モンスターイーター 〜ダンジョン飯 ボードゲーム〜とは、九井諒子原作・イラスト、鈴木銀一郎ゲーム原案、カナイセイジ製作のボードゲームである。
概要
九井諒子氏の漫画『ダンジョン飯』を、1988年に初版が発売されて以降親しまれ続けている鈴木銀一郎氏のカードゲーム『モンスターメーカー』のシステムをベースに、『ラブレター』等で知られるゲームデザイナーのカナイセイジ氏が製作したボードゲーム。
2022年9月15日にアークライトから発売される。
プレイ人数は2〜5人。
2022年8月10日、『ダンジョン飯』コミックス12巻発売に合わせて『ダンジョン飯』アニメ化と共に本作の発売が発表された。
発表直後から『ダンジョン飯』ファン・ボードゲーマー双方からの熱い注目を受け入手困難となり、発売前の段階での増刷決定がアナウンスされた。現在でも再販が度々行われているが在庫状況は安定しない。
システム
プレイヤーは『ダンジョン飯』作中に登場する5つのパーティーから一つを選び、魔物を食べながら迷宮の踏破を目指すこととなる。
準備
各プレイヤーはまず5つのパーティーの中から使用するパーティーを一つずつ選び、選んだパーティーに所属するキャラクターのカードを手元に並べる。その次に各キャラクターに設定された初期食糧/貨幣/魔力に基づきストックから各種トークンを受け取る。食糧と貨幣はパーティーの共有資産なのでキャラクターカードの下に纏めて置き、魔力は対応するキャラクターカードの上に置く。
その他山札やタイルを用意したら迷宮カードの山札から1人5枚取り手札とする。この時手札にイベントカードが入っていたら処理せず脇によけ引き直す。
そうしたら何らかの手段でスタートプレイヤーを決め、そこから時計回りで手番を進めていく。
ゲームの流れ
手番のプレイヤーは戦闘→探索→遭遇→休息(または調達→遭遇→休息)の順に行動する。
戦闘
モンスターと遭遇している場合にのみ行う。
手番プレイヤーはパーティーから戦闘に参加するキャラクターカードを任意の枚数選び、それらを消耗状態にする。それらのキャラクターに設定された戦闘力の合計がモンスターの戦闘力以上であればプレイヤーの勝利である。
多くの場合戦闘力は「1D+3」のように設定されており6面ダイスによって決定する。また、一部のキャラクターは強力な攻撃手段である魔法を使うこともできる。魔法を使う場合そのキャラクターを消耗させると同時に魔力を1消費し、戦闘力ではなく魔法戦闘力を参照する。
戦闘に勝利したら、次に調理を行う。モンスターカードにはそれぞれ勝利点が設定されているが、調理に成功しなければ得点にならない。調理ではダイス2個を振った数にパーティー全体の調理力を合計した数がモンスターの調理難易度以上となれば成功となる。成功したならモンスターカードを裏返して食料などの調理報酬と共に手に入れる。手にしたモンスターカードがアイテムカードと合わせて6枚以上になったら5枚になるように選んで捨てる。もし調理に失敗したならモンスターカードをモンスター山札の底に戻す。
もし戦闘に敗北したならそのターンは探索を行うことができず、次のターンそのモンスターと再び戦闘することとなる。
探索
手札の探索カードを1枚だけ場に出す。探索カードの多くには踏破率の数字が書かれており、場に出した探索カードの踏破率の合計が100%以上になったらボスモンスターとの遭遇が発生する。
探索カードにはまたキャラクターの消耗や資源の消費と引き換えに資源やアイテム、踏破率を得られるものもある。
調達
食糧トークンを2個獲得すると同時に手札を任意の枚数捨て札にする。
遭遇
手札のモンスター遭遇カードを使用して、自分自身を含む、現在モンスターと遭遇していない任意のプレイヤーの迷宮にモンスター山札の一番上のモンスターカード(公開情報)を配置することができる。
休息
食糧を任意の数消費し、消耗状態のキャラクターを同じ数回復させる。その後手札が5枚になるように山札からカードを引く。この時イベントカードを引いたら処理する。イベントカードには消耗や資源消費で回避できる悪性イベントを起こすものが多い。
ボス戦
最初に踏破率が100%以上になったらボスモンスターであるキメラ・ファリンとの遭遇が発生する。ボスモンスターは誰かに倒されるまで踏破率100%に達したパーティー全てと遭遇する。
キメラ・ファリンを誰かが倒したら踏破率100%に達したプレイヤーは全員自分の浅部/深部タイルを裏返して深部の面を表にし、場に出していた探索カードを全て捨て札にする。
ボスモンスターとの戦闘に勝利した場合は調理は行わず、そのままボスモンスターカードを裏返して手に入れる。ボスモンスターカードの勝利点は「2D」「3D」のようになっており、得点計算時にダイスを振って得点を決定する。
再び踏破率100%に達したら今度は狂乱の魔術師シスルとの遭遇が発生する。誰かが彼を倒した時点でゲーム終了となる。
得点計算
- アイテム/調理成功したモンスター/ボスモンスターの勝利点
- 貨幣トークン3枚につき1勝利点
- 深部踏破率が100%に満たない場合、10%満たない毎にマイナス1勝利点(浅部にいる場合一律マイナス10勝利点)
以上を合計して得点の高い順に順位を付け、1位のプレイヤーが勝者となる。
登場パーティー
ライオスパーティー
- ライオス(戦士、トールマン、戦闘力1D+3、調理力+2)
- マルシル(魔術師、ハーフエルフ、戦闘力1、魔法戦闘力3D、魔力3、回復魔法)
- チルチャック(鍵師、ハーフフット、戦闘力2、貨幣1、リロール3)
- センシ(戦士、ドワーフ、戦闘力1D+2、食糧1、調理力+3)
- イヅツミ(忍者、トールマン、戦闘力1D+2)
調理力合計+5と全パーティーの中で頭一つ抜けており、多くの魔物を高確率で調理可能。戦力的にも恵まれており、チルチャックの特殊能力「リロール3(戦闘時3個のダイスを振り直すことができる)」も非常に便利である。ただ魔法を使えるのはマルシル1人だけという点には注意を要する。
最大の弱点は初期所有食糧1、貨幣1というかなり厳しい資源状況。魔物を倒しては食う原作通りの自転車操業を強いられる。
シュローパーティー
- シュロー(戦士、トールマン、戦闘力1D+4、貨幣1)
- マイヅル(魔術師、トールマン、戦闘力2、魔法戦闘力2D、食糧2、魔力3、調理力+2、回復魔法)
- ヒエン(忍者、トールマン、戦闘力1D、食糧1、貨幣1、リロール2)
- ベニチドリ(忍者、トールマン、戦闘力1D、食糧1、貨幣1、リロール1)
- イヌタデ(戦士、オーガ、戦闘力2D)
非常に高い物理攻撃力を持ち、なおかつリロール持ちの忍者が2人おり高い安定性を持つパーティー。反面魔術師がマイヅル一人かつその魔法戦闘力も微妙と魔術面では見劣りする。
タンスパーティー
- タンス(魔術師、ノーム、戦闘力1、魔法戦闘力2D、貨幣1、魔力3、回復魔法)
- ヤーン(魔術師、ノーム、戦闘力1、魔法戦闘力2D、貨幣1、魔力3、調理力+2)
- カカ(戦士、トールマン、戦闘力1D+2、食糧1)
- キキ(鍵師、トールマン、戦闘力1D+1、食糧1、リロール1)
- ナマリ(戦士、ドワーフ、戦闘力1D+4、食糧1)
華やかさは無いが堅実に強いパーティー。魔力3を持つ魔術師が2人いるのが大きな強み。
カブルーパーティー
- カブルー(戦士、トールマン、戦闘力1D+3、食糧1、貨幣1)
- ミックベル(鍵師、ハーフフット、戦闘力1、食糧1、貨幣2、リロール1)
- クロ(戦士、コボルト、戦闘力1D+2、食糧1)
- ダイア(戦士、ドワーフ、戦闘力1D+2、食糧1、貨幣1)
- ホルム(魔術師、ノーム、戦闘力2、魔法戦闘力1D+3、食糧1、貨幣1、魔力2、回復魔法)
- リンシャ(魔術師、トールマン、戦闘力1、魔法戦闘力2D、食糧1、貨幣1、魔力3)
人数と初期所有トークンの数で優れるが調理力がなく勝利点の獲得に大いに不安のあるパーティー。人数が多い分一人ひとりの戦闘力も微妙に低い。
カブルーの戦闘力はやや高いのと魔術師が2人いるのは喜ばしい点。
カナリア隊
- ミスルン(魔術師、エルフ、戦闘力1D、魔法戦闘力3D、魔力3、回復魔法)
- パッタドル(魔術師、エルフ、戦闘力2、魔法戦闘力1D、食糧2、貨幣2、魔力2、回復魔法)
- シスヒス(魔術師、エルフ、戦闘力1、魔法戦闘力3D、魔力3)
- フレキ(魔術師、エルフ、戦闘力2、魔法戦闘力2D、魔力2、鍵師魔法)
- リシオン(戦士、エルフ、戦闘力1D+3)
- オッタ(魔術師、エルフ、戦闘力2、魔法戦闘力2D、魔力2、鍵師魔法)
6人中5人が魔術師とかなりメンバー構成が偏ったパーティー。最大火力は著しく高いが、魔力の入手手段が限られるこのゲームにおいて「魔力が切れれば何もできない」というのはかなりのリスクである。本職の鍵師や忍者がおらずイベントの対処にも魔力が必要なのも悩み所。また調理力もなく、高火力が無駄になるリスクも高い。
その他
パーティーメンバーをシャッフルして自分でパーティーを作ってゲームをプレイする「ドラフトルール」で使用可能なキャラクターカード。非常にバランスのよい能力値と初期所有トークンを持つ。
関連リンク
- モンスターイーター ~ダンジョン飯 ボードゲーム~ - ArclightGames Official
- 『モンスターイーター ~ダンジョン飯 ボードゲーム~』発売記念企画! - ArclightGames Official:開発者たちによるゲームリプレイが公開されているほか、期間限定で原作者九井諒子氏、『モンスターメーカー』シリーズイラストの九月姫氏、平尾リョウ氏の3者によるサイン入り色紙プレゼントキャンペーンが行われていた。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- なし
- 0
- 0pt