ミイラ取りがミイラになる(木乃伊取りが木乃伊になる)とは、ことわざである。
概要
説得、捕獲などをしに行った者が逆に取り込まれて、または被害に遭って帰ってこなくなるという意。
乾燥した遺体「ミイラ」(木乃伊)は、薬の材料などとして高値が付くこともあった。そのため、一獲千金を狙ってそれを取りに行く「ミイラ取り」を敢行しようとする者がいた。しかし、砂漠の中央や狭い遺跡など、危険な場所にあるミイラも多かったため、取りに行く途中で自分も命を落としてしまい、自分も乾燥遺体すなわちミイラになってしまった……。
という話からできたことわざであると説明されることが多い。
落語にもこういったエピソードを示す「木乃伊取り」という演目があるので、それなりに古いことわざであると思われる。落語は現代でも新しい演目が制作されているが、この「木乃伊取り」は「古典落語」として分類されている演目であるのでそれなりに古いものではないかと思われる。明治~昭和初期を生きた夢野久作の小説『街頭から見た新東京の裏面』にも、「しかし大抵の奴が東京を救いに来たって、木乃伊取りの木乃伊になってしまうよ。」というフレーズがある。
なお、日本語のことわざや慣用句には「実は聖書由来」「実は中国由来」と言ったものも多数あるが、英語「mummy proverb」や中国語「木乃伊 谚语」で検索しても「日本のことわざ」として紹介するページばかりがヒットするため、日本で生まれたことわざなのではないかと思われる。
- 悪いことをしている者を咎めに行った人が、(相手に取り込まれたわけではないが)傍らから見れば結局同じようなことをしている
- 煽り行為を常習的に行っていた者が、後にいき過ぎた行為をしたために逆に煽られる羽目になっている
という意味でも使われることがある。
ポケモンのとくせい「ミイラ」
ゲーム「ポケットモンスター」シリーズにはこの諺を元にしたとくせいがある。
ミイラがモチーフのデスマスとデスカーン専用とくせいで、効果は「とくせいミイラのポケモンに直接攻撃をしたらそのポケモンがとくせいミイラになる」というもの。ミイラを倒しに行ったらミイラになってしまうという、諺通りのとくせい。強力なとくせいを特に追加効果のないミイラに上書きして相手を妨害したり、デスカーンを殴ることでデメリットとくせいを消したり、といった運用が考えられる。
直接殴られないと意味のないとくせいなので、積極的に利用しようとするとシングルでは読みに左右される難しい仕込みが必要であり、ダブルでは味方のデスカーンの体力を削るリスクがある。無駄になる1ターンとデスカーンにダメージを負わせるデメリットより大きなメリットがあると判断できる状況はあまりないので能動的な戦略として使うのは難しいだろう。ただしデスカーンは鈍足耐久型のステータスでありミイラが発動する機会は多いのでそこまで成功率が低いわけでもない。
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関連項目
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