メタルギアソリッド ポータブル OPSとは2006年12月21日にコナミデジタルエンタテインメントから発売されたPSP用ゲームソフトである。略称はMPO。
概要
シリーズ初のPSP向けタイトル。「MGS」の名を冠するタイトルとしては携帯機初。
それまでにPSPで発売された『MGA』シリーズと違い、れっきとした3Dアクションとなっている。
タイトル中の“OPS”とは、"Operations"の略で「軍事行動」を意味する。
大きな区特徴として、単独潜入の一本道的ストーリーから、複数のキャラクターを自由に選んで操作し、ミッション選択制で物語が進んでいく形態になっている。また、ムービーがバンドデシネ方式で描かれるなど、それまでのシリーズとはかなり毛並みが違う。
しかし、携帯機ながらも『MGS3』と遜色ないグラフィックを実現しており、アクションの自由度も『MGS2』、『MGS3』と同程度を維持しているなど、評価は高い。
物語に関しては、外伝である『MGA』シリーズとは違い、メタルギアシリーズ本編の時系列に連なる正統続編であるが、小島秀夫はストーリーの大枠を考えるなど監修的立ち位置にあり、深く関与していない。
発表された当初は、「『MGS3』とアウターヘブンを結ぶミッシングリンク」とされ、ビッグボスがFOXHOUNDを結成するまでのストーリーが描かれるように示唆されていた。
が、最終的にはFOXHOUNDあるいはアウターヘブンのどちらの誕生もはっきりとは描かれなかった。
今作では、前作『MGS3』でスネークと袂を分けたはずのオセロット、EVAなどを仲間にすることもできるが、その際のそれぞれのイベントは、『MGS』の時系列の中で認められているものとは言い難い。
後に行われたメタルギアシリーズのイベントなどでは、同じくPSP用ソフトである『MGS:PW』がナンバリングタイトルと共に並べられているにも関わらず今作だけスルーされていたり、同作で「サンヒエロニモとも縁が切れた」とキャラクターが発言するなど、妙に扱いが軽くなっている。
今作で確立された携帯機独自のスタイルの多くが、『MGS:PW』に継承されている。
システム
基本的にシステムは『MGS3』のそれをPSP向けに調整したものとなっており、自由度は高いものの、後の『MGS:PW』とはかなり違ったプレイ感覚となっている。
本作では新たに仲間を集めることができるようになった。
方法としては、ミッションの中で敵兵を眠らせるか気絶させるかして回収することで可能なほか、特定のイベントをたどること、あるいは無線LANでアクセスポイントを探知することでも兵士を入手できる。
仲間になったキャラはプレイヤーキャラとして使用可能で、さらに特定の条件を満たす事で前作に登場したキャラや本作で新たに登場するキャラが使用可能になる。
ムービーシーンはリアルタイムポリゴンデモは用いられず、『メタルギアソリッド バンドデシネ』のようにアシュレイ・ウッドによるアメコミ調の絵でストーリーが展開されていく。
容量の都合か無線にボイスが付いていなかったり、敵兵の反応のバリエーションが少ない。
しかし一方、仲間にできる兵士のバリエーションなどは、むしろ『MGS:PW』よりも豊富である。
最大6人での通信プレイが可能だが、アドホック通信に限らず、携帯機ながらWi-fiを経由したオンラインプレイにも対応している。
ストーリー
スネークイーター作戦から6年後の1970年。
コロンビア北部にある“地図から消えた半島”、サンヒエロニモ半島にある、ソ連の基地跡地で、特殊工作部隊FOXが、取り残されていた元ソ連兵士を巻き込んでクーデターを起こした。
ネイキッド・スネーク=ビッグボスは、その基地の独房で目を覚ます。
スネークは既に、FOXを除隊していた身だったが、FOXは彼こそが「賢者の遺産」のありかを知っていると考えており、それを手に入れるために彼を拉致したのだった。
スネークは、同じくとらわれていたグリーン・ベレーの兵士、ロイ・キャンベルと協力し、島からの脱出を試みる。
敵の目をかいくぐり、かつての戦友シギントやパラメディックに連絡し救援を求めるスネーク。しかし、ゼロ少佐はこのクーデターの責任を問われ拘束され、さらに首謀者としての嫌疑がほかならぬスネークにかけられていることが判明する。
身の潔白を証明するため、スネークは事態の解決を迫られる。彼は、キャンベルと共に現地で兵士をスカウトし、独自のFOX鎮圧部隊、いわばFOXHOUNDを結成して、クーデターの鎮圧に挑む。
登場人物
スネークとその協力者
- ネイキッド・スネーク/ビッグボス
かつてFOX部隊に所属し、スネークイーター作戦を完遂した伝説の英雄。今作では既にFOXを除隊していた。
今作では単独潜入を行わず、随時仲間を集めつつ半島を攻略していく。
事件収束の中で、ジーンの思想に影響され、「兵士が生の充足を得られる世界」=「アウターヘヴン」の発想の端緒を掴む。またエンディングでは、FOXHOUNDのものらしき隊章をつけ、今作で作った仲間を部隊として編成し指揮していくことが示唆されていたが、時系列上はこの後「国境なき軍隊」の指揮のためにアメリカをいったん離れるため、このまま後のようなFOXHOUNDの司令官というポジションに収まっていったとは考えにくい。
今作ではまだゼロ少佐との確執は起こしていない。 - ロイ・キャンベル
『MG2』『MGS』などに登場する、おなじみの「大佐」の若かりし頃の姿。グリーンベレーに所属する優秀な兵士。
半島に派遣されていたところクーデターに巻き込まれ、自分以外の部隊員が全滅した末に捕虜にされていたが、スネークに救出され、彼のサポートを担当することになる。
足をけがしているため戦闘はできない=プレイヤーが操作することはできないが、女を口説くために鍛えた心理学の知識などを活かし、回収した兵士を説得し仲間にしていく。
今作終了時点でスネークとは一旦別れ、彼の相棒的ポジションにはミラーが収まることになったが、おそらく今回の縁がきっかけで、後にFOXHOUNDの副司令官となったものと考えられる。
ちなみに、3Dモデルが用意されていたのを利用して、彼をプレイヤーキャラにするチートが横行し混乱を招いたことがあった。 - ゼロ少佐/デイビッド・オウ
FOX部隊司令官。今作ではその姿は見せず、会話の中で言及されるのみだが、FOX部隊のクーデターの責任を取り、拘束されていることが判明している。
しかし、オセロットの通信によれば、今回の事件の黒幕は彼であり、「賢者の遺産」を回収し、CIAに残っていた賢者達の残党を排除することが目的であったと推定され、それはオセロットによって完遂されている。
また、スネークイーター作戦でのザ・ボスの死などもすべて彼の策略によるものであったことがジーンによって示唆されていたが、『MGS4』で判明した「愛国者達」の真相とは矛盾している。 - パラメディック
- シギント
かつてスネークを無線越しにサポートしたFOX部隊員。独房から脱出し事態の把握を図ったスネークが、「盗聴や妨害の心配のない回線」として、スネークイーター作戦で使用した回線で連絡を試みた結果、彼女らと(声だけだが)再会することになった。
なお、ゼロを含めたこれら3人は、ユニークキャラとして操作可能だが、物語上は半島にいないため、本筋に絡んではこない。また、ファーストトレイラーではセリフが用意されていたが、本編では変更されたうえ、音声がカットされてしまっている。 - ニコライ・ステパノヴィッチ・ソコロフ
『MGS3』に登場した、ソ連の兵器開発者。前作で、ヴォルギンに拷問を受けた末死亡したと思われていたが、何とか生存しており、ジーンに救出され、グラーニンの「メタルギア」開発案を実行に移すべく協力させられていた。
劇中、「ゴースト」を名乗り無線でスネークに接触し、ジーンの野望を阻止する協力をする。後に正体を現しジーンと決別する。最後まで生存するが、今回の事件後の消息は不明。
なお、サイボーグ手術を受けており、その体の多くが義肢で構成されている。 - ジョナサン
スネーク・キャンベルと最初に仲間になる元ソ連兵士。『MGS3』に登場したジョニー、『MGS』以降に登場するジョニー佐々木(アキバ)との関連は不明だが、おそらく他人。
ソ連に見捨てられた恨みからジーンのクーデターに賛同していたが、スネークの説得に応じ、彼に協力する。しかし中盤、ジーンの起こした混乱のさなかスネークを庇って射殺される。
このイベントで強制的に死亡扱いになってしまうが、それまではユニークキャラ扱いで性能もちょっと高い。
FOX部隊
- ジーン
スネーク脱退後、FOXの実質的な中心人物だった兵士。
「相続者計画」と呼ばれる育成計画によって、ザ・ボスと同等の力を持った兵士として作られた男で、「エンハンサー」と呼ばれる発展型CQC、ウルスラをも上回るESP能力、そして兵士達の精神を一瞬で掌握するような異常なカリスマ性(というより威圧感・恐怖)を持っている。彼の言葉の前では、並みの兵士ではすぐに萎縮し精神を掌握されてしまう(スネークなどには通用しなかった)。熱い若本ボイス。
半島をジャックしてソコロフにメタルギアを作らせ、ソ連を核攻撃し、世界を混乱に陥れようとする。
しかし実は真の目的は米ソの戦争誘発ですらなく、かつての賢者達の残党がはびこるCIAと国防総省への核攻撃と、それによるアメリカという国家自体の解体にあった。実はスネークイーター作戦以前より「賢者の遺産」の半分を手にしており、半島を兵士たちの楽園「アーミーズヘヴン」と定め、指揮下の兵士を世界各地の紛争の中で暗躍させ、兵士の力によって動く新たな世界秩序を創出しようとしていた。
最終的にスネークにその野望は阻止されるが、彼の中に、自分と似た思想を見出し、「賢者の遺産」の一部を彼に渡す。この遺産と彼の思想が、後にスネークがビッグボスとしてアウターヘブンを作り出すきっかけの一つになったと思われる。 - ヌル
ドイツ語で「ゼロ」の意味を持つ絶対兵士。絶対兵士とは、確実に任務を遂行することだけを目的として作られた兵士で、普段は水槽の中で仮死状態で保存され、任務の度に記憶も抹消される、ロボットのような存在。異常な身体能力を持ち、マチェットを武器に敵を斬殺する。
その正体は、かつてスネークがモザンビークで出会ったことのあった少年兵で、フランク・イェーガーと呼ばれていた。つまり、後のグレイ・フォックス。
スネークを拉致し、この事件においても2度にわたってスネークと対峙するが、その度彼に敗北し、命を救われる。最後はスネークの説得に応じ、彼と和解した。事件収束後は回収されアメリカに帰国したようだが、後にナオミ・ハンターとの出会いを経てFOXHOUNDに参加し、『MG』『MG2』『MGS』に登場していくことになる。 - カニンガム
捕虜訊問官。義足が印象的な黒人の男。戦闘時には、ミニガンを搭載した特製のフライングプラットフォームに乗る。
正体は国防総省のスパイで、スネークを適度に活躍させ、彼を回収し、半島をデイビークロケットで抹消するという役目を持っていた。が、ジーンはその企みを知った上でさらにカニンガムを利用していた。 - パイソン
ピンヘッドそっくりの針山頭を持った兵士。体温調節機能に異常をきたしており、液体窒素を充填した特殊なスーツを着ている。銃器による攻撃はもちろん、液体窒素の噴出などでも相手を攻撃する。
スネークとは旧知の中で、彼には、戦場で死亡したと思われていたが、生存していた。プレイによっては味方にできるが、以降本編には絡んでこない。 - ウルスラ
強力なESP能力を持った少女兵士。ジーンに静かに付き従うが、冷酷な性格で、終盤ではメタルギアRAXAのパイロットとして暴れまわる。エルザとは姉妹関係にあるとされていた。 - エルザ
医療チームに所属するスタッフ。普段はヌルの体調管理を担当している。
ウラル核惨事で被爆しており、核兵器の使用に強い嫌悪を示す。スネークと接触し、ジーンを止めるため彼に協力する。
ウルスラと比べ弱いものの、彼女と同様にESP能力を持ち、弱いテレパシーなどを使用できる。
実はウルスラとエルザは同一人物であり、多重人格である。
その他
- スコウロンスキー大佐
半島に派遣されていたソ連兵士の本来の指揮官。権力への執着心が強く、ジーンの洗脳にも応じなかったため、捕虜として監禁されていた。
既に精神に異常をきたしており、かつて自分が優秀なパイロットであった過去に執着して意味不明な言動を繰り返す。
メタルギアRAXAをジャックして暴れようとしたが、ウルスラのサイコキネシスによって引きずり出される。設定上はこの時死亡。
ユニークキャラ
プレイの中で回収できる一般兵士と違うキャラクター。
死亡しても負傷扱いで、時間がたてば復活し再び操作できる。上述したキャラクターも一部、クリア後などにユニークキャラとして使用できる。
- オセロット
GRUのエリート将校を装いスネークイーター作戦などに参加していた、CIA=賢者達の三重スパイ。
賢者達に見切りをつけたのか、シェルターに避難しようとするCIA長官を射殺し、「賢者の遺産」(『MGS3』でスネークが回収したもの)を奪取し、賢者達の残党に引導を渡す。エンディングでは、ゼロ少佐と思われる相手と連絡を取り合っていた。おそらくはその後、遺産を携えて「愛国者達」に参加すると思われる。 - イワン・ライデノヴィッチ・ライコフ
『MGS3』に登場したソ連将校。前作では殺害も可能だった。
あんまり奇行を重ねすぎたせいで半島に左遷され、揚句クーデターに巻き込まれた……という設定で仲間になる。 - EVA
『MGS3』『MGS4』に登場する、中国の女スパイ。後にスネークと再会し、「愛国者達」に参加する。
前作でスネークの目をすり抜けて回収した「賢者の遺産」が偽物だったせいで解雇され、フリーのパイロットとして活動していたところ、クーデター中の半島の空港にたどり着き、スネークと再会を果たす。
「愛国者達」参加前の彼女とスネークの再会の様子は詳しく語られていないため、この描写が本編でも認められるものなのか、それとも外伝的なものなのかは不明。 - テリコ・フリードマン
『MGA』に登場する女性兵士。一般兵曰く「変な恰好」。 - ヴィナス
『MGA2』に登場する女性兵士。ソコロフ曰く「金星人」のような恰好。尋問時の声が怖い。
メタルギアRAXA(ラシャ)/弾道メタルギア
ジーンがソコロフに開発させたメタルギア。
シリーズの時系列上、名前に「メタルギア」を冠したメタルギアが登場するのはこれが初。しかし、核搭載二足歩行戦車ではない。
RAXAは試験型で、ウルスラなど、強力なESP能力を持った兵士を操縦者として稼働する。
大きな2つの翼のようなパーツと、2対の脚を持った兵器で、ホバー移動しながら敵を攻撃する。
機銃とミサイルを持つ。装甲は薄弱で、スネーク達が白兵戦の末破壊に成功する。
弾道メタルギアは、RAXAと同様の姿を持っているものの、核攻撃能力を持った全くの別物。
大陸間弾道ミサイルのように、ロケットによって大気圏外まで上昇した後、再突入し敵国に降下、自ら移動しながら小型核兵器をまき散らすという、いわば移動砲台。
国防総省とCIA本部に向けて発射されるが、直前にスネーク達が攻撃を加えたため、大気圏外でのパーツ切り離しの際に自壊し、軌道をそれて落下し消滅した。
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