ミシュリフ(Mishriff)とは、2017年生まれのアイルランド生産・イギリス調教の競走馬である。鹿毛の牡馬。
2020: ジョッケクルブ賞(GI)、ギョーム・ドルナーノ賞(GII)
2021: サウジカップ(格付けなし)、ドバイシーマクラシック(GI)、インターナショナルステークス(GI)
概要
父Make Believe、母Contradict、母父Raven's Passという血統。
父メイクビリーヴはプール・デッセ・デ・プーランやフォレ賞の優勝馬で、ミシュリフがファーストクロップになる。
母コントラディクトは9戦1勝の条件馬。
母父レイヴンズパスは2008年クイーンエリザベスII世SとBCクラシック優勝馬。
ミシュリフはサウジアラビアのA.A.ファイサル王子が所有するアイルランドのナワラスタッドで生産され、イギリスのゴスデン調教師に預けられた。
2019年(2歳時)
ミシュリフは10月14日の2勝以下条件戦でデビューしたが4着に敗れた。10月25日の条件戦でも3着に敗れた。初勝利を挙げたのは11月6日の未勝利戦だった。
2020年(3歳時)
ミシュリフは設立間もない2月20日の第2回サウジダービー(沙・当時は格付けなし・ダート1,600m)に出走した。道中は3~4番手でレースが進み最終コーナーで抜け出した日本のフルフラットを直線で追い上げるも最後はフルフラットに2馬身1/4押し切られ2着がやっとだった。
新型コロナウイルスで日程が大きく狂わされたこの年、ミシュリフの次走は6月6日のニューマーケットS(L・芝10F)となったが、4馬身差で楽勝した。ゴスデン師は「サウジアラビアの時より期待通りの走りが出来ている」と讃えた。
7月5日のジョッケクルブ賞(フランスダービー・GI・芝2,100m)では道中5~6番手に位置し、直線では前が塞がれたが外に持ち出すと一気に伸びて勝利し、初重賞制覇がGIとなった。ゴスデン師は「堂々としたレースで、特に最後の100mは最高だった。血統から早熟だと思われているようだけど、これからもっと良くなるよ」とコメントした。
8月15日のギョーム・ドルナーノ賞(仏GII・芝2,000m)では4頭立てとなったが、直線でスパートをかけると4馬身半で楽勝した。鞍上のデットーリは「彼は(フランスの)柔らかい馬場が合っているね」とコメントした。
10月17日のアスコット競馬場でのチャンピオンステークス(英GI・9F212y)では直線でいつもの伸びを見せず8着に敗れた。
2021年(4歳時)
この年は世界最高賞金のレースとして知られる2月20日のサウジカップ(沙・当時は格付けなし・ダート1,800m)から始動。レースではアメリカのKnicks GoとCharlatanが先行しこれを見る形で進め最後の直線でCharlatanを捉えてゴール。1,000万ドルの賞金を手にすることとなった。
3月27日のドバイシーマクラシック(UAE・GI・芝2,400m)では中団に位置すると最後の直線で日本のクロノジェネシスとラヴズオンリーユーとの叩き合いとなり、これを制して勝利した。
7月3日のエクリプスステークス(英GI・芝9F209y)では3歳馬でこの年のジョッケクルブ賞優勝のSt Mark's Basilicaの3着に敗れ、7月24日のキングジョージVI世&クイーンエリザベスステークス(英GI・芝11F211y)ではこの年の英ダービー馬Adayarを捉えきれず2着に敗れた。
8月18日の英インターナショナルステークス(英GI・芝10F56y)では最後の直線でいつものように外側から抜け出すと6馬身差の圧勝という印象的なレースを残した。イーガン騎手は「残り3ハロンを過ぎたあとは信じられなかったよ。リズムに乗せることとリラックスさせることが鍵だったね」とコメントした。
凱旋門賞は回避し10月16日のチャンピオンステークス(英GI・芝9F212y)に出走したが、Sealiwayの4着に敗れた。
2022年(5歳時)
この年も2月26日の世界最高賞金のサウジカップ(沙・GI・ダート1,800m)に出走。しかしこの年は「ダートの感覚が去年と変わっていて馬に合わなかった(イーガン騎手)」ということでまさかの大差のシンガリ負けとなった。最後は流していたのでダメージはなしとされていたが、立て直しにじっくり時間をかけることとなった。
次にミシュリフが競馬場に現れたのは7月2日のエクリプスステークス(英GI・芝9F209y)。しかしレースではスタートダッシュがつかず後方からの競馬になった。最後の直線に入って前に壁ができたが体制を立て直して大外から追い上げるもこの年のジョッケクルブ賞(仏ダービー)優勝馬Vadeniにクビ差届かず2着となった。
続くキングジョージVI世&クイーンエリザベスステークスでは前走以上の大出遅れを喫し最後方からの競馬となり、直線末脚は見せたものの、6頭中最低人気を覆して勝ったPyledriverから10馬身3/4、2着Torquator Tassoからも8馬身差を付けられた3着までだった。
続いては8月17日のインターナショナルステークスに連覇を目指して出走。マイル路線で無敵を誇り中距離路線に進んできた9戦9勝のBaaeedが単勝1.4倍に支持され、本馬は単勝5倍で2番人気となった。レースではしっかりスタートを決めて2番手から先行し、直線で逃げるHigh Definitionを射程に入れてこれを交わしたが、後ろから悠然とした手応えで飛んできたBaaeedに一気に交わされるとそのまま突き放され、6馬身半差の2着に終わった。
その後9月10日のアイリッシュインターナショナルステークス(愛GI・芝10f)に出走するも追い込み及ばず4着、10月2日の凱旋門賞(仏GI・芝2,400m)ではレース直前の雨もあったか全く見せ場無く13着と敗れ、引退レースとして出走したブリーダーズカップ・ターフ(米GI・芝12f)では出遅れからの追い込みも届かずRebel's Romanceの4着に終わり、これをもって予定通り種牡馬入りとなった。
種牡馬として
フランス・ノルマンディーのモンフォール&ブレオー牧場において初年度種付け料2万ユーロ(約310万円)で2023年から種牡馬となる予定だったが、オフシーズンに軽度の障害を発症したのが尾を引き、この年は種付けを行わず全休となった。
血統表
Make Believe 2012 鹿毛 |
*マクフィ 2007 鹿毛 |
Dubawi | Dubai Millennium |
Zomaradah | |||
Dhelaal | Green Desert | ||
Irish Valley | |||
Rosie's Posy 1999 鹿毛 |
Suave Dancer | Green Dancer | |
Suavite | |||
My Branch | Distant Relative | ||
Pay the Bank | |||
Contradict 2010 鹿毛 FNo.7-a |
Raven's Pass 2005 栗毛 |
Elusive Quality | Gone West |
Touch of Greatness | |||
Ascutney | Lord At War | ||
Right Word | |||
Act's of Grace 2003 鹿毛 |
Bahri | Riverman | |
Wasnah | |||
Rafna | Kris | ||
Eljazzi |
クロス:Green Valley 5×5(6.25%)、Nijinsky II 5×5(6.25%)
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関連項目
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