メタルヒーローシリーズとは、1982年3月から1999年1月までテレビ朝日系列で放送された、
東映の制作による特撮ヒーロー番組の総称である。
概要
「宇宙刑事ギャバン」から始まり、登場するヒーロー達が概ね金属質なボディを持っていたため、ファンからこの様に呼ばれていたが、後に製作者サイドもこの呼称を用いた事で、公式名称となった。
多くのヒーローが強化スーツを身に纏うのが特徴だが、一部のヒーローはロボットである。意図していたかは不明だが、宇宙刑事、開発時点で警視庁の所属だったジャンパーソンなども含むと、登場するヒーローの半数近くが警察がらみという特徴がある。
最終的に石ノ森章太郎原作の「燃えろ!!ロボコン」に枠を譲る形で終了となり、さらに原作者繋がりで平成仮面ライダーシリーズに枠が受け継がれることになった。平成ライダーシリーズでは、従来の仮面ライダーシリーズの特徴であった改造人間という設定や変身方法は廃され、代わりにメタルヒーローシリーズの強化スーツによる変身方法が導入されている。
公式には「宇宙刑事ギャバン」から「テツワン探偵ロボタック」までがこのシリーズに含まれると定義づけられているが、以下のような意見もあり、一時期のスーパー戦隊シリーズ以上に線引きが面倒なことになっている。
- 最後の2作「ビーロボカブタック」「テツワン探偵ロボタック」はヒーロー路線ではなくコメディ路線が強いため、メタルヒーローシリーズから外すべきではないか?むしろフジテレビで放送された東映不思議コメディーシリーズの「ロボット8ちゃん」「バッテンロボ丸」「もりもりぼっくん」と同じロボットコメディ作品なので、同じくテレビ朝日で放送された「がんばれ!!ロボコン」「ロボット110番」や後番組の「燃えろ!!ロボコン」と合わせて東映不思議コメディーシリーズに含めるべきではないか?
- 金属質なボディを持たない「世界忍者戦ジライヤ」はメタルヒーローと言っていいのか?
実際に、今でこそシリーズの一つとして認知されているが、かつては東映が製作した総集編ビデオに収録されないこともあった。
既に終了から10年以上が経ったこのシリーズだが、東映特撮作品の中では、「仮面ライダーシリーズ」、「スーパー戦隊シリーズ」に並ぶシリーズとして認知されており、現在でも復活希望や根強い人気を持った特撮ヒーローシリーズである。現在放送されている『平成ライダー』シリーズもまた設定面などでメタルヒーローシリーズの流れを継承している。
2011年より、YouTubeにおいてギャバンをはじめとするさまざまな作品が公式配信されている。また、東映特撮ニコニコおふぃしゃるにおいて、下記本編及び『シャイダー』『メタルダー』『ジバン』『ジャンパーソン』『ブルースワット』『ビーファイター』の劇場版が有料配信されている。
近年(2012年~)におけるシリーズの動向
そんな中、2012年1月21日より公開された、劇場版『海賊戦隊ゴーカイジャー』にて、メタルヒーローシリーズ(宇宙刑事シリーズ)30周年記念として「宇宙刑事ギャバン」と共演。シリーズ初の戦隊とメタルヒーローの共演作としても話題と感慨を呼んだ。
ただし、ヒーローショーでは「特捜戦隊デカレンジャー」で既に共演しており、その際には、デカレンジャーの上司にあたるデカマスターことドギー・クルーガーが、ギャバンと知り合いだったというエピソードも独自に加えられていた。
さらにはゴーカイVSギャバンの成功を受けて、ギャバン単独での映画化も決定した。「宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」として、2012年10月20日に公開された。
2013年4月27日には、スーパー戦隊に加え仮面ライダーとも共演する映画『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』が公開された。ストーリー的には宇宙刑事シリーズ(というか新旧ギャバン)が中心だが、最終決戦では3人の宇宙刑事に加え、『シャイダー』『メタルダー』『ジバン』『ジャンパーソン』『ブルースワット』『ビーファイター』といったほとんどのメタルヒーローが集結する。なお、三人の宇宙刑事が「共闘」するのはこの映画が初めてである。
その後はシリーズを総括しつつ同じく宇宙警察を舞台としたスーパー戦隊の「デカレンジャー」とのクロスオーバーを行った『スペース・スクワッド』シリーズが映画やVシネマで展開されていたが、その後の現在は再びシリーズ休止とも取れる期間へと突入している。
2022年は「宇宙刑事ギャバン」の放送開始から40年の節目とも取れる時期に差し掛かっているため、今後は何かしらの脚光を浴びる可能性があると見られている。
テレビシリーズ
番組名 | 放送日時 | |
01 | 宇宙刑事ギャバン | 1982年3月~1983年2月 |
02 | 宇宙刑事シャリバン | 1983年3月~1984年2月 |
03 | 宇宙刑事シャイダー | 1984年3月~1985年3月 |
04 | 巨獣特捜ジャスピオン | 1985年3月~1986年3月 |
05 | 時空戦士スピルバン | 1986年4月~1987年3月 |
06 | 超人機メタルダー | 1987年3月~1988年1月 |
07 | 世界忍者戦ジライヤ | 1988年1月~1989年1月 |
08 | 機動刑事ジバン | 1989年1月~1990年1月 |
09 | 特警ウインスペクター | 1990年2月~1991年1月 |
10 | 特救指令ソルブレイン | 1991年1月~1992年1月 |
11 | 特捜エクシードラフト | 1992年2月~1993年1月 |
12 | 特捜ロボジャンパーソン | 1993年1月~1994年1月 |
13 | ブルースワット | 1994年1月~1995年1月 |
14 | 重甲ビーファイター | 1995年2月~1996年2月 |
15 | ビーファイターカブト | 1996年3月~1997年2月 |
16 | ビーロボカブタック | 1997年2月~1998年3月 |
17 | テツワン探偵ロボタック | 1998年3月~1999年1月 |
なお、「宇宙刑事ギャバン」から「シャイダー」までを「宇宙刑事シリーズ」、「特警ウインスペクター」から「特捜エクシードラフト」までを「レスキューポリスシリーズ」と呼び、これらは明確に共通の世界観を持っている。一度、「機動刑事ジバン」にも「世界忍者戦ジライヤ」の山地学がゲスト出演したことがあるが、これは世界観が共通というよりお遊び的なものと考えた方がよさそうである。
「重甲ビーファイター」と「ビーファイターカブト」も世界観が共通しているが、ビーファイターの最終回スペシャルを考えると、ジャンパーソンとブルースワットも共通の世界観である可能性が考えられる。しかし、こちらの共演もお祭りと考えた方がいいかもしれない。
また、OV「ビーロボカブタック クリスマス大決戦!!」にはブルービートとビーファイターカブトがゲスト出演しているが、これはスターピースによってブルービート&ビーファイターカブトの人形が実体化して共演を果たした。カブタックの企画が「ビーファイターカブト」の続編として始められたことの名残のようだ。さらに企画段階ではこのOVとカブタックの終盤に、レスキューポリスシリーズの正木俊介を登場させる案もあったが、実現されなかった。
「ビーロボカブタック」と「テツワン探偵ロボタック」は「コミカルチェンジロボシリーズ」とも呼ぶが、特に世界観が共通しているわけではない。OV「テツワン探偵ロボタック&カブタック 不思議の国の大冒険」では両者が競演しているが、パラレルワールドの世界観として作られた番外編である。ちなみにこの2つのOVの流れでOV「燃えろ!!ロボコンVSがんばれ!!ロボコン」も作られている。
その他、マイナーな呼称ではあるが、「宇宙刑事ギャバン」から「時空戦士スピルバン」までは、作品によって呼称が異なるものの、登場するヒーローが「コンバットスーツ」を纏っているためか、「コンバットヒーローシリーズ」と呼ばれることもある。プロデューサーの吉川進氏も、「宇宙刑事大全」にて、これら5作品で一まとまりという発言をしている。ちなみに当時発売された「5にんの宇宙刑事 あつまれ!5にんのせんし」というテレビ絵本でも5作品で括られている。
関連動画
上述通り東映特撮ニコニコおふぃしゃるでは、メタルヒーローシリーズを公式配信中。
毎週水曜日AM8:00に最新話配信、無料視聴期間は72時間(土曜日AM8:00まで)となる。
2023年度の最新シリーズは「ブルースワット」。その他、「宇宙刑事ギャバン」から「特捜ロボジャンパーソン」までのTVシリーズが全話有料配信されている。
関連チャンネル
関連コミュニティ
関連項目
- 特撮
- 特撮作品一覧
- スーパー戦隊シリーズ
- 仮面ライダーシリーズ
- 平成ライダー
- 東映特撮ニコニコおふぃしゃる
- 東映不思議コメディーシリーズ(ロボット8ちゃん、バッテンロボ丸、もりもりぼっくん)
- がんばれ!!ロボコン
- ロボット110番
- 燃えろ!!ロボコン
- バーチャル戦士トゥルーパーズ
- ビッグ・バッド・ビートルボーグ
- パワードスーツ
- 海賊戦隊ゴーカイジャー
- 宇宙刑事ギャバン THE MOVIE
- スーパーヒーロー大戦Z
- ニコニコ外発○○シリーズの一覧
- SD刑事ブレイダー
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