マドルチェ・ピョコレートとは、遊戯王OCGに存在するカードのひとつである。
概要
2013年3月16日「スペシャルカードプレゼントキャンペーン第2弾」で登場。テキストは以下の通りである。
効果モンスター
※遊戯王カードWiki より引用
星3/地属性/獣族/攻 800/守1500
このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、このカードをデッキに戻す。
また、1ターンに1度、このカードがフィールド上に表側表示で存在し、自分フィールド上の「マドルチェ」と名のついたモンスターの表示形式が変更された時に発動できる。
フィールド上のモンスター1体を選択して表側守備表示にし、そのモンスターが「マドルチェ」と名のついたモンスター以外だった場合、そのモンスターは攻撃できず、効果は無効化される。
地属性・獣族の下級「マドルチェ」モンスターで、「マドルチェ」モンスターの共通効果と相手モンスターの行動を制限する効果を持つ。
カード名はヒヨコの鳴き声「ピョ」とチョコレートを掛け合わせたものと思われる。
しばしば遊戯王OCG界隈で産廃カードの例として挙げられる(Googleで「ピョコレート」と検索すると関連キーワードの一番上に「ピョコレート 産廃」が来る)。ピョコレートは今日もどこかで焼き鳥にされている。
なぜ「産廃」と呼ばれるのか
遊戯王OCGにおいてネタにもしにくい非常に使いづらいカードはしばしば「産廃」と揶揄され、このピョコレートも例に漏れず非常に使いづらいカードとされる。
ただしそこには、決して一言で表せない経緯や背景が存在する。
登場までの経緯
2012年4月14日に発売された「RETURN OF THE DUELIST」で初登場した「マドルチェ」はその愛らしいイラストで注目を集め、続く「ABYSS RIGING」で大幅な強化が行われたことで多くのマドルチェ使いが誕生した。
マドルチェ使いたちは次段「COSMO BLAZER」でのマドルチェ続投を期待し、一時は続投決定との噂も流れたが、結局「COSMO BLAZER」では収録されることなくマドルチェ使い達に深い悲しみを与えた。
深い悲しみにくれながらも、翌年2013年2月16日には「LORD OF THE TACHYON GALAXY」が、2月15日と3月16日には「スペシャルカードプレゼントキャンペーン」が予定されていたことから、コナミからバレンタインまたはホワイトデーに合わせてマドルチェ新規のプレゼントが来るのではという淡い期待をマドルチェ使い達は持ち続けた。
ほとんど願望のような期待だったが、「LORD OF THE TACHYON GALAXY」にて待望のリクルーター「マドルチェ・ホーットケーキ」と「魔導人形の夜」の収録が判明し、マドルチェ使いたちは歓喜に湧き、共に涙した。
そして更に3月7日、遊戯王OCG公式サイトにて「スペシャルカードプレゼントキャンペーン第2弾」にマドルチェ新規が収録されることが発表された。
マドルチェ使いの深い絶望へ希望の光が差し込み歓喜に湧く中、思わぬ追加サプライズにテンションが最高潮に達したのもつかの間、同時にマドルチェ新規カードの効果が判明したことで再び絶望の底に叩き落とされることとなった。
効果
マドルチェ使い達がその効果に絶望した理由は、既存のマドルチェと一切シナジーが無いうえに使い道が殆ど無かったためである。
改めて効果を見てみよう。
効果を要約すると、「1ターンに1度、自分の場の「マドルチェ」モンスターの表示形式が変更された時、フィールド上のモンスター1体を表側守備表示にして更に効果無効・攻撃宣言不可とする」と言える。
効果自体は、どんな強力な相手モンスターも壁かコストにしかできなくなるというなかなか強力な効果である。効果が永続的に持続する点も評価が高い。問題は、発動条件にある。
「マドルチェ」でモンスターの表示形式を変更するカードは「マドルチェ・メェプル」のみである。当時(今も)メェプルは他のマドルチェとのシナジーが薄かったため、その強化としてこのカードはデザインされたのかもしれない。しかし、よく見てみるとこのカードとメェプルはあまりシナジーしていない。
メェプルは、自分と相手のモンスターを1体ずつ表側守備表示にする。この効果でピョコレートの発動条件を満たすことはできるが、相手モンスターも表側守備表示になったためピョコレートの効果の対象に選択することはできず、メェプルで守備表示にしたモンスターとは別のモンスターを選択しなければならない。よって、メェプルと共に使うためには相手の場に2体の表側攻撃表示モンスターが必要となり、効果を発動できたときも1体は効果無効攻撃宣言不可にできるが、もう1体はただ守備表示になるだけである(ただし、守備表示ロックなので実質攻撃宣言不可とも取れる)。
マドルチェには「クイーンマドルチェ・ティアラミス」という強力なエクシーズモンスターが存在し、もし相手の場に2体の強力なモンスターがいるならビートダウン主体が多いマドルチェデッキでは守備表示で場に残すよりティアラミスを出して除去したほうが有効な場面が多い。
メェプル以外で表示形式を変更するとしても、表示形式変更の代表カード「月の書」では発動条件を満たせず、攻撃抑制として有効な「つまづき」は自分も影響を受けて動きにくくなってしまう。
このように、ピョコレートの効果が生きる使い道が殆ど見つからなかったことが産廃と呼ばれる大きな所以となった。
イラスト
それまでの愛玩人形のような容姿が定番だったマドルチェに一石を投じるイラストも火種となった。
見た目をどう思うかは各個人で異なるが、そのイラストに賛否両論入り混じり(比率は非公開)、否定派からは「キモい」「へらへら笑ってる顔がムカつく」と散々な言われようとなった。
もし、ピョコレートがこのような可愛い女の子のイラストだったなら、たとえ有用な使い道が無かったとしても今とは違う評価だったかもしれない。つくづく不遇なカードである。
ピョコエンジネルの登場
コナミからのファンサービスに絶望する者、貴重なプロモ枠をこんなカードで潰してしまって他カテゴリに申し訳ないと懺悔する者など、多くのマドルチェ使いに錯乱者を生み出したピョコレートはその後も親の仇の如く叩かれ続けたが、そんなこのカードに大きな転機が訪れる。
2013年7月12日発売の海外先行パック「Number Hunters」に収録された「機装天使エンジネル/Mechquipped Angineer」(日本では1ヶ月後の2013年8月10日発売の「コレクターズパック-ZEXAL編-」に収録)は、当初から防御カードとして優秀なカードと評価されてはいたが、先に登場していた優秀な防御カード「発条機雷ゼンマイン」やその他の汎用ランク3勢に埋もれてさほど注目されていなかった。
ところが、エンジネルとピョコレートを組み合わせたピョコエンジネルが発見され、これが公認大会で優勝したことから、マドルチェ使いの間で大きな話題となった。
エンジネルは自分フィールド上のモンスターを守備表示にした上でそのモンスターに破壊耐性を付与する。そしてこの効果は誘発即時効果で相手のターンでも発動できる。この効果とピョコレートを組み合わせることで、相手ターンにモンスター効果を無効にして攻撃を封じ、ピョコレートを破壊から守るというコントロール系の戦術が出来るようになった。メェプルと異なり、相手モンスターが一体でも効果使用が可能な点も大きなポイントである。
こうして、ピョコレートの有効な使い道の誕生とそれが成果を残したことで、ピョコレートは「産廃と言われているけど、実は出来るカード」と、ネタカードの域ではあったがそれ以前と比較して大きな地位向上を獲得することに成功した。
強力なエクシーズモンスターの台頭
猛烈なバッシングから一転、このカードの再評価のきっかけとなったピョコエンジネルはあまりに早い終焉を迎える。
エンジネル登場からわずか4ヶ月後の2013年11月16日に発売された「LEGACY OF THE VALIANT」のパッケージカード「No.101 S・H・Ark Knight」はその汎用性と強力な除去性能で多くの耐性持ちカードの価値を引き下げた。ピョコエンジネルも例外では無く、守備表示で出されたアークナイトに対抗する手段なく布陣を突破されるしかなかった。
また、同パックに登場した「励輝士ヴェルズビュート」やその後登場した「鳥銃士カステル」といった強力な除去効果を持つ汎用エクシーズモンスターが次々と登場して殆どのデッキに採用されたことでピョコエンジネルの立場は非常に厳しくなっていった。
こうしてピョコレートの評価はピョコエンジネルと共に静かに消えていったのだった。
総括
登場からわずか1年の間に大きな環境の変化の中で評価の上がり下がりを経験したピョコレートは、こうした流れを経て今も産廃と呼ばれている。
しかし上記に述べた通り、ピョコレートの効果自体は強力で、ピョコエンジネルも天敵となるカードが増えたが決して弱い戦術ではない。ピョコレートは使えないという考えは間違いである。
ピョコレートは、エンジネルというたった1枚のカードが登場するだけで産廃と言われたカードの評価・戦術が大きく変わることを実際に我々に教えてくれた。
やはり蟹頭のエンジニアが言ってたとおり、役に立たないカードなんて1枚も無いのだ。
でもKONMAIさん、もうホワイトデーにファンサービスはやめてください。
関連動画
2014年現在マドルチェ・ピョコレートに関連する動画は確認されていない。
今後も多分難しい。
↑強いてあげるなら、この動画が該当する・・・と思われる。
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