ミルジョージ(Mill George)とは、1975年アメリカ生まれの競走馬、種牡馬である。
ダートを得意とする産駒を多数送り出し地方競馬を賑わせた名種牡馬。
血統と競走馬時代
父Mill Reef、母Miss Charisma、母父Ragusaという血統。
父ミルリーフは説明不要の大種牡馬。母ミスカリズマはあの怪物リボーや日本にも馴染み深いトウルビヨンの血が入っている。祖母*マタティナはナンソープSを勝った快速馬で、後に日本に輸入されて阪神3歳Sを勝ったサニーシプレーなどを産み、現在も牝系を維持している。母父ラグーザは愛ダービー、キングジョージ、英セントレジャー、エクリプスSを勝った活躍馬。
ちなみにミルリーフはアメリカ産の競走馬で後にイギリスに輸出されており、母ミスカリズマもイギリスで生産されて同国で走った後にアメリカに輸出されている、そしてこの馬自身もアメリカで生産され競走馬として生活した後に日本に輸出されるという何とも輸出入の多い家系である。
デビュー前にセリで日本人の中村和夫氏に購買され、アメリカで競走馬としてデビュー。3戦目で勝ち上がり次走ではダート9ハロンを1分50秒8という当時としてはなかなかの好タイムを出して快勝し、将来を期待されるもここでなんと骨折が発覚。引退が決まる。
種牡馬として
中村オーナーが競走馬の販売や種牡馬の繋養も行っていたことから、ミルジョージは引退後すぐに日本に輸入され、日本で種牡馬生活を送ることとなった。輸入当時の日本ではミルリーフの血を持つ種牡馬は貴重であったため多くの生産者から歓迎された。
種牡馬としては2世代目に地方の雄ロッキータイガーを輩出すると、それ以降次々と活躍馬を輩出。平成三強の一角イナリワンや南関東三冠を達成した名牝ロジータ、平成三強と果敢に戦ったオサイチジョージなど芝ダートを問わずに活躍馬を多数輩出、一時はあの*ノーザンテーストを抑えて中央地方総合リーディングサイアーの座に輝いたこともあった(1989年)。
種牡馬としての特徴はとにかくパワーのある産駒が多い事、そのためほぼ全ての競走がダート競走である地方競馬では1レースに何頭ものミルジョージ産駒が走ることも珍しくなかったらしい。
また、丈夫で晩成型の産駒が多く、長距離や重馬場も難なくこなせる高いスタミナも長距離レースが多かった当時の日本の競馬事情に合致しており、種牡馬としては十分すぎるほどの大成功を収めた。
難点としては20世紀の競馬において気性難の代名詞的存在であるナスルーラの3×4(18.75%)というインブリードがあり、そのことから産駒の多くが気性が荒くムラっ気が強い馬だったことだろう。しかし、*サンデーサイレンスやセントサイモンなどのキチガイ気性がとても荒い種牡馬と同じく、気性の荒さからくる優れた勝負根性を持った馬が多いのも、また一つの長所であった。
ミルジョージの成功を受けて、日本では*マグニテュード、*ミルフォード、*パドスール、*イブンベイなどミルリーフ系の種牡馬の導入が進むこととなった。
自身も1999年に種牡馬を引退、2007年に老衰のため32歳という高齢で死去。地方競馬に多数の名馬を送り出したことが評価され、没年の2007年にNARグランプリ特別表彰馬に選考された。
彼のしばらく後に日本に輸入された*トニービン、*ブライアンズタイム、*サンデーサイレンスなどといったスーパーサイアーたちの活躍により直系は大きく衰退し、現在は途絶えているものの、本馬の血を引く繁殖牝馬は少なからず残っている。近年の活躍馬だとオジュウチョウサンが本馬を母母父に持っている。また彼を引退試合で破ったニシノデイジーも、母母父セイウンスカイの母父として本馬の血を持っていたり。
創作作品において
みどりのマキバオー
競馬漫画で有名なみどりのマキバオーだが、作中に登場する多くの競走馬の父馬は「タマーキン」、「サンデーサイデンス」等、史実馬と似た名前の馬に置き換えられているが、作中で活躍する船橋競馬所属の地方馬サトミアマゾンの父馬にはこのミルジョージがそのまま使われている。
因みにサトミアマゾンは現実の船橋競馬場に存在する船橋競馬ミュージアムにおいて、多くの現実の名馬達と並んで顕彰馬として展示ブースが設けられており、サトミアマゾンの登場シーンや本作の主人公であるミドリマキバオーと追い比べを演じるコマ等が展示されている。
血統表
| Mill Reef 1968 鹿毛 |
Never Bend 1960 鹿毛 |
Nasrullah | Nearco |
| Mumtaz Begum | |||
| Lalun | Djeddah | ||
| Be Faithful | |||
| Milan Mill 1962 鹿毛 |
Princequillo | Prince Rose | |
| Cosquilla | |||
| Virginia Water | Count Fleet | ||
| Red Ray | |||
| Miss Charisma 1967 鹿毛 FNo.6-b |
Ragusa 1960 鹿毛 |
Ribot | Tenerani |
| Romanella | |||
| Fantan | Ambiorix | ||
| Red Eye | |||
| *マタティナ Matatina 1960 鹿毛 |
Grey Sovereign | Nasrullah | |
| Kong | |||
| Zanzara | Fairey Fulmar | ||
| Sunright | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
主な産駒
1981年産
1982年産
1984年産
1985年産
1986年産
1987年産
1988年産
1991年産
1993年産
関連動画
関連項目
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