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ポケットモンスター赤・緑とは、ゲームフリーク開発、任天堂から発売されたゲームソフトである。ジャンルはロールプレイングゲームあるいは育成・対戦ゲーム。本項では青及びピカチュウバージョンについても触れる。リメイク版については別記事「ポケットモンスターファイアレッド・リーフグリーン」となる。

概要

基本情報
ポケットモンスター赤・緑
ジャンル	RPG
対応機種	ゲームボーイニンテンドー3DS バーチャルコンソール
開発元	ゲームフリーククリーチャーズ
発売元	任天堂
発売日	1996年 2月27日
対象年齢	CERO:A
ゲームソフトテンプレート

1996年 2月27日に発売されたゲームボーイ用ソフト。表紙のポケモンは赤がリザードン、緑がフシギバナ。

今や世界中で知られるポケットモンスターシリーズの歴史的第1作目で、「第1世代」にあたるシリーズ最初期のソフト。分類上はRPGだが、圧倒的な知名度の割りにRPGと言われてもピンとこないという声も。

ポケットモンスター、ちぢめてポケモンと呼ばれるふしぎな生き物があちこちにいる世界。
プレイヤーはマサラタウンに住む少年となって、世界（カントー地方）を冒険しさまざまなポケモンと出会い、それらを捕獲してポケモン図鑑を完成させること、またそれに並行したくさんのトレーナーと戦い、ジムを制覇し、ときには悪の組織とも戦いながらトレーナーとして強くなっていくこと、この2つがおおまかな目標となる。

ロールプレイングゲームとしての特色は、プレイヤー自身は直接戦闘に参加せず、捕獲したポケモンに指示をあたえて戦わせるというシステムである。ポケモンは育てることでレベルが上がり、さまざまなわざを覚え、そしてポケモンによっては姿形までも変化する『進化』をとげる。

RPGとして考えると「全てのキャラをいくらでも仲間にでき、それを自由に交換でき、自由に技をカスタマイズでき、育てればめきめきと成長し、人と交換したり戦わせたりできる」という驚異的な自由度を誇る。
また151種類もの個性豊かなポケモンがおり、さらにそれらは当時の一般的なゲームキャラクターと異なり個体ごとの違いが設定されていた。そのため自分が捕まえたポケモンは『メタ的に見ても世界中で自分だけのもの』で、育成とバトルの中で様々なドラマが勝手に生まれるという、シンプルながらも当時としては画期的な仕様だった。
そのため、自分だけの相棒と戦い抜く、或いは愛を注ぐと言うある種のキャラゲーとしての要素も多分に含んでいる。

バージョンの違い

青も含めて、バージョンの色は最初に選ぶポケモン3匹（いわゆる「御三家」）にちなんでいる。ただしどのポケモンを選ぶかへの影響は一切ない（たとえば赤でリザードンが優遇されているとかいうのは一切ない）。

この「最初に３匹から選ぶ」というシステムは以後のシリーズほぼ全作で踏襲されている（例外はピカチュウバージョン、およびLet's Go! ピカチュウ・イーブイ。これらでは最初のポケモンはタイトル名のポケモンで固定）。なお以後の作品ではパッケージ絵はピカチュウとピカブイを除き全て伝説のポケモンになっており、最初に選ぶポケモンに由来しているのは何気にこの世代だけだったりする。

赤と緑の違いは、主に出現する一部ポケモンの種類や出現率の違いである。片方では山ほど出るポケモンがもう片方ではレアというケースがあるほか、片方のバージョンには全く出現しないポケモンも一部いる。
そのためポケモン図鑑の完成にはどちらか片方のソフトだけでは不十分で、2本のソフトと2台のゲームボーイ、そして通信ケーブルを使い、場合によっては友人知人と協力しての通信交換が必要である。また通信交換する過程でしか進化しないポケモンも一部いるため、この点でも図鑑完成には通信が必須である。

ゲームシナリオやシステムには違いが一切ないので、単に１人用RPGとして楽しむ場合や、特に図鑑完成を目指さない場合には、片方だけのカセットだけでも十分楽しめる。

その他の違いとしてはタマムシシティのスロットの図柄が違う点（どうでもいい・・・）や、スロットで交換できる景品の種類や必要コイン数も挙げられる。

このバージョン間の差別化仕様は金銀以降も継承されているが、次作の金銀では伝説のポケモンの出現時期や仕様に影響がある、ルビー･サファイア以降は伝説のポケモンが片方のみになりストーリーに差が出る、ブラック･ホワイトやソード・シールドではジムリーダーが入れ替わったり全く違う町があったり、とバージョン間の差異は徐々に大きくなる傾向がある。

ちなみに国外では「赤・青」となっており、国外版青は国内版緑に準じている。そのためか、国内版青は国外では発売されていない。

ブームとメディアミックス

赤と緑の2バージョン同時発売という今までになかったソフト販売形態は、初めは驚きと不安を持って世間に迎えられた。

基本的なストーリーやシステムは同じのため、『同じようなものを2本買わせるのか』という批判もあるなか、発売された『ポケットモンスター赤』『ポケットモンスター緑』は、口コミやコロコロコミックでの宣伝の効果により少しずつ人気が浸透していった。更にアニメを含めたメディアミックスが進んでいくにつれ、その人気は拡散していった。

可愛いかっこいい 151の多彩なポケモンたちと、通信による交換・対戦を全面に押し出したシステムは、単なるRPGの枠におさまらず、友人や兄弟姉妹とのコミュニケーションツールとしても受け入れられ、やがて全国規模の凄まじいブームを発生させ、紛れもない社会現象となった。売上は両バージョンを合計するとあのスーパーマリオブラザーズすら超えると言う、未だかつて無いとんでもない規模のものとなっている。老人たち『あんただ～れ？』おねえさん『ああ～ん！』…え？何のこと？そんなCMは知らん。

作中に登場したポケモンの一匹であるピカチュウは、その絶大な人気からマリオやリンク、カービィなどとともに任天堂の看板キャラクターとして世界にはばたいた。

発売前から宣伝を行っていたコロコロコミックも、ポケモン情報記事やマンガなどで全面的にタイアップし、ポケモンブームを支えたんだッピ！ポケモン関連商品では、メディアファクトリーが版権を取得し、ポケモンカードゲームを始め、多くの商品を開発、販売した。玩具ではタカラトミーが主体であり、ぬいぐるみなどを販売している。

アニメ版については、発売から約1年後に放映が開始された。本作の設定を土台にしつつ、御三家を貰いそこねたサトシがしかたなくピカチュウを相棒に旅を始めるという、ゲームとは異なるプロットとなっている。当初アニメはあまり長い期間続ける予定は無かったらしいのだが、ゲームの人気に呼応するように安定したヒット作となった。割と初期にいわゆる「ポリゴンショック」により打ち切りの危機に瀕したものの、その後は見事に完全復活。現在に至るまで20年以上全世界で放送され派生で定期的に映画まで作られるという、これまた超長寿作品となっている。

後に、発売日である2月27日は「Pokémon Day」と呼ばれ、世界中で祝われる記念日となった。

ゲーム界への影響

この赤・緑のヒットとそれに始まった一連の社会現象はゲーム市場にも甚大な衝撃を与えた。

まず、携帯機という任天堂でほぼ消えかけていたフィールドを一発で完全復活させた。当時のゲームボーイ市場はかなり低迷しており(1年間の新作発売予定が10本あるかないかだったとか・・・)、据置ハードに完全に飲まれつつある状況だった。しかしこの作品の特大ヒットと、それに続くポケモン類似ジャンルのブームによってゲームボーイポケットがバカ売れし、ゲームボーイ市場そのものが完全復活を遂げた。任天堂という点でも、ゲームボーイのハード寿命を11年と言う異例の長さまで牽引し、その後ソニーにトップシェアを奪われる据置ハードとは異なる活路を得て、現在の3DS、Switchまで続く携帯ゲーム開発を突き動かす大きな原動力のひとつとなった。業界全体で見ても、斜陽であった携帯機というジャンル自体に各社が再度テコ入れをはかるきっかけとなった。長らく新規ハードに乏しかった市場には本作の登場に続くようにゲームボーイカラー、ネオジオポケット、ワンダースワン、そしてゲームボーイアドバンス…と新機種が立て続けに登場し、見違えるように活性化した。

さらに、後続のゲームのあり方にも多大な影響を及ぼした。

直接的には、この作品のように「モンスターなどのキャラを収集、育成して戦わせる」コンセプトのゲームがあからさまな２匹目の泥鰌狙いで多数登場することとなった。多くはうまく行かなかったようだが、ドラゴンクエストモンスターズのように大成してシリーズ化したものもある。

間接的には、収集や対戦の要素を持つゲームが増え、ソフト・ハードの両面でプレイヤー間交流機能が強化されることとなった。ポケモンのようなRPGに限らず、通信要素の採用があらゆるジャンルを超えてゲームで普遍的に見られるようになった。

後の世代から見た特徴

システム面

現時点（第9世代）のポケモンと比べても、実はゲームシステムそのものはあまり変わっていない。

「とくこう」「とくぼう」が分かれておらず「とくしゅ」1つが両者の役割をする
「もちもの」「とくせい」の概念がない
一部のタイプが未登場（あく、はがね、フェアリー）

と未登場の要素があったり、「こおり状態がターン経過で回復しない」「急所率がすばやさの値によって変動し、すばやさが高いポケモンは頻繁に急所攻撃が出る」などの独自の仕様があったりしたものの、それら以外の根本的な要素は今に至るまで多くの部分がそのまま引き継がれている。

「種族値」「個体値」「努力値」など今ではすっかりお馴染みとなっている廃人御用達の要素も実はこの頃から存在している。ただし努力値の仕様は現在のものと異なる。

野生ポケモンよりトレーナーが育てたポケモンの方が強いことは作中でも言及されており、ある程度ちゃんとプレイしている人は「どうも『ふしぎなアメ』を使わず、低レベルから敵を倒して育成していった方が同じレベルでのステータスは高くなるようだ」という事実にも気づいていた。また野生で捕まえたポケモンは個体ごとにパラメータが微妙に異なっていることも名言されており、「厳選」まで行かなくとも「何匹か捕まえて一番強いのを育てる」程度の選別行為なら普通に行われていた。

ただしそれらの仕様の詳細は一切公表されておらず、当時はインターネットもまだ普及していなかったため、「自分たちで解析してパソコン通信で共有する」ようなごく一部のマニアでもない限り細かな内部値はほとんど知られていなかった。仕様自体が今に比べればおおざっぱだったこともあり、1ポイント刻みでの厳選や育成に拘るようなプレイヤーは当時はまだごく少数だった。

本作は、対戦環境としてはエスパー最強、ふぶき・はかいこうせん最強、不遇タイプ多数、上位プレイヤーはほぼ全員ケンタロス採用…とかなり大味なバランスだった。それでも公式大会は複数回開催され、出場ポケモンの制限などの工夫により最後まで盛況を見せていた。なお今では大人も真剣になってレートバトルに参加するのが当たり前だが、この頃の大会の主役は完全に小学生であり、原作者が制作にあたりイメージしたと語る「カブトムシ相撲」のような、愛すべきコミュニケーションの姿がそこにあったと言えよう。これこそが本来あるべき姿である。

演出面

ピカチュウに代表されるように、シンプルな見た目のポケモンが多い。最強のポケモンであるミュウツーですら、フリーザよろしくシンプルで無駄のないスラッとしたフォルムが何とも言えぬ威圧感を放っている。よくまとまったデザインの初代発ポケモンは今なお愛好者が多く、後に導入されたリージョンフォームもソード・シールド現在はほとんどがこの世代出身のポケモンで占められている。

ただ赤緑のドット絵については質が玉石混交なのが有名で、よく話のネタになる。ポケモンや主人公の後ろ姿がドットを引き伸ばしたかのような異様に粗い絵になっているのは擁護のしようがないが、よく目にする正面姿はポケモンごとのクオリティの差が妙に激しくなっている。カラカラやポリゴン、パラセクトなど今と印象が変わらない既に完成された絵柄もある一方で、左右の目の大きさが明らかに違うプクリン、パーツのサイズ比がどう見ても不自然なキモいカイリキー、おケツを突き出して左手をくわえながら振り返っているようにも見えるエビワラーなど、どうしちゃったのというような、良く言えば味のある、悪く言えば崩壊したドット絵も赤緑の特徴といえる。どういうわけか後出しの青の方がさらに凄いことになってるけどね。

なお今やポケモンが国民的、世界的タイトルであることは言うまでもないが、そのためかあからさまに品行方正で健全な作品になってしまった後のシリーズ作品に比べるとかなり攻めたパロディネタやオカルトネタが目立つのも初期ならではの特徴。今では販売ギリギリだろこれ…と思うようなキワドいブラックユーモアも割と含まれている。

バグ

ポケモン赤緑は非常にバグが多い事でも知られる。その様子を収めた動画はニコニコ動画にも多数挙がっており、今でも当時の状況を知ることができる。

中でも、アイテム画面で並び替えに使うセレクトボタンを押した状態で画面を変えてアレコレするとメモリ内のデータが書き換わって色々大変なことになるという通称「セレクトバグ」は非常に有名。

製造ロットが早いものでは、当時151番目として「データはあるがゲームには登場しない」筈だったミュウを出現させる、レベル 100まで上げる、アイテム増殖、バグポケモン「けつばん」を出す、など多彩なバグ技が可能であり、具体的な方法までもが全国の小中学生の間で、主に口コミによって浸透していた。

これらのバグは製作陣の努力によるバージョンアップによって解消されていき、赤・緑の後期生産ロム、青バージョン、ピカチュウバージョンにおいては実行可能なバグは少なくなった（但し、バグで生まれたデータの転送は出来た）。

このバグの多さはデバッグ担当のスタッフが4人しかいなかったのが原因ではないかという話もある。

ちなみに、当時ミュウ以外の150匹が入った赤・緑が完成（デバッグも終了済み）した直後、スタッフがデバッグデータを消した所、約300 バイトぐらいのデータの空きができ、「これだけあればポケモンあと1匹入れられるんじゃね？」という思い付きでミュウのデータを入れたという話がある。(社長が訊く：HGSS)

青・ピカチュウバージョン

本作はマイナーチェンジ版として2種類の追加のバージョンが存在する。

青は赤・緑と同様に出現ポケモンが違うのに加えてポケモンやUIのグラフィックが差し替えられているマイナーチェンジバージョン。

ピカチュウバージョンはアニメ版ポケットモンスターの設定を取り入れストーリーの変更や追加システムを持ったマイナーチェンジ＋アッパーバージョン。

これらは、追加技やバトルを極める施設など主に対戦関係のテコ入れを行ったり過去作のポケモン（特に伝説のポケモン）を再配布したりするのが特徴となる金銀以降の後発マイナーチェンジ版とは少し趣を異にするものとなっている。

これらのバージョンの詳細は各記事を参照。

→ ポケットモンスター青
→ ポケットモンスターピカチュウバージョン

リメイク版

後にゲームボーイアドバンスにて「ポケットモンスターファイアレッド」「ポケットモンスターリーフグリーン」としてリメイクされている。

また本作発売から20年以上の時を経て、ピカチュウバージョンを元にした「Let's Go! ピカチュウ」「Let's Go! イーブイ」も発売されている。

詳細は各記事を参照。

バーチャルコンソール版

発売から20周年となる2016年 2月27日、「赤」「緑」「青」「ピカチュウ」の4タイトルがニンテンドー3DS バーチャルコンソールとして配信されることが発表された。当時のゲームボーイを再現したモノクロの画面で、20年前の雰囲気を楽しむことができるようになっている。

元のゲームボーイ版を忠実に再現移植されており、通信要素も使う事ができる。と言っても3DSには通信ケーブルは無いので、VC作品としては特別に3DS本体のワイヤレス通信に対応しており、原作同様に友達とのポケモンの対戦・交換を行うことができる。
それどころか、なんとセレクトバグなどの重大な（そして多くの話題の元になった）大きなバグ技も全て再現されている。一部のプレイヤーは配信開始初日にゼニガメをレベル 100にしたり大歓喜であった。

また、このVC版初代ポケモン同士でしか通信できないのかと言うとそんな事は無く、ポケモンバンクを通して第一世代から第六世代（サンムーン）へ直接ポケモンを送る事もできる。現状、対応予定が明言されているのはサン・ムーンのみでX・YやORASは触れられていないが、これらは同じ3DS作品なので、これらの通信の仕様の如何によっては可能になるかも知れない。
初代ポケモンのリメイクは今のところGBAのファイアレッド・リーフグリーンしか発売されておらず、これらからポケモンを最新の第六世代ソフトに移してくるには、GBA→初代DSを使って第四世代→DSを2台使ってBWorBW2→3DSとポケムーバーを使って第六世代、と言うとても手間のかかる転送を行わないといけなかった。
それを思えばポケムーバー1発なのは非常に楽。特に教え技も何もない第一世代から送ってくる必要性があるかどうかは別だが、初めてポケモンをプレイした時を懐かしみながら初代を再プレイしたポケモンを最新作でも引き続き可愛がれるのはありがたい。

VCなのでニンテンドーeショップでダウンロード購入できる他、当時のデザインを再現したパッケージにダウンロードカードを封入し、さらに「カートリッジ再現マグネット」「取扱説明書風シール」「タウンマップ」を同梱した特別版の販売、『ニンテンドー2DS』本体や「ミュウ」交換チケットなどをセットにした特別パックも発表されている。
何気に、ニンテンドー2DS本体の日本国内での唯一の販売でもある（ポケモンパックの発売をもって2DSの生産は終了しており、単体発売の予定も無い）。

ピコカキコ

タイトル	No	プレイヤー
マサラタウンのテーマ	398
トキワシティのテーマ	3611
ハナダへの道～おつきみ山より	12675
ハナダシティのテーマ	3626
マサキのもとへ～ハナダより	418
クチバシティのテーマ	425
イワヤマトンネル	12676
シオンへの道～クチバより	12704
シオンタウンのテーマ	1866
シオンタウンのテーマ（惨劇回避ver.）	375
タマムシシティのテーマ	3421
グレンタウンのテーマ	12688
なみのり	12731
最後の道	12732
ポケモンセンター	12706
ポケモンジム	12716
ロケット団アジト	12722
ポケモンタワー	12753
シルフカンパニー	12723
ポケモン屋敷	12689
ライバルあらわる	12678
戦い（VS トレーナー）	1499
戦い（VS ジムリーダー）	12740
勝利（VS ジムリーダー）	12741
ラストバトル（VS ライバル）	1806

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