メカゴジラとは、映画『ゴジラ』シリーズに登場する、対ゴジラ兵器の巨大人型ロボットである。
概要
卓越した科学力によって造られた、ゴジラを模したロボット兵器。設定の変遷はあれど、いずれもゴジラを倒すために生み出された点は共通している。ロボット兵器としての初登場は、昭和49年(1974年)に公開された『ゴジラ対メカゴジラ』。その後、ある程度期間はあいているものの、デザインや設定が変更されて複数回登場している。
なお、3式機龍に関してはメカゴジラという名称は愛称の一つであり、正式な名称ではない。
ちなみに、メカゴジラが登場するとそのシリーズは終了若しくは近く完結予定になっていることが多い、というジンクスがある。
メカゴジラ詳細
昭和シリーズ
- 全高: 50m
- 重量: 4万t
- 最大飛行速度: マッハ5
- 燃料: 宇宙エネルギー
- 装甲: スペースチタニウム
- 主な武装: スペースビーム、デストファイヤー、クロスアタックビーム、フィンガーミサイル、ホーミューショット、トレイズ装置、ハイプレッシャーホーミング、ユニソット
『ゴジラ対メカゴジラ』に登場した、記念すべき初登場個体。
地球侵略を目論むブラックホール第三惑星人がゴジラを研究し、沖縄の秘密基地で建造したロボット兵器。初陣時にはゴジラの表皮を纏い、秘密を知り過ぎたアンギラスを口封じの為にフルボッコにした後にゴジラと対峙した(この時の戦闘以降、アンギラスはファイナルウォーズまで長らくゴジラ映画に登場する事はなくなってしまった)。後にゴジラ&キングシーサーと激突するも、首をへし折られた為爆破した。
後に続編『メカゴジラの逆襲』において第三惑星人のムガールが残骸を引き上げて真船博士協力の元で2号機を建造。完璧性を追求し、作動装置をサイボーグ少女の桂とした。チタノザウルスと共にゴジラと戦い、一度はゴジラを生き埋めにする等、圧倒したが、桂が自殺してしまった事で機能が停止。ゴジラに破壊された。
※デストファイヤーは本編未使用の武装。実際に使用する場面としては、SFCの格闘アクションゲーム「ゴジラ大怪獣決戦」にて確認する事が出来る。
VSシリーズ
- 全高:120m
- 総重量:15万t(メカゴジラ)/15万482t(スーパーメカゴジラ)
- 最大飛行速度:マッハ1(メカゴジラ)/マッハ2(スーパーメカゴジラ)
- 動力:レーザー核融合炉
- 外部装甲:超耐熱合金NT-1
- コーティング:人工ダイヤモンド
- 主な武装:レーザーキャノン、メガ・バスター、パラライズミサイル、ショックアンカー→Gクラッシャー、プラズマ・グレネイド、トランキライザー・ミサイル、高出力メーサービームキャノン
国連G対策センターがガルーダに続いて完成させた2号機。海底から引き上げたメカキングギドラの残骸を研究し、23世紀の技術とスーパーX2やメーサー兵器の経験・技術を組み合わせて作られた。スーパーX2のファイアミラーを発展させたゴジラの熱線をプラズマエネルギーに変換し数倍のパワーで撃ち返す腹部の「プラズマ・グレネイド」、ゴジラの熱線と同等以上の威力を持ち撃ち合いでも競り負けることのないパワーを持つ口部の「メガ・バスター」など強力な武装を数多く持つ。後に1号機ガルーダと合体し「スーパーメカゴジラ」となる機能も追加された。
ちなみに、メインコンピューターの名称は「REIKO」。
初陣では鈴鹿でゴジラと対峙するも打ち込んだショックアンカーのエネルギー逆流の為敗戦。その後の改良時にショックアンカーはベビーゴジラから得られたゴジラザウルスの生体データにより判明したゴジラの神経中枢「第二の脳」を破壊する「Gクラッシャー」へ変更された(アンカーを撃ちこんで電撃を食らわせるという基本は同じなのでぶっちゃけ何が変わったのかはよくわからない)。
幕張出撃時にはファイアーラドンに奇襲され、右目のレーザーキャノンを損傷するもファイヤーラドンを撃破。続けて現れたゴジラと交戦するがラドン戦でエネルギー変換装置が加熱し冷却を要したため必殺のプラズマグレネイドを発射できず、接近戦に持ち込まれまたも破れそうになるも、ガルーダと合体しスーパーメカゴジラとなりGクラッシャーにより「第2の脳」を破壊してついにはゴジラを沈黙させる。しかし、メカゴジラでゴジラとラドンの二兎を追った事でファイヤーラドンが自身の体と体内の放射エネルギーを謎の粉へと変換し、そのパワーにより装甲が融解、電子回路にも異常を来し制御を失った所に、ラドンの生命エネルギーによって「第2の脳」が再生し復活したゴジラのパワーアップした赤い熱線により爆発炎上した(それでも7発は熱線に耐えてはいる)。パイロットは爆発前にコクピットブロックごと脱出し、全員生還している。
余談だが、ゲーム「ゴジラ列島震撼」では若干が設定変更されている。ブラックホール第三惑星人が送り込んできたメカゴジラ(初代)との戦闘で入手したスペースチタニウムを分析し、Gフォースが再設計した事になっている。
ガルーダ
国連G対策センターが開発した1号機。マッハ3を誇るなど機動性に優れるも武装面での問題から実戦への投入は見送られていた。が、ガルーダに人一倍の愛情を持った青木一馬の脅迫発案により改良され、メカゴジラへの合体機構を搭載。幕張戦へ投入された。
合体時にはレーザー砲は折れ曲がってメカゴジラの進行方向へ発射可能であり、メインブースターは大出力のブースターによる移動が可能となる。これにより、メカゴジラは従来の性能を上回る機動力と火力を持つことが出来るようになった。
3式機龍
- 全高:60m
- 重量:4万t(バックパック装備時)/3万6000t(バックパック分離時)
- 最大飛行速度: ?
- 動力:支援機AC-3しらさぎを経由して送られるマイクロ波
- 外部装甲: ?
- コーティング: ?
- 武装:3式絶対零度砲/アブソリュート・ゼロ(×メカゴジラ)、99式2連装メーサー砲、0式レールガン(×メカゴジラ)、メーサーブレード(×メカゴジラ)87式多連装ロケット弾(×メカゴジラ)、
- 武装(東京SOS):4式3連装ハイパーメーサー砲/3連ハイパーメーサー(東京SOS)、4式対獣掘削装置/スパイラルクロー(東京SOS)、87式多連装ロケット弾発射機〈改〉/04多連装ロケット弾発射機(東京SOS)、95式470mm多目的誘導弾、4式レールガン(東京SOS)、98式320mm多目的誘導弾(東京SOS)
1999年、自衛隊は新たな対巨大生物用の兵器を造るため、海底に沈んでいた初代ゴジラの骨をサルベージ。これを八王子基地に移送したが、その日の夜に二代目ゴジラが千葉県房総半島に上陸。陸上自衛隊と特生自衛隊の迎撃もむなしく館山市は無残に破壊され、大きな被害を出してしまった。そこでゴジラの骨をベースに新たな対ゴジラ用兵器の開発に着手した。予告版では「超攻撃型メカゴジラ」と言われた。劇中ではメカゴジラと呼ばれる事は少なく、一貫して機龍の名で呼ばれている。
対G特殊兵器開発特別法案に基づいて開発された特生自衛隊の兵器で、初代ゴジラの骨格がベースとなっている。特生自衛隊が2003年に完成させたという設定から、「3式」の名を持つ。形式番号はMFS-3(Multi-purpose Fighting System - 3)。
操作は機龍隊がAC-3しらさぎからエネルギー供給も兼ねて遠隔操作する。メンテナンス・ブースからも操作は可能だが凄まじい加速度に人体が耐え切れない。エネルギーの連続供給がされない場合の最大行動時間は二時間程度とされる。最終兵器でもあるエターナルフォースブリザードアブソリュート・ゼロ(絶対零度砲。相手は死ぬ)と多数の内蔵武装の他、外装式の武装バックユニット(追加の大型ブースターも兼ねる)を装着可能な全身これ火器といった風情なのだが、これまでの人類側の対ゴジラ兵器の中では随一とも言える格闘戦能力と機動性も有している。
ゴジラの骨格がベースに選ばれたのはロボット工学的に極めて優れていたためで、劇中では「戦闘のためのフォルムとしては一つの完成系」と説明されている。制御系に初代ゴジラの骨髄間質細胞をベースにしたDNAコンピュータを使用しており、完全なロボット型兵器というよりは初代ゴジラのサイボーグ、生体ロボットのような存在。DNAコンピュータは通常のコンピュータよりも早く演算処理が可能で、機龍が戦闘できるだけの処理能力を獲得している。しかしDNAコンピュータには欠点があり、初陣の際にはゴジラの咆哮によりDNAコンピュータが暴走、エネルギー切れになるまでの間に八景島近辺を破壊しまくってしまった。以降、塩基を修復塩基へ変更して暴走の危険性を取り除いた。
機龍自体、非常に強力な兵器である事から諸外国への侵略に使用されるのでは、という疑問が噴出。これを解消するため対巨大生物専門の特生自衛隊を創設し、管轄下とした。また、責任を取って当時の内閣が解散するなど機龍を巡る政治劇が描かれている。またゴジラの骨をベースにしているため、ゴジラを引き寄せてしまう特性がある。裏設定では、機龍のベースにされたゴジラと二頭目のゴジラは親子関係にあるという。つまりゴジラは奪われた親の骨を取り戻そうとしており、それがゴジラを引き寄せる形となっている。そしてゴジラ視点だと、死んだはずの親が改造されて襲ってくるというホラー展開となっている。機龍には親ゴジラの思念が発現しており、先の暴走や操縦を無視して動き出す事態が起きている。
「×メカゴジラ」では品川に上陸したゴジラと戦闘。実質これが初戦闘である。ミサイルやメーサーを駆使して善戦。歴代メカゴジラは総じて格闘戦を不得手としていたが、機龍はバリバリの格闘戦を魅せた。尻尾を掴んで振り回す様は迫力満点である。倒れたゴジラにトドメを刺そうと、アブソリュート・ゼロを放つが直前で熱線を喰らって外れてしまう。結果、エネルギー切れを起こし操作不能と化す。自衛隊の発電施設だけでは電力量が足りず、万事休すの状態になる。そこで東京中を停電させ、電力を供給。現地のメーサー車輌が時間を稼ぎ、しらさぎからの電力供給を受けて復活。ゴジラを掴んで東京湾まで飛翔、海中でアブソリュート・ゼロを撃ち込み、巨大な氷柱を作り上げた。
ゴジラを倒す事は叶わなかったが、腹部に大きな傷跡を与えて撤退させる事に成功。引き分けに終わるも37%を損傷した。
「東京SOS」では三式機龍改となる。最終兵器のアブソリュート・ゼロの修復が不可能となり3連ハイパーメーサーを装備した。バックユニットは最初の戦いで破損した際にゴジラへ射出、攻撃した事が思いの外有効であった事から形状を変えつつも弾切れや破損時の攻撃用武装としての性格も付与された。同時に損失した右腕部は可変式ドリルアームのスパイラルクロウに換装し、白兵戦時の攻撃力をさらに高めている。
小美人は、死んだゴジラを安らかに眠らせるために機龍を放棄するよう人類側に迫った。その代わりモスラが命がけでゴジラと戦うとしたが、究極の対G兵器を失う訳にはいかない人類側はこれに応じず機龍を保有し続けた。
「東京SOS」では孤軍奮闘する成虫モスラ救援の為に五十嵐隼人総理の判断で緊急出撃。トドメを刺されそうになっているモスラの下へ駆けつけ、戦闘を引き継ぐ。ゴジラと戦うが整備不良で動きが鈍く、攻撃を受けて破損・行動不能になってしまう。機龍隊のメカニック・中條義人(演:金子昇)が単身機龍に乗り込み、修理。メーサー隊、しらさぎ、双子のモスラ幼虫が時間を稼ぐためにゴジラの注意を引き付ける。
通信で機龍隊本部に支援してもらいながら修理完了。動けるようになるが、ゴジラの熱線で出入り口が塞がってしまい、出られなくなる。中條を中に残したまま戦闘再開、国会議事堂の前で激戦を繰り広げる。スパイラルクロウでゴジラの腹部をえぐり、戦意喪失させるという大戦果を挙げる。双子の幼虫モスラとの連携もあってあと一歩の所まで迫るが、直後流れた小美人の歌声に導かれたかのように自我が覚醒。モスラ幼虫によって繭にされたゴジラを抱えて、飛翔。ともに日本海溝へ沈もうとする。
機龍には依然中條が取り残されていたが、彼を助けるかのように機体をよじって外へ出られるようにする。メンテナンス・ブースのモニターには「SAYONARA YOSHITO」と表示され、別れを告げて彼ほ外部へ放出した後に、ゴジラを抱きかかえて日本海溝へと沈んでいった。
人間を憎んでいるはずのゴジラ(親)が、最後に人間(中條)を助けるというシリーズでも珍しい描写が見られた。昭和は知らん。
メカゴジラシティ
元々はビルサルドの技術である自律思考金属体「ナノメタル」製の対ゴジラ決戦兵器であった。
2042年に富士山麗にて建造が開始され、2046年に完成するも、何らかの不具合で起動に失敗し、遠州灘からゴジラに熱線で狙撃され破壊されてしまった。
しかし、唯一破壊されなかった頭部ユニットから発せられる指示により2万年の間に周囲14kmにわたり増殖を続け、町とも呼べる規模に成長していた。
その後、ガルグにより対ゴジラ用の戦闘要塞へと作り変えられ、シティ前方に大規模なトラップフィールドを敷設しつつ外装もゴジラ迎撃用の改良型レールガン砲台で武装、さらにナノメタルの粒子をシティ周辺に散布することでゴジラの熱線を拡散反射する特殊な力場を形成してゴジラの熱線攻撃からシティ全体を守ることもできるようになった。
迎えたゴジラとの戦いではヴァルチャーによってゴジラを誘導して地下のトラップフィールドに追い込み、液状化させたナノメタルをゴジラの足元に流し込んでその動きを止めた後にEMPハープーンを背中に打ちこんで内部から破壊する作戦が取られ、実際にゴジラをシティ内部に引き込んで拘束しプローブを打ち込むことまでは成功。ところがゴジラは体全体を赤熱化させてプローブを溶かして無力化、さらに放出した高熱波でシティそのものを滅却しようとする。これに対してガルグらビルサルドはヴァルチャーそのものを特攻兵器にしてゴジラへの攻撃を続行しようとするも、そのためにユウコやハルオを強引にナノメタルで改造しようとしたため、それを拒否したハルオがガルグのいるコントロールセンターを破壊したことでシティ全体が沈黙し、直後にはゴジラの熱線の乱射を受けて完全に壊滅してしまった。
『ゲームウォーズ』/『レディ・プレイヤー1』のメカゴジラ
アーネスト・クライン著のSF小説『ゲームウォーズ』及びそれを原作とする映画『レディ・プレイヤー1』にメカゴジラが登場する。
同作はハリウッドのSF映画や日本の漫画・特撮映画などのキャラクターをVRゲームの世界でクロスオーバーさせており、その一環として登場している。
原作小説で登場したのは3式機龍だが、映画では『ゴジラvsメカゴジラ』のポスターに描かれた生頼範義デザインのものが登場している。一方、劇中では昭和メカゴジラのようにフィンガーミサイルを飛ばすシーンがある。
世界最大規模のVRオンラインゲーム「オアシス」の買収を目論むIOI社の幹部ノーラン・ソレントが所有しており、最終ステージ「惑星ドゥーム」にて主人公のウェイド・ワッツ、及び彼に協力した大勢のプレイヤーたちを迎え撃つべく召喚された。
この映画のメカゴジラデザイン担当者は、後にGodzillaシリーズのGodzilla vs. Kongで正式に本編で闘うメカゴジラもデザインしている。
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