モザイクアプローチとは
簡単にまとめ
事後的に言うならば「自分が特定できる情報を投稿しなきゃよかったのに」である。
概要
写真や文章といった様々な情報の断片から、個人情報を特定させる手段。
対象の情報をモザイク画像の一枚一枚のようにかき集め、アプローチ(接近)することから。
インターネット上の情報、SNSなどの情報を用いるケースが多い。
※既に相手の容姿や名前をリアルで見知っている状態・関係性では指しづらい。
極論、(悪い意味で)犯人は家に居ながら探偵やコナン君みたいな事が可能。
運が良ければジグゾーパズルのように大量に集めなくとも1枚でほとんど特定できてしまう場合もある。
「俺が特定できる情報をネットに載せやがって!どこの誰だ、絶対に許さねぇ!」
「それはお前だ」「お前が言うな」…という笑えないジョークになってしまう。
その情報を自分自身で発信しているという悲しいパターンである。
気軽さのデメリット
近年は特にインターネット・SNSの普及によって、誰もが匿名で手軽に情報を発信できるようになった反面、閲覧数やバズるのが目的で迂闊な情報を投稿してしまうと自分自身を容易に特定しうる情報を不特定多数に無償で与えてしまうリスクも高まっている。
- 住所・行動パターンなどが把握され、様々な犯行に悪用できる。
- 探偵でなくとも、暇人、鬼女、特定厨、興味を持った一般人なども行える。
- 特定屋などの仕事を請け負う人間もいる。
- 単純に特定するだけなら犯罪ではない。
文章からバレる
「東京都に住んでいます」「名古屋市に住んでいます」程度なら特定は困難だが、特定の事件・事故・電車の遅延といったトラブルが起きた際に書き込んでしまうと、地域が一気に絞り込まれることになる。
それひとつではなく、過去の投稿も含めた様々な文章の情報を組み合わせて特定する。
- 「事故で電車止まったw帰れんw」…路線が特定できる。止まっている鉄道路線を探せば良い。
- 「明日、××運動公園で部活の試合がある」「××センターで発表」など。
- 「創立記念日で休みwwww」…学校がバレる。
- 落雷などは割と局地的な自然現象であり、特定の原因にもなる。
- 火災など「東のほうでめっちゃ煙上がってる」なんて書き込めば、範囲は西側に絞られる。
- 「駅前にファミマがオープンした!」…新規開店したファミマのある駅を探せば良いし、路線が把握できていればより容易になる。
- 「うちの前の交差点で事故処理してる」なんて書き込めばピンポイントで特定されてしまう。
- 投稿頻度から行動範囲が絞ることもできる。
東京で一人暮らしなのに「いま旅行で沖縄に来てます!」なんて言えば、留守だとバレる。
※沖縄でなくとも、投稿時間から容易に帰ってこられない場所にいれば同じ話である。
写真・映像からバレる
日頃からSNS等に顔出しでアップロードする方、動画配信している方もいる。
その場合は整形や変装をしなければ顔自体が大きなヒントとなりやすい。
「顔出ししなければ大丈夫では?」
…と思うじゃん?残念ながら何気なく撮影した部屋や近所の写真からも推測できる。
- 制服が分かれば、通っている学校がバレる。
- 特徴のあるデザインの私服やアクセサリーなど、外で探す際の大きなヒントになる。
- 特徴的な色や種類の犬などを飼育していれば、それを散歩している人間を探すだけである。[1]
- 自身や近隣の建物の外観や、自宅の内装。
- 撮影時刻・日光の角度などから位置を絞り込む。
- 鏡や窓、車のボディ、瞳に反射した風景から予期せぬ周囲の情報が読まれることもある。
- 電柱の広告、マンホールの蓋、公園の遊具や風景なども特定手段になる。
- 頻繁に電車の音がすれば、線路の近隣と分かる。
- 行きつけの店の内装、メニュー表など。
- 生放送など、不意に家族が割り込んでくる。
- 相手は現場に足を運ばなくとも、Googleマップのストリートビューなどで捜索することもできる。
- 写真自体にいつどこの場所で撮影されたかといったデータ(Exif情報)がONになっている。
類似したもの
類似するもので「玄関にクワガタ」(項目参照)もある。厳密には玄関・クワガタとは限らないのだが、対象の家の前や通学/通勤経路に珍しい物を置き、対象がSNSでそれの写真や感想をうpすることで、本人とネット上のアカウントを紐づけするもの。
「珍しい物」を餌としているのが特徴。
モザイクアプローチとは異なり、既に相手の容姿や名前をリアルで見知っている状態・関係性であるが、SNSのアカウントが分からない場合などの特定に用いられる場合はある。
モザイクアプローチの場合、餌を置かなくとも本人のSNS等の文章・写真といった投稿内容から個人情報を推測できてしまうため、自業自得、盛大な自爆といった部分もある。
結果的に
- 文章・写真・映像といった情報を投稿するごとに、相手側の情報も増え命中精度が上がる。
- 制服・容姿・路線・利用駅などが特定できれば、駅で大まかな目星をつけて後を追うだけである。
- 対象と親しい間柄の友人・家族などのSNSと組み合わせて特定してくる場合もある。
- 前述の「玄関にクワガタ」と組み合わせ、人物とアカウントを紐づけ決定打とする場合もある。
学校や利用駅・通勤経路といったある程度の特定であっても、相手も暇なのか地道な調査を続ける人間もおり、後に公開した情報と組み合わせて特定完了させる場合もあるため将来的な安全までは保障できない。
対策
特定に便利な情報を投稿しない。
情報がなければ特定する手段が無くなってしまうため。
「SNS等で何も投稿するな」という意味ではなく、一定の対策で特定困難にできる。
- 個人が特定できる情報を投稿・掲載しない。
- インターネット上に一度投稿した内容や画像を消すことは不可能。
- 自分が大丈夫でも、親しい友人などが不用意な情報を投稿していないか確認する。
- 顔出しなどは十分なリスクを考慮したうえで行う。
- 画像は情報の宝庫であり、いくらでも悪用が可能であるといったリスクを考慮する。
- 特定できる部分はしっかり加工する。スタンプで覆うか濃い目のボカシをかける。
- 変な意地やプライド、視聴閲覧数、インスタ映えやリツイート、いいね!に気を取られない。
- 旅行先など現地で状態を投稿するのではなく、帰宅後に状況報告を行う。
- 写真に撮影状況(時間・場所)といったExif情報の付与を確認し、OFFにしておく。
「私のSNSをもっと見てくれ!」と言っても、不特定多数に発信している以上は
見てくれるのが好意的な人、肯定的な人、悪意を持たない人だけ…とは限らない。
ストーカー、特定してくる相手に悪い意味で「いいね!」をもらってはいけない。
特定されなくても…
特定というリスクを無くしたとしても、既に人だらけのSNSの人気は既に高い競争状態。
普通の事をしている普通の凡人が訳もなく全国的にバズる、時の人になるのは極めて困難である。
自己顕示欲・承認欲求モンスターのかまってちゃんとなる人もいるが
決定的瞬間を待つ以外、地道にアイデア・企画を練ったほうが良いかもしれない。
関連動画
関連リンク
関連項目
- SNS
- インターネット
- 特定(広義)
- 特定厨 / 特定兄貴
- ストーカー
- 個人情報 / 情報
- 顔出し
- 身バレ
- モザイク
- 玄関にクワガタ
- 自爆 / 自業自得
- 黒歴史
- デジタルタトゥー
- セキュリティ
- 危機管理
- 犯罪
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 5
- 0pt