『マカリーバード』(The Mockery Bird)とは、1981年に出版された英国の著作家ジェラルド・ダレル(Gerald Malcolm Durrell、 1925 - 1995)の小説である。
概要
ダレルの著作は日本でも15作品ほど訳書が出版されているが、未邦訳の作品も数多くある。本作はその一つであり、自伝的作品を中心とする彼の作品群の中では少数派に属する寓話的物語である。
設定
物語は南国に位置する架空の島ゼンカリZenkaliが舞台となる。ゼンカリには二組の土着民族ファングァFangouaとジンカGinkaがいた。ジンカの人々は海豚の神を信仰しており、一方ファングァの人々は奇妙な鳥のマカリーバード(Mockery Bird, からかい鳥; 架空の鳥類で、鳴き声が人の嗤い声に似ている事からその名が付く)を崇拝していた。そのマカリーバードは以前フランスの植民者達による狩猟によって絶滅に追いやられている。
ゼンカリはタマラワラ三世Tamalawala IIIという王が支配しており、人々は彼を「キンギィ」Kingyと呼んでいた。
物語のあらすじ
登場人物のピーター・フォクスグロヴPeter Foxgloveはキンギィの政治顧問ハンニバル・オリファントHannibal Oliphantの補佐となるべくゼンカリに到着する。ゼンカリはかつて英国植民地だったが、間もなく自治権を獲得しようとしていた。そして彼らは軍事基地、空港、発電所等を続々と建設していく予定でいるが、これは未探査の谷が、悪徳ビジネスマンのルージャによって所有される事をも意味していた…
ピーターとオードリー・ダミヤンAudrey Damienは渓谷が破壊される前にと現地を訪れ、驚嘆すべき発見をする;あのマカリーバードが谷で僅少ながら住んでいた事が判明したのだった。ピーターの発見は世界中のメジャー誌、環境保護団体、政治家やビジネスマン達の注目を集め、ここに探検が始まることとなった…
作品の背景
本作における登場人物の内何名かはダレルの自伝で紹介されている、実在した人物によく似ている事が指摘されている。
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関連項目
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