マーガリン(margarine)とは、植物油脂・動物油脂を加工して食塩や乳化剤などを加えて作る食品の一種。日本ではJAS規格で「マーガリン類のうち、油脂含有量が80%を超えるもの」と定義されている。
曖昧さ回避
概要
高価なバターの代用として作られた食品であり、ナポレオン3世時代のフランスで、戦争によって不足したバターの代用品として開発されたのが始まりである。かつては人造バターとも呼ばれていた。食品としての「マーガリン」、およびマーガリンに含まれる成分(脂肪酸)「マルガリン酸」の名は真珠雲母(margarite)に由来する。
牛乳から作るバターに対し、マーガリンは精製加工した動物性・植物性油脂に乳製品、食塩、ビタミンなどを添加して作る。かつては原料として牛脂や豚脂が主に用いられていたが、現在では植物油脂を硬化(水素添加)して作る製法が主流である。上述の通り日本で「マーガリン」の名称を用いることができるのは油脂量が80%を超えるものだけであり、その他の「マーガリン類」は「ファットスプレッド」に分類される。「○○ソフト」などという商品名になっているものはほとんどがファットスプレッドである。
食べ方としては、パンに塗る、お菓子作りの材料など、バターが用いられる様々な用途に代用されるが、一般的に風味は本来のバターに劣る。乳脂肪から作ったバターとブレンドするなどして、風味を改良した製品も最近では見られる。
「植物油から作られている」ということから、かつては健康によいイメージも持たれていたが、実際には若干バターよりカロリーが高い。また、水素添加による硬化を行うことによって発生するトランス脂肪酸が心疾患のリスクを高めることも知られており、アメリカなど一部の国では食品に含まれるトランス脂肪酸について規制が設けられている。
日本では、欧米に比べて脂肪の摂取量自体が少ないこともあって、特にトランス脂肪酸に関する規制はないが、一部の生産者はトランス脂肪酸の発生しにくい製法を用いた製品を導入している。
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