『マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス』とはアージュのゲーム『マブラヴ』 『マブラヴ オルタネイティヴ』の外伝的シリーズ作品である。
概要
アージュより発売されたPCゲームである『マブラヴ』の外伝小説。エンターブレインの月刊誌『テックジャイアン(Tech Gian)』の2007年2月号から2009年12月号にて第一部が連載された。
現在ではファミ通文庫から単行本が刊行されている。
外伝作品と銘打たれているが本編のキャラクターはほとんど登場せず、単独でも楽しめる作品となっている。
通称・略称は「マブラヴTE」、「マブラブオルタTE」、「トータル・イクリプス」、「TE」など。
2012年7月1日からテレビアニメ『トータル・イクリプス』の放送が開始された。
製作総指揮は作者であり、同時にアージュ社長でもある吉宗綱紀が務めている。
ちなみにトータル・イクリプス[total eclipse]とは英語で(星の)皆既食を意味する。
作品の雰囲気はEX・UL・ALが学園モノ・恋愛モノとしての色が濃いが、TEは主人公を含むほとんどの登場人物が最初から軍人であるため軍隊モノとしての色が濃い。
主人公らは国連軍所属の戦術機試験小隊であるため、他国への出向やその国の軍との関わりなども描写されている。
こうした作風のため、マブラヴ2作では見え辛かった国家間の思惑や、他国の軍隊の現状などを垣間見ることができるため、マブラヴの世界観を広げるにはうってつけの作品となっている。
アニメ版では初見の人に世界観を紹介するため、最初の2話を使い篁唯依の初陣である京都防衛戦をオリジナルキャラクターを交えて描かれたが、特に第2話における、あまりに凄惨なオリキャラの死に様が話題となった。
その後も、第2話ほどのインパクトでは無いものの、割と容赦ない残虐描写がたびたび登場する。
アニメ以降のエピソードを収めたゲームも2013年5月16日に発売された。
なお、以下の解説ではマブラヴオルタネイティヴを「AL」、また、同じ世界だが「ある計画が失敗した世界」を「UL」、その後の世界を描く物語「ザデイアフター」を「TDA」と呼称するので注意。
ストーリー
2001年(AL本編で白銀武がAL世界に来る数ヶ月前)、30年近くに及ぶ地球外生命体BETAとの戦いで、世界は滅亡の危機を迎えていた。
国内に多数のBETAを抱えている日本帝国軍は戦況を打開するため対BETA戦の要である人型兵器・戦術機の開発が問題となっていた。
主人公ユウヤ・ブリッジス少尉は米軍から国連軍アルゴス試験小隊への転属となり、この転属への不満を抱きつつ国連軍アラスカ基地へと向かうことになった。
日本人とアメリカ人のハーフながら日本嫌いのユウヤは、同じように日本帝国斯衛軍から転属となった篁唯依中尉と激しくぶつかりながら、日米共同開発の機体「不知火弐型」を育てていくことになる。
だがこの共同開発プロジェクトにはさまざまな国や軍人たちの思惑が絡み付いていた・・・・・
登場人物
- 篁唯依 (CV.中原麻衣)
- 日本帝国軍斯衛軍(インペリアルロイヤルガード)中尉。あだ名はジャパニーズドール。
譜代武家出身のいわゆる「やんごとなき」お嬢様。 - 1998年のBETA日本上陸の際、京都防衛戦で新任少尉として初陣を経験する。
その時の機体は82式戦術歩行戦闘機 瑞鶴TYPE-F。 - 初陣の悲惨な経験を胸に決意を秘めて2001年にアラスカに出向。XFJ計画の開発主任となる。
現在の搭乗機は00式戦術歩行戦闘機 武御雷 TYPE-00F。 - ユウヤ・ブリッジス (CV.小野大輔)
- アメリカ合衆国陸軍少尉。あだ名はトップガン。
- 戦技研部隊でF-22ラプターに乗っていたエリート衛士だったが、XFJ計画の為に日米共同新型戦術機開発チーム”アルゴス試験小隊”に転属する。
日本人とアメリカ人のハーフだが、幼少期の環境が原因で日本人を嫌悪している。 - 本物のBETAとの戦闘経験はない。
搭乗機は、F-15E ストライク・イーグル、97式戦術歩行高等練習機 吹雪、XFJ-01a 不知火・弐型(1番機)。 - ヴィンセント・ローウェル (CV.杉田智和)
- アメリカ合衆国陸軍軍曹。戦技研部隊の時からユウヤとの腐れ縁。
整備主任を務める優秀な整備兵で、各設定を微妙にずらすことで初めて乗る機体の制御誤差を.01以内に納めるという神業的な整備技術を持っている。 - どちらかという気難しい性格のユウヤとうまく付き合っている。
- タリサ・マナンダル (CV.野川さくら)
- ネパール陸軍少尉。アルゴス試験小隊所属。あだ名はチョビ、猫耳メイド、シュラスコ(串刺し)。
山岳民グルカ族の末裔。その勝気な性格故に周囲をもめ事を起こすことが多い。 - アジアでBETAとの戦闘を経験している。
搭乗機はF-15・ACTV アクティヴ・イーグル→XFJ-01b不知火・弐型(2番機) - ヴァレリオ・ジアコーザ (CV.浜田賢二)
- イタリア共和国陸軍少尉。アルゴス試験小隊所属。あだ名はVG、マカロニ。女好きの典型的なイタリア人。
- ヨーロッパでBETAとの戦闘を経験している。
搭乗機はF-15E ストライク・イーグル→F-15・ACTV アクティヴ・イーグル - ステラ・ブレーメル (CV.大原さやか)
- スウェーデン王国陸軍少尉。アルゴス試験小隊所属。あだ名はヴィーナス(原作では彫刻)。
- ヨーロッパでBETAとの戦闘を経験している。
搭乗機はF-15E ストライク・イーグル→F-15・ACTV アクティヴ・イーグル - イブラヒム・ドーゥル (CV.小山力也)
- トルコ共和国陸軍中尉。アルゴス試験小隊の指揮官。かつての現場では「ロードスの英雄」と呼ばれるほどの凄腕衛士。
- 現場ではF-16トルコ陸軍仕様に搭乗している。
- クリスカ・ビャーチェノワ (CV.生天目仁美)
- ソビエト連邦陸軍少尉。イーダル試験小隊所属。紅の姉妹(スカーレットツイン)の一人。
- イーニァとは国連の対BETA秘密計画「オルタネイティヴ3」で出会った。イーニャのことを何よりも大事に思っている。
- 搭乗機は複座型のSu-37UB チェルミナートル。機体制御担当。ソ連軍の極秘計画「ポールネィ・ザトミィニァ計画」の中心人物の一人。
- イーニァ・シェスチナ (CV.能登麻美子)
- ソビエト連邦陸軍少尉。イーダル試験小隊所属。紅の姉妹(スカーレットツイン)の一人。色がどうとかいう不思議ちゃん。
- クリスカとは国連の対BETA秘密計画「オルタネイティヴ3」で出会った。
- 搭乗機は複座型のSu-37UB チェルミナートル。火器管制担当。ソ連軍の極秘計画「ポールネィ・ザトミィニァ計画」の中心人物の一人。
- イェジー・サンダーク (CV.斧アツシ)
- ソビエト連邦陸軍中尉。イーダル試験小隊指揮官で、ソ連軍の極秘計画「ポールネィ・ザトミィニァ計画」の中心人物の一人。クリスカ、イーニァを徴用し、極秘計画を進めている謎多き人物。
- 本人も一流の腕を持つ衛士である。元々「オルタネイティヴ3」に関わっていた可能性が高い。
- 山本伍長 (CV.村田太志)
- 日本帝国軍伍長。試製99式電磁投射砲の電装関係の整備兵として唯依らと共にアラスカに派遣された。
- フランク・ハイネマン (CV.津田英三)
- XFJ計画の技術顧問として出向している、米国最大級の兵器メーカー「ザ・ボーニング・カンパニー」戦術機開発部門の重役。アニメでは呼ばれていないが、「戦術機の鬼」の異名を持つ男。
- 常に穏やかな微笑みを浮かべている温和な人物だが、ソ連遠征ではサンダークと内通しているかのような言動を見せており、周囲の疑念を呼んでいる。
- 戦術機に関しては並々ならぬ執念と、数々の先進技術を持っており、不知火弐型開発に携わることになる。
- フィカーツィア・ラトロワ (CV.本田貴子)
- ソ連陸軍「ジャール大隊」指揮官で、階級は中佐。
ロシア人でありながら大隊の衛士達には母親のように慕われている。 - ユウヤに対しては侮蔑的な態度で接するが、本当は、部下に対するものと同様の想いを抱いている。
本人曰く「息子に似ている」との事。
グルジア出身の男性と結ばれ一男をもうけていたが、2001年時点で夫は戦死、息子は生死不明となっている。 - アルゴスのソ連遠征時に試験部隊の護衛部隊として登場したが、光線級の出現により光線級吶喊を敢行しなくてはならない時に謎の機体と遭遇、やむなく交戦、還らぬ人となった。
- ナスターシャ・イヴァノワ (CV.佐々木未来)
- ラトロワの副官を務める精強で有能な衛士。
十代半ばの少女でありながら大尉の階級を持つ。だがそれ故に時として精神的に幼い面を垣間見せる。 - 愛称は「ターシャ」。その栗色の髪はラトロワの息子と同じ色らしい。
- 光線級吶喊に参加したが還らぬ人となった。
- 巌谷榮二 (CV.菅原正志)
- XFJ計画の計画立案者。帝国陸軍中佐であり、技術廠・第壱開発局副部長を務めている。ジムカスタムに乗ってそうとか言わない事。
- 唯依の亡き父と親交が深かった。
- かつては斯衛軍所属の開発衛士としてF-4J・改 瑞鶴の開発に携わり、模擬戦に於いて当時最新鋭のF-15C イーグルを撃破するなど、高度な戦術機操縦技能と戦術勘を持つすごい人。
大陸で戦うことを希望して斯衛軍から帝国軍に移籍した経緯がある。大陸での戦闘で負った顔の傷は自身への戒めとして消していない。
戦術機
- F-4J 77式戦術歩行戦闘機 撃震(げきしん)
- 世界初の戦術歩行戦闘機F-4ファントムの日本改修型。近接格闘戦を重視している。唯依達訓練兵が練習機として搭乗する機体。今なお世界中の前線で改修され使われている名機。戦車的な防御力重視の第1世代戦術機。
- F-4J改 82式戦術歩行戦闘機 瑞鶴(ずいかく)
- 日本帝国斯衛軍が採用した第1.5世代戦術機。整備性を犠牲に各種性能を底上げする改修をほどした為に日本国内での運用が前提となっている。機体ごとに色が異なる。これはBETAに迷彩塗装は意味がないことと、登場衛士の身分の違いを表すとともに、衛士自身に「高貴なるものの義務」を意識させるとともに、指導者層も共に闘っていると一般兵士たちの戦意高揚を狙ってのこと。6色存在し、「紫、青、赤、黄、白、黒」という色になっている。紫が最上位。
- 94式戦術歩行戦闘機 不知火(しらぬい)
- 日本帝国軍の戦術機。第2世代より更なる軽量化と情報処理能力強化を施した第3世代に該当する。
世界初の実戦配備型第3世代戦術機で、 元々は第1.5世代戦術機である瑞鶴の技術情報を元に、
河崎重工、富嶽重工、光菱重工の3社によって共同開発された。
この機体では、新素材や複合材の開発により耐熱耐弾装甲を重要部に限定することが可能となり、可動性を向上すると共に機体を軽量化。その結果、機動性や整備性が従来機に比べて大幅に向上した。さらに機体表面には新開発の対レーザー蒸散塗膜加工が施されている。
極めて困難な要求仕様を実現するため、量産機としては異例なほど突き詰めた設計がなされており、通常は考慮される発展性のための構造的余裕についても極限までそぎ落とされているため、その要望には答えられていない。
(帝国は第1世代機しかもっていないのにいきなり「第3世代機作れ」とかいう無茶にもほどがある要求をしている) - 94式戦術歩行戦闘機 不知火・壱型丙(しらぬい・いちがたへい)
- ベースとなった不知火を改修した機体だが、燃費などのバランスが無茶苦茶で、そのピーキーな機動特性のためにベテランしか乗りこなせない。専用OSを作ったが異常なまでにピーキーになったのでOSを元に戻して燃費をカバーできる腕を持つ衛士に配備されている。100機程度生産された。(ノーマルの不知火は最低200以上生産されている)
- 00式戦術歩行戦闘機 武御雷(たけみかずち)
- 日本帝国斯衛軍の第3世代戦術機。当時最強の近接格闘能力を備えているといわれている。98年当時はまだ試作機段階だったが、防衛戦に試作機を引っ張り出してきた人がいた模様。00年に正式採用となる。整備性とかコストとかアウトオブ眼中な国内運用前提の機体。各装甲にカーボンブレードやらスパイクやらエッジやらしこんでいるので、文字通り触れるものすべて斬り裂いてしまう。コストが跳ね上がり、整備するのが大変なのもむべなるかな。年間30機ほどしか作れない。これもまた身分によって色が異なり、瑞鶴と同じく6色存在する。→武御雷(戦術機)
- Su-37UB チェルミナートル
- Su-27ジュラーブリクを改良したソビエト連邦陸軍の第2.5世代戦術機。第2世代は光線級に多大な被害を被るという戦訓から、機動性重視へと設計コンセプトを転換している。機動性が高く、両腕にモーターブレードの固定兵装を搭載しているなど近接格闘重視なのがソビエト機の特徴である。この機体は腰部スラスターが追加された
- F-15・ACTV アクティヴ・イーグル
- アメリカ陸軍の第2.5世代戦術機。F-15イーグルに追加ブースターを搭載することで、安価に準第3世代機相当にしようというコンセプトを実証するための試験機。この構想を「フェニックス構想」と呼び、ボーニング社がメインで進めている。追加ブースター部分はウェポンラックとしての機能は残されており、ブースターの能力を潰す代わりに突撃砲(ライフル)を装備することも可能。他国のイーグルを下記のストライク・イーグル並みの性能に引き上げようとして製作された。製作元はボーニング社
- F-15E ストライク・イーグル
- アメリカ陸軍の第二世代戦術機。ベースとなったF-15イーグルに改修を重ねた結果、最強の第二世代戦術機とよばれている。現在のアメリカ軍の中核を担う戦術機。最新の区分では2.5世代機に分類されるほど性能が高い。
- 97式戦術歩行高等練習機 吹雪(ふぶき)
- 日本帝国軍の第三世代戦術機。日本初の純国産第3世代型。元々は第二世代機をすっ飛ばして設計コンセプトが第一世代機とはまったく異なる第三世代機に乗らなければいけない衛士のための慣熟訓練用の為の機体だったが、あまりにも優秀なので実戦に使われていたりもする。
- XFJ-01a 不知火・弐型(しらぬい・にがた)
- 日米合同の戦術機改修計画みよって生み出された第三世代戦術機。ところどころにアメリカ製の部品が組み込まれているのが特徴。エンジンも換装されており機動性を向上させている。日本製の戦術機は航続能力向上の為に各部位も空力特性に配慮した設計が施されているために、それを理解できないとうまく機体を制御できない。
(ただしこの場合は特殊で、他作品でいえば訓練機からいきなりエース専用機に乗せられたようなものなので、ユウヤの腕が確かな証となっている。)
ベースとなった不知火自体が日本帝国軍の要求仕様を満たすためにかなり煮詰まった設計をしており、そのため改修が困難な機体となっていた。その解決のためにプロミネンス計画に便乗する形でXFJ計画は始まることになった。
壱型丙と同じ見た目のものはのちに「フェイズ1」と呼ばれる形態である。
試製99型電磁投射砲
武装に関する項目がないのでこちらに記載する
カムチャツカで不知火・弐型(フェイズ1)と共に試験運用された、世界初の実戦用戦術機搭載型のレールガン。
このレールガンは120mm砲弾を毎分800発という速度で連射する超兵器で、モース硬度15以上ある突撃級の装甲殻や、要撃級の前腕をミンチよりひでぇや状態に出来る代物。
試製とある通り、この兵器はまだ試験段階にあり、現状では一射毎に完全分解整備をしなければならない欠陥兵器。
発射時の見た目がビームに見えるのは、弾の表面がプラズマ化しているせいと、高速で連射しているせいである。なお、このレールガンのブラックボックスにはBETA由来の人類未発見元素「G元素」という物質が使われており、この元素が量産を難しくしている一因でもある。
ある人物が言っていた「悪名高き「横浜製のプロテクト」」だが、これは情報機密レベルにおいて「無菌室(何人たりとも出入り不能)」とまで呼ばれている基地が作り出した、人類最高クラスのプロテクトである。
これを突破した人物は、間違いなく世界中の機関からお呼びがかかることであろう
不知火弐型 デモンストレーターカラー(フェイズ2)
カムチャツカから帰ってきた不知火に、MSIP(ミシップ)強化モジュールを搭載した第2段階。本来の不知火弐型はこちらである。肩部装甲ブロック、腰部にスラスターを追加し、燃料タンクである脚部も大型化。さらにレーダーも最新技術のものに換装し、正に「不知火の皮をかぶった別物」のような強力な機体である。ユウヤの搭乗している機体が1番機。
実はこの機体は「表向きの不知火・弐型完成形態」で、実際にはF-22すら凌駕する専用モジュールに換装した、「不知火・弐型フェイズ3」が存在する。この形態は「フェニックス構想(戦術機を安価に改修して性能を上げる構想)」に基づき作成された、「安価モデル」である。当然ながら性能は申し分なく、のちのAL世界では「04式戦術歩行戦闘機」という形で正式採用されている。
不知火弐型 モノトーンカラー
ユウヤの要望により、視認性の高すぎるカラーを変更したもの。赤や黄などの派手な部分が変更されただけで性能に大幅な変化はない。
XFJ-01b 不知火・弐型(2番機)
現在タリサが搭乗している紺色の機体。1番機との差は搭載しているエンジンが違う。
不知火・弐型フェイズ3
ゲーム版トータルイクリプスに登場する不知火・弐型の真髄。本来は計画終了後、日本国内で極秘にモジュール換装を行う予定だったが、ユウヤの徹底的なフェイズ2モデルのネガ潰し、およびSu-47との比較試験がフェイズ2の限界をあぶり出してしまい、このままでは日本本国が次期主力戦術機にソ連機を導入しかねないという事でこの形態に換装された。
元々、ハイネマンが不知火改修計画に際して提示していたのは本来こちら。
だが、計画のレベルがそこまで到達するかどうか不透明だったため、日本で換装される予定だった。
この機体は、ハイネマンの開発した「YF-23」の影響を色濃く受けており、外装に至ってはほぼ丸々流用しているのではないかというレベルでそっくり。
また、統合補給支援機構、通称「JRSS(ジャルス)」という機能を搭載しており、これは戦場におけるあらゆる物から補給が可能となるシステムで、「撃墜された戦術機」からでも補給が可能となる。JRSSそのものはF-22にも搭載されている。
当然と言えば当然だがステルス機能も搭載。だがステルス機能はBETA戦では意味がない事も、本来ユーコンで換装予定がなかった事の原因の一つ。
なお、この機体のステルスは「第2世代ステルス」と称されている。(F-22のステルスは第1世代ステルス)
外装の設計はステルス重視というわけではなく、あくまで空力性能と近接格闘戦性能の要求から導き出されたもので、あの形状だけでステルスが成立するわけではない。(これはF-22も同様)
性能としてはユウヤのフェイズ2改修要望の斜め上を行く出来で、あえて言うならば戦術機全体で「一本の刀」の如く機能するように製作されている。ユウヤによるとF-22、F-35はこれの真逆の発想で製作されているようである。
YF-23は元々、(失敗作になったとはいえ)「世界最高、最強の多任務万能戦術機」との評価を受けており、その発想を受け継ぐ不知火弐型フェイズ3は、まさに「世界最強の戦術機」となるように仕上げられている。
この機体のコクピットは観測装置を搭載するために複座式になっており、これがのちの物語において非常に重要な役割を持つ事になる。 - F-22A ラプター EMDフェイズ2(先行量産型)
- アメリカ軍の次期主力第3世代戦術機。世界で初めて「ステルス」を搭載した戦術機である。
この戦術機は「BETA大戦終了後の対人類戦闘」を考慮している機体で、レーダーに極限まで映らないように表面塗装には電波吸収塗料、足の裏側の接地樹脂には第1世代機が買えるほどの超高額パーツを使用したりと贅沢三昧な機体。
値段の高さに比例して性能も桁違いで、他国の第3世代機を遥かに上回る性能を持つ。
BETA戦をやらせても圧倒的な実力を見せ付けてくれる。なお、BETAにステルスは意味がない。加えて米陸軍第65戦闘教導団「インフィニティーズ」所属のこの機体は、インフィニティーズの目的が「各基地の教導団を「教導する」」というもので、搭乗衛士の実力も間違いなくトップクラス。F-15と100回戦って負けなしとか、F-18と200回戦って1回も負けなかったとか、とんでもない伝説(記録)を持つ。F-16とのキルレシオは144(F-16)対1(ラプター)。 - F-16C ファイティングファルコン
- アメリカの第2世代戦術機。F-15シリーズや他の機体の調達コストが高騰してしまい、「Hi-Low-Mix」構想の下、安価で高性能な機体として誕生した。小型ながらも高性能な機体で、アメリカだけでなく、各国で正式採用されている。
- J-10X 殲撃(ジャンジ)10型 近接能力強化試験機
- 統一中華戦線の第2世代戦術機。F-16をベースにイスラエルとの共同開発で誕生した、F-16の系列では最も成功した機体。前線国家の例に漏れず、近接格闘重視になっている。
最大の特徴は頭部の被破壊リスク低減を狙った装甲化とラウンドモニター。さらに機体の胸部と腰部には戦車級排除用の(現実のクレイモアに近い)リアクティヴアーマーが搭載されている。TEで暴風(バオフェン)小隊が運用する機体は、極限まで軽量化した機体とロケットモーターによる高機動格闘戦に特化した試験機。 - MiG-29OVT ファルクラム
- MiG-29ラーストチカを改良したソビエト連邦陸軍の第3世代戦術機。東ドイツとソ連の共同開発機で、本来の機体コードはMiG-35。この機体はあくまで実験機だが、正式採用機と遜色ない性能を持つ。
アメリカの企業「ノースロック・グラナン」との公式技術提携によって大規模改修された機体で、プロミネンス計画における「成功例」、F-15・ACTVの好敵手として知られている。
Su-37と同じく両腕のモーターブレードやスパイク装甲のほか、下腿部(人間で言うすねの部分)には大型モーターブレードを搭載するなど、近接戦能力を強化している。
現在ソ連本国でSu-47と次期主力機の座をかけて、比較試験を行っている。 - Su-47 ビェールクト(ベルクート)
- ソビエト連邦陸軍の第3世代戦術機。Su-37をベースに、ハイヴ攻略、制圧戦のための超密集格闘戦を主眼において再設計した機体。なお、名前の読み方についてはSu-47の項目を参照。
究極の機動近接格闘性能を追求されており、Su-37以上に増設、大型化したスパイク装甲に加え、西側最新式のシステムに換装した結果、「三次元多角機動」とも言うべき機動が実現可能となっている。跳躍ユニットには前進翼が採用されている。現在ソ連本国でMiG-35と次期主力機の座をかけて比較試験を行っている。
原作小説ではまったくといっていいほど動いていないが、「TSFIA」というホビージャパン連載の企画物では、「80%の性能でSu-37に乗ったサンダークを圧倒する」動きを見せている。(総集編Vol.4に記載)
余談だが、栗林みな実さんがラジオで、「幻(まぼろし)の機体」を「まぼろのきたい」と言っちゃったため、ファンの間では通称「幻の機体(まぼろのきたい)」などと呼ばれている。
なお戦術機は世界中で改修、開発がおこなわれており、様々なバリエーションが存在する。そんな戦術機が一同に会しているのが、トータルイクリプスの舞台であるアラスカのユーコン基地であり、各国の機体が様々な思惑のもと入り混じるのもトータルイクリプスの見どころである。詳しくは→戦術機
スタッフ(アニメ版)
- 原作:吉宗鋼紀
- 製作総指揮:吉宗鋼紀
- 監督:稲垣隆行
- キャラクターデザイン:原由美子
- 総作画監督:水上ろんど・篠原健二
- メカニックデザイン:川原智弘・大河広行
- プロップデザイン:森岡賢一
- 美術設定:松本浩樹
- 美術監督:市倉敬
- 色彩設計:篠原愛子
- CGIチーフデザイナー:森野浩典
- 撮影監督:江間常高
- 2Dモニター:加藤千恵
- 編集:定松剛
- 音響監督:明田川仁
- 音響効果:小山恭正
- 音響製作:マジックカプセル
- 音楽:長岡成貢
- 音響プロデューサー:池畑伸人
- アニメーション製作:ixtl・サテライト
主題歌(アニメ版)
- 1stオープニングテーマ「Go to the top」
- 作詞・歌:倖田來未 / 作曲・編曲:CLARABELL
- 1stエンディングテーマ「signs ~朔月一夜~」
- 作詞・作曲:加藤祐介 / 編曲:長岡成貢 / 歌:栗林みな実
- サブタイトルの読みは「さくつきひとよ」。
- 2ndオープニングテーマ「Doubt the World」
- 作詞:畑 亜貴 / 作曲・編曲:山下洋介 / 歌:栗林みな実
- 2ndエンディングテーマ「Revise the World」
- 作詞:畑 亜貴 / 作曲:加藤祐介/ 編曲:長岡成貢 / 歌:ayami
- 17話エンディングテーマ「スノウメヰデン」
- 作詞:畑 亜貴 / 作曲・編曲:長岡成貢 / 歌:美郷あき
挿入歌(アニメ版)
- 「NO PLACE LIKE A STAGE」(第3話、第16話)
- 作詞:谷山紀章 / 作曲・編曲:飯塚昌明 / 歌:GRANRODEO
- 「True 4 Eyes」(第4話)
- 作詞・歌:栗林みな実 / 作曲:アンプロヴィデンス計画 / 編曲:大谷靖夫
- 「Apocalypse of Destiny」(第5話、第23話)
- 作詞:池畑伸人 / 作曲:プロミネンス計画 / 編曲:山下洋介 / 歌:ayami
放送局
放送局 | 放送開始日時 | 放送日時 |
テレビ東京 | 2012年7月1日 | 日曜深夜1:35-2:05 |
テレビ大阪 | 2012年7月2日 | 月曜深夜1:10-1:40 |
テレビ愛知 | 2012年7月6日 | 金曜深夜2:30-3:00 |
テレビせとうち | 2012年7月6日 | 金曜深夜1:53-2:23 |
テレビ北海道 | 2012年7月3日 | 火曜深夜2:30-3:00 |
TVQ九州放送 | 2012年7月2日 | 月曜深夜2:23-2:53 |
AT-X | 2012年7月5日 | 木曜11:00-/23:00- 月曜17:00-/29:00- |
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 動画 |
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第1話 | 帝都燃ゆ(前編) | 山口宏 | 三沢伸 | 阿部雅司 | 山内則康 古川博之 |
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第2話 | 帝都燃ゆ(後編) | 吉川浩司 | 野田康行、山崎輝彦 古川博之、山口飛鳥 KIM YONG-SIK |
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第3話 | 錚々たるユーコン | 稲垣隆行 | 福田道生 | ヤマトナオミチ | 山田裕子 | |
第4話 | 朧月の群れ | 山口宏 | 稲垣隆行 | 田口智久 | 志賀道憲 飯飼一幸 |
|
第5話 | 正しき資質 | あおしまたかし | 平田智浩 | 徐恵眞 | 崎本さゆり、岡辰也 田中志穂、金丸綾子 小市由佳 |
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第6話 | 群青 | 柿原優子 | 福田道生 | 飯村正之 | 清水勝祐、そらもとかん 中島美子 |
|
第7話 | 漂泊の行方 | こでらかつゆき | 阿部雅司 | 古川博之、山田裕子 山内則康 |
||
第8話 | 極東戦線 | 山口宏 | 三沢伸 | 野木森達哉 橋口洋介 |
KIM YONG-SIK | |
第9話 | 落涙 | あおしまたかし | こでらかつゆき 福田道生 |
徐恵眞 | 崎本さゆり、村司晃英 岡辰也 |
|
第10話 | 予兆 | 吉村清子 | こでらかつゆき | 筑紫大介 | 村田峻治 | |
第11話 | BETA進撃 | 山口宏 | 三沢伸 | 吉川浩司 | 畑智司、竹森由加 深沢謙二 |
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第12話 | 死闘の果て | 山口宏 | 三沢伸 | 吉川浩司 | 畑智司、竹森由加 深沢謙二 |
|
第13話 | 選択の対価 | 島津裕行 安藤正臣 |
黒瀬大輔 | 吉田尚人、安本学 舘崎大 |
||
第14話 | 衛士の一分 | 島津裕行 安田賢司 |
清水明 | 鯉川慎平、吉岡敏幸 一居一平 |
||
第15話 | 追い縋る十字架 | あおしまたかし | 安田賢司 | 笹原嘉文 | 飯飼一幸、八木元喜 寒川歩、志賀道憲 |
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第16話 | 蒼ざめた焔 | 千葉克彦 | 安田賢司 水本葉月 |
筑紫大介 | 畑智司 内田孝 |
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第17話 | 仄暗き記憶 | 柿原優子 | 安藤正臣 | 泉明宏 | 羽野広範、品口晶 容洪 |
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第18話 | 歪みの羽音 | 吉村清子 | 安藤正臣 水本葉月 |
水本葉月 | HWANG MIJEONG HAN SEUNGHUI HEO GIDONG |
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第19話 | 深緑 | あおしまたかし | 福田道生 | 前園文夫 | 栗原基彦、小澤円 前澤弘美、森悦史 水上ろんど、内田孝 |
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第20話 | 牙を剥く世界 | 山口宏 | 沼田誠也 | 畑智司、竹森由加 前澤弘美、小澤円 今西亨、水上ろんど 内田孝 |
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第21話 | 裂ける未来 | 千葉克彦 | 和田高明 吉川浩司 |
井端義秀 志賀道憲 |
飯飼一幸、寒川歩 八木元喜、荒木祐 志賀道憲 |
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第22話 | 汚れなき報復 | あおしまたかし | 吉川浩司 | 清水明 | 吉岡敏幸、鯉川慎平 一居徳男、羽野広範 |
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第23話 | 屍せる者たちの凱歌 | 吉村清子 | 大河広行 島津裕行 |
中山敦史 | 飯泉俊臣、吉田尚人 田中一真、本田創一 安本学、古川博之 |
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第24話 | 白い闇 | 川原智弘 安藤正臣 |
安藤正臣 | 内田孝、篠原健二 水上ろんど、畑智司 |
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関連動画
多少ネタバレ要素があるものの、マブラヴをゆっくり解説やPVがアニメ視聴前に世界観を理解しやすい。
関連生放送
関連コミュニティ
関連項目
- マブラヴ
- マブラヴ オルタネイティヴ
- シュヴァルツェスマーケン
- BETA
- 戦術歩行戦闘機(戦術機)
- アージュ
- ファミ通文庫
- ライトノベル
- 2012年夏アニメ
- ニコニコ動画で配信中のアニメ作品一覧
- マブラヴをゆっくり解説
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