マッチェム(Matchem, Match'em)とは1748年生まれのイギリスの競走馬。
ヘロド、エクリプスと共に「三大始祖」と呼ばれるサラブレッドを形作った競馬の一大古典。
その2頭に先んじて生まれ、競走馬、種牡馬として活躍した。
だけど一番知名度がない。仕方ないんや、ヘロドとエクリプスがヤバ過ぎるんや……。
概要
父Cade、母Partner Mare、母父Croft's Partnerという血統。
祖父はかのゴドルフィンアラビアンであり……というか古過ぎてぜんぜんわからん。ただ彼を語る上で最も重要な事が、彼の祖父がゴドルフィンアラビアンであること、である。
デビュー年齢は5歳。おいおいレディブロンドか、と思うかもしれないが、実は当時この歳あたりが競走馬の一般的なデビュー年齢である。
10歳まで走り、競走成績はおそらく12戦10勝。後にことわざが出来るレベルのEclipseよりかは劣るが、当時としてはかなり優秀な競走馬であったらしい。
正式に種牡馬入り(実は現役時代から種付けしてる)すると、1772年から3年連続でリーディングサイアーとなり、後継種牡馬のConductorらが順調にサイアーラインを伸ばしていったが、ほぼ同時期にHerodが、その産駒Highflyerが、更にその産駒Sir Peter Teazleがおっそろしい勢いで父系を拡張。またそれと同時期にEclipseとその産駒PotooooooooやKing Fergusなどと激戦を繰り広げていた。
我らがマッチェムの子孫たちは!? 彼らに太刀打ち出来る種牡馬は出ませんでした。
ただ、それらの激闘に必要な牝馬達を供給していたので、現代競馬におけるマッチェムの血の量は相当なものが含まれている。産駒の特徴として頑健で気性の良い馬が多かったとのこと。
父系に限れば、今も昔もマッチェムの系統は三大系統の中でも勢力は小さい方である。一時Herod系が増えまくった結果血の閉塞を起こして滅びかけたが、Tourbillonのお陰で20世紀中頃には大分持ち直した。
現代におけるマッチェム系とその行末
HerodとEclipseの死闘は時代を経て、Herodの自滅とEclipseの圧勝という結果に収まった中、マッチェムの系統はしぶとく生き残っており、20世紀前半にその開花を見た。
- ハリーオン(Hurry On)系:詳しいことは日本語版Wikipediaが非常に詳しい。
1913年にイギリスで生まれたHurry Onは6戦6勝の成績を残して種牡馬入り。
すると3頭のダービーステークス優勝馬を送り出すなど活躍を見せた。
サイアーラインは後継種牡馬のCoronachやPrecipitationが中心となって広げ、20世紀半ばには北米以外の世界中で産駒が活躍したが、70年代になると衰退を始め、現在ではブラジルなど南半球で生き残っているが既に青息吐息である。 - マンノウォー(Man O' War)系
1917年にアメリカで生まれた、アメリカ競馬を語る上で欠かせない初代ビッグレッド。
種牡馬入りするが「種付けは年25頭に制限する」というオーナーの独り占め意向により産駒は少なかったものの、その中から三冠馬War Admiralをはじめ活躍馬多数。そのWar AdmiralとWar Relicを中心として活躍馬を送り出し、Hurry Onの系統が衰退するなか北米を中心に存在感を残し、21世紀に入りTiznowが必死に繋いでいる。今の所、北米と韓国を中心に一定の勢力を残している。
日本でのマッチェム系は、戦前から21世紀初頭にかけて一定の勢力を保持しており、戦前では月友や*チャペルブラムプトン、戦後は*リンボー、*ヴェンチア、*シルバーシャーク、*ウォーニングと輸入された種牡馬が活躍を収めている。現在ではウォーニング産駒の*カルストンライトオと*サニングデールが孤塁を守る程度ではあるがいつまで続くか。
ただ現在言えることは、マッチェムの、つまりゴドルフィンアラビアンの父系は虫の息である。
しかし、例え直系が絶えることになっても、彼の血はサラブレッドという品種が繁栄する限り、消えることは無い。それだけは確実である。
血統表
Cade 1734 鹿毛 |
Godolphin Arabian 1724 鹿毛 |
不明 | 不明 |
不明 | |||
不明 | 不明 | ||
不明 | |||
Roxana 1718 栗毛 |
Bald Galloway | St. Victor's Barb | |
Grey Whynot | |||
Sister to Chaunter | Akaster Turk | ||
Cream Cheeks | |||
Partner Mare 1735 FNo.4 |
Croft's Partner 1718 栗毛 |
Jigg | Byerley Turk |
Spanker Mare | |||
Sister One to Mixbury | Curwen's Bay Barb | ||
Curwen Spot Mare | |||
Brown Farewell 1710 黒鹿毛 |
Makeless | Oglethorpe Arabian | |
Darcy's Yellow Turk Mare | |||
Brimmer Mare | Brimmer | ||
Trumpet's Dam |
クロス:Darcy's Yellow Turk 5×5×5(9.38%)
関連動画
マンノウォー、ティズナウ、クライムカイザー、カルストンライトオあたりが子孫です。
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関連項目
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