ムルタ・アズラエルとは、『機動戦士ガンダムSEED』の登場人物である。通称「盟主王」。
概要
ブルーコスモスの盟主。ブルーコスモスとは、人間への遺伝子操作に反対し、遺伝子操作によって生まれたコーディネイターと呼ばれる人々を、過激な手段を用いて迫害するイデオロギー、及びその信奉者たちの事である。アズラエルは、その盟主=リーダー格として、主人公たちの前に立ちはだかる悪役として登場した。
その一方で、担当声優の檜山修之氏の熱演と、非常にエキセントリックな言動により、良くも悪くも人間臭く出番の一つ一つで強烈な印象を残す人物となっている。
また、彼の台詞の中には、主人公達よりも正論を語っているものや、熱血発言などもあり、単なる悪役として切り捨てられないような魅力がある事も事実である。
また、自ら戦艦に乗り込んで陣頭指揮を執ったり、地球に迫る危機を阻止しようと努力するなど、その活躍には獅子王凱を思わせるようなものもあった・・・かもしれない。少なくとも、ザフトから逃げ回ってばかりいた後任のロード・ジブリールよりは、よほど堂々としており、悪役としての貫禄は十分である。
彼は少年期に、数人掛かりでコーディネイターに喧嘩を挑んだが、一方的に返り討ちに遭うという、苦い経験を持っていた。おそらくその経験が、コーディネイター排撃思想の芽になったと思われる。 その一方で、ザフト軍のラウ・ル・クルーゼとは、繋がりを持っており互いに極秘情報をリークしていた。クルーゼにアラスカ基地自爆の機密情報と、基地の構造データを横流ししたのも、アズラエルである。そんなアズラエルが戦死した時、クルーゼは死を悼むどころか「案外不甲斐ない」と、バッサリ切り捨てていた。しかし彼の死によって一時的にブルーコスモスが弱体化しているあたり無能な人物というわけではなかったようである。
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』にも僅かながら登場。強化人間の選別に来ていたのか、訓練中のスウェンをモニターで見ていたが、途中で興味が失せて踵を返している。しかしこの時スウェンに対し、侮辱的な言葉を放ったらしく、スウェンの教官に掴み掛かられている。
檜山氏は勇者シリーズ作品『勇者特急マイトガイン』で主人公、旋風寺舞人役を演じていたが、その後、同じく勇者シリーズの最終作、『勇者王ガオガイガー』の主人公、獅子王凱を熱演。作品そのものの知名度の高さと、インパクトの強さからか、檜山氏が声をあてたキャラクターは、ガオガイガー以後、キャラクターの特徴+王を付けて「○○王」と呼ばれるようになった。アズラエルについてはブルーコスモスの盟主ということで「盟主王」と呼ばれる。
ちなみに、勇者王関連のMADムービーの中に、さりげなくアズラエルの台詞が混入している頻度は非常に高い。
盟主王の名台詞
- 核は持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃあない、強力な兵器なんですよ。兵器は使わなきゃ。高い金かけて作ったのは使うためでしょ?
- コーディネイターへの核攻撃を渋る軍上層部への発言。これは劇中でも必ずしも正しくないと指摘されている(大量破壊兵器は使わずに持っているだけで抑止力になる)が、ナチュラルの能力水準がコーディネイターに劣ることを鑑みての判断でもある。
- あははははは!!いっ……やったああああぁぁぁぁ!!!
- 核分裂を抑制し、核兵器の作動を不可能にする装置『ニュートロンジャマー』を解除する『ニュートロンジャマーキャンセラー』のデータを入手した際の喜びの絶叫。
- 勝ち目のない戦いに、『死んでこい』って自分の部下を送る人達より、僕の方がよっぽど優しいと思うけど?
- 核兵器使用に否定的意見を示す部下に対する言葉。
- あそこに!あんなもの残しておくわけにはいかないんだよ!何がナチュラルの野蛮な核だ!
くっ……あそこからでも地球を撃てる奴等のこのとんでもない兵器の方が遥かに野蛮じゃないか。
そしてもう、いつその照準が地球に向けられるか解らないんだぞ!撃たれてからじゃ遅い!
奴等にあんなもの作る時間与えたのはお前たち軍なんだからな!
無茶でもなんでも絶対に破壊してもらう。あれとプラントを……地球が撃たれる前に! - ザフトのガンマ線レーザー砲、ジェネシスの威力を目の当たりにしての台詞。熱血な部分がよく表れた熱弁ではあるが、クルーゼに誘導されて核兵器を使いザフトにジェネシスを撃たせる口実を与えたのは本人なので軍を責められた口ではない。
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関連項目
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