メスガキ懺悔室とは、アスティカシア高等専門学園に突如現れたギャグ空間である。
機動戦士ガンダム 水星の魔女第18話でその存在が明らかになった。
概要
水星の魔女の登場人物 マルタン・アップモントがカウンセリングルームにて自身の行動を独白する、というとても重苦しい展開を揶揄する単語。
※あくまで視聴者の中で生まれた単語であり、作中で言及されたわけではない。
マルタンの葛藤と決断
プラント・クエタで起こったテロ事件に巻き込まれたスレッタ・マーキュリーら地球寮のメンバー。その混乱の最中、寮長を務めるマルタンは「地球寮メカニックのニカ・ナナウラがテロリストと接点を持っているのではないか」という疑念を持つ。マルタンはニカに事実を問うが、彼女ははぐらかすばかり。
テロ事件からしばらく経ち、アスティカシア高専ではオープンキャンパスが開催されていた。その目玉として行われたバトルロイヤル形式でのMS戦"ランブルリング"に、件のテロリストの狩るガンダムが乱入。地球寮メンバーがまた危険にさらされることを怖れたマルタンは、フロント管理者にニカのことを通報する。
その後
この学園へのテロは死傷者が出るほどの大きな被害をもたらし、さらにマルタンが行った通報の結果として地球寮メンバーも事情聴取を受けることになる。そしてそれが「地球寮がテロリストと関わっている」「株式会社ガンダムは人を殺すガンダムを作っている」という噂を呼び、地球寮への嫌がらせが激しくなってしまう。マルタンは地球寮は関係ないとスレッタたちを庇おうとするが、スプレー缶を投げられ頭から出血してしまう。なお本編の言動から、「マルタンがニカを疑う根拠を持っていること」と「マルタン自身がニカを通報したこと」は他の地球寮メンバーに打ち明けず、本人だけが抱えているようである。
一方、スレッタはグエル・ジェタークとの決闘に敗れミオリネ・レンブランとの婚約解消、さらにその敗北がミオリネに仕組まれた八百長であると知り意気消沈。何事もなかったかのように強がるスレッタをみかねた地球寮メンバーは、スレッタを連れてミオリネに会いに行くことに。負傷しているマルタンを一人地球寮に残して―――。
マルタンの懺悔
地球寮を守るためとはいえ、通報したことで地球寮メンバー全員が疑われ、マルタン自身も負傷してしまった。さらに当のニカ本人の行方もわからないという結果が残った。
ニカがテロリストとつながりがあるという事実と、果たしてニカを引き渡そうとしたことは本当に正しかったことなのかという疑念を一人抱え、マルタンの精神は限界に達しようとしていた。一人地球寮の取り残されてしまったマルタンはカウンセリングルームに籠り、上述の行動を独白する。
「僕は寮長として仲間を守りたかった! 何もおかしくない! 僕のしたことは、正しいですよね!?」
普段の困難にはツッコミや苦笑いで対処している描写の多かったマルタンが取り乱すように懺悔するというとてもシリアスなシーン。
だったのだが
ブッブー!!
突然ブザーが鳴り響いたかと思うと、軽快なSEと共に壁の向こうから決闘委員会の太ももメスガキセセリア・ドートが登場。マルタンは驚きのあまりギャグ漫画のようにすっ飛んでしまう。
追い討ちをかけるようにセセリアは
「あんた、とんだ裏切り野郎だねぇ~」
と挑発的に微笑むのだった。
元々セセリアは「上級生でも関係なく煽る」「太もも丸出しのラフな格好」という要素から一部の視聴者に(年齢や身長はともかく)メスガキ属性持ちとして扱われていた経緯があり、悩めるマルタンをセセリアが煽るこのシーンはメスガキ懺悔室と呼ばれることになった。
視聴者の反応や考察
- 何の前触れもなく突然生えてきた「アス高には懺悔室形式のカウンセリングルームがある」という設定。
- 現在から少なくとも122年後の未来を舞台にした水星の魔女の世界にも懺悔室のような文化が残っている新事実。
- カウンセリングルームの真ん中に、マリア像とか仏像みたいにポツンと鎮座するハロ。
- 「ニカを通報するべきか」というマルタンの葛藤は数話かけてじっくり描写されていたのに、突然ギャグ展開になる。
- 壁の向こうから突然エッチな女の子セセリアが出てくる。
- クイズ番組みたいなSE。
- しばらく煽り甲斐のある相手がいなかったためか、めちゃくちゃ生き生きした表情のセセリア。
- 本来懺悔室に待機しているのは神父やシスターのような聖職者であり、セセリアの人物像とは似ても似つかない。
- 懺悔室というシスターものの薄い本でよくみるシチュエーション。
- その後は何事もなかったかのように「スレッタ出生の秘密」をはじめとしたシリアス展開に戻る。
とツッコミどころが多く、シスターセセリアはシリアス展開で曇る視聴者にほんの僅かな安らぎを与えたのだった。マルタンについては「秘密を知ってしまったゆえに口封じで殺されるのでは」という死亡フラグも危惧されていたのだが、この展開によって「ギャグ落ち≒生存フラグではないか」と安堵する声も。
また、ひょうきん懺悔室を思い出す世代のファンもいたようである。
一方マルタンもセセリアも「地球寮の寮長」と「決闘委員会メンバー」というポジションにありながら「ガンダム・エアリアルの謎」や「ミオリネの婚約者争い」「クワイエットゼロ計画」といったメイン展開の(どちらかと言えば)蚊帳の外にいたキャラクターであり、「この二人が接点を持ったことが物語で大きな意味合いを持つのではないか」という真面目な考察もある。それはそれとして「セセリアは普段から懺悔室でお悩み相談を聞いてニヤけていたのでは」という疑念が残る。
また、別なところでは「セセリアと一緒にいるハロが緑色 = ロウジのハロ(水星世界の通常ハロはオレンジ)」という要素が発見されており、もしかしたらセセリアの後ろにロウジがいるのでは?という意見や、日替わりでロウジは神父を担当している、そもそもあの部屋を作ったのがメカニック科のロウジ、といった面白おかしい意見も出ている。
また、緑のハロはロウジによりさまざまな改良が施されているという点を考えると懺悔室とハロを用いて学園内の情報をかき集めている可能性があるとも囁かれている。そのため、上述のセセリアとマルタンだけでなく「ロウジを加えたブリオン寮 兼 決闘委員会古参の2人が今後絡んでくるのではないか」というあり得そうな予想もされている。
その後
続く19話では、決闘委員会ラウンジらしき場所でセセリアの足爪のケアというご褒美プレイをさせられているマルタンの姿が!
懺悔の追い打ちとばかりに地球のこと・地球寮のことを恥ずかしげもなくネチネチと煽り蔑むセセリアに、ついにマルタンは地球寮を守るためにはあれ以外になかったとヤケになって抗議するが、セセリアは淡々と「(マルタンが)厄介事に巻き込まれたくなかった」「後ろめたさがあるから誰にも言えなかった」と指摘。さらに自信を追い詰めるマルタンに対し「見栄を張らずに最初からそう言うべきだった」「弱者(立場としてそう強いられている者)が平気そうに意地を張るな」と言葉を続ける。
セセリアはつつかない方が良い話題を思い切りなじることで、どこかで罰を欲していた抑圧された彼の本音を無理矢理引っ張り出しカウンセリングを最後までやってのけた。かなり荒療治ではあるが・・・。
マルタンは凝り固まっていた心が解放されついに泣き出してしまうのであった。
マルタンは地球寮に戻り、同じく帰ってきていたスレッタたちと再開。そしてついに「ニカがテロリストと繋がっており、自分が通報した」と打ち明ける。誰もが動揺したものの、最後にはみんなマルタンの行動に理解を示した。
そんなマルタンを見て、スレッタはあることに気がつくのだった―。
そう、実はただのギャグシーンかと思いきや、主人公 スレッタにまで大きく影響を与える重要な展開だったのだ。
ちなみに、マルタンがセセリアの足爪をケアしているすぐ真向いにはやはりというか当然ロウジとハロが座っており、しかし先輩のマルタンが虐げられている状況にも、セセリアが仮にも先輩にそんな懲罰を課している状況にも一切止めないどころかポチポチとタブレットをいじり続けていた。
差別的なものに無頓着なのか、セセリアのそんな対応もといカウンセリングに慣れきっているのかは今のところ謎。どっちもな気がしなくもない。
関連動画
関連静画
関連項目
- 30
- 0pt