ムラサメライガー(村雨ライガー)とは、『ZOIDS』シリーズに登場するライオン型高速格闘戦用ゾイドである。
機体解説
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何時、何処で、誰が開発したのか定かではない謎多き高速戦用ライオン型ゾイド。
背部にはメタルZiと呼ばれる惑星Ziでも屈指の強度を持つ希少金属で構成された巨大な日本刀のような実体剣“ムラサメブレード”が装備されている。
これはレーザーブレードと違ってエネルギーを使用せずともどんな厚い装甲や固い金属をも一刀両断出来るほどの切れ味を誇り、さらにその胴体の連結基部は広い可動域を有しているため、機体側面から上部、そして前面と如何なる方向へも剣を向け、斬撃から刺突まで自在な攻撃が可能になっている。
機体のコンセプトは極めてシンプルで、ブースターといった補助推進機関などは装備していないが、その分機体は軽量化されているため運動性能はかなり高く、高速移動時にも脚部の制動用パイルバンカーを使って急な方向転換を行えたりとその機動力を存分に活かすような設計が成されており、ムラサメブレードの他にも四肢の爪や口腔の牙を用いた純粋な格闘戦を得意としている。
また、その頭部のタテガミは特殊な表面加工を施されているため敵の攻撃を跳ね返す事が可能になっている。
そして本機の最大の特徴は“エヴォルト”と呼ばれる特殊機能である。
これはムラサメライガーが生命の危機に瀕した時に発動する一種の変身機能で、RZ-41ライガーゼロのCASのように装備を付け替えるのではなく、ムラサメライガー本体が状況に合わせてその装備や構造を自力で変化させるというゾイド史上全く類の無いシステムである。エヴォルトには相当のエネルギーを消費するとされ、戦闘終了後には即座にムラサメライガーへと戻ってしまう。
詳しいエヴォルトの発動条件および変化後の機体性質の決定基準は不明だが、『ジェネシス』では搭乗者の意思や願望が多少なりとも反映されるようであり、その原理も一度自身の機体を瞬時に分解・再構築する事で行われるとされ、ムラサメライガーの極めて強靭な生命力と再生力に基づいた機能であると説明されている。
エヴォルト形態
ハヤテライガー(疾風ライガー)
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ムラサメライガーの高速戦用進化形態。
その装甲は紅を基調としたものに変わり、背部と四肢にはハヤテブースターなる高速推進機関が現れ、HYT粒子と呼ばれるものを噴射して時速420km/hの超高速機動性能を発揮する。
さらにムラサメブレードは”ムラサメナイフ”と”ムラサメディバイダー”に変化分割されて両前脚に装着され、目にも留まらぬ速さで縦横無尽に戦場を駆け回りつつ敵を斬り裂いて行くという戦法を得意とする。
ただし、一撃の攻撃力はムラサメライガーに劣り、火力も皆無であるため、動きを封じられると実力を発揮できない。
ムゲンライガー(無限ライガー)
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ムラサメライガーの格闘戦用進化形態。
その装甲はメタルZiコーティングされた白亜のものに代わり、頭部もより攻撃的な形に変化した。高位バイオゾイドのバイオ粒子砲にも耐えられる防御力を獲得し、そしてムラサメブレードは”ムゲンブレード”と”ムラサメブレイカー”と呼ばれる二振りの太刀に変化し背中に装備される(アニメでは”ムラサメブレード”と”マサムネブレード”)。これを自在に振りかざしての二刀流で如何なる敵も両断する。
重量が増加したため、機動力は落ちてしまっているがパワーは全形態中でも最強であり、自分よりも大型のゾイドとも互角に張り合える戦闘能力を有している。
劇中の活躍
バトルストーリー
ムラサメライガーにはバトルストーリーに相当するエピソードは存在しない。
そのため、現時点まで公式での所属や出自については一切不明となっている。
アニメ
『ゾイドジェネシス』に登場。
この時代のゾイドはほとんど出自不明のオーバーテクノロジーの産物とされ、このムラサメライガーも明確な起源は明らかにされていない。
『ジェネシス』では本作の主人公ルージ・ファミロンの愛機にして主役機である。
ある日、ルージの住むミロード村の海底より本体が引き上げられ、ルージをはじめ村の人間が起動を試みて見たが、当初は誰も動かす事が出来なかった。
そこに軍事大国ディガルド武国の侵攻を受け、村を守ろうとしたルージの声に応えるかのようにルージをパイロットとして起動し、ディガルド軍のバイオゾイド群を駆逐する。しかし、次の戦いではザイリンのバイオメガラプトルとの戦闘で村の命とも言うべきジェネレーターが停止してしまい、ルージはその時の戦いで出会ったラ・カンやレ・ミィと共にジェネレーターを直せる技術者を探す旅に出る事になる。
旅の過程でコトナ、ガラガ、ロン、セイジュウロウと言った仲間も得て行き、結局ジェネレーターを直せる人間に会う事は出来なかったが、旅の中でディガルド軍の非道を目の当たりにしたルージ達の呼びかけでディガルド討伐軍が結成される事となり、ムラサメライガーがその筆頭機となった。
その後、ザイリンのバイオメガラプトルやバイオヴォルケーノとの戦いを幾度も経つつ、バイオトリケラとの戦いでハヤテライガー、バイオケントロとの戦いでムゲンライガーとのエヴォルトを発現してディガルド軍と対抗していき、名実ともに討伐軍のフラッグシップとしての地位を確立していった。
そしてディガルドの王ジーンとの最終決戦にてジーンのバイオティラノに挑むものの、バイオティラノの圧倒的なパワーの前に仲間も次々と倒され、自身もまたゾイドコアを潰されて沈黙してしまう。
もはや打つ手なしかと思われたが、ミィが決死の覚悟で稼いだ時間で不死鳥のごとく蘇り、残った仲間との連携もあって見事ジーンとバイオティラノを討ち取り、戦争を終結に導いたのであった。
戦争終結後はこのムラサメライガーのコアをミロード村のジェネレーターの動力に用いる事でジェネレーターを修復させたように示唆されるが、その詳細については不明。
なお、ミロード村のルージの家ではムラサメブレードの刀身が古来より御神体のように祀られており、ゾイドに適性の無かったルージが幼い頃この刀身に自分にも操れるゾイドが欲しいと祈りを捧げた事がムラサメライガーがルージを主として選んだ理由とされている。
主な機体バリエーション
- ムラサメライガー・シノビカスタム
ムラサメライガーとブロックスゾイドのブレードホークが合体した形態。
背部のブレードが手裏剣型となり、近接武器から投擲武器、さらには防御用の装備として活用する事ができる。
ブレードホークはGCゲーム『ゾイドフルメタルクラッシュ』に特典として付属している。 - ムラサメライガー・ナイトカスタム
ムラサメライガーとブロックスゾイドのサウロナイツが合体した形態。
背部にランスとシールドが装備され、頭部も騎士のヘルムのようなものに交換される。
サウロナイツはDSゲーム『ZOIDS SAGA DS』に特典として付属している。
関連動画
関連項目
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