マンハッタンカフェとは、1998年生まれの日本の競走馬、俳優である。
主な勝ち鞍
2001年:菊花賞(GI)、有馬記念(GI)
2002年:天皇賞(春)(GI)
この記事では実在の競走馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するキャラクターについては 「マンハッタンカフェ(ウマ娘)」を参照してください。 |
概要
父サンデーサイレンス、母サトルチェンジ、母父Law Societyという血統。あまり馴染みのない馬が血統に並んでいるが、ドイツが独自に育ててきた名牝系の血を引く。
日本で言うとビワハイジがこの系統の出身で、ドイツ牝系は今日の生産界では底力に溢れる系統として重宝されている名血である。
この馬、ぶっちゃけ2歳時、3歳春は無名で誰も知らなかった。夏になって阿寒湖特別を古馬相手に勝って、いわゆる夏の上がり馬ととして菊花賞に乗り込んできたのである。
もっとも、セントライト記念で4着に負けており、人気は6番手。せいぜい穴評価だった。マイペースで逃げ馬に逃げられ、有力馬が引っ掛かり捲くる中、十分に溜めておいた脚を直線で炸裂させて優勝。単勝は17.1倍もついた(マイネルデスポットとの馬連は4万馬券)。
次の有馬記念は3番人気だった。ここにはテイエムオペラオーとメイショウドトウという前の世代の最強馬が出走していたのだが、上がり33秒台の豪脚を繰り出して先行馬をなで斬り。世代交代を宣言した。この時、2着にアメリカンボスが入ったのだが、この年2001年9月11日にいわゆるアメリカ同時多発テロが起こっており「マンハッタン×アメリカ」のサイン馬券だとずいぶん話題になったものである。
それにしても強い勝ち方だったので、年明け日経賞では一番人気に支持された。ところがどうしたことかここを6着に負けるのである。理由は後から色々聞いたがそんなん知るか~!とはある競馬ファンの叫びである。
続く天皇賞、ここではマンハッタンカフェ、ジャングルポケット、ナリタトップロードの3強と言われ、2番人気。レースは3強がずっとお互いを視界に捉えあう好レースとなり、内で伸びたマンハッタンカフェが4コーナーで置かれたジャングルポケットを凌いで優勝。これでジャングルポケット相手には二戦二勝。アグネスタキオンを除いた世代最強の地位を確かなものにしたのである。ちなみにこの世代は古馬GⅠを制する馬が多数出て「近年最強」と呼ばれた世代である。
しかしこの後、凱旋門賞に行って、大負けして、故障発生。引退。仕方ないね。蹄に不安を抱えている馬を海外に連れて行くなと言いたい。ただし故障内容は屈腱炎なので正直蹄はあまり関係ないと思う。
結果的にGⅠを三勝しているし、勝ち方も強いし、青鹿毛のきれいな馬でもっと人気が出ても良かったと思うのだが、同世代の馬の中ではなんだか桁外れに人気がなかった気がする。まぁ、凱旋門賞から無事に戻ってもっとレースに出ていれば違ったのかもしれないが、その凱旋門賞にしてからが「え?行ったの」くらいの扱いで、まるっきり盛り上がらなかった記憶がある。ちょっと可愛そうな馬であった。
だが、マンハッタンカフェは種牡馬になってから大活躍している。レッドディザイアやヒルノダムール、グレープブランデーなどがGⅠを制覇しており、2009年にはリーディングサイアーを獲得。ディープインパクトやステイゴールドといったSS系種牡馬間の争いでも健闘を見せていた。
父が長距離GI3勝のステイヤーであったのに対して、意外なことに短中距離の重賞戦線では悪くないものの2400m以上の芝重賞では3勝のみと長距離馬はあまり出ていない。
2015年、腹腔内腫瘍を患いこれが原因で死亡した。17歳、未だ活躍が期待される中での急逝であった。
後継種牡馬としてはジョーカプチーノやヒルノダムール・ガルボらがいる。牡馬の大物級はいないためあまり注目度は高くなく、ジョーカプチーノは1年目の産駒成績が良く種付け数を増やしているものの、ヒルノダムールは不振・ガルボは種付け数が少なく、サイアーラインが今後続くかどうかはやや不透明である。シャケトラが調教中の故障で予後不良になったのも痛い。
また2020年代からは母父としての活躍馬も増えており、帝王賞などを制しダートで活躍するテーオーケインズやメイショウハリオ、ダービー馬タスティエーラ、春の天皇賞馬テーオーロイヤルらを輩出している。
そしてもう一つ。
2004年、関西テレビで「運命の出会い~サラブレッドにかけた夢~」というドラマが製作された。これは、社台ファーム創業者である吉田善哉の半生をドラマ化したものであったのだが、そこにサンデーサイレンスが登場するシーンがあったのである。サンデーサイレンスは2002年に死亡しており、代役が立てられた。
その代役こそがマンハッタンカフェであった。数いるサンデーサイレンス産駒の中でも流星までそっくりでなのはこの馬だけだった(年齢も丁度良かった)ための抜擢だったそうだ。まさかの俳優デビュー。もっとも出番は一瞬で、しかもDVDジャケットの写真はサンデーサイレンスのものみたいなのだが。
血統表
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
*サトルチェンジ 1988 黒鹿毛 FNo.16-c |
Law Society 1982 黒鹿毛 |
Alleged | Hoist the Flag |
Princess Pout | |||
Bold Bikini | Boldnesian | ||
Ran-Tan | |||
Santa Luciana 1973 黒鹿毛 |
Luciano | Henry the Seventh | |
Light Arctic | |||
Suleika | Ticino | ||
Schwarzblaurot |
- 父サンデーサイレンスは説明不要レベルの大種牡馬。
- 母サトルチェンジは17戦3勝でアイルランドのリステッド競走を勝利している。
- 母父ロウソサイエティは8戦5勝で1985アイリッシュダービー優勝馬。
- 母系は「ドイツのSライン」に属していて、現在ドイツだけでなく世界を圧巻している牝系である。
主な産駒
- レッドディザイア (2006年産 牝 母 *グレイトサンライズ 母父 Caerleon)
- ジョーカプチーノ (2006年産 牡 母 ジョープシケ 母父 フサイチコンコルド)
- ヒルノダムール (2007年産 牡 母 シェアエレガンス 母父 *ラムタラ)
- グレープブランデー (2008年産 騸 母 ワインアンドローズ 母父 *ジャッジアンジェルーチ)
- クイーンズリング (2012年産 牝 母 アクアリング 母父 Anabaa)
母の父としての主な産駒
- ショウナンラグーン(2011年産 父 *シンボリクリスエス 母 メジロシャレード)
- ノットフォーマル(2012年産 父 ヴァーミリアン 母父 リミッターブレイク)
- ダンツプリウス(2013年産 牡 父 *ブライアンズタイム 母 ストロングレダ)
- トーラスジェミニ(2016年産 牡 父 *キングズベスト 母 エリモエトワール)
- ナムラカメタロー(2016年産 牡 父 *ヨハネスブルグ 母 ナムラチアーズ)
- ランスオブプラーナ(2016年産 牡 父 *ケープブランコ 母 マイプラーナ)
- レッドジェニアル(2016年産 騸 父 キングカメハメハ 母 レッドアゲート)
- テーオーケインズ(2017年産 父 *シニスターミニスター 母 マキシムカフェ)
- メイショウハリオ(2017年産 牡 父 *パイロ 母 メイショウオウヒ)
- ミスニューヨーク(2017年産 牝 父 *キングズベスト 母 マンハッタンミート)
- テーオーロイヤル(2018年産 牡父 リオンディーズ 母 メイショウオウヒ)
- ソウルラッシュ(2018年産 牡 父 牡 ルーラーシップ 母 エターナルブーケ)
- ペプチドナイル(2018年産 牡 父 キングカメハメハ 母 クイーンオリーブ)
- リプレーザ(2018年産 牡 父 リオンディーズ 母 サウスエンピリカル)
- レイハリア(2018年産 牝 父 ロードカナロア 母 ライトリーチューン)
- セイウンハーデス(2019年産 牡 父 シルバーステート 母 ハイノリッジ)
- セラフィックコール(2020年産 牡 父 *ヘニーヒューズ 母 シャンドランジュ)
- タスティエーラ(2020年産 牡 父 サトノクラウン 母 パルティトゥーラ)
- モズミギカタアガリ(2021年産 牝 父 グランプリボス 母 マンハッタンカフェ)
関連動画
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関連項目
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