基礎データ | |
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正式名称 | マダガスカル共和国 Repoblikan'i Madagasikara République de Madagascar |
国旗 | |
国歌 | おお、我が愛しき祖国よ Ry Tanindrazanay malala ô |
公用語 | マダガスカル語、フランス語 |
首都 | アンタナナリボ(Antananarivo) |
面積 | 587,295 km2(世界第46位) |
人口(’22) | 約2961万人 |
通貨 | マダガスカル・アリアリ(MGA) |
まだ助かるマダガスカル共和国、通称マダガスカル(英語・フランス語表記:Madagascar、マダガスカル語表記:Madagasikara)は、アフリカ大陸の南東、西インド洋にあるマダガスカル島を中心とした島国。
国土の大部分を占めるマダガスカル島は、日本の約1.6倍の面積を持ち、世界でも4番目に大きな島である。日本人でも「アフリカ大陸の横にある大きな島」と言えば場所をパッとイメージしやすいだろう。
※同名の映画については「マダガスカル(映画)」の記事を参照してください。
歴史
マダガスカル島には長く様々な民族が混在し、統一政権が存在しなかった。19世紀にメリナ王国がマダガスカル島を統一、王は対外的にマダガスカル王と呼ばれるようになる。
ところが帝国主義の魔手はマダガスカル島にも迫り、フランス軍との戦闘に敗れて1897年に植民地化されてしまった。フランス本国から人口が流入し、大規模開発がスタート。サトウキビや黒鉛の産出地となるが、その影響で固有の自然が破壊され、現在も危機に瀕している。実はインドネシアから渡来した黄色人種もマダガスカル島に住んでおり、同じ黄色人種の国である日本が日露戦争で勝利したのを機にマダガスカル島でも独立の気運が高まった。しかし宗主国のフランスはこれを激しく弾圧し、抗仏秘密結社を摘発して民族運動を威圧。その後も様々な手段を用いて独立運動を抑圧し続けた。
第二次世界大戦中の1940年6月、宗主国フランスがドイツに粉砕され降伏。マダガスカル島は、新たに樹立した親独のヴィシーフランスの影響下に入った。そして1941年12月には真珠湾攻撃を以って大日本帝國が参戦。東南アジアとインド洋から連合軍を一掃し、確固たる勢力圏を作り上げた。敗戦続きの連合軍はマダガスカル島に日本軍が進出する事を危惧。万が一日本軍が進駐すれば、大西洋やアラビア海への足がかりになって補給線に絶大な悪影響が生じてしまう。恐怖に駆られたイギリス軍は先んじて行動し、1942年5月5日にマダガスカル島へ上陸。現地のヴィシーフランス軍と交戦を始めた(マダガスカルの戦い)。ヴィシーフランスから応援要請を受けたドイツは日本に取り次いたが、マダガスカルの救援には消極的だった。最寄りのペナン基地からあまりにも遠すぎたためである。それでもインド洋で通商破壊中だった4隻の伊号潜水艦を攻撃に向かわせ、伊16、伊18、伊20が特殊潜航艇による攻撃を実施。停泊中の英戦艦ラミリーズを大破させ、貨物船ブリティッシュ・ロイヤルを撃沈した。しかしアメリカ軍のガダルカナル島襲来もあって日本の攻撃はこれで終わり、孤立無援となったヴィシーフランス軍は11月6日に降伏。以降、戦争が終わるまでイギリスに占領された。
第二次世界大戦終結とともにフランスへ返されたが、ドイツに粉砕された事実は独立運動を更に激化させた。1947年には反フランスを標榜とした抵抗運動が発生。とうとう参ったフランスは1956年に海外植民地法改革法を制定し、独立を決意。そして念願叶って1960年に独立した。
しかし独立後も旧宗主国のフランスに依存した体制が続き、経済が低迷。1972年に暴動から軍事政権が成立、1975年にラチラカ大統領が就任すると、国名を「マダガスカル民主共和国」に改め社会主義路線を採った(第2共和制)。ラチラカ政権の社会主義路線は80年代まで続いたが、経済は破綻状態に陥り、1992年に憲法が改正され第3共和制に移行、国名も「マダガスカル共和国」に戻った。しかし1993年の大統領選挙でラチラカを破ったザフィ大統領は低迷する経済を建て直すことができず、1996年に議会から罷免される。同年の大統領選挙でなんとラチラカが勝利してしまい、再びラチラカが大統領となる。
2001年に実業家出身のラヴァルマナナが大統領選挙でラチラカを破ったが、ラチラカは退陣を認めず居座り、一時は2人の大統領が存在する状態になった。すったもんだの末に2002年に最高裁判所の判決によりラヴァルマナナ政権が成立、ラチラカは国外逃亡した(実質国外追放)。
ラヴァルマナナ政権は経済回復を計ったが、2007年に首都・アンタナナリボ市長に、ラヴァルマナナ政権に批判的なラジョリナが就任。ラジョリナはフランスに逃亡中のラチラカまで担ぎ出して自前のテレビ局で政府批判を繰り広げ、ラヴァルマナナ政権との対立が深まる。ラジョリナが扇動した反政府デモの暴徒化とその鎮圧で40人以上の死者を出すなど混乱が続き、ラヴァルマナナはラジョリナを市長から罷免したが、軍部もラジョリナに同調し、2009年に軍事クーデターが勃発。ラヴァルマナナは大統領を辞任して亡命し、ラジョリナが暫定大統領に就任、2010年に憲法が改正され第4共和制に移行した。しかしこのクーデターは国際社会の非難を受け、マダガスカルは国際的に孤立することになる。
その後、アフリカ連合や南部アフリカ開発共同体が介入して、すったもんだの末、ラジョリナ側とラヴァルマナナ側が双方に代理候補を立てる形で2013年に大統領選挙が実施(なんでラジョリナが直接立候補しなかったかというと、マダガスカルの憲法では大統領に立候補できるのは40歳以上と決まっており、ラジョリナが当時まだ30代だったからだとか)。ラジョリナ側のラジャオナリマンピアニナが当選して大統領に就任し、民主的な手続きで大統領が決まったということで国際的な立場もとりあえず回復した。
2018年の大統領選挙では、ラジョリナとラヴァルマナナが今度は双方とも本人が立候補、決選投票の末ラジョリナが勝利して大統領に復帰。2023年の大統領選挙でも野党のボイコットなどありつつも再選されて現在に至る。
概要
広大なマダガスカル島は野生動物の80%、植物の90%が固有種という独自の生態系をもつ、生物多様性の宝庫。しかし人口の増加による無秩序な森林破壊でその多くが絶滅の危機に瀕している。
日本ではなぜか童謡でやたらとおなじみのアイアイもマダガスカルの固有種であるが、日本での「おさるさんだよー」の可愛らしいイメージとは全く異なり、現地では「悪魔の使い」といわれ怖れられている。
地理的にはアフリカの国であるが、インドネシアやマレーシアあたりから移り住んできた人々の子孫が多く、現在も主食が米であるなど、文化的にはアフリカよりもむしろアジアに近い。そのため「アフリカに最も近いアジア」と言われる。
なおインド洋をノンストップ航海でマダガスカルに到達したと考えられている。海流・気流ともに西向きなので可能ではあるものの、もちろんそのようなデータは無い時代でゴールもわからないという危険にもほどがある大冒険である。
経済的にはいわゆる最貧国の部類に入り、インフラの未整備、農業生産性の低さ、政治の混乱による観光業の低迷などで、かなり苦しい経済状況が独立以来ずっと続いている。鉱物資源は豊富であり、特にサファイアの産出量が非常に多く、鉱業の開発が今後の経済の柱になることが期待されている。政治的に安定してインフラ整備が進めば、その自然環境を活かしたエコツーリズムの発展も期待できるのだろうが……。
憲法上ではマダガスカル語とフランス語が公用語ということになっているが、国民の大半はマダガスカル語を話し、フランス語は教育を受けた層にしか通じないらしい。そのため「フランス語だけで公文書を作るのは違憲では?」という裁判が起きていたりする。
宗教はキリスト教徒と現地の伝統宗教とが半々程度で、他に若干のイスラム教徒がいる。
日本ではドリームワークスのCGアニメ映画『マダガスカル』シリーズが最も馴染み深いのではないだろうか。あとはゴー☆ジャスのギャグとか。
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