モンサントとは、嘗てアメリカ合衆国に本社を持っていた多国籍生物化学企業である。
2018年6月にドイツの化学工業、製薬会社バイエルに買収され社名も消滅した。
概要
モンサント(MONSANTO)。遺伝子組み換え作物の世界シェア90%以上を誇る大企業で特に同社のRoundup(除草剤)とRoundupReady (同社の除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換え作物)が有名である。また、同社はベトナム戦争で有名な枯葉剤を開発したメーカーでもある。
Roundupとは
同社が1970年代に開発した除草剤。 主成分はグリホサート
植物や微生物のみに存在し、人間を含めた動物が有さないシキミ酸経路上のアミノ酸合成酵素を阻害し
それにより、ほとんど植物に深刻なダメージを与えるが
人体には影響が少なく、直接触れても毒性は殆どない。
生物分解により比較的速やかに分解され、表層近くに留まりやすい性質から
土壌汚染をし続ける事が少ない。
(数年経ってもゼロになるとは限らないので誇大広告と訴えられた事がある)
グリホサート耐性雑草とは
Roundup(グリホサート)は優れた特性であるために多目的に使用されていたが、薬剤が作用する酵素の標的部位の変異や、それを分解・修飾する酵素を獲得する事で耐性を持つ雑草が発生した。
また後述のRoundupReadyと交配し、耐性を獲得した雑草が発生し
自然獲得の物と同様に防除も難しいため世界的な問題となっている。
RoundupReadyとは
上記の生き残ったRoundup耐性雑草から遺伝子を導入した薬剤耐性作物で
他の植物がRoundupが散布された土壌でも生育する事ができ
それ自体が毒性を示す遺伝子を有しているわけではないので安全性が高い。
この種子は知的財産権で保護されており、且つ契約時に許可なくこの種子で作付けする事が
禁止されているために以下の問題を引き起こしている。
モンサント問題とは
Roundup(グリホサート)は優れた特性と比較的速やかに分解される物質であるが、一度、農地に散布してしまうと数年待たなければ、その強力な作用によって他の作物の種子を作付けする事がない。
農家は毎年作物を産出しなければならず、許可のない作付けは禁止されているので
必然的にRoundupReadyの種子をモンサントから購入し続ける事になる。
結果的に種子市場において、モンサントが特に北米で独占的な立場を確立し世界的な問題となった。
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関連項目
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