マルカンハルカゼとは、2019年生まれ、牡、栗毛の競走馬である。
概要
父バゴ(FR)、母ハルダヨリ、母父ファルブラヴ(IRE)。
父は2004年の凱旋門賞、その他数々のG1を勝利した「欧州2歳・3歳牡馬チャンピオン」のバゴ。
母は中央で5戦、遡ると「星若(USA)」にたどり着く血統のハルダヨリ。
登録は地方、所属は大井競馬。
調教師:佐々木洋一
馬主 :斉藤勘介
経歴
当歳
- 2019年3月23日
20時6分、北海道新ひだか町静内の牧場で誕生。
額にやや細長い菱形の星を持つ、綺麗な栗毛の牡馬。
幼名は「陸」。
生産牧場のツイート内では、「陸」の他に「りく」「りっくん」と表記されることもあった。
1歳
- 明け1歳を迎え、他の牧場へ留学に出かける。(留学開始の時期不明)
- 2020年9月24日
セプテンバーセール3日目に上場番号568で上場されるが、主取りとなる。
(当日はNo.450~No.643のセリが行われ、落札146頭、欠場11頭、主取り37頭)
当馬の所有者である牧場は、翌月のオータムセールでの上場を検討したようであるが、
セリ終了後に馬主様とご縁があり、庭先での取引が決定した。
2歳
3歳
- 2022年1月24日
大井競馬、3R、3歳新馬戦に鞍上・藤田凌で出走。
スタートの反応は良かったが、
ジョッキーは無理に追わず、最後方から前を見る形でレースを進める。
3コーナーから騎手が手を動かすが、前との差を縮められずに直線へ。
直線に入ってからも、マルカンハルカゼ号は諦めずに追走。
騎手も教育のため諦めさせずにムチを入れるなど、人馬ともに全力でゴールを目指す。
直線、残り200m付近で馬体に故障が発生。
騎手が投げ出され落馬競走中止。
競馬場や中継放送で応援していた多くのファンが無事を祈ったが、
右第三中手骨粉砕骨折により予後不良としての処置がとられた。
(故障についての補足は当ページ下部を参照)
待ちに待ったデビュー戦での故障。
あまりにも速く天に駆けていき、多くのファンが涙した。
競走成績
能力・調教試験
日付 | 開催 | 組 | レース名 | 頭数 | 馬番 | 騎手 | 距離 | タイム | 馬体重 |
2021/12/30 | 第16回 | 2 | 能力・調教試験 | 7 | 7 | 藤田凌 | ダ800 | 53.2 | 480 |
レース
日付 | 開催 | 天気 | R | レース名 |
2022/1/24 | 大井 | 曇 | 3 | 3歳 新馬 |
頭数 | 枠番 | 馬番 | オッズ | 人気 | 騎手 | 斤量 | 距離 | 馬場 | 馬体重 |
6 | 6 | 6 | 39 | 5 | 藤田凌 | 56 | ダ1400 | 良 | 470(初) |
血統表
*バゴ(FR) 黒鹿毛 2001 |
Nashwan 栗毛 1986 |
Blushing Groom | Red God |
Runaway Bride | |||
Height of Fashion | Bustino | ||
Highclere | |||
Moonlight's Box 鹿毛 1996 |
Nureyev | Northern Dancer | |
Special | |||
Coup de Genie | Mr. Prospector | ||
Coup de Folie | |||
ハルダヨリ 栗毛 2012 FNo.F3 |
*ファルブラヴ(IRE) 鹿毛 1998 |
Fairy King | Northern Dancer |
Fairy Bridge | |||
Gift of the Night | Slewpy | ||
Little Nana | |||
ハルワカ 鹿毛 2003 |
ワカオライデン | *ロイヤルスキー(USA) | |
オキワカ | |||
ホリワカ | ホリスキー | ||
ダスシエーネ |
クロス:Northern Dancer:S4×M4 、 Special:S4×M5
輸入基礎牝馬:星若(USA) ~
補足
シュシュブリーズ2019の幼馴染として
当馬は、niconicoの企画である「リアルダービースタリオン」にて誕生したシュシュブリーズ2019(競走馬名:クールフォルテ)と同じ生産牧場の同じ厩舎で誕生した。
そのため、放牧地で一緒に過ごすなど幼馴染として定点放送等に映り込むことも多く、誕生時から多くのファンがつき、成長を見守られてきた。
当歳の頃の映像は、リアルダービースタリオン/リアルダビスタ/リアダビのタイムシフト視聴で確認できる。
故障について
- 骨折の種類(分類)
「粉砕骨折」とは、骨がいくつかの複雑なパーツに分かれてしまう骨折のことである。
骨折箇所が元の骨の形容を保っていないため、負重(体重をかけること)は出来ない。
たとえ一瞬は負重が出来たとしても、その足で体を支えることは不可能である。
また、粉砕により周囲の腱等にダメージを与えていることも少なくない。
- 故障個所
「右第三中手骨」とは、大雑把に説明をすると、
馬の右前肢で「膝のように見える部分」から「足首のように見える部分」までにある骨のことである。
競馬の世界では左右は問わないが「管骨」とも呼ばれる骨である。
なお、後肢にある同様の骨は、「第三中"足"骨」である。
馬の骨格・名称については、JRAのホームページで確認できる。
=> こちらをクリック
- 馬の骨折治療
骨折の種類や程度によっては、保存療法が選択されることもある。
一方、調教等に耐えられない/保存ではリスクが高いと判断された場合や、回復の時間を考慮して外科手術が選択されることもある。
馬の骨折に対する手術でも人間と同様に、プレート、スクリュー、ピン、ワイヤー等が用いられるが、
500kg近い体重と負荷に耐えられず、麻酔覚醒後の起立時や馬房療養中に再骨折や付近に新たな骨折を生じてしまい、結果として予後不良となってしまう場合がある。
どの骨が、どのように折れるたのか、それが治療方法や治療可否を判断する重要な要因となっている。
- 予後不良の処置は「苦しみを長引かせない」「新たな別の苦しみを与えない」ために行われている。
中央/地方を問わず馬主は一般的に経済的余裕のある方々であり、決して治療にかかる費用が主因ではない。
馬主も、厩舎関係者も、獣医も、救えるものなら救いたい。
そういった思いの中、苦渋の決断がされていることを競馬ファンは忘れてはならない。
競走馬の予後不良等については、ニコニコ大百科の以下を参照。
・予後不良
・バーバロ号:2006年のケンタッキーダービー優勝馬。
重度骨折に対して何とか手術を行ったが、最終的に蹄葉炎を発症。
関連項目
外部リンク
- 放牧地で共に過ごした馬たち
ニコニコ大百科
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