過去の5ナンバー サイズ幅から3ナンバー幅となった。エンジンも2200㏄へのパワーアップがされ、VTEC付きと通常のDOHCに二種類が用意された。スタイリングも個性が強いデザインとなり、4WSも先代の機械式から電子制御式へと変更された。
1993年にマイナーチェンジ。サンルーフをOP設定とし、両席エアバックやABSの安全装備がOP設定で用意された。 またアクの強かったフロントデザインを変更となった。
この代が登場をした1991年以後は、この手のスペシャリティーカーの市場が縮小をしたのと、ボディが大型化がされたことにより、従来のプレリュードを乗り継いだお客が逃げてしまうという事態に発展した。
イメージキャラクターを唯一設定され、F1ドライバーのアイルトン・セナを起用をした。そのため走りを全面に押し出したモデルとも言える。
五代目(1996年~2001年)
1996年にモデルチェンジ。先代モデルの反省点から三代目までの路線である、スペシャリティクーペに路線変更をされる。デザインも 万人向けなデザインとなる。メカニズムは左右駆動力分配システム・ATTSを採用。またATもシーケンシャルタイプにされる。 エンジンは2200㏄で、OHC、DOHC、DOHCのVTEC付きの三種類が用意された。
2001年にこの手のスペシャリティカーの市場縮小により、モデル廃止となった。
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