ボロディン(銀河英雄伝説)単語

ボロディン
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ボロディンBorodin)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。

CV.池田勝石黒監督版)、木村雅史Die Neue These

概要

宇宙796年8月時、自由惑星同盟軍第12艦隊官、中将。最終階級は元帥自決後特進)。
しばしば第一〇艦隊ウランフ中将と並び称される、充分に円熟した用兵とされる。

石黒監督OVAにおける旗艦は<ペルーン>。クリーム色で短めの紳士然とした貌に設定される。
Die Neue These」における旗艦は<ケルヌンノス>。褐色襟首でまとめ、同色のを蓄えた貌。

経歴

宇宙794年、第12艦隊を揮してヴァンフリート域会戦に参加。
ヴァンフリート4=2周辺で帝国隊と戦闘に突入した第5艦隊の援護としてその後方に展開するも、形再編中に更に後方から駆けつけた味方によって狭い宙域内で身動きがとれなくなり帝国軍ともども乱戦にもつれ込む結果となった。

ちなみに、石黒監督OVA外伝「千億の、千億の」ではこの時、駆けつけたのは第8艦隊であるとディスプレイスクリーンに表示されているが、この第8艦隊、官含め他のシーンで一切登場しておらず、また既に第5、第6、第12の三個艦隊が明示的に参加していること(同盟軍は三個艦隊での動員が多い)、OVAでの第8艦隊は次の第六次イゼルローン要塞攻防戦にも明確に参加していることなど、色々とこの戦いでの存在が怪しい。

宇宙796年、帝国領侵攻作戦に参加。
進出先で補給を絶たれ、帝国軍の反攻(アムリッツァ前戦)に際しルッツ艦隊の急襲を受ける。その結果、艦隊は旗艦の周辺にわずかに砲艦8隻が残る状況にまで戦い抜いたすえ戦闘続行も脱出も不可能となり、ボロディンブラスター自殺を遂げた。残された艦艇はコナリー少将揮権を引き継ぎ降している。

戦役終結後、ウランフとともに元帥号を追贈された。

能力

ウランフと並び称される勇将であり、ヤン・ウェンリーアレクサンドル・ビュコックにも悔やまれる名将……のはずなのだが、如何せん一番立つのが艦隊壊滅からの自決シーンなので、「この人実は無能じゃね」とか思われていたりする。心外である。

実際の所、ヴァンフリートでの戦いでは『艦隊戦を行うには狭すぎる』宙域で戦闘するにあたり、一旦部隊を後方に下げ再編成、巧妙に両形を広げようと試み、ほぼ成功させている。実際には後方からの援軍殺到によって不本意な乱戦を余儀なくされたとはいえ、彼のの一端を示すものであろう。

いっぽう彼のるにあたりしばしば言及されるのは「アムリッツァ前戦での文字通りの全滅である。最終的に「旗艦の身辺わずか八隻」の状況に至ったことをもって「兵士為に死なせた」と糾弾されることもあるが、だがちょっと待ってほしい

ボロディンが本当に誇されたものであり、無能ゆえに前途のない戦闘で艦艇を続行したのだとすれば、一万隻を越える正規艦隊が一桁になるまで組織的行動を維持して戦闘を続行するなど不可能であろう。士気の面から見ても、あるいは揮系統から見ても、よりい段階でほとんどの艦艇が個々に逃走を開始し、官がどれだけ艦隊をまとめようとしてもせいぜいが個艦による散発的な反撃が残るのみとなったはずである。
であれば、むしろアムリッツァ前戦におけるあの状況は、初めはルッツ艦隊に対しっ向から会敵したにせよ、補給を喪い戦的にも拮抗がいいところの状況では第12艦隊が撃退ないし勝利に至るのは不可能に近く、自艦隊同様の事態に陥った味方の援軍も期待できなかったことから、できるだけ多くの味方を脱出させるべく、旗艦を中心に少数が遅延戦闘を行ったその終末段階ではないかと推察される。

また、石黒監督OVA関連の設定では、第12艦隊はそのナンバー数からも分かる通り、同盟軍の中でも創設時期が較的遅い一団(帝国領侵攻時で創設から約24年)とされているが、そのためか、「砲艦を多数配備した強火力」を持ち「遊撃兵団」としての性格を強く打ち出した、言わば個性的な編成がされていたとも言われる。
だとすればそうした艦隊の個性が、敵領深くに分け入って動かず、単独で拠点を防衛すると言う困難な任務の遂行にどのようなを与えていたか。もっと言えば、果たしてボロディンと言う官の性格と艦隊の性格がどの程度マッチしていたのか。そうした面についても検証しなければ、この時の戦い一つとっても全体像を見通すことなぞ出来ないと言うのが実際のところであろう。

結論としては、最後の自決しか描写がなかっただけで、あるいはウランフ中将の第10艦隊並の戦闘の末に自決を選んだ可性は十分にあるといえる。もちろん彼のが誇大評価されている可性を否定するものではないが、簡単な推察だけで彼への評価が正当なものであると十分にいうことが出来る以上、闇矢無能扱いするのは避けたほうが良いだろう。

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ボロディン(銀河英雄伝説)

64 ななしのよっしん
2020/09/01(火) 18:54:04 ID: WjsE6Iwa7p
そらおめえ忠君報の一念をもって最後の一兵まで全員玉砕すべしという武人の美学の発露であって

とか言う妄言はともかく、艦隊の何割かがまだ健在で揮系統が十全に機している状態で、
全包囲状態になり、どうあがいても勝ちなしと降したと仮定すれば、
個々のが離脱できるような状況ではなくなり、結果帰還率0パーという数字になったのでは
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65 ななしのよっしん
2020/09/04(金) 05:43:08 ID: 7ul//4N5S/
まあ、(返して政府叩きっ最中の)マスコミが話盛ってるってのもあると思う。
戦闘が本格化して以降戦場を離脱できたのが0、くらいが実態なんじゃないかな。

>忠君報の一念をもって最後の一兵まで全員玉砕すべしという武人の美学
それこそかつみ版のボロディンは、ある程度そう考えてそう。
ただ、それに部下を巻き込むのは間違ってるという節度はあるんで、「私以外なら別の選択肢を~」と最後自殺した。結果からすると、ちょっと決断が遅すぎたのかもしれんが。
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66 ななしのよっしん
2020/09/20(日) 09:55:40 ID: RW4xm0Kgqv
>>62
すまん、ヤンじゃなくて字の文だったかな
ウランフボロディンは並び称されてたけどビュコックが同格なら三人並べると思うから、そうなってないビュコックは一段落ちるんだと思ってた
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67 ななしのよっしん
2021/01/22(金) 16:25:30 ID: HdPMpgc2XS
ノイエ版のボロディンも哀れだった。断片的な描写なのだが、ルッツ艦隊の長距離ビームで、射程外から一方的に殴られ続けた挙げ句、自決していた。

しかも、ノイエ版の描写を見れば分かるが、第十二艦隊の布する宙域からは、ルッツ艦隊が不能だ。ノイエ版のボロディンは視界外からの長距離攻撃で反撃する機会さえ与えられなかった様だ。

ノイエ版では、ルッツ艦隊と第十二艦隊が有視界戦闘を行った形跡がく、それを行う以前に第十二艦隊が一方的に崩壊している。

之と似た描写は、ビッテンフェルト艦隊とウランフ提督率いる第十艦隊との間で為された緒戦においても展開されている。ビッテンフェルトは、惑星裏から第十艦隊を長距離ミサイルで攻撃していた。
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68 ななしのよっしん
2021/01/22(金) 16:37:23 ID: HdPMpgc2XS
ルッツ艦隊の用いた視界外からの長距離ビーム攻撃にせよ、ビッテンフェルトが用いた視界外からの長距離ミサイル攻撃にしても、それは原作者が、各種誘導手段の発達でれたと設定し、敢えて封じただ。

距離攻撃兵器同士での物量的な殴り合いという燥な世界よりも、有視界下での多様な戦術ゲームを優先したからだ。
それをノイエ版は全くみ取っていない。圧倒的な技術差によって一方的に殴られる戦闘の何が面い?
これだけの技術を帝国が保持しているなら、帝国は長距離攻撃を体にすれば良いだけ。長距離兵器において劣っている描写がある同盟の打倒なんて凡将にすら出来る。

仮に長距離兵器が絶対数において不足していたとしても、適宜使用するだけでも戦局を塗り替えられる。第十二艦隊がそれを示しているからだ。ファーレンハイトが用いた波動砲すら問題にならぬレベルだ。

同盟と帝国の間に歴然たる技術差があるなら、戦術上のゲーム性が介在する余地が著しく低減する。
帝国による反攻作戦だけ限定した形で、このような技術を認めても、何の一
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69 ななしのよっしん
2021/01/22(金) 16:47:32 ID: HdPMpgc2XS
原作者が認めたように、戦争とは、単なるハードウェアの問題ではない。

しかし、原作者は、ハードウェアの差異が彼において決定的ならば、それは致命的な問題になる事を否定してもいない。
作者はそれを、コンキスドールアステカ文明の関係で説明している)

ノイエ版は、原作が出来るだけ排除しようとしたものを持ち込む事で、原作の重要なコンセプトを見失っているように思える。

距離攻撃兵器が、トゥールハンマーアルテミスの首飾りなどの極く一部に限定されたからこそ、『銀河英雄伝説』で々は多様な戦術ゲームとその差異を楽しむ事が出来た。

距離兵器の台頭によって現れるのは戦術性の高度な限定と収束だ。
ノイエ版が、何故こんな安易なに向かってしまったのかまるで理解できないし、はっきり言って、私は、ノイエ版を支持している原作ファンの気持ちが全く理解できない。

ノイエ版の監督は、原作世界観に染まぬ、こんな厄介兵器など持ち出して、一体何がしたいのか?
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70 ななしのよっしん
2021/03/08(月) 20:11:06 ID: HQfVxJwXGD
アルスラーン戦記もそうだけど監督脚本家全盛期田中作品がなぜ人気があったのか理解していないからなあ
自分が監督なら死後元帥になったウランフボロディン視聴者を納得させる活躍がなくてはとストーリに大幅にメスを入れる
2人は前戦で殺さず撤退を成功させてアムリッツァ会戦で善戦しキルヒアイスの艦隊が到着したときに殿やらせて同盟軍本軍が撤退したのを見届けたら副官に生き残った部下には降するように示を出した後に自決するという流れにする
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71 ななしのよっしん
2021/03/28(日) 21:19:16 ID: Sn7owxNyaV
そもそもノイエ版は最初期からヤン・ウェンリー
データリンクをもって多数の艦隊を同時運用」という
原作の設定(妨電波などによって理。ヤンは運用そのものは下手)
をガン無視したことをやったので、その時点でダメダメではあると思う。
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72 ななしのよっしん
2021/05/24(月) 21:59:18 ID: wsDrQIBUWY
ぶっちゃけ銀英伝戦闘描写等に関してはツッコミ所しかないんだから「有能」って明確に描写されてるなら「ほーん、こいつって有能なんやなぁ」って素直に受け取ればいいと思うの
雰囲気で楽しめ
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73 ななしのよっしん
2021/09/26(日) 09:14:18 ID: 7ul//4N5S/
>妨電波などによって
実のところ、これ突き詰めると人艦運用もかなり怪しくなる(AI制御?あの世界のAI、人のの鳴きも区別できないポンコツだし)ので、原作からして破綻してるところあるけどな
電波については、や伝を立てなきゃいけない古代戦を再現するためというメタな理由があるとはいえ)
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