メルセデスAMG(英語:~エーエムジー、ドイツ語:~アーエムゲー)とは、メルセデス・ベンツが主体となってF1世界選手権に参戦するコンストラクターである(市販車のチューニング部門は、AMGを参照)。
概要
メルセデス・ベンツは、エンジンサプライヤーとして1994年より参戦し続けていたが、2009年にコンストラクターズチャンピオンを獲得したブラウンGPを、ダイムラーとアーバーが買収し、メルセデスGPとなった。
元々はホンダレーシングF1で、たった2年で別メーカーのワークスチームとなったこととなる。
メルセデス・ベンツのワークスチームとしては1955年以来、55年ぶりのことである。
2010年~2012年
ドライバーは、ニコ・ロズベルグと、4シーズンぶりに復帰したミハエル・シューマッハとなった。
しかしマシンの空力技術で他のチームに追いつかれたことと、ブラウンGPでチャンピオンを獲得したジェンソン・バトン向けの味付けを行ったマシンを作ったことで、2010年、2011年と苦戦を強いられることとなった。
メルセデスAMGと改称した2012年の中国GPでロズベルグが初優勝を飾るものの、その後は勢いに乗れず、結局シューマッハは1勝もできずに2度目の引退をした。
2013年~2016年
2013年にはマクラーレンよりルイス・ハミルトンが加入し、GP2チャンピオン同士のコンビとなった。
ハミルトンは序盤より表彰台に上がるほどの活躍を見せ、チームの勢いを付けていった。ロズベルグはモナコGP、イギリスGPで優勝、ハミルトンもハンガリーGPで同チームでの初勝利を手にし、コンストラクターズランキングでフェラーリと2位争いをするまでに至っている。
2014年にエンジン、マシンともに大幅な改正が行われると、メルセデスAMGはトップランナーへと変貌した。
事前に準備を進めてきたPU(パワーユニット)が非常に強力なものになったのである。
昨年までのレッドブルの独り相撲の展開がそのまま同チームに変わったかのようであった。
レースではハミルトンが勝利数で上回るものの、ロズベルグは着実に表彰台を獲得することでポイントを獲得してきたが、最終的にハミルトンが2度目のチャンピオンを手にした。
コンストラクターズポイントでも、レッドブルに倍近い大差をつけ、メルセデスワークスとして初のコンストラクターズチャンピオンを獲得した(1950年代に参戦したときには、コンストラクターズタイトルがなかったため)。
翌年2015年も圧倒的状況は変わらず。19戦中16勝を上げる圧勝であった。わずかな残りをフェラーリのセバスチャン・ベッテルにさらわれたのみである。そして、ハミルトンが2年連続のドライバーズタイトルを獲得し、もちろんコンストラクターズタイトルも得たことで、チームはダブルタイトルの連覇を成し遂げた。
2016年にはルノーPUの不調から未勝利に沈んでいたレッドブルが調子を取り戻しつつあったが、それでも21戦して19勝と相変わらずの強さを誇った。
ただし、ハミルトンとロズベルグのチーム内対決は激化し、2人の自滅を防ぐためにチームが介入を検討するほどの事態となる。序盤の連勝でリードしたロズベルグを中盤以降にハミルトンが猛追、一旦は逆転する展開になった。しかしロズベルグが再逆転後に突き放し、諦めずに終盤を4連勝で追いかけるハミルトンをロズベルグが2位に入り続けて被害を最小限に食い止め、ついに振り切った。こうしてロズベルグは初のワールドチャンピオンを獲得。後2年の契約を残す彼と、ハミルトンの対決は来年以降も続くものと思われた。無論チームも3連続のコンストラクターズチャンピオンとなった。
しかし、その直後ロズベルグは突如引退を表明。GP界に大きな衝撃が走った。チームとしては急いで後釜を探す必要に迫られた。チャンピオンチーム、メルセデスのシートとなれば、金を払ってでも乗りたいドライバーはゴマンといるが、チームとしてはそうも行かない。難航の末、結局条件に合うドライバーとして、翌年のウィリアムズ継続が決定していたバルテリ・ボッタスを引き抜くこととなった。
2017年~
その後もメルセデスの優位は続き、チームは2020年まで7年連続ダブルタイトルを獲得しつづけていた。ただ、ボッタスは優勝はするものの一度もタイトルを取れず、2020年に一度新型コロナの影響で欠場したハミルトンに代わって参戦したジョージ・ラッセルがあわや優勝かの大活躍を見せたことで評価も相対的に下がってしまった。2022年にはラッセルが正式に移籍し、ボッタスはアルファロメオに移ることになった。
そして、2021年にはレッドブル・ホンダが互角以上の力をつけるに及び、22戦のシーズンを通しての激戦となった。ハミルトンは後半になって一旦はポイント差をかなり付けられたレッドブルのマックス・フェルスタッペンに対して、終盤で猛チャージをかけた。最終戦ではついに両者同ポイントで並んだ状態となり、レースでもハミルトンが常にリードする。だが、残り5周というところで後方で起こったアクシデントにより、セーフティカー明けのたった1周の決戦となる。だが、ここでタイヤ交換しなかったハミルトンはフェルスタッペンに最後の最後で抜かれてしまう。こうして、彼の8度目のタイトルはお預けとなった。なお、チームは8年連続のコンストラクタータイトルは死守した。
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