メンバー(member)とは、ラテン語の「membrum」という単語が語源になっており、これは「手足」「体の部品」を意味する。
そこから英単語として「member」と言えば内容が転じ「構成するもの」「構成員」「要素」「団体員」などを意味し、以下に主な使われ方を詳しく解説する。
主な使われ方
- 団体の構成員の事
- プログラムにおける、ClassにあるFunction・プロパティのこと
- 新聞やニュースなどの報道における、1を意味する用語
- とある魔術の禁書目録に登場する小組織の一つ。→メンバー(とある魔術の禁書目録)
を表すが、2、3に関しては1の派生である。
概要(1)
団体員の構成のことで、その中の人を指す場合や複数人を指す場合に使用する。下記の事例では青色の文字がメンバーになる。
司会者 : 本日のゲストは、魔界界隈で有名な少女系ユニット「ねこきっさ」のメンバーに来ていただきました。それでは自己紹介をどうぞ。
????:青葉クゥっす!
????:ミルクよ
????:クリムだよー
????:ルーシアです
司会者 : はいありがとうございます。このユニットを結成したきっかけは?
クゥ:ドラゴンのお姉さんに勧められたっす!
概要(2)
プログラムにおける構造体はClassと呼ばれるが、この中にあるファンクション(関数)、サブプロシージャ(値を返さない関数)、プロパティプロシージャ(属性) などの事を表す。意味合い的には1と同じ。
概要(3)
事件などの報道に際し、その事件を起したと目される人物を実名報道するにあたり、「容疑者」や「被告」を使えない場合に用いる言葉の一つ。過去には、男性アイドルグループのメンバーが逮捕された際に使われた。類似した使われ方をされた語に「司会者」「タレント」「作業員」などがある。その人の身分を表わすものであれば何でも良い。
通常、報道では人の氏名を伝える場合には、存命の人物であれば「○○氏」や「○○さん」といった敬称をつける。また、事件の被疑者や被告については敬称は使わず、逮捕された者は「容疑者」、公訴された者には「被告」をつけて報道する。
しかし、刑事事案の被疑者として逮捕された者を報道する場合でも、「容疑者」を使わないよう配慮されることがある。また刑事事件の被疑者として告発は受けているものの、警察や検察が逮捕や立件にまで至っていない場合においては、容疑者を使うことは適当ではない。
このような状況では、敬称も「容疑者」も使えないことになる。そういう場合は、その人物の身分を示す単語を氏名の下につけて報道する。
例えば国会議員であれば「小沢一郎衆議院議員」や「鈴木宗男衆議院議員」など、議員の身分をつけて報道する。同様に「○○社長」「○○専務」など会社の役職、「○○警部」「○○一等陸曹」のような公的機関の階級、「○○弁護士」「○○税理士」「○○弁理士」などの公的資格は、氏名につけて呼称する社会慣例があることから、議員の事例と同様に使用される。
こういった役職や身分が無い者に関しては、その人物の所属や社会的地位などを表わす別の単語を使わなければならない。その一つがメンバーである。先述の男性アイドルグループのメンバーについては、微罪であったことから「容疑者」は使われず、メンバー自体を社会的地位と看做して「○○メンバー」と報道された。しかしこのような呼び方は人々には全くなじみが無く、その無理矢理な感じが受けてネタとして使われたのだ。
似たような事例で以下のようなものがある。
- 吉本興業に勤務する女性マネージャーが、同社に所属する男性芸能人から暴行を受けたとして、警察に被害届を出した。被害届が出されたことで事案が報道されたものの、「容疑者」とは報道されず、男性芸能人が司会者として数々の番組で活躍していたことから、「○○司会者」と報道した。
- ある女性タレントが早朝に自動車を運転中、新聞配達のバイクに当て逃げする事故を起した。女性タレントは書類送検されたものの、逮捕に至らなかったことから「容疑者」とは報道せず、報道では「○○タレント」とされた。
- ある女性歌手の母親が親族の男に殺害され、男も自殺するという事件が発生した。被疑者が死亡したことで警察は逮捕することができず、その為に報道は「容疑者」を使うことが出来なかった。男が作業員であったことから、「○○作業員」として実名報道した。
これらの使い方はいずれも報道の配慮に基づくが、それが全ての報道対象に対し行われるわけではない。例えば逮捕されず書類送検される事案であっても、有名人でなければ「容疑者」として実名報道されることが多い。その点を考慮すれば「有名人だから特別扱いしている」という人々の疑問もあるであろう。
また一般人であれば、「容疑者」を使えない状況ではそもそも実名を出せないことも多い。その場合は「県職員の男」「会社員の女」「無職の少年」「高校生の少女」などと報道する。よって珍妙な肩書きで呼ばれる機会はあまり無い。
もちろん有名人であっても、小向美奈子や酒井法子、押尾学のように通常逮捕の手続が行われる場合には「容疑者」が使われる。また軽微な交通事故などで逮捕されず、一般人であれば報道されない程度の事案であれば、「○○さん」と敬称をつけて報道されることが多い。
有名人の事件報道で「容疑者」が使われたものの、比較すれば不自然に思える事例もある。暴走地デジアンテナの事案では、公然わいせつという比較的軽い罪で現行犯逮捕されたのだが、メンバーの事例とは異なり「容疑者」が使用された。メンバーに準拠するなら彼もメンバーで良かった筈だが。何を基準に「メンバー」を使うのかが良く分からないと言える。
また先ほど述べたように、公的機関の階級を与えられているものはそれで呼ばれるのが通例だが、sengoku38こと一色正春氏については階級を使って報道されたものはない。「保安官」「海上保安官」「主任航海士」などと呼ばれていた。在職中の階級は不明だが、本来であれば、例えば「第五管区に勤務する男性の三等海上保安正」のようなものがあっても良いはずである。
これは恐らく、海上保安庁の階級が一般に認知されていないのが原因であろう。頑張れ!海上保安庁。
今後皆さんが有名人の事件や事故の報道を見たときに、そこで敬称でも「容疑者」でもない妙な肩書きが使われていれば、それは報道が配慮しているのである。
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