ボルドグフーシュ(英: Boldog Hos)とは、2019年生まれの日本の競走馬である。
ボルドグフーシュ Boldog Hos![]() |
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生年月日 | 2019年3月23日 | 性・毛色 | 牡・栗毛 | ||
父 | スクリーンヒーロー![]() |
馬種 | サラブレッド | ||
母 | ボルドグザグ![]() |
馬主 | 社台RH | ||
母父 | Layman ![]() |
調教師 | 宮本博 (![]() |
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馬名意味 | 「幸せな」+「英雄」(ハンガリー語) | 生産者 | 社台ファーム (![]() |
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戦績 | 10戦3勝[3-2-3-2] | ||||
主な勝鞍 | 2022年: | 一宮特別(2勝クラス) |
概要
父は怪物*グラスワンダー産駒にして自身もジャパンカップを制し、種牡馬としてもモーリスやゴールドアクターなどのGI馬を輩出した名種牡馬。
母はフランスでGIIIを含む3戦3勝の成績を上げた馬。社台ファームに購入されて7頭の仔を産んだが活躍馬は出ず、現在は日高にて引き続き繁殖牝馬を務めている。本馬は社台時代に生まれた最後の子である。
母父は*サンデーサイレンス産駒で、スプリント~マイル路線でGIII2勝を含む3勝を挙げ、GI2着になったこともある馬。
スクリーンヒーローはスクリーンヒーローで母父に*サンデーサイレンスを持つため、SSの3×3というなかなかに濃いインブリード持ちである。
戦歴
2歳(2021年)
10月に当年デビューの小沢大仁騎手を迎えて阪神の新馬戦(芝2000m)にてデビューするが3ケタに届こうかというオッズの11番人気と低評価。ちなみに1番人気は5億円ホースショウナンアデイブであった。レースでも思いっきり出遅れて直線で最後方。最後は上がり3位タイの末脚で追いかけるが6着まで。ちなみに1着はローズステークスを制したアートハウスであった。
中2週で未勝利戦(阪神・芝2000m)に出走。鞍上はベテランの松田大作騎手に乗り替わり。人気はそこそこ上がって5番人気(でもオッズは20倍台)。1番人気はまた顔を合わせたショウナンアデイブ。レースはまたしても出遅れ、そして新馬戦より早く4角から進出開始。やや外に膨れながら直線に入ると大外一気の末脚が炸裂。先頭を行くメイショウジブリとそれを捉えようとするショウナンアデイブをまとめてぶち抜き、2馬身半差をつけての快勝となった。
3戦目は12月、数多くの名馬が参戦してきたエリカ賞(1勝クラス・阪神芝2000m)。3度目の阪神芝2000m、そして3度目の出遅れ。直線では過去2戦ほどの末脚はなく7着止まり。
3歳(2022年)
上半期
年明け早々に中京2000mより始動。そしてまた出負け。直線では後方から前を行くグランディアとマテンロウスカイを猛追するが1馬身届かず3着。しかし4位以下は7馬身ちぎっており抜けた実力なのは明らかだった。
次走は3月のゆきやなぎ賞(1勝クラス・阪神2400m)。距離延長もあってか2番人気の支持を集めた。そしてレースはいつもよりはいい出足を見せると、直線で再び末脚が炸裂。ハイコーストが内ラチに激突(頸椎脱臼で予後不良)するアクシデントがあった中、大外から全馬抜き去って2勝目を手にする。
賞金的には皐月賞も出走可能だったが、末脚勝負を挑むには不利と見たかパスしてダービートライアルの京都新聞杯(GII)に出走。しかしスタートで横にいたリアドがよれてきてぶつかってしまい、またしても最後方から。例によって出遅れ気味ではあったが。道中は接触を避けて最後方を進み、最終直線でいつも通り大外から進出を開始。先を行く馬を次々とかわしていくが位置取りの差か前を行くアスクワイルドモアとヴェローナシチーに届かず3着まで。ダービーの優先出走権は惜しくもつかみ損ねた(そして賞金不足で抽選対象にもならず)が、後続は2馬身半離しておりその実力は見せられたといえよう。
この年の4走目は松山弘平騎手に乗り替わり、ダービー翌週の一宮特別(2勝クラス・中京芝2200m)。ここでは1.2倍の圧倒的1番人気を受け、いつも通り大外から全馬差し切って3勝目を挙げる。
下半期
始動は菊花賞トライアル神戸新聞杯(GII)から。この年の神戸新聞杯はというと、
- ダービー馬ドウデュースは凱旋門賞へ
- 皐月賞馬ジオグリフ、皐月ダービー2着馬イクイノックス、皐月ダービー4着馬ダノンベルーガは天皇賞(秋)へ
- ダービー3着馬アスクビクターモア、いろんな意味で有名なオニャンコポンは美浦の馬のためセントライト記念より始動
と春のクラシック戦線の主役メンバーがほとんどおらず(一応青葉賞馬でダービー5着のプラダリアはいる)、夏の上がり馬パラレルヴィジョンが1番人気になる手薄な状態。そんな中吉田隼人騎手に乗り替わった本馬は4番人気を背負う。
スタートはやや出負けして最後方へ。3角から仕掛け始めて直線で前の馬たちに襲い掛かったが、前々で立ち回ったジャスティンパレスを捉えられず、内を突いたヤマニンゼストにも最後抜け出されて3着。それでもしっかりと優先出走権を確保して見せた。
菊花賞 ~勝者 vs 英雄~
そして菊花賞。1番人気はセントライト記念を制したガイアフォースだが3.5倍と割れたオッズの中、本馬は7番人気ながら11.1倍。間違いなく大外から伸びてくる末脚が期待されてのものであろう。
レースがスタートするとセイウンハーデスが1000mを58秒7というハイペースで一気に飛ばしていき、それをアスクビクターモアが離れた2番手で追う展開。そんな中五分にスタートを出た本馬はすっと後ろに下げて中団後方に取り付く。勝負どころの第4コーナー、早くも仕掛けたアスクビクターモアがセイウンハーデスを交わし後続に対して4馬身のリードを取って直線に入る。そのアスクビクターモアを差し切らんとする2頭。いつも通り大外を回してきたボルドグフーシュと、中段前目で立ち回ってきたジャスティンパレスである。内で1番人気のガイアフォースが伸びを欠く中、馬体を併せて叩き合いながら先頭で粘るアスクビクターモアを猛追。そしてジャスティンパレスを半馬身競り落とし、アスクビクターモアに並びかけたところがゴール板であった。
勢いは間違いなくボルドグフーシュであったが、写真判定の結果ハナ差アスクビクターモアが粘り切っていた。惜しくもGI勝利は逃す形となったが、セイウンハーデスとアスクビクターモアが作り出したハイペースの結果、タイムは3分2秒4!前年のタイトルホルダーが叩きだしたタイムを2秒以上上回るどころか、2001年の阪神大賞典でナリタトップロードが叩きだしたコースレコードすら上回る出色のタイムであった。
有馬記念 ~ファイナル福永とともに~
次走は放牧を挟んで年末の祭典・有馬記念を目指すことが11月14日に発表。ファン投票の結果は全体33位、出走表明した中では9位で無事出走が決定。(まあ3勝+菊花賞2着で賞金は十分だし、どのみち登録が16頭なので全員確定だったが)
鞍上は吉田隼人がポタジェに乗るため、12月7日に福永祐一に決まった。
……そしてその翌日JRA調教師試験の合格者が発表され、その中に福永祐一の名があった。JRAの規定で騎手と調教師の兼任は禁止となっているため、23年2月いっぱいでの騎手引退が決定。必然的に今回が最後の有馬記念となった。
今や親の七光りを超え、押しも押されもしない一流ジョッキーとなった祐一騎手だが、実はこの時点で有馬記念は過去13度挑みながらトゥザグローリーの3着(2011)が最高成績と、1度も制覇していないのである。しかも中央競馬の8大競争(皐月賞・日本ダービー・菊花賞・桜花賞・優駿牝馬・天皇賞(春)・天皇賞(秋)・有馬記念)のうち本レース以外の7つはすべて制覇しているため、ラスト有馬を勝てれば史上4人目の8大競争完全制覇を達成することになる。その相棒に本馬は選ばれたのであった。
公開枠順抽選会ではファイナル福永祐一騎手の手によって2枠3番という内枠を引き当て、「よっしゃ!」の声も祐一騎手・宮本調教師から挙がった。名手最後の舞台、本馬は最高のフィナーレをもたらすことができるだろうか。
当日は単勝6番人気。実績はやや薄いながら、前走のレースぶりと内枠が相まって穴候補の筆頭格としてなかなかの人気を集めた。
迎えた本番、ゲートはそれなりだったが二の脚がつかず、出遅れたエリザベス女王杯馬ジェラルディーナより後ろのシンガリ2番手。1000m61秒2のスローペースではあったが鞍上の祐一は後方で待機。そして前にいた同期の秋天覇者イクイノックスが早めに動いたとみるや3角手前からロングスパートを仕掛け、大外を捲り上げてイクイノックスの背後につけて直線に突入。一気に先行馬を斬って捨てた・・・のだが、前ではイクイノックスがレベルの違う末脚で飛んでいってしまっていた。祐一も必死にゲキを飛ばしたが全く追いつけず、最後は2馬身半差をつけられ完敗。しかし早仕掛けながら上がり最速の35秒2という鬼脚で後続を寄せ付けず、3着ジェラルディーナに1馬身半差をつけて単独2着。祐一は八大競走完全制覇こそならなかったが最後の最後まで自分の仕事を果たし、「長くいい脚を使ってくれた。来年は主役を張れる馬」と太鼓判を押した。
4歳(2023年)
年が明け4歳春は3月の阪神大賞典から始動。引退した福永に代わり川田将雅が鞍上となった。
当日オッズはジャスティンパレス、阪神大賞典三連覇に挑むディープボンドとの三強状態となっていたが、他の2頭よりも斤量が軽い56kgだったこともあり、1番人気に推された。
レースは先頭を走るアフリカンゴールドに対し、外からディープボンドと共に仕掛ける形となった。最後の直線、逃げにアフリカンゴールドを追う三強であったが、インコースでレースを進めてきたジャスティンパレスが残り200mから伸びて先頭に立つ。これに追いかけるも、アフリカンゴールドを捉えたところでゴール。結果はジャスティンパレスに1と3/4馬身差の2着となった。
次走の天皇賞(春)では再戦となるジャスティンパレスに加え、日経賞を経て新装京都競馬場に挑むアスクビクターモア、タイトルホルダーという2頭の菊花賞馬、昨年の空馬2着を経て国内外で重賞を勝ち本番を迎えるシルヴァーソニックらとの対決になる模様。未だ勝ち鞍が2勝クラスの一宮特別という同馬だが、決戦の舞台で2勝馬からの脱却を図りたい所である。
血統表
スクリーンヒーロー 2004 栗毛 |
*グラスワンダー 1995 栗毛 |
Silver Hawk | Roberto |
Gris Vitesse | |||
Ameriflora | Danzig | ||
Graceful Touch | |||
ランニングヒロイン 1993 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | |||
ダイナアクトレス | *ノーザンテースト | ||
モデルスポート | |||
*ボルドグザグ 2009 芦毛 FNo.16-b |
Layman 2002 栗毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ライール | Nureyev | ||
Alydaress | |||
Belga Wood 1996 芦毛 |
Woodman | Mr. Prospector | |
プレイメイト | |||
Madame Belga | Al Nasr | ||
Belga |
クロス: サンデーサイレンス 3×3(25%)、Hail to Reason 5×5×5(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
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