ムネオハウスとは、以下のことを表す。
- 日本が国後島に建設した宿泊施設「日本人とロシア人の友好の家」の地元民の間での通称とされたもの。
- 2002年に日本で発生した音楽ムーブメント。本稿で述べる。
- 大地の里 - かつて北海道・足寄町に存在した鈴木宗男の生家を改装して作られた民宿。2007年のオープン当時、一部報道で「新ムネオハウス」と呼ばれた。[1]また一部の利用者からは「第二ムネオハウス」などと呼ばれていた。2012年、付近で行われる河川改修工事のため営業を終了。後に建屋は解体された。[2]
- ムネオハウス(ゲーム実況プレイヤー) - ニコニコ動画に投稿している実況者。
ムネオハウスとは2002年に日本で発生した音楽ムーブメント。2chテクノ板発祥。ちんこ音頭に続く2ch系音楽の代表的なものである。ただの駄洒落で作られたネタスレから、次々と音楽作品、職人を産み出した。
概要(お約束)
委員長! 私はですね、ここの所を明確にしておきたいと思います。
「ムネオハウスムーヴメント」というのはですね、
デジタル音楽の1ジャンルである「ハウス(アシッドハウス)」と
「ムネオハウス」の名称を引っ掛けた洒落、つまりパロディーなのであります。
と同時にですね、政治およびマスメディアに対するアイロニーでもあるわけであります。
決して、決してですね、鈴木宗男氏を中心とする国会議員達の政治姿勢に賛同し、
これを応援するために作られたものではございません。
同様にですね、彼等を無責任に誹謗・中傷するためのものでもないのですよ。
全ては、健全なパロディーとアイロニーの精神によって行われているものと記憶しております。
また、「ムネオハウスムーヴメント」はですね、
以上の事を理解した人間によって 作曲、配布、共有、視聴されているものでありまして、
それ以外の指摘はいがななものか。
洒落を洒落として受け止めない考え方は、一切適切ではないと考えております。
そのような指摘をする、このムーヴメントの真の意図を見抜けない者は、
この「ムネオハウスムーヴメント」の中には存在いたしません。
そしてですね、参加している人間全てはですね、自分の利権だとか、
そういったことのために「ムネオハウス」をやってきたことは、
ないのであります。
これだけは、明確にしておきたい。こう思っております。
それにですね、そんな人達がですよ、「ムネオハウス不要論」を唱えたり、
ましては「ムネオハウス」を「ムネオラップ」などと言い換える事は決してないのであります。
そのような意見は即刻、撤回して頂きたい! 以上です。委員長!
(DJムネオによる解説)
熱狂的なブーム自体は2002年から1年ほどで収束したが、その後も外部掲示板で細々と制作は続き、2004年ほどまで楽曲のアップロードは続くなど、乗り遅れたファンを含めれば息の長いムーブメントであった。
総楽曲数は数百曲を超える。
ムネオハウスムーブメント
2ちゃんねるのテクノ板に立てられた、ただのネタスレでしかなかった「アシッドハウス=ムネオハウス」というスレッドが発祥。
そのダジャレを真に受けた(?)テクノ板の住人が、鈴木宗男氏の声(2002年3月11日に行われた証人喚問での答弁がメイン素材)をサンプリングした楽曲をスレに投下。
後に「intro」という楽曲で1stアルバム(という設定。詳細は後述)に収録されたその曲に感銘を受けたのか、その後も続々と曲のアップロードが続き、テクノミュージック+鈴木宗男というおかしなサウンドに魅了された人々は、夜毎続く楽曲のアップロードのおかげで寝不足の日々を送るハメになり、スレッドには嬉しい悲鳴もたくさん書きこまれた。
その話題は板を越えサイトを越え、たくさんの人を呼び込んだ。楽曲職人、ジャケット職人、動画職人などの制作サイドから楽曲を楽しむユーザー…「ムネオハウス」が一大ムーブメントとなった瞬間だった。
まだまだインターネットというものがそれほど一般に身近でなかった時代だというのに、ラジオやテレビなどでも取り上げられるほどの熱狂の時代を迎える。
アルバム
楽曲の数がある程度まとまったところで、スレッドでは「アルバムとしてまとめよう」という動きが自然とわきあがった。
即座にジャケットデータが制作され、記念すべき「THE MUNEO HOUSE 1st」が完成した。
その後も楽曲がある程度まとまってアップロードされたところでアルバムとして一区切りする流れになり、こうやって完成したアルバムは、ベスト盤、メガミックス盤などサブシリーズを除くと23枚(THE MUNEO HOUSE 23rd "EXTORTION OF A GENERATION")にまで膨らんだ。
24枚目のアルバムは、制作が進められていた外部掲示板が閉鎖されたため、完成にこぎつけることができず、お蔵入りになったままである。
THE MUNEO HOUSE REAL RAVE
ムネオハウス人気が絶頂を迎えようとしていた頃、「ムネオハウスでクラブイベントを開こう」という動きも活発化した。
紆余曲折の末、開催にこぎつけた、記念すべき世界初のムネオハウスイベント「THE MUNEO HOUSE PARTY」は大盛況のうちに幕を下ろした。
ちなみにこのイベントには、当時まだ2chの管理人をしていたひろゆきも参加し、会場をにわかに沸かせた。
それを受け、各地でムネオハウスイベントが次々に開催される。公式な(?)ムネオハウスイベントは、2002年7月27日新宿MARZで行われた「MUNERE'02」が最後。
…ムーブメントの真っ最中のイベントはそれまでだが、制作も途絶えた2006年、鈴木宗男氏本人をクラブイベントに呼び寄せた「100%ムネオナイト」なるイベントもあったようだが、このイベントではムネオハウス楽曲はかからなかったそうだ。当たり前といえば当たり前だが。
PV
当時は現在のように高速回線が普及していなかったのと、まだまだFlashが隆盛していたため、PVはFlashという媒体で公開されることが多かった。「muneo house」「Muru-Core」などの有名所は、ムネオハウスに直接触れたことがなくても、Flash好きならば一度は見たことがあるだろう。
楽曲のPVではないが、ムネオハウスのアルバム紹介を目的とした「カウントダウン2ch(カウントダウンTVのパロディ)」などもあった。
二次配布サイトの乱立、データの分散
ムーブメント当時、現行スレッドでは毎晩のように大量のレスがつき、たくさんの楽曲が発表された。ユーザーによってはスレッドの速度に追いつくのが困難になり、配布者が利用したアップローダーによっては、ダウンロード前にデータが自動削除され、楽曲を取り逃がすユーザーも出始める。そこで、有志のユーザーがデータの二次配布サイトを設立しはじめる。
当時は光回線やADSLなどの高速回線が普及していなかったこと、また大容量の無料オンラインストレージサービスもなかったため、楽曲やアートワーク、PVなどのデータ配布をひとつの場所で一括で行うことは困難だった。そこでジオシティーズやInfoseek、Tripodなど無料で借りられるホームページサービスを利用し、限られたデータのみを配布する形の二次配布サイトが乱立する。現行スレッドにあげられた最近の楽曲のみを配布するサイト、特定のアルバムのみを配布するサイトなど様々な形態がとられた。中には自前でサーバーを立ち上げ、大量のデータの二次配布をする猛者もいたようだ。
二次配布サイトは便利な一方で、データの混乱を巻き起こす。楽曲によっては製作者が一旦発表したものの、後に音質を上げて配布しなおしたものや、中には一度発表したものを無かったことにして別物の楽曲を上げることもあり、音質が悪いもののまま配布されているサイトもあった。別物があげられた例だと4th「Ah! Show!! Low!!!」2トラック目の「muneo bpm220」、これは楽曲発表後に「muneo bpm230」というリテイクがアップロードされ、アルバムジャケットの収録曲表記も「220」のものと「230」のもの両方が用意されたため、そのことを知ってか知らずか、片方しか配布していないサイトが多数存在した。
(当時、ムネオハウスの“公式”サイトとして立ち上げられていたMUNEXのディスコグラフィでは、「220」盤が正式なものとして採用されていたようだ)
またアルバムによってジャケット製作者が多数いることもあり、それらは「通常盤」「限定盤」「海外盤」などと銘打たれて配布された。しかしジャケットも実際にプリントアウトして使えるようにされていたため、当時としては巨大なファイルサイズのものばかりで、これもまたサイトによって配布されているものとそうでないものがあった。大半は通常盤のデータのみ扱っていたため、後になればなるほど限定盤などのデータを入手するのが困難になっていく。
稀なケースだと、楽曲発表後にメインアルバム収録曲とされたものの、サンプリングなどにヤバいものが利用されていたことが発覚し、アルバムから外さたものがある。しかし外されたことを知らずに「アルバム収録曲」として配布されていた、ということも。
余談だが、そういったヤバい曲は、後に「THE MUNEO HOUSE BOOTLEG」という、”非公式扱い”のアルバムにまとめられた。無論、楽曲データの入手は困難を極めるものばかりであったが・・・。
ムネオハウスの現在
データ配布に関する様々な問題がクリアされた現在、muneo house infomationというサイトでほぼ全てのデータ・楽曲を入手できる。メインアルバムからサブアルバムの楽曲、ジャケットから、派生作品であるPINK HOUSEやMUNOU HOUSE、さらにムネオハウスとは直接関係はないが、それと近い場所で発表された曲に至るまで、ありとあらゆるデータがまとめられている。また、ムネオハウス(DJ MUNEO)の公式サイトとされたMUNEX
や、アルバム製作が最後まで続けられた場所である、muneohouse.net
も復元されている。
そのほか、ニコニコ動画にもPVやアルバムもアップされているので、わざわざダウンロードしなくてもニコニコ動画上で楽しむこともできる。便利な時代になったものである。
関連動画
関連リンク
関連項目
脚注
- *新ムネオハウス誕生!北海道・足寄の生家に民宿「大地」開業:社会:スポーツ報知
(2007年5月27日)
- *鈴木宗男氏生家「大地の里」が閉村式 | 十勝毎日新聞電子版-Tokachi Mainichi News Web
(2012年10月28日)
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