モンスターハンター2単語

• 概要
• 新要素
• 問題点
• 当時の評判とその後の流れ
• MMBBサービスの終了
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モンスターハンター2とは、2006年2月16日にカプコンから発売されたPS2対応の狩猟アクションゲームである。

正式名称はモンスターハンター2（Dos）、カッコ内は「ドス」と読むが、読み方はそれぞれで通称も色々ある。

ニコニコでは「モンスターハンター2」、「dos」、「MH2」でタグ検索すると関連動画が出てくる。ゲームの詳しいシステムはモンスターハンターを参照。

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概要

家庭用据え置き機の前作『モンスターハンターG』から約1年後に発売された。

現在はカプコンの看板商品にまで登りつめた、モンスターハンターシリーズの家庭用据え置き機の第3作目で、2009年にWiiでリメイク作のGが発売されるまで、2年半とシリーズとしては比較的長い間、家庭用最新作だった。

初代に新要素を加えた水増しの意味合いが強い『モンスターハンターG』とは違い、様々な点が大幅に変更され、その多くは後のシリーズにも反映された。特に『モンスターハンター フロンティア オンライン』(MHF)のオンラインのシステムの基にもなっている。
そういった点で、現在のモンスターハンターのシステムの一つの完成形を築いた功績は大きい。

それと同時に、様々な問題点が指摘され、シリーズでも随一批判の絶えない作品として有名。

以下にその新しく追加された新要素とその問題点を詳しく記す。

新要素

本作の売りは「大自然の中を生きて、リアルなハンター生活を楽しむ」というものだった。
それに沿っていくつかの本作にしかない特徴がある。これらは賛否両論だが中には評価の高いものもある。

新武器・新モーションの追加

新たに「太刀」「狩猟笛」「ガンランス」「弓」が追加された。詳しくは各項目参照。
他にも、大剣に溜めモーションが追加されたり、ハンマーで頭を攻撃すると敵が一定時間気絶するようになった。
これにより、全ての武器に満遍なくアドバンテージが付いたことで各武器の人気に変化が見られた。

Gで最強と言われたランスは、会心率の導入や、モーション値等の弱体化の影響で軒並み沈み、新たに片手剣が最強の座に着いた。特に、今作では属性値のバランス調整がまだ完全ではなく、一部片手剣や双剣が猛威を奮い、絶一門シリーズが古龍討伐の必需品となった。

新モンスターの追加

新作が出る度に2、3種の新しいモンスターが登場するのが恒例のモンスターハンターだが、今作では
非常に多くのモンスターが追加された。ちなみに、据え置き機完全新作の次回作であるMH3まで携帯機や
MHFで新作や度重なるアップデートが行われたが、その間に新しい雑魚モンスターは出ていなかった。

追加されたモンスターは、牙獣種・甲殻種・古龍種の3種。ワイバーン系以外のモンスターを出すことによって、よりモンスターハンターの世界観を広げる狙いがあったと思われるが、評価は様々である。

昼夜・季節の概念追加

今作とMHFにのみに見られる独自システムとして、ゲームの中で昼夜の変化や季節の変化が存在することが挙げられる。以降のシリーズでは、フィールドにおける昼夜の変化のみ採用されている。

季節は繁殖期・温暖期・寒冷期の3つに分けられており、繁殖期はモンスターが卵を守るために獰猛になり、温暖期は活動が活発になったモンスターが大量に出現し、寒冷期はモンスターがエサを求めて凶暴になる。
他にも、採取できる虫や草木、アイテムに大きな変化があり、非常に重要な要素となっている。

食事は自宅でも自由に取ることができ、季節により旬の食材があるのでそれを選ぶ必要性も出た。
現在のシリーズとは違い、食事に使う食材もフィールドや店から自分で調達する必要があった。

スキルの発生条件のポイント制への変化

前作までは、スキルを発生させるために防具を特定の組み合わせにする必要があった。今作ではそれが大幅に見直され、それぞれの装備に各スキルが発生するために必要なポイントが付き、一定の数値に達するとスキルが発動する仕様に変わった。これにより、装備の自由度が格段に上がり、見た目重視の装備など、新しい楽しみ方も生まれた。それに伴い、装飾品が登場し、これを防具に装着することで、スキル発動に必要なポイントの不足分を補うことができるようになった。

新しいフィールドの追加

前作までのフィールドは、一部を除いて新しいものに換えられた。特に、木々が生い茂っていて視界が悪い密林や、広大すぎて移動が面倒な砂漠など、問題が多かったフィールドは、よりモンスターと戦いやすい構造に変わっている。そして、新フィールドとして「雪山」と「塔」が登場した。

クエストの内容変更

前作までは「討伐」と「捕獲」がクエストのクリア条件で明確化されていたが。今作からは古龍などの捕獲不可能なモンスターを除き、基本的に捕獲でも討伐でもいい「狩猟」というクリア条件になった。

他にも、通常のクエストに加え「サブクエスト」が存在するクエストが登場した。大半は「ザコモンスターを特定数倒す」や「アイテムを指定数納品する」、「モンスターの特定の部位を破壊する」など、通常のクエストの片手間で行えるものとなっている。達成すると報酬が発生するほか、そのクエストをクリアした扱いになり、そのままアイテムを持って帰れる。

主に、尻尾を切ってサブクエストクリアを繰り返す「マラソン」と呼ばれる作業で重宝された。携帯機の作品でもこのサブクエストを作って欲しいという声は多く、近年の作品で言うところの「素材ツアー」につながった。 

問題点

前述のように、シリーズの礎となる新しい要素が数多く追加された今作だが、シリーズでも一番の問題作と評価されることも多い。特にあげられることの多い問題点をここに列挙する。

敵モンスターのバランスがおかしい（能力面）

まず一番にあげられるのがこれである。具体的にいうと、討伐にかかる時間が携帯機のそれとは比べ物にならない程長い。一般的な飛竜でもソロで上位なら10分やそこらでは沈まないぐらいタフである。古龍はそれを遥かに凌ぐ（武器や防具が揃って腕も上がれば、10分以内に倒すこともできるようにはなるが・・・）

原因をMHP2Gで例えると「G級並の耐久力を持つ敵を上位、しかも上位に入ったばかりぐらいの攻撃力の武器で相手にしなくてはいけない」からである。
今作は武器の攻撃力が前作のGよりも低いものしかなく（大剣、ハンマーなら1000前後、ランスなら500未満、片手剣、双剣なら300、即ち武器倍率にして概ね200を超える武器はほとんど存在しない）、簡潔に言うとバランスが整っていない。データを見て直感的にそう感じられる原因は、体力や攻撃力を村、街下位、街上位と上がるたびにステータスを1.5倍、1.5倍……としていくような、単純な能力の設定方法にしたからだと予想される。

雑魚敵も例外ではなく、「ボスよりも周りのザコのほうが強い」と評されるぐらい耐久力・攻撃力が高い。
ヤオザミの地面からの強襲攻撃などは、恐らくMHP2Gのそれよりも3倍近い威力があった。
スーパーアーマー持ちでかつ攻撃力の高いヤオザミは、特に最初期のハンターの壁となり、初期武器のハンターナイフで挑んで1匹倒すのに5分かかった、むしろ返り討ちにあったというハンターが複数いたのは嘘のようなホントの話である。

敵モンスターのバランスがおかしい（システム面）

季節の概念が存在し、その季節には生息しない設定のモンスターが出せなくなった結果、寒冷期のフィールドは強敵のブルファンゴやコンガだらけになった。そして、季節によってモンスターに最大で倍、多くのモンスターには1.5倍近くの体力補正が掛けられ、それが戦いをより困難にさせている。
そして、ガブラス・大雷光虫・ランゴスタなどの飛ぶザコ敵は、高確率で複数匹配置＆無限沸きという素敵仕様である。

この点についてはさほど問題にあがらないが、前作からのプレイヤーが一同に挙げる最大の問題点は、これらのザコモンスターがそれまでの作品とは比較にならないぐらい的確にプレイヤーを攻撃してくるという点である。

前作までは大型モンスターとの戦いがメインで、小型のモンスターはそれらを演出するオプションに過ぎなかった。
しかし、今作からは小型の敵はプレイヤーを邪魔する敵という位置づけで完全に固定されてしまい、攻撃の精度が異常に上がり、タメモーションを持つ武器や、防御力の低いガンナーの最大の敵と化してしまった。
小型モンスターが大型モンスターとともに執拗にハンターを攻撃してくる様は、まさにハンターを殺す機械である。

新しく追加された武器が完全な調整不足

各武器それぞれに問題点はあるが、共通するのは「種類が少ない」と「攻撃力が低い」という点である。
その他の各問題点は以下の通り。

太刀	武器の威力補正は大剣と同じなのに一回の攻撃で与えられるダメージは大剣の半分程度、片手剣並で 属性値を当てにするのなら片手剣のほうが優秀というどっちつかずの半端な武器になってしまった。 一応長いリーチが片手剣との差別点とはなったものの、そのリーチがネットワークモードの禍の元に・・・ 使用するプレイヤーが低年齢層で固まったため、長いリーチが災いして妨害に会う人が続出。
狩猟笛	補正の関係で攻撃力がどうしようもなく低くなる上、気絶目的ならハンマーのほうが優秀な技が多い。 能力を強化するという特性も、アイテムで代用できるものが多いため、重要性がそれほど高くない。 特に、今作には強走薬グレートを容易に作り出す方法が存在するのも拍車をかけた。
ガンランス	狩猟笛ほどではないが、攻撃効率が悪い。砲撃の威力も飾り程度にしかなっておらず、 発売当初ガンランスの砲撃に期待していた人たちをガッカリさせた。 どの攻撃も仲間を妨害する効果が高いものが多く、 特に砲撃は壁に追い詰めればハメられるせいで、しばしばオンラインで問題が起こった。
弓	連射・拡散・貫通の3種類だが、拡散の威力が段違いに低い。 しかも、攻撃力の高い武器に限って拡散であったり、戦えるモンスターが限定してしまう貫通であることが多く、攻撃性能が一番優秀な連射がタメ3になっているものが少ない。 そのため、最終的に使えるのはほんの2、3種類のみ。 また、PS2版の弓の操作は、コントローラーの仕様でとても難しい。

後の作品では、武器のバリエーションを増やしたり、ダメージ値が上げられるなどの調整が行われたことで問題は解消されたが、当時はこれらの武器を持ってくるだけでオンラインでは地雷扱いされることもあった。

そもそも、新システムのほとんどが理不尽

前述のモンスター、各武器の問題点の他にも、新しく追加されたシステムには批判が多い。

簡単に説明すると以下の通り。

季節の導入	わざわざ季節を変えないと戦えないモンスターが存在。しかもオンラインでは変更できない。 季節によって入れないフィールドが存在することも、これらのシステムに不満が増える原因となった。 ちなみに、オンラインで季節が変わるのに必要な時間は20時間以上（恐らく23時間程度）である。
昼夜の導入	各フィールドはは昼夜で大小の違いはあるが地形に変化が出る。しかし、火山のように道が ふさがったり、密林のように視界が悪くなるといった一方的にプレイヤーが不利になる変化がほとんどで、夜だからモンスターが眠るなどの有利な変化は一切ない。
食事システムの食材の是非	先述した通り、食事をする際に食材を自分で調達しないといけない。 季節によって効果が違うのは説明の通りだが、実は各季節ごとに1つレシピを覚えておけばいいので、必要な食材は実際のところ、全体の半分もない。 今作はまだアイテムボックスをポーチに入れられる数ごとに区切られていた時代の作品のため （現在のように全アイテムが一律で1枠99個や9999個ではなく、回復薬なら10個、トラップツールなら2個で1枠だった）、常にボックスはギリギリで運用しないといけない。 その中で使わない食材がボックス内を圧迫する最大の原因となることが多い。 場合によっては、必要な食材だけ持っていてもギリギリになる。
スキルのポイント制	ポイントが非常にシビアで、優秀なものが2つ以上付けられることは稀。 装飾品も付けられる数が少なく、強い防具ほど付けられる数が少なくなるため機能しない。 テンプレ装備以外は有用な組み合わせがないほどの自由度で、オンライン上では一時期のMHF以上に（武器も含めた）装備差別・装備指定が横行した。 そして、装飾品は着脱可能ではなく、外したら壊れるため、容易に作ることができない。 この反動かは不明だが、MHFはスキルゲーといわれるほどこの部分が緩くなった。
新モンスターの追加	強力すぎる攻撃を持つモンスターが多い。特に、古龍種は今作の目玉でありながら、一方的にプレイヤーを不利にする能力の数々から大不評だった。
既存のモンスターの変更	特に、リオレウスは頻繁にエリア移動、もしくは空中を飛び回り、多くのプレイヤーからヘタレウスなどと呼ばれるまでになってしまった。他のモンスターも動きが早く、鋭くなり、 生き物としての特徴を廃したハンターを殺すための「殺人マシーン」と表現されることも。
素材を使った防具の強化	強力な防具の強化に必要な素材がかなり偏っている。紅玉や古龍素材がほとんどを占めており、毎日数時間プレイする程度の人は集めるのに苦労する。 特に、テオ・テスカトルの「炎龍の塵粉」がその入手難易度に見合わない高需要を誇り、しばしばこれらを入手することが目的の作業クエストがオンライン上で目立つこととなった。

総じて「ストレスがたまる仕様」と称されることが多い。雑誌のインタビューでこういったバランスの問題を指摘された際に、開発スタッフが「まぁ、自然はきびしいってことで（笑）」と開き直って認めたことが事態を悪化させた。

当時の評判とその後の流れ

その高難易度と理不尽な仕様、前作からの大幅な変化によりクソゲーの烙印を押されることも多かったが、あくまでも「前作と比べて」なので、前作から遊んでいる人と新規で入ってすんなり溶け込めた人との間で大きく評価が分かれた。

しかし、そもそも据え置き機用のシリーズ作品は難易度が高く（≒ポータブルシリーズの難易度設定は意図的に低い）、前作や初代からプレイしていた人間もが皆拒否感を示すようなものではなかった。
実際に、今作の売り上げは約69万本と、前作『G』の倍以上の売り上げを記録している。

とはいえ、敷居が低く、友達とハードを持ち寄っての協力プレイという魅力を持った『ポータブル』の方が評価が高かった。
ポータブルシリーズは『2nd』でミリオンセラーを達成し、後に『2nd G』で約410万本、『3rd』で約470万本を売り上げる怪物シリーズへと成長したのはもはや誰もが知るところである。
結果として、「据え置き機ではモンスターハンターは売れない」というジンクスを作ることになってしまった。

その後、評判があまりに悪かったのが原因か、プロデューサーはカプコンを退社してしまった。
このT氏への親しみを込めて「tnksn」という言葉が誕生する始末だったことも考えると仕方ないといえばそうだが、以前にT氏が手がけたデビルメイクライ2も似たような酷評ぶりだったので、今作ばかりが原因ではないという人間もいる。

ポータブルシリーズはこの後、「季節の概念の廃止」、「防具の強化に素材は使わない」、「アイテムの収集を農場で済ます」「度を越えた魔法のような技を使うモンスターを出さない」等、今作で不評だったシステムをバッサリと切り捨て、いずれも好評を得た。
このような事情もあって、現在でもMH2の評価は低いままである。

その後、据え置き機向けに発売された『モンスターハンター3』や『モンスターハンター:ワールド』がいずれも大ヒットを記録したことで、「据え置き機では売れない」というジンクスは否定されたと言えよう。

MMBBサービスの終了

KDDIが提供するオンラインゲーム用ネットワークサービス「マルチマッチングBB」（MMBB）が2011年6月30日に終了することが、KDDIとカプコンからのお知らせで明らかとなった。
MH2もこのMMBBに対応しているゲームソフトであり、今作のオンラインサービスは約5年で幕を閉じている。
当たり前のことだが、オフラインモードはMMBBサービス終了後も引き続きプレイすることができるので御安心を。

その他、MMBBに対応しているソフトは『モンスターハンターG』『バイオハザード アウトブレイク』等々。

ちなみに、これに伴いドンドルマの街にリアルタイムで行ける機会が完全に無くなってしまった。

関連動画

いくつかプレイ動画が上げられている。詳しくはこちらを参照。

関連商品

関連項目

• カプコン
• PlayStation 2
• モンスターハンター
• モンスターハンターフロンティア - システム面で影響を色濃く受けており、事実上のモンスターハンター2Gとなっている。
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