マツダ・キャロルとは、マツダが1962年から1970年に製造をしていた軽乗用車及び、1989年よりスズキとの提携により製造をされている軽乗用車である。1998年よりスズキ・アルトの完全なる姉妹車となった。二代目と三代目の車名は「オートザム・キャロル」となる。現在のマツダの乗用車の車名では最長寿となる。
概要
車名の由来は、英語で「祝歌」や「鳥のさえずり」と言う意味から。1960年に前身車種・マツダR360クーペで軽自動車市場に参入をしていたら、R360クーペでは実質二人乗りという状況であったために販売が低迷。軽自動車ながらも実用的で本格的な4ドアセダン型のスタイルを採用をした。1970年に一度車種が廃止された。
車種廃止から19年後の1989年にスズキとの提携によりキャロルの車名が復活。スズキ・アルトをベースにしながらも、曲線を多用をした独特のスタイリングで注目を浴びたが、キープコンセプトの三代目が不発となった。
1998年に軽自動車規格が改定されると、四代目モデル以後はアルトとの完全なる姉妹車となり、違いはメーカーのバッジのみとなった。
初代モデル(1962年~1970年)
1962年に登場。本来は小型車の700㏄でデビューをさせる予定であったが、1960年デビューのR360クーペの販売が低迷をしていたので、軽自動車で初の4ドアセダンのモデルとなった。駆動方式はリアエンジン、リアドライブのRR方式を採用。エンジンも360㏄の軽自動車ながらも、直4気筒の水冷エンジンを採用をした。またサスペンションもゴムスプリングを採用をした方式の四輪独立懸架式を採用。軽自動車ながらも相当に凝ったメカニズムであったが、重量が嵩み動力性能の悪さと、トランクとエンジンにスペースを取られ肝心の居住性が悪化をしてしまった。
1962年にはバリエーションに小型車の600㏄のエンジン搭載車を追加。1963年には排気量が800㏄のバージョンも登場をしたが、走行性能は向上をしたが居住性の悪さはそのままであった。なお、800㏄のバージョンは追加から2年後の1965年にファミリアの発売と共に廃止となった。
1966年にマイナーチェンジ。全体的にリファインをしたが、居住性の悪さは変わらず販売は低迷をしたままであった。そのため販売台数も常に最下位が定位置であったという。
1970年にモデル廃止となり、後継は1972年登場のシャンテとなる。
二代目モデル(1989年~1995年)
1989年に実に19年ぶりに車名が復活をして登場。軽自動車の生産を軽自動車大手のスズキと業務提携をしたために実現をする。アルトをベースにしながらも内外装はマツダオリジナルとなった。ボディは3ドアのみであるが高いルーフで居住性はアップされている。
また復活に伴い新たなる販売店「オートザム」を設立をし、車名も「オートザム・キャロル」となる。駆動方式はFFと4WDが用意され、ミッションが4速MT、5速MT、3速ATが用意される。エンジンもターボ無しとターボ付きとなる。デビュー当初は550㏄であったが、1990年に軽自動車規格改定により660㏄となる。グレードによりルーフが幌になっている「キャンバストップ」も設定されている。
1991年にマイナーチェンジ。MTが4速が廃止されて5速のみとなる。また安全装備のサイドインパクトバーやリア三点式シートベルトが追加をされ内外装の小変更も行われた。
このモデルは、曲線を生かしたスタイリングや豊富なボディーカラーで女性ユーザーからの支持を集めて大ヒットモデルとなった。
三代目モデル(1995年~1998年)
1995年にモデルチェンジ。モデルチェンジと言ってもドアやリアバンパー、内装部品は先代モデルから流用をしている。フロントデザインは大幅に変更をされ、曲線を生かしたデザインから直線的で勇ましいデザインに変更となった。メカニズムは先代と同じとなる。また運転席エアバックも標準装備となった。
1997年に販売店の統合により、「オートザム・キャロル」から「マツダ・キャロル」への車名が変更をされマークも現在使用をされているマツダのCIマークとなる。
この型は売上も落ちたので、マツダ独自のスタイリングはこの代で最後となった。初期のTVCMには女優・後藤久美子が起用されていた。
四代目モデル(1998年~2004年)
1998年にモデルチェンジ。軽自動車規格の改定によるモデルチェンジであったが、この代でバッチ違いのOEMモデルとなった。この代で何故か4速MTも復活をしているが、安全装備もアルトと同様にエアバックはメーカーオプションとなった。ターボ仕様は廃止となった。
1999年にマイナーチェンジ。MT車にはクラッチスタートシステムを追加をし、CVTを採用をしたグレードも登場。
2000年にマイナーチェンジ。フロントデザインがアルトにマツダCIを取り付けた物から、マツダ車に使われる「ファイブポイントグリル」が採用されマツダ車らしさが出るようになった。またMTも5速に統一化がされる。
五代目モデル(2004年~2009年)
2004年にモデルチェンジ。アルトと同時にモデルチェンジをしている。キャロルの場合はアルトでは中級グレードから上級グレードになるグレードのみとなりパワーウインドーが標準装備化がされる。
2005年に特別仕様車が登場。ミッションは3速ATのみとなる。
2006年にマイナーチェンジ。フロントデザインが変更をされ、排ガス規制もクリアされる。
2007年に日産自動車から、姉妹車・ピノが登場。軽自動車では初の三姉妹車となった。これは2010年までであった。
六代目モデル(2009年~2014年)
2009年にモデルチェンジ。フロントデザインも二代目アテンザや二代目アクセラを彷彿とさせるデザインとなる。ミッションも上級グレードでCVTを採用。他のグレードでは4速ATのみとなる。
2010年に5速MT車が登場。ABSのメーカーオプションの設定が無いモデルとなった。同年には4WD車のミッションはすべてCVT化がされる。
2012年に本家アルトにある低燃費仕様の「アルトエコ」と同様のグレード「キャロルエコ」が登場をしている。
七代目モデル(2015年~)
2014年12月25日に本家アルトより3日遅れでモデルチェンジ。翌年2015年1月より発売開始がされる。
アルトよりもバリエーションが縮小をされ、5速AGS(セミオートマチック仕様)は用意がされていない。そのため廉価グレードは5速MTでボディカラーのホワイトも廉価グレードのみとなる。
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