マダンテとは、ドラゴンクエストシリーズに登場する伝説の大呪文である。
概要
初登場はドラゴンクエストVIで、伝説の大呪文として登場する。その後のナンバリングや、これ以降に出たリメイク版ドラゴンクエストIV、その他ドラゴンクエストモンスターズや漫画作品など色々なシリーズに登場している。
ドラゴンクエストVIでは、遥か昔大魔女バーバレラが編み出したが、あまりの威力に自ら封印したと言われている。 こうして封印されたマダンテは、来るべき時に備えて魔法都市カルベローナの長老が代々伝えて来たが、大魔女バーバレラの子孫・バーバラに伝えられるに際してついに封印が解かれる。
そのため、ストーリー上でマダンテを扱えるようになるのはバーバラのみであるが、クリア後にしかなれない職業(いわゆる隠し職業)でマダンテを覚える事が可能であるため、最終的には仲間全員がマダンテを使う事が出来る。
これ以降の作品ではストーリーや設定には係わらない普通の呪文として登場する。が、その性能の異常さから存在感を放っている。また、ラスボスである魔王がよく使用してくる。
その効果は「魔法力を解き放って暴走させ、そのまま敵にぶつける」というもので、残っているMPを全て消費し、消費したMPに応じたダメージを敵全体に与える。
与えるダメージは原則として残りMPの定数倍で、VIとVIIとXIは3倍、VIIIとリメイク版VIは2倍。IXは1倍~1.5倍。Xは4倍。
通常では1発のダメージは300行けばいい方であるドラゴンクエストシリーズにおいて、最大出力ならばゆうに2000ダメージを越えるその威力をもって、4人(場合によっては交代してそれ以上の人数)で連射されるマダンテは、しばしばボス最速撃破のお供として使われる。
MPを強制的に全て消費してしまうため1発限りの最後の手段であるが、消耗してMPが減った後に使うと威力が下がってしまい意味が無いので、大抵は戦闘開始直後に満タンのMPを全て注ぎ込んで最大威力でぶっ放される。
なお、その仕様上MP1でも使用できるが、その場合ド派手なエフェクトが完全に見掛け倒しになってしまう。
その恐ろしい効果故に敵のほうも使うものが限られておりラスボスがよく使用してくる。
使用後はMPが枯渇するため、多くの場合その後に「祈り」によってMPを回復するという行動とセットになっている。
ゲーム内での効果
大「呪文」との触れ込みであるがとにかく桁外れに強大であるため通常の呪文とは異なる点がいろいろある。
以前はシステム的な分類上は呪文ではなく特技となっており、その結果「やまびこの帽子の対象外」「呪文が使えない状況でも使える」「マホカンタで跳ね返せない」などの性質を持っている。「VIII」以降はシステム上も呪文であるが、IXでは呪文を封じられていても発動できる。
また、暴発したらたまったものではないためDQMを除き原則として味方AIが使用することはない。
IX及びDQMJ以前のDQM以外では炎ブレス系の攻撃として位置付けられており、耐性を持つモンスターにはダメージを軽減または無効化される。その一方でVI以降のボスなど、敵が使う場合は属性なしで確実に一定量のダメージを与えてくる仕様になっている。
VIIIはダメージ攻撃になる関係でテンションアップの対象となる。ただしダメージ上限5008が設定されていたり、前述の通り、係数が減らされているなどの弱体化をされている。仮にリミッター設定と定数が「×3」のままなら、MP999でスーパーハイテンション状態で耐性なしの敵に放った場合、ダメージが2万を超えてしまう(ちなみにVIIIで最大HPを持っているのは暴走竜神王の9000弱なので、メタル系以外で堪えられる敵はいない)。
賢者の職業でのみ取得できるIXではさらに調整が加えられ、ボス相手には頼りない呪文とされている。相手の弱点属性フォースをまとい、テンションを上げて使用する事でマダンテらしさが出る。それでもダメージの最高値も4017と「VIII」よりもさらに減少している。
「IX」では無属性攻撃となっているものの、呪文自体が効かないモンスター(メタル系など)にはやはり無効。
逆に、味方には無属性攻撃を軽減または無効にする防具がなく、方法としても「盾スキル」の「大ぼうぎょ」や、パラディンの必殺技等のごく一部に限られているため、ダメージを回避するのは極めて困難である。
Xでは他作品とは異なり純粋な呪文として設定されており、マホカンタやマホステなどの魔法対策がそのまま有効。味方側では魔法戦士の専用呪文となっている。MP回復効果も同時に付与されるため、弱点であったマダンテ使用後のMP枯渇がある程度緩和されている。
XIで再び登場、ベロニカがLv70で最後に習得する。MPが60以上無ければ発動できず、またミラクルゾーンなどでMPを踏み倒すことができないという制限もある。
係数も3倍に戻り最大出力なら2000を超える火力を出せるようになったものの、ゆるやかながら全体的に数値がインフレしており、ベロニカの放つ最上位呪文なら普通に600以上のダメージが出ることから相対的には弱体化していると言える。
魔物を規定ターン数以内に倒す「連武討魔行」の手数短縮で重要な一手となる。また、 「エルフののみぐすり」と共存しているためその気になれば乱射することも可能。
また、セーニャと連携技として「クロスマダンテ」もあり、この場合はセーニャのMPも放出してマダンテを発動する。
ドラゴンクエストモンスターズ及びドラゴンクエストモンスターズ2ではゲームの特性上、あらゆるモンスターが覚えることができた。また、どのモンスターもMPを999にできたので、マダンテを打てば相手パーティは壊滅状態になり、いかにマダンテを通すか、いかに大防御などでマダンテを受けるかというのが対人対戦の重要な駆け引きになった。
1ではラスボスの使用するにじくじゃくが開幕で使用してド肝を抜いてくるほか、すごく鍛えればスライムが自然習得できるという変わった性質がある。
「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」
「ロトの紋章」にもマダンテは登場するが、大きく設定が変更されている。
この作品は二つの呪文を同時に使用して合成呪文を使うシーンがしばしば登場するが、その技術の集大成としてマダンテが存在する。メラゾーマ・マヒャド・バギクロス・ベギラゴン・イオナズンの5系統の最上位呪文を同時に使用し合成する事で放つ最強の合成呪文である。
この設定を反映したのかどうかは判らないが、ドラゴンクエストモンスターズでは上記五つの呪文を覚え、レベル等の条件を満たすと、マダンテを習得する事が出来る。
その他のマダンテ
ドラゴンクエストシリーズ以外でも、「残る力を全て使って大きな攻撃を行う」事をしばしばマダンテと呼ぶ事がある。
例:格闘ゲームで満タンのゲージを全て放出してコンボを決める。
関連動画
関連項目
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