メトロイドヴァニアとは、アクションゲームのサブジャンルのひとつ。
概要
メトロイドヴァニア(Metroidvania)とは、任天堂開発のゲームシリーズ「メトロイド」(Metroid)とコナミ開発のゲームシリーズ「悪魔城ドラキュラ(海外名:キャッスルヴァニア、Castlevania)」の二つを彷彿とさせるような要素を持つゲームを総称して指す。特にインディーゲームに対して呼ばれる事が多い。
どちらも横スクロール探索型アクションゲーム(キャッスルヴァニアの方は探索要素の強さはタイトルによってさまざまだが)という共通点があり、両者とも日本国外で絶大な人気を誇るためか主に海外で使われる用語である。メトロイドやキャッスルヴァニアをプレイしたゲーム開発者も多く、インタビューなどでこの二作のフォロワーとして開発したことが語られることもある。
もともとはジャンル名ではなかった。使用が確認されているのは最古のログで2001年、『悪魔城ドラキュラ サークルオブザムーン』ひとつを表現したものだと言われている。
その後、こうした探索型悪魔城シリーズに対する言葉として使われていったことは確かである。
この動画の5分くらいでも『月下』ひとつに対する言及として出てくる。まだジャンル名としては定着していなかったことがわかる。この時期に探索型悪魔城はシリーズに区切りがついているのだが、入れ替わりで他社のフォロワーが増えていったことでジャンル名へと変わっていったらしい。
なお『月下の夜想曲』のメインスタッフであるIGAこと五十嵐孝司は開発にあたり「ゼルダの伝説シリーズを意識した」と2014年の講演などで語っている。偶然メトロイドっぽくなってしまったということのようだが、メトロイド自体もリスペクトしていることは述べている。
彼は商標の関係もあって自作品Bloodstainedにメトロイドヴァニアという言葉を使うことに抵抗があったようで、IGAVANIAなどと称していたが、2020年ごろから結局メトロイドヴァニアという言葉を使い始めている。
また言葉の初出と言われる『サークルオブザムーン』は月下とスタッフが違っているのだが、こちらは明確にメトロイドをオマージュしたと思われる要素が出てくる。
メトロイドヴァニアの要素
以下の要素はあくまで「ユーザーからメトロイドヴァニアと評されるゲームにありがちな内容」であり、これらの要素を満たしていないからといってメトロイドヴァニアではないという事はない。その逆も同様。
- サイドビュー型の2Dアクションゲーム
- グラフィックはドットで描かれることが多い
- 一本道ではなく、枝分かれした広い場所を探索していく
- マップ機能があることが多い
- アイテムを取得することで能力が強化される
- 能力強化により新たに行ける範囲が広がる
- 隠しルートを発見することでコースのショートカットが狙える
ただ、上記くらいの条件だと全て『スーパーメトロイド』で満たしている。
実のところ「ヴァニア」特有の要素がなくてもメトロイドヴァニアと呼ばれることは多い。
メトロイドにないヴァニアっぽさの例(適当)
- 主武装が剣などの近接武器である
- ヨーロッパ風のダークなファンタジー世界である
- 経験値とレベルがある
- お金と店がある
- 装備、道具、魔法が純粋なRPGのように豊富
- ゲームの設計が悪魔城ベースのため、ほとんどの状況で(難しいが)ノーダメージで突破できるようになっている。避けられない攻撃は無い。(元来メトロイドはノーダメージを想定していない場面が多々あったが、シリーズを重ねるうちにノーダメ可能なものに変わってきている)
- 登場人物が増えて、ストーリー性が強まった(メトロイドも後発のものはストーリー性が強まっていった)
- 達成度でエンディングが変化するが、クリア時間では変化しない
『月下の夜想曲』はビジュアル面、雰囲気に与えた影響も大きいと思われる。
そして武装が近接武器であったことから、プレイ感そのものはメトロイドと差があった。
ところで『メトロイド』も『月下の夜想曲』のいずれも主人公が初期状態から耐久力・攻撃力とも激しくパワーアップするが、後発作品だとそこまで極端なアップがなかったりもする。
経験値も無いものは多い。
メトロイドヴァニアと呼ばれることがあるゲームの例
あくまで呼ばれる「ことがある」程度のものであることに注意。
- オリとくらやみの森
- 棄海 忘れられた深海都市
- Shantae
- ストライダー飛竜(2014年版)
- Salt and Sanctuary
- 洞窟物語
- Touhou Luna Nights
- Bloodstained: Ritual of the Night
- へべれけ
- LA-MULANA
関連動画
関連商品
関連項目
- 6
- 0pt