ポメラとは、テプラでおなじみの株式会社キングジムが製造・販売する電子文具である。
概要
折りたたみ式のキーボードを採用した電子メモ帳であり、同社では”デジタルメモ”という触れ込みで広告展開している。初代機種であるDM10の発売日は2008年11月10日、キャッチコピーは「パソコン?いいえメモ帳です」。これ以降、モデルチェンジを繰り返しつつ販売され続けている。
累計販売台数は約35万台となっている。[1]
DM10
本機で提供される機能はテキストファイルの作成と閲覧のみである。通信機能(Webブラウザ・電子メールなど)はもちろんToDoなどのアクセサリーすら備えておらず、用途を限定することで下記のような利点を追求した製品である。(DM10の場合)
・起動が2秒
・単四乾電池2本で20時間の駆動
・重量は340g
17mmピッチの折りたたみ式キーボードをに加え、かな漢字変換ソフトにジャストシステムのATOKを採用することで軽量小型ながらも効率の良い文章入力環境を提供する。パソコンとの連携にはUSBケーブルまたはmicroSDカードを間接的に用いる。
製品一覧
派生モデルとして、上位機種のDM20(2009年12月発売)、低価格機種のDM5(2010年3月)、最上位機種のDM100(2011年11月)、DM20の後継機種のDM25(2013年3月)が発売されている。他に、コラボモデルとしてDM20YやDM11Gが存在する。
- DM10
- 初代モデル。ニッチな製品ながら当初の販売計画を大きく上回るヒットを記録した。液晶は4インチのモノクロ4階調TFTを採用、解像度はVGA。後に販売された機種と比べるとmicroSDHCカードやエネループに非対応だったり、ファイル保存数に制限があったりと性能面で若干劣るところがある。
- DM20
- DM10の機能を強化した上位機種。液晶を5インチへと大型化し、本体メモリや文字制限数などのスペックを強化。さらに日付メモやフォルダ管理、オプション辞書、キーカスタマイズなどいくつかの新機能を搭載している。QRコード変換機能が追加された。
- DM5
- 液晶や開閉機構を簡素化した軽量・低価格モデル。液晶サイズこそ変わらないが、解像度が縦横1/2のQVGAへ、またTFTからSTNへスペックダウンしている。キーボード開閉時のスライド機構が無くなり、開いたとき画面が左寄りになる。その分、従来機種よりもキーボードの剛性は高い。
- DM11G
- ガンダムコラボモデル。筐体のスペックはDM10に近い。ガンダムと言いながら「シャア・アズナブル」「ランバ・ラル」「ジオン軍」の3種類全てがジオン仕様。各モデルごとにカスタマイズされた外観デザインや、ガンダム用語辞書、オリジナル起動画面などを搭載する。
- DM100
- キーボードの折りたたみ機構を廃したノートスタイルの最上位機種。液晶は新たにバックライトを搭載した5.7インチモノクロTFTで、解像度はSVGA。Bluetoothを内蔵したことによりモバイル端末の外付けキーボードとして利用できたり、辞書を内蔵したりと従来機種に比べて多機能になっている。
- DM25
- DM20の後継機種。液晶などの基本スペックはそのままに、33mmから29mmへと薄型化した。PC版ATOKユーザー辞書の取り込みに対応し、保存可能文字数を増強。また縦書きや表形式の入力に対応するなど、DM100に採用された機能の一部を搭載している。
- DM200
- DM100のノートスタイルを継承し、機能を強化した最上位機種。液晶は7インチへと大型化し、Wi-Fiを内蔵して単体でオンライン同期サービスへの接続が可能になった。電源は乾電池から内蔵バッテリーに変更。ソフト面ではATOKがPC版と同等性能へ改善され、新たにモリサワフォントを採用する。
- DM30
- DM10~DM25系列の最新機種。キーボードが2つ折りスライド式から3つ折り観音開きに変更され、ディスプレイに6インチ電子ペーパー(E Ink)を採用。このDM30とDM100は、Wi-Fi搭載SDカード「FlashAir」にも対応している。
余禄
本製品の開発にあたってはモバイルギア(NECのPDA)を参考に設計したという逸話があり、ユーザーインターフェースや設計思想が類似するMC-KやMC-MKシリーズなど(通称DOSモバと呼ばれるモデル)にインスパイアされたものだと思料される。
関連商品
関連項目
脚注
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