メリオルエッセ(Merior Esse)とは、ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズに登場するキャラクター達の総称である。
概要
「スーパーロボット大戦D」及び「第2次スーパーロボット大戦OG」で登場。
破滅の王ことペルフェクティオによって創造された人造人間たちで、ラテン語で「上位存在」を意味するとおりルイーナの兵たちを率いる指揮官(上級兵)である。
ペルフェクティオ(破滅の王)の力の源である「絶望」「恐怖」などの負の感情エネルギーを集め、ペルフェクティオをこの世界(宇宙)へ召喚させるのが彼らの使命であり、基本的に感情と呼べる感情を持ち合わせていないため死に対する恐怖が無く、非道な命令でも忠実に従う(ただし、戦いの果てに感情に目覚めていくメリオルエッセは数名存在するが)。
全部で7人6人存在し、いずれも人間をベースとした容姿をしているものの、ペルフェクティオにとっては使い捨ての存在でしかなく老化を抑制する遺伝子が存在しないため寿命は極端に短い。
ちなみに人間らしい見た目はフェリオ・ラドクリフ博士ほかファブラ・フォレース調査チームの面々がモチーフだったとも言われているが、詳細は不明。
専用BGMは『Devastator』(英語で「破壊者」「侵略者」の意)。
「第2次OG」で登場した際はフルボイス化につきそれぞれにCVが設定され、特殊技能も「指揮官L2」「底力L6」のスキルを共通して所有。(ただし仲間に加わるキャラの場合は、味方仕様に変更され指揮官技能は消滅するが。)
機体の方も、マップ兵器と長射程の全体攻撃、近~中距離攻撃と近距離の格闘武器(必殺技)の4種類で武装が統一されており、さらにEN回復機能を持っているので気力が上がっている状態だとマップ兵器を毎ターン休みなく撃ってくる強敵。
以下に、それぞれ解説。
ウェントス
メリオルエッセで最初に誕生した人物。他のメリオルエッセとは異なり感情を多少ながら持っているため、他の面々からは見下されている。搭乗機体は『ストゥディウム』。
名前の「ウェントス(ventos)」とはラテン語で『風』の意。
詳細は『ウェントス』を参照。
グラキエース
ルイーナの戦闘指揮官の1人。後述のイグニスと同時に誕生した、女性型メリオルエッセ。
搭乗機は『ファービュラリス』。名前の「グラキエース(glacies)」とはラテン語で『氷』の意。
詳細は『グラキエース』を参照。
アクイラ
ルイーナの戦闘指揮官の1人で、高機動部隊を率いる。
褐色肌のガチムチ巨漢で、スキンヘッドに眼帯と見た目の通り強い闘争心を持つ。
ペルフェクティオを復活させる事を自らの使命とし、その使命のために破滅をもたらすことと闘争を愛好する。
「戦うことこそが生きている証」とまで言う武人肌な信条は最期まで揺るがず、潔くもあり物悲しくもある。
第2次OGでは高塚正也がCVを担当。名前の「アクイラ(aquila)」とはラテン語で『鷹』の意。
フォルティス・アーラ
ラテン語で「強き翼」という意味を持つ、アクイラ専用機。
名前の通り空中戦闘を得意とし、両肩部と胸部に大量のミサイル砲口が付いているのが特徴。
アクイラのいかつい見た目とは裏腹に、機体はスーパー系よりもリアル系に近い趣。
ルイーナの空戦用機体「アンゲルス(アンゲルスS)」はこの機体をモチーフに量産されたと思われる。
「D」「第2次OG」共々、メリオルエッセの機体では交戦機会がトップクラスに多い。
スペック
全長 | 32.1m |
重量 | 78.2t |
搭乗人員 | 1人 |
移動タイプ | 空・陸 |
所属 | ルイーナ |
動力源 | レース・アルカーナ |
開発者 | ルイーナ |
パイロット | アクイラ |
武装・必殺技
- ディール・プティオー
両腕の砲台を展開、ビーム砲を発射する。方向指定型のマップ兵器。
後述するメリオルエッセ機についても同じ事が言えるが、ルイーナの行動原理が反映されているのかメリオルエッセ達は射程内に味方がいても容赦なくマップ兵器を発射してくる傾向にあるので注意。 - サギッタ・ルーメン
上記の「ディール・プティオー」に同じ。両腕を展開してビーム砲を放つ。 - ウィリテ・グラディウス
両腕にビームソードを形成し、相手めがけ突進しながら突き刺す。
「第2次OG」の場合はビームソードを頭上で構え、ドリルのように錐揉み回転しながら突貫する。 - カリドゥム・サギッタ
フォルティス・アーラの必殺武器。全身の砲口から大量のミサイルを発射、相手の頭上へ降り注がせる。
「第2次OG」の場合は、ミサイルを発射後に頭部から赤紫色の誘導用サーチライトを照射、ライトが当たった標的に対してミサイルが向きを変え全方位から襲い掛かってくる。
両作品共に言えることだが、どう見ても実弾武器なのにM属性が無く、なぜかEN消費武器となっている。ミサイルっぽく見える、負のエネルギーで精製した実弾型の武器を飛ばしているのかもしれない。
イグニス
ルイーナの戦闘指揮官の1人で、上記のグラキエースと共に誕生した。ルイーナ遊撃軍の中枢に位置し、世界各地で破壊活動を繰り返している。特に「スパロボD」では兜剣造博士を殺害しており、兜甲児や剣鉄也とは因縁が深い。
グラキエースと同時に誕生した縁か、グラキエースと共に和服(忍者服?)のような容姿に身を包んでいる。
豪放で好戦的・攻撃的な性格をしており、戦闘時もなにかと豪快に笑ったり相手を見下した言動が多い。
一方で、同時に誕生したグラキエースを「ラキ」を呼び、双子(同種族)以上の特別な感情を持っている。
そのため、グラキエースが寝取られ味方陣営に加わるとイグニスは・・・
「第2次OG」では竹内良太がCVを担当。リュウセイとの台詞イベントは特に用意されて無い。
名前の「イグニス(ignis)」とはラテン語で『炎』の意。ちなみにこのイグニスという名前、後に「スパロボMX」の主人公・ヒューゴの最初の名前候補として挙がったのだが(アクアと対を成す意味でも)、スパロボDの発売よりも後だったためにこちらのイグニスと被ってしまうためボツになった、という裏話がある。
インペトゥス
ラテン語で「熱情」という意味を持つ、イグニス専用機。
イグニスと同じく炎をモチーフにした機動兵器で、見た目も揺らめく火炎がモチーフになっている。そのため攻撃時も炎を用いた攻撃を行う。
人型でありながら両腕にマニピュレーター(手)に相当する部位が無いのが特徴で、これらは攻撃時に火炎放射器として機能することで広範囲を一挙に焼き払ったり、必要に応じて炎でマニピュレーターを形成したりする。
気をつけろ、触れると一瞬で蒸発させられてしまうぞ。
スペック
全長 | 30.2m |
重量 | 89.2t |
搭乗人員 | 1人 |
移動タイプ | 空・陸 |
所属 | ルイーナ |
動力源 | レース・アルカーナ |
開発者 | ルイーナ |
パイロット | イグニス |
武装・必殺技
- グラフェ・フランマ
胸部と両腕から火炎を広範囲に放射する。方向指定型のマップ兵器。 - カオス・ラディウス
腕の火炎放射器から、火炎で形成した掌を伸ばし焼き払う。 - エクスハラティオー
上記の「グラフェ・フランマ」の通常兵器版。両腕の火炎放射器から、大出力の火炎を広範囲に放射する。 - フォルテ・アルム
インペトゥスの必殺武器。両腕から炎の剣を生やし、相手の周囲を旋回しながら切り刻む。
「第2次OG」の場合は、両腕に炎で手を形成した後火炎放射と複数の火柱で相手を包み、最後に火炎で作り上げた巨大な掌で相手を握り潰す演出になっている。「破滅の炎に抱かれて消えろっ!」「ヒィィィト!エンド!」と叫ぶと心の中では威力倍増。
コンターギオ
ルイーナの戦闘指揮官の1人で、爬虫類(トカゲ?)を彷彿させる見た目と全身緑色の皮膚など、人間離れした容姿が特徴。もしかするとゲストやインスペクター以上に宇宙人っぽいかもしれない。
メリオルエッセではウンブラの副官的ポジションに位置し、兵器生産プラントを管理しているため自身が直接戦う事は少ないものの、戦闘能力は他のメリオルエッセにも引けを取らない。
また自身の思考と行動に絶対的な自信を持っており、他人の意見を聞き入れたがらない性分。
「第2次OG」では島田敏がCVを担当。名前の「コンターギオ(contagio)」とはラテン語で『感染』『伝染』の意。
ウィオラーケウム
ラテン語で「菫色」「紫色」という意味を持つ、触手プレイに定評のあるコンターギオ専用機。
半生体兵器と呼称されるとおり生物的な見た目をしており、龍や蛇を思わせる伸縮自在の頭部・両腕以外にも無数の触手が存在。ルイーナの半生体兵器「スカルプルム」はこの機体を元に製作・量産されたと推測される。
「第2次OG」ではコンターギオの特殊スキルが少ない代わりに、こちらの機体の方がいろいろと厄介な機能を様々に搭載してきたお陰で妖機人にも負けず劣らないボスキャラとなっている。生体兵器だけにメリオルエッセ機で唯一「HP回復」機能も持っているのが特徴。
スペック
全長 | 40.6m |
重量 | 107.9t |
搭乗人員 | 1人 |
移動タイプ | 空・陸 |
所属 | ルイーナ |
動力源 | レース・アルカーナ |
開発者 | ルイーナ |
パイロット | コンターギオ |
武装・必殺技
- ファタ・モルガナ
触手を全方位へ伸ばしてこ攻撃する。自機中心型のマップ兵器。「第2次OG」では気力ダウンの効果が付いているので、集団で接近したところへまとめて被弾してしまうと戦力がガタ落ちするのが痛い。
武装名は「アーサー王物語」に登場する魔女『ファタ・モルガーナ(モーガン・ル・フェイ)』と同一で、名前は「蜃気楼」の意。「魔装機神」シリーズでも魔装機・ザインの必殺技として同名の攻撃がある(第2次OGでは未登場)。 - アキドゥス
無数の触手を伸ばし、相手を突き刺す。 - コルヌーテルム
頭部と両腕、ほか全身の口から無数の光弾を発射する。
「第2次OG」では演出がいやらしく変わっており、両腕を伸ばして相手に巻き付き動きを止めた後、頭部と両腕の首が相手を包囲しながら口からビーム砲を一斉発射する攻撃になった。 - アートルム・ネブラ
ウィオラーケウムの必殺武器。全身の口で相手を噛み砕く。
「第2次OG」の場合は、毒ガスを放射して動きを停止した後両腕の首で捕縛して自機の目の前まで引きずり込んだ後、全身の口で何度も噛み付き引き千切る。SAN値が下がる的な意味合いか、SP吸収効果が付いているのでブロックを持たず回避能力に乏しい機体だと、接近戦を躊躇せざるを得ないのが厳しい。
ウンブラ
ルイーナの戦闘指揮官の1人。
メリオルエッセのリーダー的存在で、全身を紫色のベールやターバンで覆った謎めいた存在。顔からは三つの目(?)が発光しており、かなり怪しい見た目をしているが、実は女性型であり、「第2次OG」では戦闘台詞でタスクやイルムがウンブラの素性(女性であること)に勘付いている事が解るほか、同作の中断メッセージではイルムが「本作で一番気になる女性キャラはウンブラ」とも発言している。他にも戦闘時には女性である事を彷彿させる言葉遣いの台詞を発する。
戦闘能力も高く、「D」では南極の戦闘で別行動中の主人公(ジョッシュorリムのうち、主人公に選択しなかった方)に全治1ヶ月の重傷を負わせた。
「第2次OG」では牛田裕子がCVを担当。しているが、作中ではエフェクトがかかった声に加工されているため普通に聞いただけでは女性の声と判別ができない。
名前の「ウンブラ(umbra)」とはラテン語で『影』の意。
余談となるが、設定画では腰が曲がった容姿をしているため顔の後ろに背中が映っている、所謂猫背の姿勢なのだが、それ故か「D」の頃から一部のファンの間で『ウンブラは顔の形や搭乗機体がどことなく猫っぽくてかわいい』と評判らしい。マニアックにも程があるだろ。
また、「D」ではシャアとの戦闘前会話も用意されていたが、これはウンブラが彼の琴線に触れたからではないかとも・・・
プリスクス・ノクス
ラテン語で「古の夜」という意味を持つ、ウンブラ専用機。
両腕に付いた大型の鉤爪と両肩のチャクラム、全体的に鋭角的・刺々しい容姿が特徴で、魔術師を彷彿させるようなウンブラの容姿とは裏腹に、近距離~中距離の戦闘を得意とする。
見た目はメカギルギルガンとどことなく似ている。
「1機で1部隊を壊滅させた」ほどの戦闘能力を持つが、実際に戦ってみると他のメリオルエッセ機と比較しても厄介な特徴も無ければ目立った部分も無い辺りの性能でおさまっている。
スペック
全長 | 29.2m |
重量 | 87.1t |
搭乗人員 | 1人 |
移動タイプ | 空・陸 |
所属 | ルイーナ |
動力源 | レース・アルカーナ |
開発者 | ルイーナ |
パイロット | ウンブラ |
武装・必殺技
- ウェルテクス
柱状のエネルギーを開放、広範囲を攻撃。自機中心型のマップ兵器。 - カオス・ラディウス
両肩部のチャクラムを飛ばし攻撃する。 - ウィース・グランデ
背面からミサイルを発射して攻撃。「第2次OG」では背面から三角柱状のユニットを上空へ射出、標的に対して頭上からエネルギー波を落雷のように浴びせる武器になった。 - フォルテ・アルム
プリスクス・ノクスの必殺技。高速移動しながら両腕の鉤爪で標的を縦横無尽に切り裂く。
「第2次OG」では上述のカオス・ラディウスで標的を捕らえ自身の元へ引き寄せた後、両腕の鉤爪でズタズタに切り刻み、最後に鉤爪を突き刺して抉るように引き裂く。
シュバルツ・バルト
ドイツ語で「黒い森」を意味する、メリオルエッセの一員。
ウンブラと同じようにこちらは全身が包帯で覆われている。 名前が他の面子と異なりラテン語ではなくドイツ語表記なのは南極調査隊に同行していたとされる新聞記者マイクル・ゼーバッハを依り代とした為である。
・・・というのは真っ赤な嘘で、本来は「THE ビッグオー」の登場人物。
「D」が発売された当時は「ビッグオー」が完結していなかった為か、ルイーナの協力者としてメリオルエッセと共に行動させたらそれが思いの他違和感が無く、原作を知らないプレイヤーからは本気でスパロボのオリキャラと勘違いされる程にメリオルエッセの面々に馴染んでいたため、現在でもプレイヤーからネタにされることがある。無論だが、「第2次OG」には登場しない。そのため、「第2次OG」発売後は「シュバルツさんリストラされましたかw」「包帯巻いてるのってウンブラだけだったかな」などと一部で言われた事もあったらしい。
「版権作品のキャラが、本来の出演作品が解らなくなるくらい他作品の世界観に溶け込んでいる」という点については『ナタクのファクター』『マークデスティニー』『聖戦士ショウ=コハ=ザマ』の先駆けと言えなくも無い。
(逆のケースについては、同じく「第2次OG」で久々の出演を果たしたククルが存在するが。)
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