「ポチッとにゃ~」とは、対戦落ち物パズルゲームの傑作「ぷよぷよ」を世に送り出した「コンパイル」と後継会社の「アイキ」が開発し、2003年にタイトーから発売された業務用落ち物パズルゲームである。
2004年には、バンダイナムコゲームスよりPS2版が発売され、「ポチにゃ~」の愛称で親しまれている。
概要
対戦落ち物パズルゲームの傑作「ぷよぷよ」を世に送り出した「コンパイル」が、諸事情により「ぷよぷよ」の権利を持つセガと別れて、新たにタイトーと業務提携する際に開発したのが「ポチッとにゃ~」である。
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「ぷよぷよ」に代表される「魔導物語」の1000年後の世界を舞台にした「ポチッとにゃ~」の開発には、
と「ぷよぷよ」の主力が結集し、愛らしいキャラクターのデザインは、数々のぷよぷよキャラの生みの親である「壱」が担当している。
当初はセガのNAOMI基板で開発が行われていたが、コンパイルの解散により2003年1月29日にアイキに譲渡される等のゴタゴタから延期を繰り返し、当初の予定から1年以上過ぎた後に改めて世に出た際は当初のNAOMI版を元にしてビスコがMVS基板に移植して発売する事となった(移植作業をビスコに丸投げしていた為、当のアイキ自体が稼働予定日を過ぎても発売が延びていた事実を全く把握していなかったというお粗末なエピソードもあった)。
※開発が延期される間は、コンパイルやアイキの公式サイトでキャラクターの人気投票が行われたり、ミニゲーム形式のWebゲームが公開される等、空騒ぎにも近い宣伝活動を行ったりしていた。
(関連:GAME Watch[コンパイル、HPにて攻略講座、漫画などを連日更新!AC「ポチッとにゃ~」前夜祭を10月18日から開催])
紆余曲折を経て稼動した「ポチッとにゃ~」だったが、落ちゲー初級者が楽しめるようにするゲームコンセプトゆえに「ぷよぷよ」で自らが生み出した連鎖消しの概念を否定したゲーム性(つまらないというわけではない)と、それに相反するかの如く極悪なCOM戦のゲームバランス、そしてニンテンドーDSの登場等で上昇ぎみとなった家庭用に比べて斜陽となったMVS及び業務用ゲームという状況そしてNEOGEO版の未発売などからヒットは叶わず、その後、追い打ちをかけるかの如くアイキの公式サイトの突然の消滅などの不幸が重なり、PS2版が発売されはしたものの、有象無象の落ちゲーの1つとして埋もれていった・・・
そして2010年。
ニコニコ動画でも数える程しか動画が無かった「ポチッとにゃ~」だったが、修羅の国として知られるゲーセン「中野TRF」が新たに開催したランダムセレクト大会「コンプリートゲーマーズトーナメント」にて、対戦時にランダムで選ばれるゲームの一つに選ばれ、それまで見たことも触れた事もなかった参加者や大会動画の視聴者達から、「壱」デザインの可愛いキャラクターや田中勝己による高クオリティのBGM、そして多少の慣れは必要なものの落ちゲーとしての敷居の低さと、連鎖を狙って調子にのって積んでたら死んでいたり、おじゃまが積み上げられた状態で悪上がきの如く少ない数で消し続けたら、補正で大量のおじゃまを送り込んで相手を殺していたといったドラマ性(笑)がうけたのか、人気を博して大会の常連ゲームとなった。
※「ポチッとにゃ~」の権利は、2010年現在「Project EGG」や「Wiiバーチャルコンソール」でNEGEOタイトルを配信しているD4エンタープライズが所有している。
ストーリー
アルル達が活躍した時代から1000年後・・・天界では二大アイドル神の「犬神ポチッ」と「猫神にゃ~」のどちらが、次の1000年のあいだどちらが天界のトップアイドルとして君臨するかを決める「ポチッとにゃ~祭」が開催される事となった。
魔導師のタマゴ「プリム」は、ご褒美の「かぼちゃプリン」で神様から誘いをうけて、「ポチッとにゃ~祭」のメインである「ポチにゃ~バトル」に参加する事となった。
戦闘技法エンシェントアーツの使い手や生後三ヶ月の世界樹の精、伝説の英雄の幽霊や魔導師に憧れる方向音痴の魔族、そして死者の罪を裁く裁判官らとの戦いにプリムは勝ち抜く事ができるのか。そして天界の神々からちやほやされるのは、「犬神ポチッ」と「猫神にゃ~」のどちらになるのか。全ては少女の腕に委ねられた。
※「ぷよぷよ」の1000年後の世界だが、アルル・ナジャ達がいた大陸とは別の大陸の話である。
ゲームシステム
基本的なルールは、
- お互いに横7×縦12の84マスのフィールドで対戦する。
- フィールド上部から2個で一組のブロック「くみにゃん」(※2Pは「くみわん」)が落下してくる。
- 「くみにゃん」/「くみわん」は、赤・青・緑・黄で同じ色のブロック「にゃん」/「わん」同士が繋がる。
- 落下してくるブロックを操作して十字やT字をつくるように積み上げる。
- 積みあがったところに「はりにゃんIII型」/「はりわんIII型」に変化させたブロックを落して着火する。
- 消したブロックの数と分岐の数(及び様々な補正)により、相手のフィールドに「おじゃまにゃん」/「おじゃまわん」を送り込める。
- おじゃまブロックは、操作中のブロックを着地させて次のターンになった際に落ちてくる。
- おじゃまブロックが落ちてくる前にブロックを消す事で相殺する事が出来る。
- 色ブロックを消す事でその周囲のおじゃまブロックが消える。
- フィールド真ん中上部にある髑髏マークのところまで積みあがるとゲームオーバーになる。
と言うもので、基本的な操作は以下の通り。
レバー←・→ | 落下するブロックの左右位置の操作 |
レバー↓ | ブロックの落下速度を速める |
Aボタン | ブロックを左回り(反時計回り)に回転させる |
Bボタン | ブロックを右回り(時計回り)に回転させる |
Cボタン or レバー↑ | ブロックを「はりにゃんIII型」(2Pは「はりわんIII型」)に変化させる |
一見、コンパイルが世に送り出した落ち物パズルの傑作「ぷよぷよ」の様な印象をうけるが、
と言う点から、同社が「ぷよぷよ」で一大ムーブメントをおこした「ブロックを消して連鎖させて勝つ」と言う方程式を、コンパイル自らが否定する内容となっている。
これは、「ぷよぷよ」に変わる新たな落ち物パズルを生み出そうとした結果であり、且つ、初級者が連鎖を組むのが非常に難しく、上級者との間に絶望的な差をつけてしまう「ぷよぷよ」のシステムに対して、初心者でも積み込み型がわかりやすく、且つ着火タイミングを完全に操作出来る事で、基本的には解らないうちにブロックを消してしまって混乱する事が少ない。と言うゲーム性を目指したものである。
着火タイミングは基本的にはプレイヤーに委ねられている為(※着火したがブロックを消せなかった「はりにゃんIII型(はりわんIII型)」が画面に残って連鎖することはある)、相手の状況をみながらのかけひきが熱く、狙ったタイミングで着火して大量のおじゃまを送り込む爽快感も楽しめる。反面、フィールドは広めに使う為、大量におじゃまを送ろうとして積み上げているとそれが仇になってゲームオーバーになる等、負けるリスクも高くなっている。
また、対戦中にブロックを消した際のおじゃまの発生数についても条件により補正がかかりやすく、おじゃまで埋め尽くされた際は、「ぷよぷよ」の様にその状態でも繋げて消さないとダメと言うわけではなく、最低1個単位ずつで消して行く事が可能なうえ、画面がおじゃまで埋まっていたりする程、すくない数のブロック消しでも多くのおじゃまを送る=相殺する事が可能となっており、土壇場で着実に対処することで粘ることができるようになっている。
「ぷよぷよ」の如く、一度に大量の連鎖を起こしてたくさんおじゃまを送り込む事がが難しいようにうけとられるかもしれないが、そもそも「ポチッとにゃ~」は別々の色ブロックによる連鎖を前提にしておらず、フィールド内でU字を描く様に、同色のブロックで十字型やT字型の分岐をつけた長いルートをつくることで、3桁をこえるおじゃまを送る事が出来る。
※おじゃまは、1ターンで落ちてくる数が35個までと決まっている為、3桁をこえる数のおじゃまが送られての一撃でゲームオーバーにはならない。
自らが生み出した名作「ぷよぷよ」を否定することからはじまった「ポチッとにゃ~」だが、ルールを覚えただけでもプレイを見ながら組み方を考えたりしやすい為、初級者が入りづらくなっていた「ぷよぷよ」に対して、初級者が参加しやすくする事も考慮されていると言える。
基本テクニック
ブロックの積み方以外で知っておくべき基本的なルールやテクニックは以下の通り。
- ブロックは四つつなげただけでは消えない。
→いくらでも好きなだけつなげることができる。 - 「くみにゃん/くみわん」が出現して落下させ終わるまでを「ターン」とし、おじゃまブロックは次のターンになった際に落ちてくる。
→落下させ終わるまでは落ちてこないので、今操作しているもので着火するかどうかを見極める事が重要。 - 一度に落ちるおじゃまブロックは最大35個(5段)まで。
→それ以上は次のターンに持ち越しになり、持ち越されている間にブロックを消して相殺する事が出来る。 - おじゃまは、はりにゃんIII型(はりわんIII型)を落して他のブロックを消すのと同時に消える。
→はりにゃんIII型(はりわんIII型)を直接おじゃまブロックだけに落しても消えない。 - フィールド中央の12段目が埋まると負け
→画面中央部分は開けておくと、おじゃまを送られても対処しやすい。
→フィールドの左右別々に十字型やT字型に同色ブロックで繋ぐか、フィールド全体でU字型になるようにつなぐと効果的。 - 攻撃時に送り込めるおじゃまブロックの数は、発火点からつながっているブロックの長さと、分岐数によって決まる。
→基本的には長く繋げるだけでも良いが、十字やT字に組んでおくと、分岐ボーナスが追加される。 - ブロックを1つ消しただけではおじゃまは送られないが、補正がかかるとブロック1つ消しただけでも送れるようになる。
→積みあがったり、HURRY UP!状態になっている時は補正がかかるので、少ない数消しても大量に送ることが出来る。
→分岐補正の計算式は「おじゃまブロック数=基礎攻撃力+(基礎攻撃力×分岐数×0.04) 」 - はりにゃんIII型(はりわんIII型)は、設置してから4ターン目におじゃまブロックに変化する。
→連鎖をねらってはりにゃんIII型(はりわんIII型)を置きっぱなしにしているといつのまにか着火点がふさがれる事も。 - 横幅1ブロック分しか空いていないところに「くみにゃん/くみわん」をいれてしまった時は、AまたはBの同じボタンを2回連打することで「くみにゃん/くみわん」を瞬時に180度回転させて上下に入れ替えできる。
→狭いところでも大丈夫!(?) - 対戦開始から4分経過すると、おじゃまブロックの打ち消しがなくなる。
→長期戦に入ると一気にカタがつきやすくなる。
キャラクター
※プレイヤーキャラクターは、キャラごとの変化は特に無いので、外見やストーリーで選んで問題無い。
にゃ~
ポチッ
プリムローズ・アモル
リヴ
ミスティ
ジュラード・テスティス
くまだうどん
グラベル
パラディスス
ユーデクス
パンプキー
ソンファ
ミスターシェルヘッド
ボンビ~ナ
カイル |
エネルギー?!
コンプリートゲーマーズトーナメントの動画でドラム等の出来から特に評価されている、CPUミスティ戦や対戦時にいずれかのプレイヤーがミスティを先に選択時の対戦BGMは、「エネルギー?!」のタイトルで、2007年8月24日発売の田中勝己のアルバム「RARE TRACKS」に田中勝己による歌詞付き歌唱版が収録されており、itunesでもダウンロード可能になっている。
※↓で試聴可能。
PS2版
PS2版には、背景などMVS版と異なる点がいくつかあり、オリジナルの隠しキャラも登場する。
隠しキャラは以下の条件で出現する。
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関連項目
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