ミリオネアとは、イギリス発祥のクイズ番組である。
原題は「Who Wants to Be a Millionaire?」。
日本でも『クイズ$ミリオネア』として、フジテレビ系列で放送されている。
概要
最大15問用意された4択の選択問題を解いていき、その数に対応した賞金が手にはいる、というシンプルな形式のクイズ番組。
第15問に正解した場合の賞金は基本的に、「ミリオネア」のタイトルの通り、放送国の通貨で1million=100万。アメリカならば100万USドル、イギリスならば100万£(日本のみ最高1000万円とこの法則から外れている上、他国に比べて賞金額が妙に小さい。しかも税金が差し引かれる)。
独自の要素として、一定問題数ごとに賞金が確定する賞金保障、独自のシステムによってヒントを得ることができるライフライン、解答を諦めることで賞金を確定できるドロップアウト(原語版ではウォークアウェイ)などがある。
基本的には出題者=司会と挑戦者の2人のみで構成され、演出も非常にシンプルかつ静かで緊張感に満ちている。オーディエンスはライフラインのひとつでの支援以外には声援を送ったり笑ったりと言ったリアクションを起こすのみである。
間違えれば賞金の多くを失うという緊迫感と、一攫千金という夢のあるコンセプトが受け、各国に番組フォーマットが販売され大ヒットを記録している。
日本の一部のクイズ番組のように間違いの面白い回答を笑うような内容ではなく、正解できるかどうかの緊張感を挑戦者も視聴者も楽しむ、という正統派なもので、一般人が知らないような雑学や専門的質問が多く出題される(最初は簡単な問題から入るのだが、後半は(゚Д゚)ハァ?と言いたくなるような問題だらけになったりする)。
ライフラインをいつ/どのように使うか、さらなる賞金を求めて挑戦を続けるか潔くドロップアウトするか、といった駆け引きも楽しみのひとつである。
挑戦者の決定などに対しては拍手でその勇気を称えるのが暗黙のルールとなっている。
日本版『クイズ$ミリオネア』
フジテレビ系列で放送。司会はみのもんた。
2000年に放送開始され、大人気を博した。
大きな特徴として、緊張感を高めるための独自の“溜め”が、みのによって加えられている。
いわゆる「みの溜め」と呼ばれるもので、ファイナルアンサーを宣言してから正否が明らかにされるまでが異様に長い。特に賞金額の大きい後半で顕著で、みのもんたが挑戦者と対峙したまま神妙な顔でひたすら間をとり、溜めて溜めて溜めて溜めた末、ようやく正否を明らかにする。この間、BGMもほぼ切られ、重苦しく緊張に満ちた沈黙だけが広がる。この心臓に悪いレベルの緊迫感が、その末に正解が発表されたときの爽快感と達成感をひとしおのものにし、視聴者から人気を集めた。番組がブームになってからは、みのもんたのものまねの代名詞にもなった。
ただし、番組も新鮮味を失った中期以降は、この演出もマンネリ化が否めなかった。この溜めの間にコマーシャルに突入し、明けたと思ったら結局不正解、というパターンが常態化したのも人気低下の原因のひとつとなった。
海外でも、「いくらなんでも溜めすぎなミリオネア」として取り上げられたことがある。
他には、ファイナルアンサーを宣言した瞬間、保障ラインの賞金と正解した場合の賞金を残し、その時点での賞金の小切手を破くという演出も、同じくみのによって導入されていた。
レギュラー放送末期以降は一般人の挑戦がなくなり、芸能人による挑戦のみとなっている。
2007年にレギュラー放送が終了し、以降は特番での放送のみである。
マネーツリー
問題数 | イギリス(旧) | 日本(レギュラー放送時) |
---|---|---|
15 | £1,000,000 | ¥10,000,000 |
14 | £500,000 | ¥7,500,000 |
13 | £250,000 | ¥5,000,000 |
12 | £125,000 | ¥2,500,000 |
11 | £64,000 | ¥1,500,000 |
10 | £32,000 | ¥1,000,000 |
9 | £16,000 | ¥750,000 |
8 | £8,000 | ¥500,000 |
7 | £4,000 | ¥250,000 |
6 | £2,000 | ¥150,000 |
5 | £1,000 | ¥100,000 |
4 | £500 | ¥50,000 |
3 | £300 | ¥30,000 |
2 | £200 | ¥20,000 |
1 | £100 | ¥10,000 |
赤字は賞金保障ラインで、このラインを超えていた場合、たとえ間違えてもその賞金額は手に入るようになっている。
また、ドロップアウトした場合では、その時点での賞金が全て手に入る。
例として、第12問まで正解して第13問に挑戦しているとする。
もし間違えてしまった場合は、直近の賞金保障ラインである第10問の賞金=£32,000もしくは¥1,000,000が手に入る。
もしドロップアウトを宣言した場合は、第12問の賞金=£125,000もしくは¥2,500,000が手に入る。
ちなみに、日本では全15問の構成が馴染み深いが、イギリスなどでは2007年ごろから全12問にリニューアルされている。
ライフライン
ライフラインは、解答者に用意された3種類の救済措置である。
これらは、挑戦中、それぞれ1回のみ使用できる。タイミングは全くの自由で、1つの問題に全て使うことも、最初の問題で使ってしまうことも、逆に全く使わずに全15問をクリアすることも(制度上は)可能である。
いずれも救済措置としては絶妙な調整がなされており、正解につなげられるかどうかは挑戦者次第と言った向きが強い。
- 「50:50」 フィフティ・フィフティ
- 間違っている選択肢を削除し、四択問題が、名前のとおり二択問題になる。
解答を迷っている挑戦者に決め手を与えてくれることもあれば、迷っている2つを残してどうでもいい2つが削除されることもある。 - 「ΩΩΩ」 オーディエンス
- 観客に、解答を投票制アンケートで募り、結果をその場で作成表示する。要は観客全員の意見を訊けるライフライン。観客の知識頼みであるため、素人では太刀打ち出来ないような挑戦後半の難問では役に立たないことも多い(間違った選択肢が最も多くの票を集めていたり、4つともほぼ同等の得票数となったり)。挑戦者にとってこの結果はあくまで参考であり、最もポイントの高い選択肢を選ぶ義務はない。
- 「📞」 テレフォン
- 友人や家族といった近親者(日本の場合はスタジオ外に待機している4人)と電話で会話できる。制限時間は30秒。
挑戦者は協力者に問題に関する質問をすることが出来るが、この30秒のうちに、挑戦者自ら問題文と選択肢を協力者に説明しなくてはならない。文章を伝えるのに手間取ったりしてこのライフラインを浪費してしまうことも少なくない。また、オーディエンス同様、協力者が頼りになるかどうかはその知識次第である。
協力者の助言と違う選択肢を選んでもよい。もっと言えば会話の内容も自由であり、問題の助言でなく、ただの応援を求めたり、もう賞金が手に入ったという報告をしたりしても良い。
その他
- 日本ので賞金額が、1000万円と海外に比べて低いのは、当時の独占禁止法におけるオープン懸賞の賞金の限度額がこの額であったため。
- スラム街で生まれた貧しい青年がクイズ番組で一攫千金に挑戦するイギリス映画『スラムドッグ$ミリオネア』に、題材としてとりあげられた。
- プレイステーション向けに、番組そのままのシステムと難易度、そしてみのもんたの司会音声が収録されたクイズゲーム『クイズ$ミリオネア』が発売されている。みのもオーディエンスも全く姿が見えないが、クイズ自体の再限度は非常に高い。残念ながら解いても1000万円は貰えないが。
- 米国版で最高にクールなミリオネア達成者がいた(関連動画参照)。今までミリオネア達成者がいない(番組内でも最高賞金獲得者は50万ドルまでだったと明言されている)中で善戦していた回答者のジョン・カーペンターは、ライフラインを一つも使わずに14問目まで順調に勝ち続け、司会者からは「ライフラインなんか要らないんでしょうかね」と軽く厭味を言われる始末。15問目にしてようやくテレフォンを使うことを宣言、父親に電話をかける。ところが彼は「父さんの助けは要らないんだ。ただ100万ドル獲得できることを伝えたかっただけなんだ」とだけ告げると会場は拍手喝采に包まれる。残り8秒を残したところでファイナルアンサーしてしまい、司会者も「Well, My Gosh...(なんてこった)」と絶句する。その後司会者は「ただ私に言えることは彼が世界初のミリオネアだってことです!」と絶賛し、観客から満場の歓声に包まれた。
ニコニコ大百科に記事のあるミリオネア達成者の一覧
関連動画
関連商品
関連項目
- テレビ番組の一覧
- クイズ
- ファイナルアンサー(FA)
- ジョン・カーペンター(クイズ番組出演者)
- クイズ!あなたは小学5年生より賢いの? - マネーツリーやライフラインに似た救済システムなど、類似点が多い番組。
- スラムドッグ$ミリオネア
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