ホーリーナイトメア社(HOLY NIGHTMARE)とは、テレビアニメ『星のカービィ』(アニメカービィ)に登場する架空の企業である。
概要
全宇宙の支配を目論むナイトメア(カービィ)が会長を務める悪の企業。カービィを苦しめる魔獣をデデデ大王を通して送り込む。第93話「カービィ感謝の日!」にて、デデデが「わしに逆らうと株主総会で騒いでやるゾイ!」と言っていた事から、ホーリーナイトメア社は株式会社のようである。
宇宙規模の販路と規模を有する大企業であり、各所に点在する惑星の大物を相手に商売をする。デデデ大王もその顧客の一人。主力商品はナイトメアが生み出した多種多様な魔獣で、顧客が求める用途に応じて適宜販売している。魔獣の多くは戦闘能力に長けた凶暴なものだが、中には専門性に特化した戦闘能力皆無な魔獣もあり、幅広いニーズに応えられるようになっている。また魔獣に限らず学校の教材・資材、家電製品、ロボットなども取り扱っており、多角経営を行っている節が窺える。ナイトメア社との取り引きには特殊な転送装置デリバリーシステムを使用。このデリバリーシステムはナイトメア社から購入した商品を受け取るためのものであり、遠い宇宙の彼方であっても僅か数十秒で商品を転送出来る高性能を持つ。またシステムは独自なネットワークで繋がっているらしくデリバリーシステムがある惑星同士であれば移動も可能。しかしシステムはナイトメア社からも遠隔操作出来、顧客が知らないうちに魔獣を送り込まれるという危険性も孕んでいる。魔獣ではないオタキングがナイトメア社から送られてきたり、チップ先生のような一般人が契約を結んで「契約魔獣」になる制度が存在するなど魔獣以外の人材も取り扱っている様子。
魔獣1体の平均価格は不明だが何体かは価格が判明している。安物と言われたサスケが980デデン、カスタマーサービスが激安商品と謳った魔獣キッタリハッタリが3980万デデン、甲殻魔獣エビゾウが1億デデンとなっている。各種割り引きサービスはあるようだが一般人には中々手が出せない金額である。ちなみに緊急時に魔獣を要求すると特急料金が加算される。
悪の企業だけあって企業態度はかなり悪辣。デデデに飛ぶ事しか能が無いローラを二つに分けて売りつけたり、クーリングオフは一時間以内(参考までに日本の現行法では一週間)というトンデモない契約だったり、代金の取り立てに幽霊を使ってデデデを脅したり、送り込んだ魔獣に宝石類を盗ませるなど鬼畜。ただしデデデもデデデで魔獣の代金を踏み倒し続けるモンスター客であり、取り立てが強引なものになるのも仕方が無いと言える。また次世代の星の戦士カービィがポップスターに流れ着いてからはデデデの要求に応じて強力な魔獣を送り始めた。デデデにハッキングされてファイヤーライオンを無断でダウンロードされたり、映画を電波ジャックされた所を見るにサイバー攻撃に脆弱なようだ。
ナイトメア大要塞を本拠地とし、星組・花組・月組・雪組という宝塚そっくりの四班体制で多彩な魔獣を育て上げ、デリバリーシステム(転送装置)を介して顧客へと売る。デデデ大王も客の一人である。しかし必ずしもデリバリーシステムを通して魔獣を送る訳ではないようだ。魔獣販売が主だが、魔獣ではないオタキングや料理のレシピ本、学校の教材・資材を送ったりしているところを見ると多角経営をしている模様。子会社(?)も複数存在し、ナイトメア社環境美容グループの子会社に協力すると料金が割引される他、ナイトメアツーリストという旅行を専門とする部門も存在し、観光スポットをミシュランのように☆で評価して好印象のスポットにお墨付きを与える。他にも作画崩壊アニメ「星のデデデ」を全宇宙に放映したナイトメアネットワーク、ナイトメアアパレル、ナイトメア出版も存在する。
基本的にホーリーナイトメア社の魔獣は悪役で、カービィやその仲間に退治されるのが毎度のお約束だが、中には凶暴性の無い魔獣(ファンファンなど)がいたり、特に悪い事をしていないどころかブンの虫歯を無料で治療するという善行をしたにも関わらずトルネードカービィに退治されたデンタル魔獣ハーデーといった無害な魔獣もいる。余談だが魔獣には喋れる者と喋れない者がいる。
銀河大戦時、ナイトメア社は魔獣とともに2種類の戦闘艦を用いていた。しかし大戦から数万年が経過したカービィの世代では、1隻たりともその姿が見えず、代わりにデスタライヤーが戦闘艦の役割を担っていた。数万年前だけあって全て退役したと思われる。またデデデが不法投棄したゴミを運搬した輸送船も保有しており、各惑星を巡っているところを見るに航続距離は長大と推測される。
社歴
聖なる悪夢という企業名の下、ナイトメアウィザードが会長となって数万年前に創設したのが全ての始まりであった。ナイトメアは全宇宙の支配を企み、自身が生み出した魔獣を数々の惑星に魔獣を送り込んで侵略。その版図を拡大し続けていた。
しかし、自由を愛する者たちで結成された星の戦士団が挙兵し銀河大戦が勃発。宇宙を巻き込んだ戦争が生起した。戦場となった各惑星は荒れ果て、当時ソードナイトとブレイドナイトは盗賊に身を落としてまで飢えを凌いでいた。星の戦士団との戦闘で多くの魔獣を失ったが、ナイトメアは損害以上の魔獣を生み出して対抗。また星の戦士団一の剣士ガールードを葬り、指折りの実力者だったナックルジョーの父親を洗脳してキャンプを襲撃させたり、強力な存在だった忍者軍団を寝返らせるなど多方面から揺さぶりをかけた。戦士の乗り物だったエアライドマシンもこの時に強奪、ナイトメア社の戦力としている。
ついに星の戦士団は膝を折り、ナイトメア社は戦争に勝利。戦士団の指導者的立場にあったメタナイトは満身創痍のまま宇宙を彷徨う事になる。「生き残ったのは私だけだった」とメタナイトは語っていたが、実際は壊滅した訳ではなく、残党が各惑星に潜伏して決起の時を待っていた。中には戦争が終わった事を知らずに単身戦いを続ける老兵ことダコーニョもいた。戦争に勝利した事で全宇宙の支配に王手を掛けるかに見えたナイトメア社であったが、支配に欠かせない宝剣ギャラクシアをメタナイトが持っていたため達成を目前にして難航。また次世代の若い星の戦士が生まれ始めており、抵抗の芽は至る所で芽吹いていた。
そこで魔獣を販売する形で各惑星に魔獣を送り込み、星の戦士撃滅を目論む。若い星の戦士カービィがポップスターに流れ着いた事を知るや、デデデを通して数々の魔獣を送り込んで抹殺を図る。
ナイトメア大要塞
企業帝国の中核を成す、ナイトメア社の本社であり難攻不落の要塞。ここでナイトメアが魔獣を生み出し、顧客に売っている。その巨大さは円盤兵器デスタライヤーが豆粒のように見えるほど。
ナイトメア大要塞の周囲には大量に配備されたデスタライヤーが睨みを利かせており、要塞内部にもデスタライヤーが配備されている。また要塞の外部壁面には無数の対空砲座が備え付けられ、デスタライヤーとともに侵入者を迎撃。その激しい砲火は、ハルバードのシールドを破壊した。よしんば迎撃を掻い潜り要塞内部へ侵入できても、自動防御システムによるビーム攻撃が四方八方から襲い掛かり、たとえビームが届かない場所へ隠れてもエアライドマシンに乗ったデビルライダーの小隊が攻撃しに来るという隙の無い迎撃体制が組み立てられている。この迎撃体制を担っているのはカスタマーサービス。緻密な防御システムに絡め取られ、ハルバードは撃沈されている。
大要塞は惑星にも匹敵する大きさを持っているため、移動用に高速で機動するリフトが幾つか用意されている。カスタマー曰く大要塞は軍事施設で、会社でありながら私設の軍隊も内包しているようだ。要塞内部にはナイトメアの私室があり、そこで魔獣を生み出している。
強力な迎撃体制を持つ一方で、実は内部からの攻撃には滅法弱い。中央の司令部に設置した爆弾が起爆しただけで大要塞全体が爆発の炎に包まれ、陥落するという脆弱さを見せてしまった。
小話
余談だが、「ワドルディ売ります」の回で表示された、デデデの未払い料金の総額は1170411246413708686デデンという途方も無いほどのものだった。物語中盤でこの金額なので終盤では更に加算されていると思われる。
もはや国体どころか惑星ごと崩壊してもおかしくない程の請求額である。にも関わらずホーリーナイトメア社の取り立ては幽霊を使った脅しや貴金属類の盗み出し程度に留まっており、デデデへの危害は加えていない。ナイトメア社の懐の大きさが窺える。代金の未払いが目立つデデデだが、1話で登場した魔獣オクタコンの代金は払っている他、リョウリガーZの部品も(村人に支払わせる形で)会計を済ませていると思われる。
また歳末の商戦では不況風に見舞われ、さすがのホーリーナイトメア社も苦戦。カスタマーサービスもノルマを達成しないとクビという瀬戸際に立たされた。が、デデデが高額商品を買ってくれたおかげでクビは免れた。しかし代金は未払い。こういった恩が背景にあるためデデデに対する過剰な取り立ては行わない……のかもしれない。
関連項目
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