マリオン・ティンズリー単語

マリオンティンズリー
2.2千文字の記事
  • 4
  • 0pt
掲示板へ

マリオン・ティンズリーMarion Tinsley, 1927年2月3日 - 1995年4月3日)とは、伝説チェッカープレイヤーであり、コンピューターと戦った人物である。

人間対コンピューター

1992年8月ティンズリーはジョナサンシェーファーと彼が作った「シヌーク」と対峙していた。二人と一台の間にあるのはチェス盤と駒。しかしチェスをやっているのではない。チェッカーチェスの簡易版のようなもの)だ。当時最強チェッカープログラムだったシヌークは、次なる対戦相手としてティンズリーに「頂上決戦」を申し込んだ。カスパロフとディープブルーの戦い(一回)の4年前のことである。

闘の結果、ティンズリーはシヌークを4勝2敗34分で退け、統一王者にいた。しかし、ティンズリーが喫した2敗が、全世界衝撃を与えることになる。コンピューター世界王者が負けたから?いやいや・・・

史上最強のチェッカープレイヤー

このティンズリーという男、とんでもないくらい強いチェッカープレイヤーだったのである。プロチェッカープレイヤーとして戦ったのは(中断期間含め)45年間。この間世界王者にくこと8回に及ぶ。出場した8回のタイトルマッチは全て勝ち、合計227戦で負けたのはたったの2回だけ。いやそれどころの話じゃない。ティンズリーが45年間で負けた公式戦がたったの5試合しかない

多分訳が分からないと思うのでもう一度言おう。45年間で5敗チェッカーは基本的に引き分けが多いゲームなのだが、ここまで負けなかったのは後にも先にもティンズリーただ一人。いくら中断期間(大学数学者やってたらしい)があったとはいえ、敗北率は0.01を切るとも言われており、ティンズリーが負けたというだけでニュースなるほどである。(ちなみに、本人の言によれば「正確には13敗あるよ」だそうだが、これはエキシビジョンマッチ非公式戦まで含めての数。というかそれでも年に一回負けるかどうかになるだけで十分おかしいんですよ)。他にも自分が戦った全ての記譜を璧に覚えていたとか、途中プロやめてたのに復帰したら復帰前より強くなってたとか、普通年を取ったら弱くなるチェッカーたった一人老いるたびに強くなったとか、わけのわからんレベルエピソード満載で、シヌークの作者ジョナサンシェーファーをして、「彼はチェッカー全解を知っているんじゃないか?」と言わしめた史上最強チェッカープレイヤー、マリオン・ティンズリー。彼に肩するチェッカープレイヤーを探そうと思ったら、第二次大戦前に27歳で折した天才Samuel Gonotskyくらいしかいないと言われた、生きる伝説。そんな45年間で5敗の史上最強の男がコンピューターに負けた。しかも2敗。それがどれだけの衝撃だったことか。あまりに衝撃的すぎてタイトル戦自体もティンズリーが負けたと勘違いされたり・・・

その後

実は前年にもティンズリーに挑んで返り討ちティンズリーの1勝0敗13分)にあっていたシェーファーは、さらにプログラム良を重ねリベンジマッチを申し込む。1994年8月に開かれた第2回マンマシンマッチ、6戦を引き分けたのちティンズリーは体調を崩してしまい、試合続行不可能で不戦敗となり、統一王者の称号はシヌークとシェーファーのものとなった。ティンズリーはそのまま体調戻らず、1995年4月3日永眠。

不戦勝ながらも統一王者となったシェーファーとシヌークは、その後も研究を推し進めた結果、チェッカー全解析に成功し、双方最善手を続けた場合引き分けになることが示された。2007年7月9日のことだった。もしもティンズリーが生きていて、全解を得たシヌークと戦っていたらどんな試合が生まれただろうか・・・

日本ではマイナーゲームの人物のためか、以前はマリオン・ティンズリーで日本語検索すると「チェスの前にチェッカーとかいう良くわからない分野コンピューターに負けた人」くらいしか触れてないサイトが多かった。一応中にはちゃんと「6分けののち不戦敗」と書かれてるものもあったが、前年の戦いについてふれているものは皆無に近かった。仕方ないことではあるが。2011年に「人間の王」(宮内悠介著。「盤上の」に収録)が発表されてやっと少し有名になった・・・かもしれない。

カスパロフがディープブルーに負ける(余談だがこれも96年にカスパロフタイトル戦として負けたと勘違いされることがあるが、負けたのは6試合中1試合だけであり、タイトル戦として負けたのは翌年のリベンジマッチのほう)4年前、そして電王戦三浦弘行八段がGPS将棋に負ける21年前に、コンピューターと戦い、「負けた」伝説の男マリオン・ティンズリー。彼の有名な言葉を最後に、この文章を締めくくろうと思う。

コンピューターに勝てるかという質問に)勝てるさ。彼(シヌーク)を作ったプログラマー人間だが、私を作ったプログラマーだからね。

参考文献

関連商品

関連項目

【スポンサーリンク】

  • 4
  • 0pt
スマホ版URL:
https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%AA%E3%83%BC
記事編集 編集履歴を閲覧

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

マリオン・ティンズリー

4 ななしのよっしん
2015/03/30(月) 22:24:28 ID: ixtP48C5qg
人間の王」読んだ。最後に参考文献が出るまで架の人物かと思ってた。
5 ななしのよっしん
2015/07/22(水) 12:42:20 ID: LYWEF8XiwF
>>3
いや昔のファミコン将棋ソフトが弱かったのは知ってる多いだろ
6 ななしのよっしん
2015/08/17(月) 11:40:48 ID: qFy3VpRokK
>>3い、そのような記述が一様に正確さを欠くのはどうしてなんだろう
7 ななしのよっしん
2015/10/12(月) 00:00:52 ID: 7DauP7zoLF
>>3
それは知的ゲームにおいて人間コンピューターより強いのは「自明」であったからだよ
海外がどうかは知らないけど、日本では読者知ってると思われる情報を殊更に挙げることはしないからね
8 ななしのよっしん
2016/12/04(日) 16:41:00 ID: ePp9fySTnf
チェッカーの競技人口は4000万人と言われているとか
コンピューターによる全解(絶対に負けない方法)が見つかっても、チェッカーという競技が衰退していないし、今なお盛んに遊ばれている。
世界大会もあるが、未だティンズリー以上の天才が出ていないらしい。

電王戦などにおいて「人がコンピューターに負ければ、将棋の面さが失われる」という意見があるけど、チェッカーの動向を見るに杞憂なんじゃないかな
9 ななしのよっしん
2016/12/04(日) 18:25:35 ID: 7g3jT3JjXq
すでに将棋も入玉とかほとんど使われてない手や対人戦ではまったく意味をなさない
わざと防御崩すとかの方法使わない限り人間は勝てないレベルになってるが
将棋の面さ失われたのかどうか
10 ななし
2017/05/27(土) 13:04:51 ID: EzBEpHdAkb
ウサイン・ボルトスポーツカーに負けたとしても陸上競技の面さにはないから
11 ななしのよっしん
2017/08/12(土) 14:37:36 ID: CY6voGPOAx
人間の王」は本当に面かった。
作品の面さは論だが何よりもティンズリー本人の無双っぷりが格好良い。
あと、この動画も良かった。
>>sm29541420exit_nicovideo
12 ななしのよっしん
2018/12/08(土) 19:31:36 ID: Khg0NA5VWo
>>3>>6
その思考形態は典的なアスペのものだから、病院に行った方がいいな…

物事には「流れ」ってのがあって、それによって「暗黙の了解」が生まれる。
既に言われてる通り、
コンピューター研究が進み、○○年に人間勝利しました」って情報には
「それまでは負けていた」って情報が「自明」のものとして含まれてるんだわ。

これが理解できないと、実社会の人付き合いでもさぞ苦労するだろう…
13 ななしのよっしん
2019/03/16(土) 11:09:07 ID: 4KWX5KJPwr
>>12

アスペルガー定義から外れるような使い方して他人を貶すのは止めろ、そういうのはただの悪口以前に規約違反だ。

急上昇ワード改