破壊大帝ベイトロンことマイケル・ベイ(Michael Bay)とは、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身のアメリカ人映画監督である。
解説
もともとはミュージックビデオやCMの演出・監督を手がけていたが、数々の賞を受賞した実績からその後映画監督となる。
SF・アクションなど、莫大な予算を次ぎ込んだエンターテインメント系超大作(ブロックバスター映画)の監督として有名だが、「13日の金曜日」などホラー映画のリメイク製作なども手がけている。
誰かとタッグを組んで映画制作に携わることが多く、監督が独自に取り組んだ作品は『アイランド(2005)』のみで、『バッドボーイズ(1995)』から『バッドボーイズ2バッド(2003)』まではジェリー・ブラッカイマー、『トランスフォーマー』3部作(2007~2011)ではスティーブン・スピルバーグと組んでいる(3作目『ダークサイド・ムーン』ではジェームズ・キャメロンも3D制作の助言を与えている)。
国内・海外問わずファンの間で「マイケル・ベイの脳ミソには火薬が詰まってるのではないか」と言われるほど、とにかく迫力に満ちた爆発(とカーチェイス)の描写に定評がある。『アイランド』ではベイが車を運転しているなか鉄道用の車輪運搬トレーラーと遭遇し、「これが落ちたらヤバそう」と感じ、同映画のカーチェイスシーンにこの要素を加えている。特に『トランスフォーマー/リベンジ』のクライマックスで使われた火薬の量はハリウッド映画史上最大級と言われるほど。
また、異様なめまぐるしさのカット割と、やたら揺れたり回ったりのカメラワークから、観客の中には酔う人も多い。「何が起こっているかさっぱりわからないが迫力だけは感じる」という評価が少なくない。
土埃や火花の中でカメラを覗き込むベイの姿は、それ自体が既に映画的である。
また、かなりのミリタリーフェチで、映画ではだいたい米軍が活躍する。
伊藤計劃も指摘していたが、『トランスフォーマー』を例にとると、窮地に陥った味方基地に対して、まず無人偵察機が飛び、AWACSが急行し、A-10が地上を制圧し、そしてAC-130が対地支援攻撃を行う、という過程を省かずに(作品全体としてはそんなに必要な描写でもないのに)しっかりと描く。軍事考証がしっかりしていると言うよりは、米軍の本気を映像にしたいという素直な欲求がにじみ出ていると言える。[1]。
かっこよく映してくれるので、米軍も快く協力してくれるという。
加えて、スピルバーグが舌を巻くほどに車の描写が上手く、彼に「車をかっこよく撮らせたらベイの右に出る人はいないね」とまで言わせているほど。というのも、そもそも車のCMを作っていたこともあるからである。
製作総指揮の『ミュータント・タートルズ』の制作の際、もともと突然変異で巨大化したというカメたちの設定を、宇宙からきたエイリアンに変更したと発表し、「作品への冒とく」だとファンやかつての役者の怒りを買う事態を引き起こした。
この事態に、氏は自らの公式サイトで「ファンは深呼吸をして、冷静になるべきだ」と反論。「リラックスしたまえ。僕らは、君たちがファンになったきっかけをすべて盛り込んでいる。ただ、もっと豊かな世界にしようとしているだけだ」とコメントを寄せている。
その後、制作は一時中断となるが、エイリアン的な要素は省かれ、元のタートルズに近い設定で制作され公開された。
監督作品
- バッドボーイズ(1995年)
- ザ・ロック(1996年)
- アルマゲドン(1998年)
- パール・ハーバー(2001年)
- バッドボーイズ2バッド(2003年)
- アイランド(2005年)
- トランスフォーマー(実写映画)(2007年)
- トランスフォーマー/リベンジ(2009年)
- トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン(2011年)
- ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金(2013年)
- トランスフォーマー/ロストエイジ(2014年)
製作作品
- テキサス・チェーンソー(2003)
- 悪魔の棲む家(2005)
- テキサス・チェーンソー ビギニング(2006)
- The Hitcher(2007)
- ホースメン(2008)
- アンボーン(2009)
- 13日の金曜日(2009)
- Fiasco Heights(2009)
- エルム街の悪夢(2010)
- アイアムナンバー4(2011)
- ミュータント・タートルズ(2014)
関連項目
脚注
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