自分の好きなポケモンが…負ける所なんて見たくねぇだろぉ!
勝負するからには勝ちてぇだろぉ!勝たせてやりたいだろぉ!?
そのためにはなぁ…厳選が必要なんだよぉ!
ポケモン廃人とは…
幅広い世代に人気のあるゲーム「ポケットモンスター」。
一見子供向けのゲームであるが、奥深いシステムと無数の戦法・戦術が生み出す絶妙な戦闘バランスは大人が遊ぶのにも十分耐えられる仕様になっている。
ネットが全国を覆いつくし、ネット越しに見知らぬ相手と気軽に対戦できる時代、ポケモンは一種のネットゲームとして認知され、ネトゲの例に漏れずポケモンに一日の大半を費やすユーザが現れ始めた。それがポケモン廃人である。
現在、Wi-Fiのランダム対戦は完全に彼らの独壇場であり、メインユーザである(と思われる)小学生が入る隙間は全くないと言ってよい。
……と言われていたのは第7世代までの話。第8世代以降は個体値の弱い部分を補強できる「おうかん」、いわゆる性格補正のうち不利なものを上書きできる「ミント」の2つが出揃ったことにより、少なくともステータスだけならその辺でゲットしたポケモンでも廃人のポケモンと渡り合えるようになり、小学生をはじめライトユーザーがいわゆるネット対戦に足を踏み入れるようになった。
とは言え、ポケモンはステータスだけ強くても意味がないのである。
「確定〇発」と呼ばれるどのポケモンがどういった攻撃を何発まで耐えるか(何発で倒せるか)の話であるとか、どのポケモンがどういった戦法をとってくる傾向があるか、どの道具を持たせている可能性が高いかといった情報を知っているか否かで対戦中の選択は大きく変わるし、それに伴って出せる成果も変わってくる。
近年の「ポケモン廃人(対戦廃人)」とは、上記のような対戦に必要な知識・情報を可能な限り収集したり、勝つために必要になりそうなポケモンは全て揃えてその中から選抜してパーティを組むといった、対戦で勝つために必要なことを時間を惜しまず徹底的にやり切る人々といった存在になっている。
なお「近年の」と言った通り、一昔前(第7世代以前)は少し事情が違っていた。孵化厳選という作業が必要不可欠だったのである。
ミントが無かったこと(第6世代まではおうかんも)、めざめるパワーという技の存在、そして何より孵化厳選を用いない限り覚えられない技が存在したことから、この孵化厳選に血道を上げることが廃人の主な特徴の1つだった。そして廃人たちはこの孵化厳選に関する話題で盛り上がったり、熱い議論を交わしたりすることが多かった。
以下に示すのは、そういった第7世代までの廃人たちに関する説明文である。現在の育成・対戦事情から見ると奇妙に見える記述もあるが、そういった歴史があったことを伝えるための史料として読んでみてほしい。
ポケモン廃人の発生する原因
一言で言うと、求めるポケモンを作成する際のランダム要素が多すぎるのである。
ポケモンの能力値にはさまざまな要素が絡むが、この中にポケモンが産まれた(手に入れた)時に決定される、いわゆる「才能」のようなステータスがある。
これは「個体値」と呼ばれ、同じポケモン、同じレベルでもステータスに差異が生じるのはこれが一因である。
この個体値は文字通り個体ごとに異なる。どの数値になるのかは基本的にランダムであり、捕獲する・タマゴを孵化させるなどポケモンをゲットした時点で決定され、一度決定してしまえば二度と変化することはない。
個体値は32段階(0~31)×6種類の能力(HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さ)という膨大な組み合わせがあり、さらに
- 性格
25種類、ステータスに補正がかかる。このうち目当ての性格は型にもよるが1~2種類であることが多い - 特性
1~2種類、さらに五世代以降は夢特性が追加。特性により戦法が全く異なるため目当てはどれか一つ - 性別
基本2種類だが偏った比率のポケモン多数。オスとメスでステータス的な差はないためあまり重要視されない(ほとんど趣味の問題)。ただしエルレイドのように性別が進化条件に含まれるポケモンもおり、性別の影響を受ける技や特性も存在するためそこまで考慮するなら当然粘る必要がある - めざめるパワー
個体値によってタイプが変わる、廃人御用達の技。詳しくは当該項目へ
などのランダム要素を考慮すると、気の遠くなるほど膨大な組み合わせが存在する(ただし、性格と個体値については「遺伝」というシステムを使ってある程度ランダム性を軽減できるテクニックがある。というか、それを使わないと厳選なんてやってられない)。
このため「勝ち」を追及するポケモンユーザは多くの卵を孵化させ、妥協できる個体値性格etc.が出るまで粘る必要がある。これを厳選といい、最高に整った厳選環境を用意しても、ひとつの卵を孵化するのに約3~5分(孵化は歩数に依存するので、孵化作業にはまっすぐな道をひたすら往復するのが効率が良い→廃人ロード)、個体値の確認に方法にもよるが数十秒~数分かかる。ポケモン廃人はひたすら卵を孵化させ、個体値を確認し、ため息をつく作業を延々と繰り返す。
妥協するまでボックス2つ分(60匹)も埋まるようになれば、あなたも立派なポケモン廃人である。
他にも遺伝技を採用する際には遺伝用ポケモンの作成、努力値稼ぎ、進化させるためのアイテム調達などランダム要素があんまり関わらない作業が待っているし、そもそも育成の前提である厳選環境や努力値稼ぎの環境を構築するのにも結構な手間と時間が必要である(もちろん「ストーリークリア」が各種環境の大前提であることは言うまでもない)。これだけやって廃人はようやく一匹の「対人戦用ポケモン」を生み出すのだ・・・
もちろん対戦には3~6匹の「パーティ」が必要なのは言うまでもない。
ただ、廃人と聞くと負のイメージがあるが誤解しないで欲しい。
『ポケモン廃人だってポケモンを楽しんでいる。』当たり前だがこれが大事なのだ。
なお厳選の難易度は世代が進むごとに下がってきており、最新作XYでは適当にミラクル交換してるだけで孵化余り3~4Vが流れてきたりするほど。多くのユーザが高個体値のポケモンを所持できるようになり、対戦の敷居はかなり下がったとされている。楽になったからと言ってポケモン廃人が消えるわけではないが・・・
どこまで手を出していいかわからない方へ
の順で重要視されることが多い。戦法・戦術さえ適切なものであれば性格一致まで粘れば廃人相手でもある程度対等に戦えるため、初心者はめざめるパワー以降には手を出さないことをオススメする。
また、これらの「厳選」はあくまで実力者同士の勝負で効果を発揮するシロモノで、いくら高個体値のポケモンを使おうと効果的な戦術や読みができなければほとんど無意味である。例えば素早さをVにできても、そのポケモンで抜ける相手を覚えていないのでは意味が無い。ポケモン勝負をはじめるのであれば、厳選する時間を対戦に充てて場数をこなすのが強くなる正攻法であると言えよう。
廃人への道
1、生半可な覚悟で挑むと挫折する。
初心者にはとりあえず性格一致を目指そう。それにも慣れたら素早さVへ。
2、孵化回数の数を重ねるごとに苦でなくなってくることがある。
それは間違いなく自分の体が廃人へと変わりかけている兆しだ!
3、とうとう3Vや4Vへの欲求や憧れ、そしてそれに耐えられる集中力、忍耐力を得る。
4、ボックスのポケモン密度がすごいことになる。
何百、何千単位のポケモンを逃がす実績を持つようになる。
5、ポケモンバトルの勝利に依存。ポケモンの育成に終わりは無く、常に試行錯誤し、常に育てる生活。
最終究極奥義!『乱 数 調 整』
いくら廃人とはいえ4V以上やめざパ厳選は堪えるものがある。
また、タマゴを作れないいわゆる「伝説ポケモン」は
上記の孵化を用いた遺伝によるランダム性の軽減が不可能なため、
厳選はさらに困難を極める。
そこで、彼らは『乱数調整』という悪魔じみた奥義を使うものもいる。
6Vやら色違いやら、求めるタイプと威力のめざパを簡単に出したり
乱数調整で得た6Vメタモンなどを親にすることで
卵から高個体値のポケモンを得たりすることが可能である。
詳しくは→乱数調整(ポケモン)
関連項目
- ポケットモンスター
- 廃人
- 廃人ロード
- 個体値
- 努力値
- 種族値
- 乱数調整(ポケモン)
- メタモン
- シンジ(ポケモン)
- 妹前固定孵化…ポケモンSMにて発見された最強の厳選方法。
- ポケモン対戦初心者用の記事
- 個体値の高いポケモンの探し方
第4世代での方法。第5世代でも基本的なことは変わらないが、第5世代では
など細かい点が異なる。
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