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マリアライト

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マリアライト(Maria lite)とは、2011年生まれの日本の競走馬。黒鹿毛の牝馬。

安平町・ノーザンファーム生産、美浦・久保田貴士厩舎所属、馬主はキャロットファーム

名前は「「成功の石」と呼ばれるパワーストーン名。母名より連想」※JRA 競走馬情報より

主な勝ち鞍
 2015年:エリザベス女王杯(GI)
2016年:宝塚記念(GI)

生い立ち

父ディープインパクト、母クリソプレーズ、母父*エルコンドルパサーという血統。

父ディープインパクトは言わずと知れた無敗三冠馬にしてGI7勝馬。マリアライトは種牡馬入り4年目の産駒で、マリアライトが生まれて間もなくマルセリーナとリアルインパクトがGIを勝利した。
母のクリソプレーズは現役時代芝の中距離で3勝。母父の*エルコンドルパサーはNHKマイルC、ジャパンカップ、サンクルー大賞典を勝ち、凱旋門賞2着の優駿。僅か3世代しか遺せなかったがヴァーミリアンやソングオブウインド、アロンダイトを輩出した。

母の全兄にはジャパンカップダートを制した前述のアロンダイトがおり、またマリアライトが競争年齢に達した後に半兄クリソライトがジャパンダートダービーを勝利し、時を経て半弟リアファルが重賞を、半弟クリソベリルがダート王に君臨。パワーとスタミナを兼ね備えた重厚な一族の出身である。

成功の石

3歳

競走年齢となり美浦の久保田貴士厩舎へと入厩。元々期待馬ではあったが体質に弱いところがありデビューは3歳に持ち越し、3歳1月の中山芝2000でデビュー。三浦皇成を鞍上に3番人気で迎えた本番では、後方から外を回して追い込み、2着に2馬身半をつける快勝を収める。

続く500万条件、スイートピーSを敗れるものの、古馬混合戦の始まった6月の500万条件戦では蛯名正義を鞍上に迎え、先に抜け出したフライングスキップを残り200mから加速して差し切り勝ちを収めた。
その後年内は1000万条件戦を3戦するも3着2回、5着1回と勝つには至らなかったものの、蛯名が鞍上を務めた2戦では馬の良化を語っていた。最終戦のみ大野拓弥が鞍上だったが、今後鞍上は蛯名正義で固定化した。

4歳

年明け初戦は後方から追い込むも届かず3着に敗れ、ここまで1800～2000m戦を使っていたが、続戦に中山芝2500の潮来特別に出走すると、中団に構えて徐々に進出、直線入口で先頭に立ちそのまま押し切って3馬身差の圧勝を収める。
この勝利を見て陣営はエリザベス女王杯の挑戦を見据え、続く東京芝2400の緑風Sでは最後の直線で包まれて進路が無くなるロスがあったが、残り250mから進路が開けると一気に加速し先頭集団を外からぶっこ抜いてオープン入りを果たす。

その後初の関西圏となるマーメイドSに出走。重賞初挑戦ながら1番人気に推されたが、最後の直線でウインプリメーラを交わしたところで大外からシャトーブランシュに交わされて2着となった。
続くオールカマーは4番人気で出走し、最後の勝負処で勝ち馬のショウナンパンドラとほぼ同じポジションにいたものの、今ひとつ反応に欠き5着に敗れた。しかし陣営は牡馬に混じっての5着でエリザベス女王杯でもやれると確信していたようだ。

そしてエリザベス女王杯。京都競馬場は前日の雨の影響により稍重発表。1番人気は前走オールカマー2着のヌーヴォレコルト、続いて前年の同レース覇者ラキシス、同年オークス2着馬ルージュバックが人気を集め、本馬は単勝15.2倍の6番人気であった。
当日は前走比-10kgの「究極仕上げ」。レースが始まると前2頭が後ろを離して逃げる中、中団を追走し坂の下りから徐々に進出。直線を大外で迎えるとそのまま脚を伸ばし、後続が殺到する中それを従えるかのように伸び続け、最終的に外から追い込んだヌーヴォレコルトをクビ差封じてゴール。
マリアライト、そして久保田厩舎共にGI初制覇となり、またこの勝利で蛯名正義は牝馬限定GI 完全制覇となった。
続いて有馬記念に挑戦。ここでは単勝41.5倍の12番人気に甘んじたものの、大外枠から前目につける積極策を展開し、直線で先頭に立ちかけるシーンもあったが最後に甘くなるも0.1秒差の4着と善戦した。

5歳

基本的にタフなコースの方が良いと判断されたか、年明けは日経賞から始動。9頭立ての中先行馬を見る好位から進めたものの、前目で立ち回るゴールドアクターとサウンズオブアースに届かず3着。
続く目黒記念では56kg、牝馬のアローワンス 2kgを考えると牡馬換算58kgの最重量ハンデ相当を課され、それでも1番人気に支持されたが、レースでは中団から直線に入って外から伸びていたものの、マリアライトをマークするように立ち回ったクリプトグラムに交わされ、最後差し返す動きを見せたもののクビ差で惜敗する。

続いて春3戦目の宝塚記念。ここでは1個下のクラシックホースであるドゥラメンテが抜けた人気で、同じくキタサンブラックが続く人気。他にはアンビシャス、ラブリーデイ、シュヴァルグラン、トーホウジャッカルなども参戦し、マリアライトは単勝25.1倍の8番人気であった。阪神競馬場は梅雨時である事も相まって稍重の発表であった。
レース本番。17頭立ての16番枠から中団の後ろ目につける。レースは大方の想定通りキタサンブラックが淡々と逃げる展開となった。鞍上の蛯名は内回りコースである事を考慮して3コーナー辺りの勝負処から押して押して上がっていき、直線に入る頃には3, 4番手につけていた。蛯名はダイナミックなフォームで必死に追い、直線でラブリーデイ、ステファノスと交わし、逃げ粘るキタサンブラックを差し、追い込むドゥラメンテを抑えてゴール。
2つ目のGI タイトルはスイープトウショウ以来11年振りとなる牝馬の宝塚記念制覇。鞍上の蛯名正義は「みっともないくらい追った。自分にも馬にも『頑張れ！』って」と語るように、馬と鞍上の根性の勝利であった。

休養を挟んでオールカマーから始動するが、中団から伸びを欠いて5着に敗れ、続くエリザベス女王杯では1コーナーで躓いて鞍上が立ち上がる不利があり、直線でもジリジリとしか伸びず6着。有馬記念でも中団から失速してた訳では無いがジリジリとしか伸びず10着に敗れた。

その後キャロットファームの規約に従い引退。ノーザンファームにて繁殖入りした。

繁殖入り後

引退後にエピファネイアが交配され、翌年に初子としてオーソクレースが誕生。母と同じく久保田貴士厩舎へと入厩したオーソクレースはアイビーSを勝ち、重賞制覇こそ果たせなかったがホープフルSと菊花賞で2着に入っている。しかし菊花賞で1着となったのがかつて母が宝塚記念で下したドゥラメンテの息子・タイトルホルダーだったのは何の因果であろうか。

余談

勝ったGI2勝は共に稍重で行われたレースであり、またエリザベス女王杯、宝塚記念共にロングスパートを仕掛けて最後まで伸びるというパワーとスタミナに物を言わせたレース運びである。「お前本当にディープインパクト産駒か？」と言いたくなる人も多い。また最も馬体重が重い時でも440kgと小柄であった。
調教助手としてマリアライトを担当していた伊坂重信(2019年中山大障害を勝ったシングンマイケルの馬主伊坂重憲の息子でもある)は2020年に高橋義博調教師勇退に伴い、引き継いで厩舎を開業している。
鞍上を務めた蛯名正義も2021年に引退し厩舎を翌年3月に開業予定である。そのうちマリアライトの子供や孫を管理する2人を見られるかもしれない。

血統表

ディープインパクト 2002 鹿毛	*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛	Halo	Hail to Reason
			Cos mah
		Wishing Well	Understanding
			Mount ain Flower
	*ウインドインハーヘア 1991 鹿毛	Alzao	Lyphard
			Lady Rebecca
		Burghclere	Bus ted
			Highclere
クリソプレーズ 2002 黒鹿毛 FNo.16-a	*エルコンドルパサー 1995 黒鹿毛	Kingmambo	Mr. Prospector
			Miesque
		*サドラーズギャル	Sadler's Wells
			Glenveagh
	*キャサリーンパー 1987 青鹿毛	Riverman	Never Bend
			River Lady
		Regal Exception	Ribot
			Raj put Princess
競走馬の4代血統表