ボール(RB-79 Ball)とは、TVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する地球連邦軍の戦闘用ポッドである。
概要
連邦軍の量産型MS『GM』の後方支援をすべく宇宙用の作業ポッドをベースに開発・量産された。作品によってはモビルポッド扱いされていたり、ゲームではモビルアーマーに分類されていることもあるが、連邦軍による分類はあくまで「簡易モビルスーツ」[1]
元のポッドに砲一門(初期の設定ではガンタンクと同じ120mmキャノン砲、近年の設定では180mm低反動キャノン砲)を取り付けただけなので、生産コストもかなり安くて済む(一説にはGMの4分の1程度らしい)。但し元が元なので戦闘能力は当然低く、上述した通りGMと編隊を組んで戦うのが主な戦闘スタイル。
動力源には他のMSが使っている熱核反応炉ではなく燃料電池を使用。当然熱核反応炉に比べれば出力は低いが[2]、熱核炉の場合機体が高熱を帯びるため母艦への帰艦後に冷却の必要がある分燃料電池ではその必要がいらない。それゆえ冷却設備のない艦でも運用しやすく、上述の低コストっぷりもあって一年戦争終盤では大量に配備された。
なお、作業ポッドと映像から小さい機体と思いがちだが、実際はGMの横幅と同等の全長であり結構でかい。
もっともその内部は燃料電池やロケット燃料を詰めて稼働を補うための大きさでもある。
しかし戦力の低さはさることながら主人公側の量産機という立場上、劇中での活躍は皆無に等しい。相棒のGMだってビームサーベルでリックドムを一刀両断するシーンがあるのに、当のボールはビグザムのメガ粒子砲で溶けるまで焼かれるわ、ザクと対峙したらホントのボールみたく蹴り飛ばされてぶつかったGM共々粉砕!玉砕!大喝采!だわと散々たる扱い。しかしガンダムらWB隊の活躍もあったものの、連邦軍を勝利に導いてくれたのは間違いなくGMとボールの量産機コンビの頑張りによるところが大きい。みんなで敬礼してあげよう。
近年の派生作品では様々な現地改修機や派生機も登場し、ボールが活躍するシーンもあるのでボールファンは必見。
やられキャラ然としたボールだが、ファーストのソロモン戦時ボールパイロットが「あとはリックドムとザクしかいない、やるぞ」と言っているように、ゲームとは別に映像作品ベースで見ると実はボールから見てザクやリックドムはそれほどの脅威ではなかった。(ビグ・ザム戦ではGMもボールと同様に蹴散らされている)
いかにも宇宙作業用ポッド然としたボールのデザイン引用元は1968年公開の映画『2001年宇宙の旅』に登場した宇宙船ディスカバリー号に搭載の作業用ポッドである。後の作品に登場する先行量産型のマニピュレーターはより引用元に近い形状となった。
漫画作品ではマニピュレータを活かしてシールドで防弾武装するシーンも描かれている。
他作品での活躍
- 機動戦士ガンダム 第08MS小隊
- 先行量産型のボールK型が登場。オレンジを基調としたカラーで、頭部にはキャノン砲ではなく二連装マシンガン(通称フィフティーン・キャリバー)を装備。他にもマニピュレータが変形可能で(通常のマニピュレータの肘にもう1本アームが付いており、展開することで大きなアームになる)、ワイヤーウィンチも機体前面に取り付けられている。
- 主人公のシロー・アマダが序盤にて搭乗。アイナ・サハリンの乗る試験用高機動型ザクⅡと互角の勝負を繰り広げた。ちなみにこれがシローとアイナの初遭遇でもあったりする。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム
- 作品自体は宇宙世紀0133年が舞台なのだが、どういうわけだか地球連邦軍の戦力としてキャノン砲が3連装になったボールが登場する。(ゲーム等では「133式ボール」という名称)
モビルスーツという兵器が誕生して半世紀以上が経ち、もはやボールのような間に合わせ兵器の出る幕はないと思われるのだが、なぜ連邦軍がボールをこの期に及んで正式採用したのか、そしてこんなもんに乗せられたパイロットは何を思ったのか、それらは永遠の謎である。 - また、一年戦争から現役でパイロットをしている老兵ウモン・サモンの台詞として「かく言うわしもニュータイプでね!」「一年戦争のときにボールでドムを6機落としたのだ」という昔話が語られる。さすがに自慢の入った眉唾物の話かとも思われる何気ないシーンだったが……。
- バカがボオルでやってくる!
- 上記「機動戦士クロスボーン・ガンダム」の外伝作品。「機動戦士ガンダム スカルハート」という短編集に収録されている。上述の昔話を語ったウモンじいさんの一年戦争時のソロモン攻略戦での活躍を描いた短編であるが、「ボールでドム6機を墜とした」という話が確かに事実だったことが判明する。詳細は「Bガンダム」の記事を参照。
- 機動戦士ガンダム MS IGLOO
- 大まかな部分は1stガンダムに登場したものと同じだが、頭部キャノン砲が二連装のものがいたり、アームが08小隊のK型と同じ4肢だったりする。シャークマウスがペイントされた機体も登場、プラモデル化もされている。
- また、MS IGLOOにはジオン版ボールとも言えるモビルポッド『オッゴ』も登場。こっちがボール(球)なら相手はドラム缶です、本当にありがとうございました。
- 機動戦士ガンダム ギレンの野望
- 連邦軍の宇宙専用MA(モビルアーマー)として登場。プロトタイプと量産型の2つが生産できる。どちらも頭部キャノンが射程1-2であるため、安価な支援砲撃機として使用できる。実弾なので後半に出てくるIフィールド持ちも狩れる。
- もちろん低性能、特に機動力が戦艦並に低すぎるので艦船やMSに当たるとすぐ撃破されるが、射程2と安価さが幸いして連邦速攻プレイでは囮にパンに砲撃手にと大活躍する。Sフィッシュの後ろにつけてやろう。
- 一方で、ジオン側でプレイしたときに地球侵攻作戦に手間取っていると、作戦発令まで攻略不能なルナ2を盾にCPUがガンキャノンとボールを大増産してくるので非常にウザくなる。
ボール系機体一覧
- RB-79K ボールK型
- 『機動戦士ガンダム第08MS小隊』等に登場。宇宙空間でのジム支援用に先行量産された中距離支援用の機体。
- RB-79N フィッシュアイ
- 漫画『機動戦士ガンダム MS IGLOO 603』に登場する水中用ボール。巨大なクローが特徴。
- RB-79M ボールM型
- 『MSV-R』に登場する大量の機雷を搭載したボール。見た目がロッカーを背負っているように見えるのでロッカーボールと呼ばれた。キャノン砲の代わりに計測用ポッドを頭部に搭載。
- RB-79[M] 水中型ボール
- 漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場。水中用のボールだが、外見はフィッシュアイほど変わってはいない。
- RB-79M バッカニア
- 「RPGマガジン」で設定された水中用ボール。正確には後述のスペースポッドを原型としている。
- RMB-79 フロッグ・ボール
- 雑誌企画『F.M.S.』に登場。水中用ボールのひとつ。
- RB-79F ボールF型
- 『MSV-R』に登場する増加装甲を施したボール。スラスターとプロペラントを増設し防御と機動性を高めている。
- RB-79G ボールG型
- アトラクション『ガンダムクライシス』に登場した作業用ボール。キャノン砲の代わりに巨大なクレーンを追加し、またサブアームも追加されている。
- RB-79C ボール改
- 『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する、サブアームとスラスターを増設した改良型。
- Bガンダム
- 漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』に登場する非公式な改造機。
- 133式ボール
- 漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場する3連装キャノン砲を装備した機体。宇宙世紀0130年代になっても使われ続けている。
- SP-W03 スペースポッド
- 『MSV』に登場するボールの元になったスペースポッド。
その他ポッド
- 遠隔誘導操作用ボールユニット
- 『SDガンダム Gジェネレーション』に登場するNT試験用ジムジャグラーのオールレンジ攻撃ユニット。
K型と同じオレンジ色をしたビット代わりの無人ボール、武装はビームライフルを2丁装備している。
サイコミュは非搭載で本体からのレーザー通信で操作される。 - RB-79A12 シャア専用ボール
- 『トニーたけざきのガンダム漫画』に登場。キシリアが鹵獲したボールの改造機をジオングの代わりにシャアに与えたもの。赤くて角付きになり、通常の3倍の出力、サイコミュによる有線誘導式5連メガ粒子砲の装備と、地味に性能も高いものになっている。
- なお、ドズル、ランバ・ラル、マ・クベ専用のボールも存在する。
- DT-6600 ドータップ
- 『機動新世紀ガンダムX』に登場する旧連邦軍の戦闘ポッド。役割も同じくMSの支援機として開発された。
ボールとは逆に機体下部にキャノン砲を装備している。 - MAW-01 ミストラル
- 『機動戦士ガンダムSEED』に登場する連合軍の戦闘ポッド。球形の本体に4本のアームを備えている。
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(TVアニメ第36話『恐怖!機動ビグ・ザム』より、ビグ・ザムのメガ粒子砲でドロドロに溶かされるボールの図)
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- アニメ / サンライズ / 機動戦士ガンダム
- ガンダムシリーズのMS・MAの一覧(同記事は、MS・MAに含まれない物についても併せて記載している)
- GM(機動戦士ガンダム)
- SF / 2001年宇宙の旅
- 連邦水泳部 (ボールのバリエーションのRB-79Nフィッシュアイが紹介されている)
- Bガンダム
- オッゴ
脚注
- *MS IGLOOにおいてモビルポッドと呼ばれていたが、自軍にモビルポッドを擁するジオン軍の立場から見ての呼称であり、連邦軍自身がボールをモビルポッドと呼んでいた可能性は低い、ボール最初のプラモデルも「簡易量産型モビルスーツ・ボール」となっており、公式もモビルスーツとの設定だった
- *GMのジェネレータ出力が1250kwなのに対しボールは400kw。
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