メダルバンクとは、株式会社ユニカ(旧:株式会社日本ユニカ)が開発したメダル口座・メダル総合管理システムである。
概要
旧日本ユニカが運営していた「宝島」にて、メダルの預け入れ・払い出しを独自システムで機械化したのが始まりである。
――『メダルバンク』を発売されたのはいつ頃だったんでしょうか?
当初は、自社で運営しているアミューズメント施設のメダル預け払いを合理化しようということで、5年ぐらい前にメダルバンクを店舗に導入して、それからこのメダルバンクを発売したのが3年ぐらい前ということですね。
引用:メダル自動預払機:日本ユニカ編 「指紋」が変える娯楽施設の未来(2002年11月26日 1ページ目) - All About:https://allabout.co.jp/gm/gc/214533/
その後日本ユニカは2006年にゲームセンターを子会社に移動させ[1]、2010年12月には倒産している[2]が、ほぼそのまま株式会社ユニカとして生まれ変わり、継続してメダルバンクの開発を続けている。
一度店員操作によりメダル口座を開設すれば、メダルの払い出し・預け入れのためにわざわざ有人のメダルカウンターへ向かう必要はなくなり、メダルバンク(ユーザー操作端末)へ向かえば良い。今では競合もあるシステムだが、1999年当時は販売機器として画期的なものであった。
暗証番号だけでなく、メダルバンクでは任意の指による静脈認証を用いる。古い機器では指紋認証であったが、現行品では置き換わっている。
メダルゲームとの接続
株式会社コナミアミューズメント、株式会社セガの一部メダルゲームでは、このメダルバンクと接続することができる。
セガのメダルゲームでは専用ICカードのものと、Aime他互換カードのもので一部方法が異なる。前者に関して、現行品では全てオンラインサービス終了しており、接続できるものがStarHorse2以外に存在しないので省略する。
コナミアミューズメント
総合システム「ミリオネット」経由での接続となる(ミリオネット自体オプション機器のため未設置=未対応店舗もある)。メダルバンクとの接続システムは「ミリオンキーパー」と呼ばれており、他のメダル口座システムにも対応している。
下記操作を事前に1日1回行う必要がある。
- ミリオネットのユーザー用操作端末で、e-amusement pass他互換カードを認証させる。
- 各種演出終了後メインメニューに戻り、「メダル預け機認証」をタッチする。
- 説明画面でOKをタッチする。
- メダルバンクの暗証番号を入力する。
- 静脈認証を行う。
- 問題なければメダル口座情報が表示され、認証が完了する。OKをタッチする。
- メインメニューで「終了」をタッチし、e-amusement pass他互換カードを取りはずす。
上記で認証を済ませたe-amusement pass他互換カードを、コナミアミューズメントの一部メダルゲーム・外付け機器「ミリオンアダプター」にて使用することで、メダルバンクと相互にやり取り可能となる。
e-amusement pass他互換カードは着席中常に置いておく必要がある。認証が切れた場合は通常自動ログアウトだが、一度でもメダルバンクを操作した場合、認証が切れた後は置き直すか全額預けるまで操作不可能となる。
メダルの払い出しは必ずメダルバンク暗証番号の入力が必要。預け入れの場合は不要である。枚数は1枚から店舗上限まで、任意の枚数が選択可能。
ミリオンアダプターの場合、3分程度ログアウトまで待たされることがあるため注意。処理が完了するまで他のコナミアミューズメント開発ゲーム(※ビデオゲーム含む)で使用することは出来ない。
セガ
メダルバンクと直接接続する。セガのメダルゲームはメダルバンク以外のメダル口座システムと接続できない。
- (初回)店員操作により、店員指示のもとメダルバンクとAime他互換カードを紐づける。この段階で1日1回の認証は終了するため、以降は無視する。
- (2日目以降)メダルバンク・マスターバンクのいずれかに向かい、「プレイカード認証」をタッチする。
- 暗証番号を入力する。
- 静脈認証を行う。
- 無効が選択されているため、「有効」を選択してOKをタッチする。
- 『「有効」に設定されました』という旨のメッセージが表示され、認証が完了する。OKをタッチすると終了。
上記で認証を済ませたAime他互換カードを、セガの一部メダルゲームで使用することでメダルバンクと相互にやり取り可能となる。
一度メダルバンクと接続した場合、ログアウト操作を行うまで物理メダルは一切受け付けない。一部ゲームでは100円による貸出対応でも、クレジットゼロまでメダル貸出を受け付けなくなるため注意(メダル貸出せずに全額BETでチャレンジするものに関しては可能)。
払い出し・預け入れ共に暗証番号の入力は不要。枚数は一部機種のみ1枚から店舗上限までであり、それ以外は決まった枚数か全額or店舗上限以外選択不可である。
Aime他互換カードは置きっぱなしにしなくて良いので、指示があったとき以外はしまっておくことをオススメする。なお操作しなければ、ゲームが進行しなくなった1分後などに自動ログアウト・全額預け入れとなる。
関連機器
- マスターバンク
- 店舗内に存在する全てのメダルバンク・メダルコマンダー(後述)を統括する。
- ユーザーとしては、メダルバンク機能・メダルコマンダー機能の一部を使用可能。払い出し機能はない。
- メダルコマンダー
- メダルカウンターに設置する、店員との対面やり取り兼管理機器。
- ユーザーとしては、メダルバンクが使用不可であるときの預け入れ・払い出し機能、セガのメダルゲームでメダルバンク接続を行う場合に必要な登録、などをこちらで行うことになる。
- GAU(GAUⅢ)
- コナミアミューズメントのミリオンアダプターに相当するもの。メダルバンク非対応機器でも、メダルバンクと接続するための外付け機器である。
- セガのメダルゲーム同様、事前にAime他互換カードをメダルバンクと紐づける必要がある。1日1回の認証もセガのメダルゲームと同じである。
余談
メダルバンクからの発展形として、電子メダル管理システム「MESTA」(MEDAL STATION)というものが存在する。
これはユニカ主要取引先であるセガが管理するシステムであり、ユニカはMESTA専用現金貸出機の開発を担当している。
MESTAでは物理メダルが使用不可であり、全て電子で管理する。また、MESTAの対応ゲームはStarHorse4のみであり、メダルバンクとは一切互換性がなく相互に使用できない。このため実質ただのアーケードゲームと記載されることもある。
上記を利用してか、他のメダルゲームからすると異常なほど安い・全国3パターンでのメダル貸出レートが適用されている(1000円→3000枚スタート、1枚あたりどれだけ高くても約0.333円)。
関連リンク
関連項目
- メダルゲーム
- セガ:ユニカの主要取引先。メダルバンクへ直接接続可能なメダルゲームを多数リリース。一時期はメダルバンク販売も担当した。
- StarHorse:メダルバンクと深い繋がりがあるシリーズ。StarHorse2ではオプションで対応、StarHorse3ではメダルバンク接続がデフォルト=メダルバンク+Aime他互換カードがなければ原則プレイ不可。
脚注
- *メダルバンク記事のため詳細は割愛するが、2022年時点では巡り巡って「株式会社GENDA GiGO Entertainment」により、旧セガのゲームセンターと同一ブランドでの運営に置き換わろうとしている。
- *日本ユニカ(株)(東京)/アミューズメント施設管理システム・機器:|NetIB-NEWS|ネットアイビーニュース
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