ポケモンカードゲームとは、ゲームソフト「ポケットモンスター」シリーズを題材にした対戦型トレーディングカードゲーム(TCG)である。通称・略称はポケモンカード、ポケカ、PCG。
概要
ゲーム版で繰り広げられるポケモンバトルをカードゲームで再現。プレイヤーはカードを集めてデッキを組み、原作と同様にポケモンのカードを育てて相手と戦う。
国産TCGとしてはかなり歴史が古く、最初のシリーズ「ポケットモンスターカードゲーム第1弾」が発売されたのは、遊戯王OCGより3年早い1996年10月20日である。以降、ゲーム版と同時展開で現在も新シリーズの発売が続いている。海外でも発売されており、2011年時点、全世界での累計販売枚数は180億枚を超えている(国産TCGでは遊戯王OCGに次いで第二位の記録)。
各地にあるカードショップ等での公認店舗大会、また全国規模の公式大会、果ては世界大会も定期的に開催されている。
現在の発売・販売元は株式会社ポケモン、企画・開発はクリーチャーズ、製造は任天堂の工場で行われている。初期はメディアファクトリーが発売元で、2000年11月に発売元が株式会社ポケモンになってからも「ポケモンカードゲーム」シリーズ(~2007年7月)まで販売元として関わっていた。
ニコニコ動画でのポケモンカードゲーム
対戦動画や拡張パックの開封動画等もあるが、どちらかと言えば初期のポケモンカードをコンシューマーゲーム化したゲームボーイ用ソフト「ポケモンカードGB」及び「ポケモンカードGB2 GR団参上!」のプレイ動画が多く投稿されている。
遊び方・ルール
基本的に1対1で対戦する。60枚デッキで行う「スタンダードデッキ」ルールと、それより半分の30枚デッキで行う「ハーフデッキ」ルールが主流。なお、カードに書かれている効果とルールが矛盾する場合、カードのほうが優先される。詳しくは公式サイトのあそびかたを参照。
※最新のSVシリーズ基準(2023年1月20日~)。過去のルールとは細部が異なる部分もある。公式ルール更新で呼称が変わった用語は旧称も併記。
対戦の準備
- お互いにデッキ1個を持ち寄る。デッキ作りのルールは以下のとおり。
- お互いにデッキを良くシャッフルし、それぞれ自分の場の右前側に裏向きで置いて山札とする。
- ジャンケンで先攻・後攻を決める。
- 山札の上から7枚引いて相手に見えないように手に持つ手札とし、その中から「たねポケモン」を1枚選んで自分の場中央前のバトル場に裏向きで置く。7枚の中に「たねポケモン」が1枚も無かった場合は相手にその旨を伝える。他にも「たねポケモン」があった場合、任意でバトル場の後ろのベンチに裏向きで置くことができる(最大5枚まで)。
- バトル場へたねポケモンを出したプレイヤーは、それぞれ山札の上から規定枚数のカードを自分の場の左側に1枚ずつ裏向きに並べてサイドとする。基本的に「スタンダード」では6枚、「ハーフ」では3枚。その後、たねポケモンが手札にないプレイヤーは相手に手札を見せ、再び山札を切って7枚引く(以後、たねポケモンが来るまでこれを繰り返す)。
- 手順4で引き直しが起きた場合、引き直しをした差につき1枚山札の上から引いて手札に加えることができる。この時「たねポケモン」を引いたなら、そのままベンチに裏向きで置くことができるが、バトルポケモンを変更することはできない。
- 裏向きになっているバトル場・ベンチのポケモンを表向きにして対戦開始。
対戦の流れ
- 先攻の番。必ず番の最初に山札の上からカードを1枚引いて手札に加える。
- 自分の番にできる行動。順番は自由。
- バトル場のポケモンに書かれている「ワザ」の使用を宣言する。ワザを使うには、ワザ名の左に描かれているエネルギーがそのポケモンに付いている必要がある。ワザを使ったら自分の番は終わりで、ワザのテキストに書かれているダメージや効果の処理をしたらポケモンチェックに移行する。エネルギーが足りない等の理由でワザを使わない場合、「終わります」と自分の番の終了を宣言してポケモンチェックに移行する。ただし先行の最初の番にはワザを使うことができない。
- ポケモンチェック。これはどちらの番でもない。特殊状態やポケモンチェック中に発動する効果の処理を行う。
- 後攻の番に移る。先攻と同様に1~3の手順を踏む。その後4のポケモンチェックを挟んで再び先攻の番となる。
以降、先攻→ポケモンチェック→後攻→ポケモンチェック→先攻→・・・の繰り返し。
上記を繰り返すうちに、以下に挙げる条件のいずれかが成立すれば勝敗が決する。
- 相手のポケモンが「きぜつ」すると、自分のサイドを1枚取ることができる。先にサイドを全て取り終えたら勝ち。
- 自分の場からポケモンがいなくなってしまい、バトル場にポケモンを出せなかったら負け。
- 山札が無くなり、自分の番の最初にカードを引けなかったら負け(無くなっただけでは負けにならない)。
勝敗条件が同時に発生した場合、満たした条件の数でお互いを比べ、同数なら引き分けかサイド1枚で最初から対戦をやり直すサドンデスとなる。
カードの種類
大きく「ポケモン」「エネルギー」「トレーナーズ」の3つに分かれ、さらに細かく分類される。
ポケモン
- たねポケモン
- 手札などから直接場に出せるポケモンのカード。ほとんどの未進化ポケモンがここに分類される。一部のシリーズでは、トレーナーが育てたという設定で進化形のポケモンがたねポケモンのカードとして収録されていることもある。
- 進化ポケモン
- 直接場に出すことは出来ず、指定されたポケモンの上に重ねて「進化」させることで場に出せるポケモンのカード(例:フシギソウはフシギダネの上に重ねる)。進化前よりHPが高くなり、強力なワザや特性が使えるようになる。
- 進化の際、付いているカードやダメカンはそのまま引き継ぐが、特殊状態や受けていたワザなどの効果は消える。また、進化前のワザや特性は使えなくなる。
- ポケモンex(エクストラ)
- ADVシリーズから登場した、現行のルールには存在しないカード。通常のポケモン同様に扱うが、きぜつさせられると相手にサイドカードを二枚取られてしまうカード。その代わり非常に強力な能力を持っているものが多く、まさに切り札的な存在であった。
- ポケモン☆
- PCGシリーズから登場した、現行のルールには存在しないカード。ゲーム版でいう「色違い」のポケモンであり、デッキに一枚しか入れることができない。全てたねポケモンで、ワザに必要なエネルギーが変わったものであることが多い。
なお、旧裏面時代には「ひかるポケモン」として同じく色違いのポケモンのカードが存在した。 - δ種(デルタしゅ)
- PCGシリーズに存在した、現行のルールには存在しないカード。通常のポケモンとは違うタイプを持っているという、カードゲームならではのポケモンたち。弱点や抵抗力は本来それが属するタイプに準じている。
- 例:水タイプのレックウザ、無色タイプのデンリュウなど
- わるいポケモン
- 初代とPCGシリーズに登場したロケット団モチーフのポケモン。描かれているポケモンも目つきが悪かったり何か悪さをしていたりとアングラな要素が強い。PCGシリーズでは本来のタイプに加えて悪タイプが付与されている。
- ひかるポケモン
- 旧裏時代にも存在していたひかるポケモンだが、サン&ムーンシリーズに新たに9枚のポケモン色違いで参戦。技がやや癖のあるカードが多い。
- レベルXポケモン
- DP,DPtシリーズに登場した、バトル場にいる指定されたポケモンの上に重ねて「レベルアップ」させることで場に出せるポケモンのカード(例:ドダイトスLV.Xはドダイトスの上に重ねる)。進化とは似て非なるもので、レベルアップ前のワザやポケパワー・ポケボディーも使うことができる。
- LV.Xは名前に含まれないため、レベルアップ前と同じ名前のカードとして扱う。
- グレートポケモン
- LEGENDシリーズに登場した、とても強力なポケモンのカード。取り扱い自体は名前等を含め普通のポケモンと全く同じ。
- 伝説ポケモン
- LEGENDシリーズに登場した、2枚1組のポケモンのカード。上下に分かれており、片方だけでは場に出せず、手札に両方を揃えて初めてベンチに組み合わせて出すことができる。「たねポケモン」ではないため、対戦開始の準備時に手札に揃っていても直接バトル場に出すことはできない。場にいる間は2枚で1匹のポケモン、それ以外の時は名前とタイプだけのポケモンのカード1枚として扱う。
- 上下はどちらも同じ名前のポケモンのカードとして扱うため、伝説ポケモン1種につきスタンダードでは2組(4枚)、ハーフでは1組(2枚)まで入れることができる。
- 復元ポケモン
- BWシリーズに登場した、特殊な条件で場にだすことの出来るカード。グッズ「○○の化石」の効果によってのみベンチに出すことが出来る。なので、最初のたねポケモンをならべる段階で出すことはできない。
- ポケモンEX(イーエックス)
- BWシリーズに登場した。過去のポケモンexと同じく、きぜつするとサイドを2枚取られる。ポケモンexとは別扱いである。
イラスト欄からはみ出すような(というかはみ出している)大迫力のイラストが特徴。また、過去のポケモンexと比べHPも高く、より派手で強力な効果を持ったワザや特性を持つポケモンが多い。 - また、後述のM進化ポケモンを除き、ポケモンEXはすべてたねポケモンである。「リザードンEX」「カイリューEX」といった進化系ポケモンが登場することがあるが、これらもすべてたねポケモン扱いとなる。ADV時代にあった「進化してポケモンexになる」という例は、ポケモンEXには存在しない。
- M進化(メガシンカ)ポケモン
- XYシリーズより導入。ゲームにおける「メガシンカポケモン」をカード化したもの。
ポケモンEXの上に重ねる進化ポケモン。EXよりもさらに高いHPと強力なワザを持つが、M進化させた場合、その時点でターン終了になるという大きなデメリットを持つ(一部のM進化ポケモンは特定のカードを使うことでこのデメリットを回避可能)。ポケモンEXと同様の扱いで、きぜつするとサイドを2枚取られる。 - 原作におけるメガシンカポケモン以外に、グラードンとカイオーガの「ゲンシカイキ」 した姿である「ゲンシグラードンEX」「ゲンシカイオーガEX」のカードが存在しているが、これらもルール上M進化ポケモンとして扱う。
- BREAK進化(ブレイクしんか)ポケモン
- XYBREAKシリーズに登場。これ以上進化しないはずのポケモンが黄金に輝く姿になりパワーアップしたというデザイン。カードが横向きで全面にイラストが描かれており、進化前カードの上半分に重ねて「BREAK進化」させる。BREAK進化したポケモンは、進化前の「ワザ、特性、弱点、抵抗力、にげる」を引き継ぐが、HPとタイプはBREAK進化後のものが適用され、さらにそのカードに書かれているワザまたは特性が新たに使用可能になる。
下のカードに書かれた能力を引き継ぐという点でDPシリーズの「LV.X」を彷彿とさせるシステムだが、レベルアップではなく「進化」扱いで、カード名もBREAK進化前とは別として扱う。また、横向きのカードを上半分に重ねる置き方によって、下のカードに書かれているワザが見やすくなったという、(カードデザイン上での)「LV.X」からの改善点も見られる。 - ポケモンGX
- サン&ムーンシリーズから登場。ポケモンEX同様の高いHPと強力なワザや特性、そして倒されるとサイドを2枚とられるデメリットを持つ。
最大の特徴はGXワザという特別なワザを持っていること。GXワザとはプレイヤーが対戦中に1回しか使えないワザで、そのどれもが戦局を一気に変えるほどの強力な効果を持つ。 - プリズムスターポケモン
- サン&ムーンシリーズから登場。全てたねポケモンであり進化後のポケモンでもたねとして登場している。トラッシュには置かれずロストゾーンに置く共通のテキストを持つ。なお同名プリズムスターカードはデッキに1枚しか入れられない。(例:ルナアーラプリズムスターとギラティナプリズムスターをそれぞれ1枚入れる事は可能)
- ポケモンV・VMAX・Vstar
- ソード&シールドシリーズから登場。ポケモンGX同様の高いHPと強力なワザや特性をもつ。
ポケモンVはポケモンEXの強化版で、進化ポケモンでもたねポケモンとして扱われる。きぜつするとサイドを2枚取られる。
ポケモンVMAXは本編のダイマックスを基にしたカードで同ポケモンのポケモンVから「V進化」する。300以上のHPと強力なワザを持っているが、きぜつするとサイドを3枚取られる。
ポケモンVstarはレギュレーションFより登場した新たな「V進化」。Vstarパワーと呼ばれる強力なワザや特性を持っている。GXワザと同じく対戦中に1回しか使えず、使用した場合はVstarマーカーを裏返す。VMAXよりHPが低い代わりに、きぜつしたときにとられるサイドは2枚となっている。
VMAX・Vstarは共にポケモンVとしても扱う。「V進化」は「M進化」と違い進化した際に番が終わることはない。 - ポケモンV-UNION
- ソード&シールドシリーズから登場。LEGENDシリーズの伝説ポケモンのように4枚を1つの絵にして使用する。トラッシュに同名V-UNIONのカードが4枚揃っているときに場に出すことができ、同じV-UNIONは対戦中に1度しか出せない。300以上のHPと4つのワザを持っているが、きぜつするとサイドを3枚取られる。すべてのV-UNIONは「ユニオンゲイン」という共通のワザを持っている。ポケモンVとしても扱うが、たねポケモンでも進化ポケモンでもない。記念パックやスペシャルセットにのみ収録。伝説ポケモンとは違い1種類のポケモンのカード。
- かがやくポケモン
- ソード&シールドシリーズから登場。かがやくの名の通り色違いのポケモンが描かれており、強力なワザや特性を持っている。全てたねポケモンであり進化後のポケモンでもたねとして登場している。かがやくポケモンのカードは別名であってもデッキに1枚しか入れられず、後述するACE SPECのポケモン版と言える。
- ポケモンex(イーエックス)
- スカーレット&バイオレットシリーズから登場。高いHPと強力なワザや特性を持つ特別なポケモン。
きぜつするとサイドを2枚取られる。以前のポケモンex(エクストラ)やポケモンEX(イーエックス)とは別扱いである。
- 名前
- 読んで字のごとく。同じ名前のポケモンは、スタンダードでは4枚、ハーフでは2枚までデッキに入れることができる。イラストやワザ・能力が違っていても、名前が同じなら合計でその枚数までしか入れられない。
- カードの種類が増えた最近では少々ややこしくなっている。たとえば「キュレム」と「キュレム(プラズマ団)」は同じ名前として扱うが、「キュレム」と「キュレムEX」は違う名前のカード扱いとなる、など。
- これらはカードの種類ごとに名前のルールが異なっているので、デッキ構築の際には公式サイトやルールブックをチェックしておくことをおすすめする。
- タイプ
- ポケモンが属するタイプ。ワザのダメージ計算などに影響する。
- 草・炎・水・雷・超・闘・悪・鋼・無色・ドラゴン・フェアリーの11種類存在。ゲーム版より簡略化されているため、概ね以下のように振り分けた形で収録されている。
カードのタイプ ゲーム版でのタイプ 草 くさ むし どく(DP以前) 炎 ほのお 水 みず こおり 雷 でんき 超 エスパー ゴースト どく(DP以降~SMまで) フェアリー(剣盾以降) 闘 かくとう いわ じめん 悪 あく、どく(剣盾以降) 鋼 はがね 無色 ノーマル ひこう ドラゴン(BW途中まで) ドラゴン フェアリー フェアリー(剣盾より廃止)
- シリーズによっては、2つのタイプを持ったポケモンや、前述のδ種などのようにゲーム版とは全く異なるタイプを持ったポケモンのカードも存在する。
- HP
- ポケモンが持つ体力(単位は10)。蓄積ダメージ(ダメカン)が記された数値以上になると「きぜつ」する。
- 進化マーク
- 進化の段階を表すマーク。進化ポケモンのカードには進化前のポケモンが記されている。
- ワザ
- ポケモンが持っているワザ。使うにはワザ名の左側に記されているエネルギーがポケモンに付いている必要がある。タイプが指定されている部分はそのタイプのエネルギーが付いていないと使えないが、無色で記されている部分はどのタイプのエネルギーでもよい。使ったら自分の番は終わり。
- ワザ名の右側にはダメージの量が記されている(単位は10)。ここに記されている分だけ、相手にダメージを与えることが出来る。記されていないものはダメージを与えられない。
- ワザの中には、ベンチのポケモンにダメージを与える、相手を特殊状態にする、山札からカードを持ってくるといった効果を持つものもある。
- 特性(特殊能力・ポケパワー・ポケボディー)
- 一部のカードが持っている、ワザとは別の能力。使うことで様々な効果をもたらす。最初期から存在するため、ゲーム版の「ルビー・サファイア」から登場した「とくせい」を先取りしたような形となっている。
- 発動条件も特性によって様々で、自分の番に1回使えるもの、何回でも使えるもの、手札から場に出したときに使えるもの、自動的に発動しているもの等がある。ワザと違いエネルギーは必要なく、使っても自分の番は終わらない。
- BWシリーズから「特性」という名称になったが、それまでのシリーズの「ポケパワー・ポケボディー」とは別物扱いとなっている。その為、ポケパワー・ポケボディーが使えなくなる状態でも発動する。
- XYシリーズの途中からはこれによく似た「古代能力」というシステムが登場。特性とは別物扱いのため、特性が使えない状態でも適用されるほか、特性と古代能力の両方を持つポケモンも存在する。
- 弱点
- ここに記されたタイプのポケモンからワザのダメージを受けた場合、書かれている分だけダメージが増加する。数字が書かれていないものは2倍。
- 抵抗力
- ここに記されたタイプのポケモンからワザのダメージを受けた場合、書かれている分だけダメージが減少する。
- にげる
- バトル場からベンチへ「にげる」を行う際、ここに記された個数分のエネルギーをトラッシュしなければならない。
- ルール
- EX、GX、Vのサイドに関するルールやプリズムスター、かがやくポケモンの枚数制限に関するルール、BREAK進化やM進化の進化に関するルールなどのポケモンが持つ特別なルール。ルールを持つポケモンは強い能力を持っていることが多い。このルールの有無を参照して効果を発揮するカードが存在する。
エネルギー
ポケモンのカードに付けて使うカード。1回の番で1枚だけ、自分の場のポケモンに付けることができる。ごく一部のポケモンを除き、これが自身に付いて無いとワザを使うことができない。基本的にワザを使っても付けたエネルギーはそのままで、トラッシュはしない。
- 基本エネルギー
- 草・炎・水・雷・超・闘・悪・鋼・フェアリーの9タイプ存在し、1枚でそれぞれ描かれたタイプのエネルギー1個分として働く。デッキの枠内なら同じタイプの基本エネルギーを何枚でも入れることができる。
- ドラゴンタイプのエネルギーは今のところ存在していない。
- 特殊エネルギー
- 1枚で無色タイプのエネルギー2個分として働く「ダブル無色エネルギー」等、特別な働きをするエネルギーカード。基本エネルギーと違い、同じ名前の特殊エネルギーはスタンダードでは4枚、ハーフでは2枚まで。
トレーナーズ(旧称:トレーナーのカード)
ポケモンバトルの手助けとなるカード。大きく分けて3つに分類される。
- グッズ(旧称:トレーナー)
- 自分の番に何枚でも使えるカード。使ったら効果処理後にトラッシュ。ポケモンを回復したり場を操作するなど効果は様々。サポート(サポーター)カードのルールが無かった頃は山札から大量にカードを引くカードもここに含まれ使い放題だったため、デッキによっては1回の番で回しきってしまうことも可能だった。
- グッズには以下のカードも含まれる。
- ワザマシン
- ポケモンのカードに付けて使うカード。1匹のポケモンに何枚でも付けられる。このカードにはワザが書いてあり、これが付いているポケモンはそのワザを自分のワザとして使うことができる。指示がない限りトラッシュせず、ポケモンに付けたまま。
BWシリーズ以降では「ポケモンのどうぐ」でワザマシンのように使える技が増えるカードが登場したがワザマシンと違い専用カードとなっている。 - 化石
- グッズに分類されるが、無色タイプのたねポケモンとして場に出すカード。プテラなどの化石ポケモンの進化前となっている。化石共通のルールとして、
- 特殊状態にならない。
- 「にげる」ができない。
- 自分の番に任意でトラッシュできる。
- といった効果を持つ。
- かつては「きぜつ」しても相手にサイドを取られなかったが、これを利用した時間稼ぎが大会で流行したためか、DPシリーズ発売時のルール変更でサイドを取られるようになった。
- なお、BWでは新規に登場した「復元ポケモン」を場に出すためのカードとなっている。
- SMでは復元ポケモンを出す方法がDPシリーズと同じとなったが進化元が全て「なぞの化石」となっている。
- ポケモンのどうぐ
- ポケモンのカードに付けて使うカード。1匹につき1枚まで。能力の増加や効果の付与ができる。指示がない限りトラッシュせず、ポケモンに付けたまま。スカーレット&バイオレットシリーズよりグッズから独立したカテゴリとなった。
- サポート(旧称:サポーター)
- 自分の番1回で1枚だけ使えるカード。使ったら効果処理後にトラッシュ(BW~)。グッズより強力で、主に山札から複数カードを引く効果を持つことが多い。
- SMではプリズムスターサポートが登場。強力な分使う条件が厳しく調整されている。同名のプリズムスターカードは入れる事は出来ない。プリズムスターカードの共通のテキストとしてトラッシュには置かれずロストゾーンに置かれる。
- スタジアム
- 自分の番1回で1枚だけ使えるカード。バトル場の横に出して使い、そのまま場に残る。お互いのプレイヤーに強力な効果を及ぼす。どちらかのプレイヤーが別名の新しいスタジアムを出した場合、前のスタジアムは持ち主のトラッシュに置かれる。
- SMではプリズムスタースタジアムが登場。汎用性はなく特定のタイプ(特定のエネルギー)のみに恩恵を与えられるカードとなっている。プリズムスタースタジアムはトレーナーズの効果を受けないため、トラッシュするにはスタジアムを上書きするか技の効果や特性で場から除外する必要がある。プリズムスターカード共通のテキストとしてトラッシュには置かれずロストゾーンに置かれる。
- ACE SPEC
- BWシリーズから登場した特殊なトレーナーズ。デッキに1枚しか入れられない代わりに強力な効果を発揮できる。エクストラレギュレーション御用達
後にスカーレット&バイオレットシリーズで復活。特殊エネルギーも追加された。
用語
- 場
- 対戦をする場所全体を指す。中央で横に二分割してそれぞれ「自分の場」「相手の場」となる。
- 山札
- 自分の場の右前側。デッキをこの場所に裏向きで置く。基本的に山札のカードは上から順番に引いていく。
- 手札
- 相手に見えないように手に持つ。ここからカードを場に出す。手札の枚数に制限は無い。
- バトル場
- 自分の場の中央前。バトルの中心となる「バトルポケモン」1匹を置く場所。ワザを使えるのはバトルポケモンのみで、攻撃の対象も基本的に相手のバトルポケモンである。
- ベンチ
- 自分の場の中央後。控えとなる「ベンチポケモン」を5匹まで置くことができる。バトル場のポケモンがいなくなった時や「にげる」を行った時、代わりのポケモンをここからバトル場に出す。ワザの中にはベンチのポケモンにダメージを与えるものもあるが、この場合弱点・抵抗力の計算はしない。
- サイド
- 自分の場の左側。ゲームの開始時に山札から規定枚数のカードを裏向きに並べておく場所。基本的に触れることはできず、相手のポケモンが「きぜつ」した時のみ、1匹に付き1枚ここから取って手札に加えることができる。
- トラッシュ
- 自分の場の右後側。「きぜつ」したポケモンや使い終わったトレーナーズ等を表向きで置く場所。ここに送ることを「トラッシュする」と呼ぶ。
- ロストゾーン
- サイドの左側、場の外にある場所。トラッシュとは別物で、他のカードゲームで言う「除外」に当たる。戻す手段が存在しないため、ここに送られたカードはその対戦の間一切使用できない。ただし、ロストゾーンに置かれているカードを参照するカードが存在する。
- コイン
- 一部のワザやトレーナーズ等で、効果や成否の判定にコイントスを指示された際に使う。
- 決まった投げ方があるが若干コツが必要だったり、あらぬ方向へ飛んでしまうこともあるため、同意があればサイコロなどでも代用できる(実際、公式大会ではサイコロが使われている)。
- 参考:ポケモンコインを投げる | PTCG BLOG
- ダメカン
- ダメージカウンターの略。場のポケモンの上に置かれ、受けたダメージの目印として使われる。公式グッズとして紙製やアクリル製の物があるが、おはじきやサイコロなどでも代用できる。
- 一部のワザの効果などに記述されている「ダメカン1個」は[10]のダメカン1個分のこと。公式グッズには[50]のダメカンもあるが、あくまで[10]のダメカン5個分の代用である。
- GXマーカー
- バトル場の横に置き、GX技を使った後に目印として裏にする。
- きぜつ
- ワザのダメージなどで蓄積されたダメカンがそのポケモンのHP以上になると「きぜつ」する。「きぜつ」したポケモンと、そのポケモンに付いているカードは全てトラッシュ。相手のポケモンが1匹「きぜつ」した際、自分はサイドを1枚取る。バトル場のポケモンが「きぜつ」していなくなった場合、ベンチから代わりのポケモンを出さなければならない。
- 特殊状態
- 一部のワザの効果等で与えられ、受けたポケモンは様々な面で不利になる。特殊状態になるのはバトル場のポケモンのみ。進化やベンチに戻るなどで回復する。
- 特殊状態は以下の5種類。
- どく
- ポケモンチェックの度にダメカンを1個乗せる。
- 目印としてどくマーカーを乗せる。他の特殊状態と重複する。
- やけど
- ポケモンチェックの度にダメカンを2個乗せる。その後コイントスをし、表ならやけどから回復する。
- 目印としてやけどマーカーを乗せる。他の特殊状態と重複する。
- ねむり
- ワザの使用や「にげる」ができない。
- ポケモンチェックの度にコインを1回投げ、オモテなら回復する。
- 目印としてカードを横向きにする。「マヒ」「こんらん」とは重複せず、後から受けた特殊状態になる。
- マヒ
- ワザの使用や「にげる」ができない。
- 「マヒ」状態で自分の番を1回過ごした後のポケモンチェックで回復する。
- 目印としてカードを横向きにする。「ねむり」「こんらん」とは重複せず、後から受けた特殊状態になる。
- こんらん
- ワザを使用した際にコインを1回投げ、ウラならワザは失敗し自分にダメカンを3個乗せる。
- 目印としてカードを逆向きにする。「ねむり」「マヒ」とは重複せず、後から受けた特殊状態になる。
シリーズリスト
ゲーム版とほぼ同時展開されているため、シリーズに区切りが付き以下のように分かれる。詳細はポケモンカードゲーム公式ホームページなどを参照されたし。
- ポケットモンスターカードゲーム(1996年10月20日~)
「赤・緑」に合わせた一番最初のシリーズ。
ゲームボーイ用ソフト「ポケモンカードGB」はこのシリーズの拡張パック第1弾~第3弾とGBオリジナルのカード、同「GB2」はそれらに加え拡張パック第4弾や拡張シートのカード、新たなGBオリジナルカードを収録している。 - ポケモンカード★neo(2000年2月4日~)
「金・銀」に合わせたシリーズ。 - ポケモンカード★VS(2001年7月19日~)
カードの裏面が新しくなり、以前のカード(まえのウラ面)との互換性がなくなった。裏面変更は現在のところこれ一度きりで、以降のシリーズもこの裏面(いまのウラ面)で発売されている。 - ポケモンカード★web(2001年10月20日~)
当時存在したポケモンセンターオンラインショップ限定販売。 - ポケモンカードe(2001年12月1日~)
カードeリーダーと連動。ゲーム版とは異なる「謎の大陸」を舞台にした独自の世界観で展開。 - ポケモンカードゲームADV(2003年1月31日~)
「ルビー・サファイア」に合わせたシリーズ。きぜつさせられたサイドを2枚も取られるほどの強さをもつ「ポケモンex」カードが登場した。 - ポケモンカードゲーム(2004年3月19日~)
上記が正式名称で、エキスパンションマークから「PCG」シリーズと呼ばれている。「ファイアレッド・リーフグリーン」に合わせたシリーズだが、後期はカード独自の地域「ホロン」が舞台となって展開。 - ポケモンカードゲームDP(2006年10月27日~)
「ダイヤモンド・パール」に合わせたシリーズ。レベルの概念が復活。また、弱点が二倍ではなく+X0(Xはそれぞれ違う)のものが出来た。 - ポケモンカードゲームDPt(2008年10月10日~)
「プラチナ」に合わせたシリーズ。ロストゾーンが新たに登場した。 - ポケモンカードゲームLEGEND(2009年10月9日~)
「ハートゴールド・ソウルシルバー」に合わせたシリーズ。再度レベルの概念がなくなり、またそれまでベイビィ扱いだったポケモンは全てたねポケモン(進化しない)になった。2枚合わせることで場に出せる「伝説ポケモン」が登場した。 - ポケモンカードゲームBW(2010年9月18日~)
「ブラック・ホワイト」に合わせたシリーズ。本シリーズより様々なルール改定・カードエラッタなどが行われた。
拡張パックも、これまでの10~11枚から5枚に変更され、必ずしもレアカードが入っているわけではなくなった。また、レアリティも変更され、●=C(コモン)、◆=U(アンコモン)、★=R(レア)と変わった。さらに☆に該当するSR(スーパーレア)や、数箱に一枚しか入っていない超レアカードのUR(ウルトラレア)も追加された。きぜつさせられたら相手にサイドを2枚取られる変わりに強力なワザを持つ、ポケモンexとほぼ同じ仕様の「EX(イーエックス)カード」が登場した。 - ポケモンカードゲームXY(2013年11月8日~)
「X・Y」に合わせたシリーズ。再びルール改定、カードエラッタが行われ、新たに「フェアリータイプ」と「M進化(メガシンカ)」が登場。またレアリティにEX専用のRR(ダブルレア)が登場した。 - ポケモンカードゲームサン&ムーン(2016年12月9日〜)
「サン・ムーン」に合わせた新シリーズ。今回は6年ぶりにカードのオモテ面デザインが刷新されたほか、対戦準備および「やけど」に関するルールの変更が行われた。
「ポケモンGX」が登場し、Zワザを模した1度しか使えない「GXワザ」という新たな要素がバトルに加わった。また、きぜつするとサイドを3枚とられてしまう「タッグチームGX」が登場。
プリズムスターカードが新たに登場。強力な効果を持つ代わりにデッキに1枚しか入れられず、トラッシュするときにロストゾーンへ送られる。 - ポケモンカードゲームソード&シールド(2019年11月29日〜)
「ソード・シールド」に合わせた新シリーズ。本シリーズより先行の最初の番でのサポートの使用が不可能になる。また、どくタイプが超から悪に、フェアリータイプは超に変更された。一部タイプの弱点や抵抗の見直しもされた。
「ポケモンV・VMAX」が新しく登場。「ポケモンV」から進化する「ポケモンVMAX」は本編のダイマックスを再現したカードとなっており、強力なワザと300以上の大きいHPが特徴できぜつするとサイドが3枚取られてしまう。また、2022年1月よりVstarパワーを持つ「ポケモンVstar」が登場。 - ポケモンカードゲームスカーレット&バイオレット(2023年1月30日〜)
「スカーレット・バイオレット」に合わせた新シリーズ。レギュレーションマークは「G」。本シリーズよりぽけもんのどうぐがグッズから独立し、新カテゴリとなった。
「ポケモンex(イーエックス)」が新しく登場した。
シリーズに関する補足
- 公式大会のレギュレーションでは使用できるシリーズが定められている。基本的に最新とその1~2つ前のシリーズとされることが多く、それより古いシリーズのカードは一部を除き使用できない。
例:WCS2011でデッキに入れられるカード
- 公認店舗大会「ジム★バトル」もレギュレーションが定められているが、こちらは店舗によって使用できるシリーズやルールが異なる。
- まえのウラ面のカードは公式の場から隔絶された格好となっているが、細かい変更はあれどルールの根本はほとんど変わっていないので、私的な対戦であれば背面が不透明のスリーブに入れるなどして現在の裏面のカードと混ぜて遊ぶこともできる。
余談・昨今のポケカ事情
実のところ、競合他社のTCGと比べてポケカはマイナーな存在だった(今では当たり前となっているカードショップのシングル販売がほとんど無く、地域によってはフリーマーケットでバラ売りされていた所もあったとか)。
しかし「サン&ムーン」以降、500円で購入できるスタートデッキの販売やYouTubeの宣伝が功を奏し、原作の人気も相まってプレイ人口が一気に増加。現在でもその勢いは衰えておらず「ポケカバブル」と呼ばれるほどになった。
一方、これによる弊害が発生した。
断続的な品薄、転売ヤーの出現
スターターデッキや拡張パックはおろか、カードサプライグッズがたちまち品切れ。実店舗とオンラインショップでは購入制限や抽選販売を設けるようになった。特に実店舗の購入制限はひと際厳しくしており、
店舗によっては中学生までの購入に限定したほど。現在、品薄問題はある程度解消されているが予断を許さない状況にある。
また人気に乗じて転売ヤーが現れ、フリマサイト等での高額出品が後を絶たない。
最近ではレアカードを精巧にコピーしたレプリカカードの出品や、レアカードと偽ってレアリティの違うカードを送る(中にはクシャクシャの状態で送られたものも)などといった悪質な行為が続出している。
犯罪行為の助長化
レアカード目当てでカードショップへの窃盗や強盗が相次ぎ社会問題に。また開店前から店舗前に陣取って並んでいる状況や、前述の購入制限を設けている店舗で子どもにお金を与えて代理購入させようとする輩が現れるなど各メディアで取り上げられ、ポケカのイメージ悪化を招いた。
どのTCGにも言えることですが、節度とマナーを心がけて楽しみましょう。
関連動画
関連サイト
- ポケモンカードゲーム公式ホームページ
- ポケモンカードゲーム公式ブログ ポケカネットジム
- PTCG BLOG
開発・品質管理担当のクリーチャーズによるブログ。2012年8月31日をもって更新を停止している。
上記ポケカネットジムより更に踏み込んだカード解説や、親御さん向けの導入手引きなどが掲載されている。
時には思わぬ本音も? - ポケモンカードチャンネル
ポケモンカードの公式YouTubeチャンネル。
関連項目
- トレーディングカードゲーム
- とりかえっこプリーズ
- ポケモンの関連項目一覧
- Pokémon Trading Card Game Pocket
- Pokémon Trading Card Game Live
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