モイ!とは、
本記事では主に1.について記載する。
概要
時刻を問わず使用される挨拶の言葉。フォーマルで礼儀正しい挨拶ではないものの無礼というほどでもない、親しみを持った気軽な掛け声らしい。日本語の「やあ!」「どうも!」や、英語の「Hi!」に相当すると言われる。
記事タイトルを「モイ」や「Moi」にすると他にも多様な言語の様々な言葉が該当してしまうため、本記事のタイトルは「!」を付けたかたちの「モイ!」で作成している。だがもちろんフィンランド語の挨拶としての「モイ」(Moi)は「!」を付けないかたちでも使用される。その場合は日本語で言えば「やあ」「どうも」に相当するニュアンスとなる。
駐日フィンランド大使館の公式Twitterアカウントによる以下のツイートによれば、以下のようなバリエーションもあるらしい。ちなみに同アカウントはひらがな表記の「もい!」の方をよく使っている。
フィンランド語のあいさつ、Moiのバリエーション。
Moi!(もい!基本形)
Moikka!(もいっか!ゆるふわ系)
Moikkelis!(もいっけりす!おふざけ系)
Moi Moi!(もいもい!さよなら系)
Moido!(もいど!じゃあね系)
Mo!(も !おっすおっす系)
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/FinEmbTokyo/status/146397693038702592
「系」と付くだけにこのへんはふんわりしているらしく、例えば「さよなら系」とされている「Moi Moi!」(モイモイ!)を出会ったときの挨拶として使うフィンランド人もいるようだ。
フィンランドの公立国語研究所である「Kotimaisten kielten keskus」のサイト内にある以下のコラム記事では、この「Moi!」という言葉について述べられている。
その記事によれば、「Moi」という挨拶は元々はそれほど広まっていない言葉だったようだ。1951~1961年に出版されていたフィンランド語の辞典『Nykysuomen sanakirjassa』にはこの言葉は掲載されていなかったとのこと。ただし、フィンランド語の学者「Heikki Paunosen」によるヘルシンキ(フィンランドの首都)のスラングを収録した辞書によれば、この言葉は1910年代からは使用されていたとも。つまり「正式な辞書には乗らない俗語、スラング」としての扱いで20世紀初頭ごろから使用されていたようだ。
1960年代からは広告などでの用例も確認できるという。その後、1990年前後くらいからどんどん普及したようだ(この記事は2007年のものだが、「ここ15-20年で普及した」と言った内容が記してある)。そしてこの記事が記された2007年時点では、挨拶としては最も普及したものになっているとのこと。
ツイキャス
ちなみにツイキャスでこの「モイ!」と言う言葉が用いられている理由は、2010年にツイキャスがサービスを開始した当時、先行していたライブ配信サービス「Ustream」が配信をTwitterに投稿する際のかけ声として「Hey!」を用いており、「うちではより柔らかい言葉を使いたい」という理由で「モイ!」を採用したのだという。運営会社の社長がフィンランドに滞在したことがあり、響きが気に入っていたそうな。
サービス開始当初は「モイ!とはどういう意味なのか?」という問い合わせも多かったそうだが徐々に意味は利用者の間に浸透し2014年3月にツイキャスの利用者を対象に実施したアンケートでは、利用者全体の約48%が「モイがフィンランド語であることを知っている」と答えたという。[1]
よって、ツイキャスがこの「モイ!」という挨拶を日本に広めた面も大きいのかもしれない。
関連項目
脚注
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