マイナ保険証とは、マイナンバーカードに健康保険証機能をもたせたモノの俗称である。
そもそも、政府は将来的には保険証に限らずマイナンバーカードにあらゆる身分証・資格証を統合しようと計画しているが、そのうち保険証の統合が先行的に実施されることとなったために注目を集めている。
概要
2021年3月からマイナンバーカードに健康保険証の機能を付加することが可能になったことから、マイナ保険証と通称で言われるようになった。
医療機関側でマイナンバーカードの読み取りを行う設備を導入する必要があり、当初は2023年3月までに概ねすべての医療機関等への導入を目指していたが、一部医療機関側の抵抗や設備導入の遅れにより、条件付きでの導入延長が決まった。
また、2024年秋までに従来の健康保険証は廃止される予定であるが、現在マイナンバーカードの保有が任意であり義務となっていないため、マイナンバーカードの確信的不保持者への対応が議論された結果、「資格確認書」なるものの導入が決定された。不保持者はそれを持つことで保険診療が引き続き受けれることとなったが、従来型の保険証とどう違うのか、更新期間や発行手続きについては2023年2月現在では未発表である。ただ、この資格確認書ではマイナ保険証に比べて薬剤情報の共有などができないのはもちろんだが、診療費自体が若干高くなる予定である(マイナ保険証普及のへのインセンティブのため)。
マイナ保険証のメリット
そもそも、従来の保険証は顔写真がなく発行時の本人確認も緩いにもかかわらず、本人確認書類として通用していたため、処方薬の不正販売やなりすましによる他分野での不正行為に悪用されていた。そのため、従来の保険証が廃止されることそれ自体が巨大なメリットであるのだが、その他にもマイナ保険証には様々な新機能・メリットがある。
・特定健診や薬品の情報が共有され、薬の飲み合わせなどをより的確に指導することができ医療の質が上がる。
・高額医療費制度の利用に当たっては一旦被保険者が全額を支払ったあとで返金を受ける必要があったがそれが不要になった。
・確定申告時の医療費控除の申請においてデータ連携を行うことができ、素早く正確に申告を行うことができる(保険対象外の医薬品などは別途入力が必要)。
マイナ保険証反対派の主張
基本的に良い事ずくめのマイナ保険証であるが、保険証にかぎらずマイナンバー制度全体に対して、政府への不信感やそれに起因する妄想がエスカレートしたことによる陰謀論が横行しているため、以下のような論難があるのも事実である。
・マイナンバーカード自体の任意性をたてに旧来型保険証の廃止自体に反対している。
→ 資格確認書により当面の間、保険診療が受けれることになりひとまず懸念は解消された。
→ 医療関係者に対して情報を隠匿したいという希望がそもそも正当化できる話なのか?という問題はさておき、一応「お薬情報の情報の提供に同意しますか」といったダイアログで情報共有は回避できる。
・マイナンバーカードそれ自体に対する反対論(政府の管理統制が強まること自体への反対など)。
・本人確認が強化されることにより他人の保険証で受診したりといった不正行為が困難になる。
・導入費用(機械の導入が必須であり、費用負担や高齢の医師が拒否している事例などもある)
などなど一般人だけではなく、医療関係者の中にもマイナ保険証への懐疑論が存在することもまた事実である。
関連項目
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