基本データ | |
---|---|
正式名称 | エルサレム、ロードス及びマルタ における聖ヨハネ主権軍事病院 騎士修道会 Sovrano Militare Ordine Ospedaliero di San Giovanni di Gerusalemme di Rhodi e di Malta(伊) Sovereign Military Hospitaller Order of St. John of Jerusalem of Rhodes and of Malta(英) |
国旗 | |
国歌 | Ave Crux Alba |
公用語 | イタリア語 |
首都 | ローマ マルタ宮殿 |
人口 | 約1万人 |
通貨 | Scudo |
マルタ騎士団( Sovereign Military Order of Malta)とは、ローマ・カトリック教会の騎士修道会であり、国連にオブザーバー参加している主権実体である。正式名称は『エルサレム、ロードス及びマルタにおける聖ヨハネ主権軍事病院騎士修道会(Sovereign Military Hospitaller Order of St. John of Jerusalem of Rhodes and of Malta)』。
なお、騎士修道会とはローマ・カトリックの下部組織ではなく、カトリックを信仰する貴族・騎士によって構成された独立国または独立した組織である。
概要
第1回十字軍遠征の後、聖地巡礼者の保護を目的としてエルサレムで設立された聖ヨハネ騎士団が現在まで存続したものがマルタ騎士団である。 団員数は現在1万500人、騎士団総長は伝統的に教会より枢機卿の任命を受けるが、これは名誉職的な意味あいが強い。
国連および多くの国から正式な国家として承認されていないが、約110ヶ国と外交関係を持ち、伝統的に独立国家と同様の主権を持つ組織として扱われている。領土を持たない国として知られており、かつては名前の通りマルタ島に拠点となる領土を有していた。
現在はローマ市内に騎士団事務局を置き、建物内はイタリア政府より自治および治外法権を認められている。そのため、入境にはイタリア入国とは別の許可が必要。ただし、バチカン市国と違って独立領土としては認められておらず、事務局の敷地はあくまでイタリア領である。
医療分野などでの慈善活動を行っており、独自のパスポート、記念コインや切手も発行している。
歴史
1113年、ローマ法王より聖ヨハネ騎士団が公認される。同騎士団は宿泊施設と診療所を持ち、病気や怪我を負った巡礼者を保護した。十字軍がエルサレムを追われたのちは周辺地域に留まってイスラム勢力と戦ったが、それも長く続かず地中海に逃れた。
1309年、エーゲ海のロードス島(現在はギリシャ領)を東ローマ帝国より奪取し拠点とした。以後、ロードス騎士団と呼ばれ、イスラム海賊との戦いに従事した。とはいえ実体はほぼ海賊であり、海賊対海賊のような状況であったとされる。
1522年、オスマン帝国によりロードス島が陥落し、シチリア王から地中海中央部のマルタ島(現在はマルタ共和国領)を貸借、本拠地を移した。これ以後、マルタ騎士団と呼ばれるようになった。
1798年、ナポレオンがエジプト遠征の途中で侵攻しマルタ島の領土を失う。
1822年、ベロナ会議で領土を失っても国家であると承認される。以後は主権実体のある組織として存続。
地理
ローマ市内のマルタ宮殿(住所・ローマ市コンドッティ通り68)ならびに騎士団総長公邸における治外法権を有しているほか、マルタ島に聖アンジェロ砦を租借している。また、世界各地のマルタ騎士団大使館においても治外法権が認められている。
国際的な位置づけ
国連においては「オブザーバーとして参加するために招待を受ける実体あるいは国際組織」のひとつという位置づけであり、同様の組織として国際赤十字のようなNGO、EUやイギリス連邦のような国家共同体、パレスチナ自治政府などがある。このオブザーバーとは、国連総会の議事に参加できるが国家と違って投票権を持たない組織のことである。
世界約110ヶ国と外交関係を持ち、各国に外交特権を有する在外公館を置いているが、それら公館の規模はまちまちである。マルタ騎士団パスポートはEUに正式に承認されている。
なお、2008年現在で日本はマルタ騎士団を国家として承認しておらず、外交関係もない。
関連動画
ざっくりした説明 | |
関連項目
- 7
- 0pt