モニュメントとは、主に以下の意味がある言葉。
1.人や出来事を記念するために明示的に作成された構造物のこと。記念碑や慰霊碑など。
2.1の中でも単に「ザ・モニュメント」と言われるロンドン大火記念碑のこと。
3.自転車ロードレースにおいて最も権威ある5つのワンデーレースの総称。
4.ニコニコ動画における生主の一人→モニュメント(生放送主)
本記事では3.について詳述する。
概要
自転車ロードレースを大きく2つに分けると、一日で勝負を決する「ワンデイレース」と、複数日にわたってレースを行う「ステージレース」がある。年間で100近くあるプロロードレースのうちでも格付けがあり、ワンデイレースのうちで特に格調高いレースを「クラシックレース」と言うが、これにあやかって歴史もないのにクラシックを名乗るレースが増えてしまい、何を以てクラシックとするか、という定義の部分が曖昧になってしまった。そこで20世紀末ごろから、特に歴史と伝統ある5つのクラシックレースをまとめて「モニュメント」と呼ぶことになった。
伝統あるクラシックの中でも特に権威があるとみなされるモニュメントの位置づけは非常に高い。年間で100近くあるプロロードレースにはそれぞれポイントがつけられ、1年をかけてそのポイントを競う年間シリーズがあるのだが、最も多くポイントを得られるのがステージレースの最高峰グランツールで、モニュメントはそれに次いで、ワンデイレースでは最も多くのポイントを獲得できると格付けされている。
モニュメントの一覧
第6のモニュメント?
これらに次ぐ他のクラシックサイクリングレースについては、多くのファンや関係者によって議論がある。しばしば話題に上がるレースとしては、毎年3月上旬に開催されるストラーデ・ビアンケや、7月上旬のクラシカ・サンセバスティアンが挙げられる。特にストラーデ・ビアンケについては第6のモニュメントという呼び声高く、参加する選手のレベルも非常に高いことから競馬で言えばスーパーGⅡくらいの立ち位置にいるのだが、距離が長くても200km、そして何よりレース創設が2007年とたった20年も経っていないことが、概ね250km以上を誇り、その歴史は短くても100年以上という他のモニュメントに比べて明らかに劣る。クラシカ・サンセバスティアンの方も歴史は40年ほどと浅くはないが深くもなく、これらをモニュメントに次ぐ最高峰のクラシックレースであるということ自体にはほとんど異論がないものの、第6のモニュメントと呼べるほどかとなると、否定的意見も少なくない。
近年の動向
ほぼポガチャルとファンデルプールによる寡占の状態にある。2024年3月のミラノ~サンレモ以降11レース連続、2年以上にわたってポガチャルかファンデルプールが勝利していたが、2026年のパリ~ルーベでワウト・ファンアールトが勝利したことによって連続勝利は止まった。それでも、表彰台(3位以内)については2023年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを最後に15レース連続で二人のどちらかが登場している。まだ現役である2人には、史上4人目となる全モニュメント完全制覇が期待されている。
また、近年は女性部門も活発に行われている。もともと2004年からロンド・ファン・フラーンデレン女子が開催されていたが、2017年にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ女子、2021年にパリ〜ルーベ女子が創設されるなど拡大が進んだ。2025年になって、2005年以降休止されていたミラノ~サンレモの女子部門が20年ぶりに復活し、イル・ロンバルディア以外の4つのモニュメントで女性版が開催されることになった。
モニュメントに関する記録
この項では、各モニュメントの略称を以下とする。
MSR…ミラノ~サンレモ、RVV…ロンド・ファン・フラーンデレン、PR…パリ~ルーベ
LBL…リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、LOM…イル・ロンバルディア
全モニュメント制覇者
生涯ですべてのモニュメントを制したのは以下の三人のみ。ただし、先述の通りモニュメントがモニュメントとして認知されたのは1980年代から90年代にかけてであり、それ以前の記録についてはその意識はないことに注意されたし。
4モニュメント制覇者
モニュメント完全制覇に王手をかけた選手は以下の通り。
複数モニュメントの同一年制覇者
同一年内に5つのモニュメント全てを完全制覇した例はない。
表彰台(3位以内)に広げれば2025年にタデイ・ポガチャルが史上初めて達成(MSRから順に3位-1位-2位-1位-1位)。
同一年内に4つのモニュメントを制覇した例もない。
表彰台(3位以内)に広げれば、エディ・メルクスが1969年と1975年、ショーン・ケリーが1984年と1986年、タデイ・ポガチャルが2026年に達成している。
同一年内に3つのモニュメントを制覇したのは長らくエディ・メルクスのみが単独で4回[3]も達成しているという状態が続いていたが、タデイ・ポガチャルが2025年[4]、2026年[5]に達成。
同一年内に2つのモニュメントを制覇した例は多数あり、10通り全ての組み合わせで制覇例がある[6]。
2人が同一年内にモニュメントを2つずつ制覇した例は長らくなかったが、2023年にマチュー・ファンデルプールがMSRとPRを、タデイ・ポガチャルがRVVとLOMを制覇して達成。この2人は2024年と2025年にも組み合わせを変えつつ同様の記録を打ち立てた。
最多勝記録と連覇記録
モニュメント勝利数ランキング(2025年4月28日現在。最多は赤字、現役選手は青字)
| 順位 | 選手名 | 回数 | MSR | RVV | PR | LBL | LOM |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | エディ・メルクス
|
19 | 7 | 2 | 3 | 5 | 2 |
| 2 | タデイ・ポガチャル
|
13 | 1 | 3 | 4 | 5 | |
| 3 | ロジェ・デ・フラーミンク
|
11 | 3 | 1 | 4 | 1 | 2 |
| 4 | コスタンテ・ジラルデンゴ
|
9 | 6 | 3 | |||
| 〃 | ファウスト・コッピ
|
〃 | 3 | 1 | 5 | ||
| 〃 | ショーン・ケリー
|
〃 | 2 | 2 | 2 | 3 | |
| 7 | リック・ファン・ローイ
|
8 | 1 | 2 | 3 | 1 | 1 |
| 〃 | マチュー・ファンデルプール
|
〃 | 2 | 3 | 3 | ||
| 9 | ジーノ・バルタリ
|
7 | 4 | 3 | |||
| 〃 | トム・ボーネン
|
〃 | 3 | 4 | |||
| 〃 | ファビアン・カンチェラーラ
|
〃 | 1 | 3 | 3 |
関連動画
関連項目
脚注
- *この時は「雪・バストーニュ・雪」と呼ばれたLBL史上最悪の悪天候の年で、174人の参加者中21人しか完走しなかった。勝ったのはベルナール・イノーで、10分近い差をつける圧勝だったが、その後数年間にわたって凍傷に苦しんだという。
- *この時彼を僅かに差し切ったのはアドリ・ファンデルプール。RVV最多タイ3勝を誇るマチュー・ファンデルプールの実父である。
- *1969年、1971年、1972年、1975年。69年と75年はMSR-RVV-LBL、71年と72年はMSR-LBL-LOMの組み合わせ。
- *RVV-LBL-LOMの組み合わせ
- *MSR-RVV-LBLの組み合わせ。
- *ただしMSR-RVVの組み合わせは、MSR-RVV-LBLの3モニュメント制覇の形でのみ達成されている。
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