ポセイドン(Ποσειδων、Poseidon)とはギリシア神話の海神である。
曖昧さ回避
- 海皇ポセイドン - 漫画『聖闘士星矢』に登場する海をつかさどる神。ギリシア神話のポセイドンその人。
- ゲッターポセイドン - 漫画・アニメ『ゲッターロボG』に登場するロボット。主にパワー・海中戦担当。
- 私立ポセイドン学園高等部 - 週刊少年ジャンプで連載されていた漫画ではない何か。
- Poseidon - Dance Dance Revolution SuperNOVA 2のエンディング曲。
- ポセイドンエンタテインメント - 日本の芸能事務所。
- ポセイドン(映画) - 2006年公開のアメリカ映画。1972年公開の映画『ポセイドン・アドベンチャー』のリメイク。
- ポセイドン(バビル2世) - 漫画『バビル2世』に登場する巨大人型ロボット。三つのしもべのうちの1つ。
- 企業国家ポセイドン - 漫画『アップルシード』に登場する人工島上に作られた企業集合体による国家。
- ポセイドンライン - アニメ『TIGER&BUNNY』に登場する交通系企業。ヒーロー「スカイハイ」のスポンサー。
- ポセイドン(skate3) - 超上級スケボーテクニックの一つ。 →ヌケボー
- クトゥルフ神話における神性 →ポセイドン(クトゥルフ神話)
概要
クロノスとレアの息子であり、ゼウスやハデスとは兄弟。どちらが兄でも次男坊。
ティターンとの戦い「ティタノマキア」の後、三柱はくじ引きで三界の領域を分け合い、ゼウスは天上を、ハデスは冥府を、そしてポセイドンは大海を得た。
二つ名にガイエオコス、エノシクトン、セイスクトン、エンノシガイオス(意味は全て”大地を揺らすもの”)、プタルミオス(育てるもの)、ニンフェゲテス(ニンフの主人)、キュアノカイタ(紺黒の髪の)、パーテル(父)、クレヌコス(泉の所有者)、ヒッポス(馬の)など。
シンボルとなる聖獣は馬、牡牛、イルカ。聖樹は松。
黄金のたてがみを持つ馬やヒッポカムポス(魚の下半身を持つ馬)などに引かせた戦車に乗り、三叉の矛トリアイナ(トライデント)を武器とする。
海のみならず泉や地震を司る神でもあり、トリアイナの一振で嵐や津波、地震、島の隆起を引き起こす。人なら溺死、船なら難破、大地を叩けば泉を湧かせ、兵士に触れれば勇気を吹き込む。
妻は海神ネーレウスの娘アンピトリテ。しかしギリシャの神の例に漏れず多情な神で、女の数だけ子を作り、その内訳は英雄・怪物など様々。
また女神へのプレゼントとして馬やイルカを創造する過程で、失敗作としてラクダやキリン、シマウマヤカバなど様々な生物を生み出した。
プラトーンの『クリティアス』によれば、伝説の大陸アトランティスの王祖とされる。またコリントスやイタリアのギリシャ植民地(マグナ・グレキア)の都市国家(ポリス)の主神だった。
ローマ神話ではネプチューン(ネプトゥーノス)と同一視される。
逸話
戦女神アテナとはアテナイの主神の座を巡り争った過去がある。
ポセイドンは地をトリアイナで打って塩の泉を湧かせ、アテナはオリーブの木を創造。結果アテナが選ばれた事により諍いが生じたが、最終的に双方の神殿を立てる事で手打ちとなった。
姉でもある豊穣の女神デメテルを力づくでものにした後、秘儀の女神デスポイナと神馬アレイオーン(アリオン)が生まれた。デメテルは牝馬に変身して馬の群れに身を隠したが、ポセイドンも牡馬に変身して彼女を追いかけて交わったともいう。なお手籠めにされたデメテルの怒りは凄まじく、反省したポセイドンがラードーン川で禊を行うまでその怒りは続いたとか。
絶世の美少女であったメドゥーサは、ポセイドンに見初められたまでは良かったが、事もあろうにアテナ神殿で交わった罪により、アテナの怒りを受けて蛇の髪とイノシシの歯を持つ怪物に変えられてしまう。これに抗議した姉のステンノとエウリュアレも怪物に変えられ、西の果てに追放されてしまった。
その後エチオピア王妃カシオペアが己の美を「海の女神にも勝る」と豪語した事に対してポセイドンは激怒。海の怪物ケートスを差し向け、生贄として王女アンドロメダが捧げられる事になった。そこに通りかかった英雄ペルセウスにより王女は救出、奇しくもポセイドンにかつて愛されたメドゥーサの首によってケートスは石にされてしまった。
荒ぶる大洋という側面を反映してか、ひとたび怒ると手がつけられず、また執念深かった。
『オデュッセイア』では、自分の息子でもあるキュクロープス(一つ目の巨人)のポリュペーモスが、オデュッセウスと一行を捕らえて食おうとして返り討ちに会い、一つ目を潰されるという災難に会った。ポリュペーモスは父に報復を願い、以後ポセイドンはオデュッセウスの帰路を妨害し続ける事となる。
最終的にパイエーケス人の助けによりオデュッセウスは故郷に戻れたが、これに怒ったポセイドンは帰路についた船を乗員もろとも石に変えてしまった。以後パイエーケスの民は海神の怒りを恐れ、同じ事はしなくなったという。
クレタ島の王ミノスは王位継承に際してポセイドンに祈りを捧げ、見事な牡牛を送られた。この牡牛は生贄として捧げられる約束だったが、あまりの美しさに欲を出したミノスは別の牛を生贄にしてしまう。
約束を反故にされたポセイドンは怒り、牡牛を狂暴にさせた上でミノスの妻パシパエに呪いをかけ、牡牛に対して強烈な劣情を催すよう差し向けた。パシパエはダイダロスに牝牛の人形を作らせて中に入り、牡牛と交わり想いを遂げた結果、牛頭人身の怪物・ミーノータウロスが生まれる事となる。
起源
その存在はクレタ島、クノッソスで出土した線文字Bにまで遡ることが出来る。
ギリシアでかなり古い時期から崇拝されていた神格であり、大地の神としてデメテルの夫であった。
一説にデメテルはそもそもダーと言う名の地母神、穀物女神であり、その夫・主人(posis)であることからポシス=ダー、転じてポセイドンとなったとも。他に海(dawon)の主人、ポシス=ダオーンに名前の由来を求める説もある。
元来は大地や地震、地下水を司る地下世界の神だったと言われているが、クレタ島の怪物ミノタウロス伝説と絡め、牛を聖獣とするミノア文明の豊穣神、或いは天馬ペガサスや馬祖アリオンなどに代表される馬との関わりの深さから、近東の印欧語族系が崇拝していた馬と水の神がその原型であるとも言われる。
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関連項目
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